JP2778770B2 - ポリマー型重合開始剤 - Google Patents

ポリマー型重合開始剤

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JP2778770B2 JP1324235A JP32423589A JP2778770B2 JP 2778770 B2 JP2778770 B2 JP 2778770B2 JP 1324235 A JP1324235 A JP 1324235A JP 32423589 A JP32423589 A JP 32423589A JP 2778770 B2 JP2778770 B2 JP 2778770B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、新規なポリマー型重合開始剤に関するもの
であり、更に詳しくは、被覆剤、表面改質剤、高分子相
溶化剤等として有用な界面活性高分子を合成するための
前躯体となる新規なポリマー型重合開始剤に関するもの
である。
(背景技術) 近年、高分子材料に対して、多くの性能や機能が要求
されるようになってきている中で、特にブロック共重合
体やグラフト共重合体は、例えばポリマーの改質剤や高
分子相溶化剤等の如き、それらの特性を生かした用途に
おいて注目を受けている。
そして、このようなグラフト共重合体の合成法として
は、i)ポリマーの存在下で異種モノマーを重合し、連
鎖移動反応を利用してグラフト化する方法(連鎖移動
法)、ii)幹ポリマーを酸素或いはオゾンにより酸化
し、それによって生成された活性基を利用してグラフト
化する方法(酸化グラフト重合法)、iii)放射線によ
るグラフト重合法、iv)ポリマー分子中に二重結合を導
入して、異種モノマーと共重合する方法(マクロモノマ
ー法)等が古くから知られている。しかしながら、前記
連鎖移動法では、グラフト効率が低く、高機能を有する
グラフト共重合体を得ることが困難であるという問題が
あり、また酸化グラフト重合法では、酸化に伴って、幹
ポリマーの切断が惹起され易く、しかもグラフト効率は
せいぜい10%前後と低いという問題があった。また、前
記放射線によるグラフト重合法では、真空中或いは不活
性ガス中において操作が行なわれるところから、その操
作が煩雑になるという問題があり、更にマクロモノマー
法にあっては、マクロモノマーの合成が煩雑であると共
に、共重合反応性がマクロモノマーの分子量に影響され
易い等の問題があったのである。
そこで、上記の如き問題点を解決するために、分子内
に共重合性二重結合を有するアゾ化合物或いはペルオキ
シド化合物を共重合させたポリマー型重合開始剤による
グラフト共重合体の製造方法が提案されるに至った。例
えば、「Polymer Preprints Japan」,Vol.33,p.75,p.10
59(1984)では、アゾ化合物中にメタクリロイル基を有
する化合物を共重合させることにより、グラフト共重合
体を得る方法が示されている。しかしながら、重合基を
有するアゾ化合物を多量共重合させると、しばしば架橋
反応が起こるところから、少量しか共重合させることが
出来ず、従ってグラフト効率は低くなる傾向があると共
に、アゾ化合物は、一般に開始剤効率が小さいため、グ
ラフト効率は更に低くなるという問題がある。
また、ペルオキシド基を含有するポリマー型重合開始
剤を用いたグラフト共重合体の製造例としては、例えば
英国特許第1041088号明細書では、メチルメタクリレー
トとt−ブチルペオキシメタクリレートとの共重合体に
スチレンをグラフト重合させることが開示されており、
更に特公昭46−34100号公報においては、ジ(t−ブチ
ルペルオキシ)フマレートとスチレンとの共重合体にメ
チルアクリレートをグラフト重合させることが明らかに
されている。このようなポリマー型重合開始剤を用いた
グラフト共重合体は、幹ポリマーと枝ポリマーとの相溶
性を改善するためのグラフト共重合体としては有用であ
る。しかし、ながら、例えば疎水性表面を親水性表面に
改質するために用いられるような、疎水性部位と親水性
部位の両者を有する界面活性高分子を合成する場合にお
いて、かかるポリマー型重合開始剤は、疎水性が強いた
めに、親水性モノマーをグラフト重合させる際に、親水
性モノマー或いはその重合溶媒に不溶性であり、従って
親水性モノマーをグラフト重合させ難いという問題があ
った。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為
されたものであって、その解決すべき課題とするところ
は、疎水性表面を親水性表面に改質するための疎水−親
水グラフト共重合体を得る際に、親水性モノマー或いは
その重合溶媒に可溶性であると共に、グラフト効率が非
常に高いグラフト共重合体を効果的に得ることの出来る
ポリマー型重合開始剤を提供することにある。
(解決手段) そして、本発明者らは、かかる課題を解決するために
鋭意研究を重ねた結果、N−ビニルラクタムとペルオキ
シド含有フマレートとの共重合体、或いはN−ビニルラ
クタムとペルオキシド含有フマレート及び所定のフマル
酸ジエステルとの共重合体が、種々の親水性モノマー或
いはその重合溶媒に溶解し易く、しかもそれらの種々の
組合せにより、良好な界面活性能を有する疎水−親水グ
ラフト共重合体を製造できるという事実を見い出し、本
発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、(A)N−ビニルラクタムの40
〜60モル%と、(B)下記一般式 (I): (但し、R1は、炭素数18以下の直鎖状アルキル基、分枝
鎖状アルキル基若しくは環状アルキル基または炭素数が
6〜18の芳香族基を示し、R2は、炭素数13以下の直鎖状
アルキル基、分枝鎖状アルキル基若しくは環状アルキル
基またはフェニル基を示す) にて表わされるペルオキシド含有フマレートの少なくと
も1種の40〜60モル%とを共重合させて得られる二元系
のポリマー型重合開始剤を、その要旨とするものであ
る。
そして、また、本発明にあっては、(A)N−ビニル
ラクタムの40〜60モル%と、(B)(b1)下記一般式
(I): (但し、R1は、炭素数18以下の直鎖状アルキル基、分枝
鎖状アルキル基若しくは環状アルキル基または炭素数が
6〜18の芳香族基を示し、R2は、炭素数13以下の直鎖状
アルキル基、分枝鎖状アルキル基若しくは環状アルキル
基またはフェニル基を示す) にて表わされるペルオキシド含有フマレートの少なくと
も1種と、(b2)それぞれ所定の、アルキル−フルオロ
アルキル系フマレート、アルキル−シリコン含有アルキ
ル系フマレート、フルオロアルキル−シリコン含有アル
キル系フマレート、ビス(フルオロアルキル)系フマレ
ート及びビス(シリコン含有アルキル)系フマレートよ
りなる群から選ばれたフマル酸ジエステルの少なくとも
1種とをモル比で9:1〜1:9の割合で組み合わせてなるも
のの60〜40モル%とを共重合させて得られる三元系のポ
リマー型重合開始剤をも、その要旨とするものである。
(具体的構成) ところで、かかる本発明に従う二元系、三元系のポリ
マー型重合開始剤においては、何れも、N−ビニルラク
タムが共重合せしめられるが、そのようなN−ビニルラ
クタムとして、具体的に、N−ビニル−2−ピロリド
ン、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビ
ニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,
5−トリメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−フ
ェニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−ベンジル−
2−ピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカ
プロラクタム、N−ビニルカプリルラクタム等が挙げら
れ、これらの中から、単独で、または2種以上を組み合
わせて用いられることとなる。なかでも、N−ビニル−
2−ピロリドンは、代表的な汎用モノマーであり、容易
に入手し得るものであるところから、本発明では、特に
好適に用いられる。
また、本発明にあっては、かかるN−ビニルラクタム
に対して、前記一般式(I)にて表わされるペルオキシ
ド含有フマレートが共重合せしめられることとなるが、
このペルオキシド含有フマレートとしては、具体的に
は、t−ブチルペルオキシ−メチルフマレート、t−ブ
チルペルオキシ−エチルフマレート、t−ブチルペルオ
キシ−イソプロピルフマレート、t−ブチルペルオキシ
−n−ブチルフマレート、t−ブチルペルオキシ−n−
ペンチルフマレート、t−ブチルペルオキシ−n−ヘキ
シルフマレート、t−ブチルペルオキシ−n−オクチル
フマレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシ
フマレート、t−ブチルペルオキシ−ラウリルフマレー
ト、t−ブチルペルオキシ−ステアリルフマレート、t
−ブチルペルオキシ−フェニルフマレート、t−ブチル
ペルオキシ−シクロヘキシルフマレート、t−ペンチル
ペルオキシ−メチルフマレート、t−ペンチルペルオキ
シ−エチルフマレート、t−ペンチルペルオキシ−イソ
プロピルフマレート、t−ペンチルペルオキシ−n−ブ
チルフマレート、t−ペンチルペルオキシ−n−ペンチ
ルフマレート、t−ペンチルペルオキシ−n−ヘキシル
フマレート、t−ペンチルペルオキシ−n−オクチルフ
マレート、t−ペンチルペルオキシ−2−エチルヘキシ
ルフマレート、t−ペンチルペルオキシ−ラウリルフマ
レート、t−ペンチルペルオキシ−ステアリルフマレー
ト、t−ペンチルペルオキシ−フェニルフマレート、t
−ヘキシルペルオキシ−メチルフマレート、t−ヘキシ
ルペルオキシ−エチルフマレート、t−ヘキシルペルオ
キシ−イソプロピルフマレート、t−ヘキシルペルオキ
シ−n−ブチルフマレート、t−ヘキシルペルオキシ−
n−ペンチルフマレート、t−ヘキシルペルオキシ−n
−ヘキシルフマレート、t−ヘキシルペルオキシ−n−
オクチルフマレート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エ
チルヘキシルフマレート、t−ヘキシルペルオキシ−ラ
ウリルフマレート、t−ヘキシルペルオキシ−ステアリ
ルフマレート、t−クミルペルオキシ−メチルフマレー
ト、t−クミルペルオキシ−エチルフマレート、t−ク
ミルペルオキシ−イソロピルフマレート、t−クミルペ
ルオキシ−n−ブチルフマレート、t−クミルペルオキ
シ−n−ペンチルフマレート、t−クミルペルオキシ−
n−ヘキシルフマレート、t−クミルペルオキシ−n−
オクチルフマレート、t−クミルペルオキシ−2−エチ
ルヘキシルフマレート、t−クミルペルオキシ−ラウリ
ルフマレート、t−クミルペルオキシ−ステアリルフマ
レート等が挙げられる。
ここにおいて、本発明に従うところのポリマー型重合
開始剤の一つ(二元系)は、上記の成分、即ち所定のN
−ビニルラクタム及び一般式(I)にて示されるペルオ
キシド含有フマレートからなるモノマー混合物を共重合
させて得られるものであるが、本発明は、更に、それら
の成分に加えて、それぞれ所定の、アルキル−フルオロ
アルキル系フマレート、アルキル−シリコン含有アルキ
ル系フマレート、フルオロアルキル−シリコン含有アル
キル系フマレート、ビス(フルオロアルキル)系フマレ
ート及びビス(シリコン含有アルキル)系フマレートよ
りなる群から選ばれたフマル酸ジエステルを共重合せし
めてなる三元系のポリマー型重合開始剤をも、その特徴
とするものである。
なお、上記のアルキル−フルオロアルキル系フマレー
トとしては、下記一般式(II): (式中、R1は前記と同様であり、またR3は、−(CH2
−CaHbF2a+1-b〔式中、aは1〜21の整数、bは0又
は1、kは0〜3の整数である〕を示す) にて表わされるものが用いられることとなる。具体的に
は、メチル−トリフルオロエチルフマレート、エチル−
トリフルオロエチルフマレート、イソプロピル−トリフ
ルオロエチルフマレート、オクチル−トリフルオロエチ
ルフマレート、フェニル−トリフルオロエチルフマレー
ト、メチル−ヘキサフルオロイソプロピルフマレート、
エチル−ヘキサフルオロイソプロピルフマレート、イソ
プロピル−ヘキサフルオロイソプロピルフマレート、オ
クチル−ヘキサフルオロイソプロピルフマレート、シク
ロヘキシル−ヘキサフルオロイソプロピルフマレート、
フェニル−ヘキサフルオロイソプロピルフマレート、メ
チル−オクタフルオロペンチルフマレート、エチル−オ
クタフルオロペンチルフマレート、イソプロピル−オク
タフルオロペンチルフマレート、オクチル−オクタフル
オロペンチルフマレート、シクロヘキシル−オクタフル
オロペンチルフマレート、フェニル−オクタフルオロペ
ンチルフマレート等が挙げられる。
また、前記アルキル−シリコン含有アルキル系フマレ
ートとしては、下記一般式(III): (式中、R1は前記と同様であり、R4は、 〔A1,A2,A3は、それぞれ、−CH3または−O−Si(CH3
からなる基を示す〕を示し、lは0又は1、mは1〜
3の整数、nは0又は1である。但し、n=1のときl
=0とする) にて表わされるものが用いられる。かかるアルキル−シ
リコン含有アルキル系フマレートの具体例としては、メ
チル−トリメチルシリルプロピルフマレート、エチル−
トリメチルシリルプロピルフマレート、イソプロピル−
トリメチルシリルプロピルフマレート、オクチル−トリ
メチルシリルプロピルフマレート、シクロヘキシル−ト
リメチルシリルプロピルフマレート、フェニル−トリメ
チルシリルプロピルフマレート、メチル−ペンタメチル
ジシロキサニルプロピルフマレート、エチル−ペンタメ
チルジシロキサニルプロピルフマレート、イソプロピル
−ペンタメチルジシロキサニルプロピルフマレート、オ
クチル−ペンタメチルジシロキサニルプロピルフマレー
ト、シクロヘキシル−ペタメチルジシロキサニルプロピ
ルフマレート、フェニル−ペンタメチルジシロキサニル
プロピルフマレート、メチル−メチルビス(トリメチル
シリルオキシ)シリルプロピルフマレート、エチル−メ
チルビス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフ
マレート、イソプロピル−メチルビス(トリエチルシリ
ルオキシ)シリルプロピルフマレート、オクチル−メチ
ルビス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマ
レート、シクロヘキシル−メチルビス(トリメチルシリ
ルオキシ)シリルプロピルフマレート、フェニル−メチ
ルビス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマ
レート、メチル−トリス(トリメチルシリルオキシ)シ
リルプロピルフマレート、エチル−トリス(トリメチル
シリルオキシ)シリルプロピルフマレート、イソプロピ
ル−トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピル
フマレート、オクチル−トリス(トリメチルシリルオキ
シ)シリルプロピルフマレート、シクロキシル−トリス
(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマレー
ト、フェニル−トリス(トリメチルシリルオキシ)シリ
ルプロピルフマレート、メチル−ペンタメチルジシロキ
サニルプロピルオキシエチルフマレート、エチル−ペン
タメチルジシロキサニルプロピルオキシエチルフマレー
ト、イソプロピル−ペンタメチルジシロキサニルプロピ
ルオキシエチルフマレート、オクチル−ペンタメチルジ
シロキサニルプロピルオキシエチルフマレート、シクロ
ヘキシル−ペンタメチルジシロキサニルプロピルオキシ
エチルフマレート、フェニル−ペンタメチルジシロキサ
ニルプロピルオキシエチルフマレート等が挙げられる。
さらに、前記フルオロアルキル−シリコン含有アルキ
ル系フマレートとしては、下記一般式(IV): (式中、R3,R4,m及びnは、それぞれ、前記と同様であ
る) にて表わされるものが用いられるが、その具体例として
は、トリフルオロエチル−トリメチルシリルプロピルフ
マレート、ヘキサフルオロイソプロピル−トリメチルシ
リルプロピルフマレート、オクタフルオロペンチル−ト
リメチルシリルプロピルフマレート、トリフルオロエチ
ル−ペンタメチルジシロキサニルプロピルフマレート、
ヘキサフルオロイソプロピル−ペンタメチルジシロキサ
ニルプロピルフマレート、オクタフルオロペンチル−ペ
ンタメチルジシロキサニルプロピルフマレート、トリフ
ルオロエチル−メチルビス(トリメチルシリルオキシ)
シリルプロピルフマレート、ヘキサフルオロイソプロピ
ル−メチルビス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロ
ピルフマレート、オクタフルオロペンチル−メチルビス
(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマレー
ト、トリフルオロエチル−トリス(トリメチルシリルオ
キシ)シリルプロピルフマレート、ヘキサフルオロイソ
プロピル−トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプ
ロピルフマレート、オクタフルオロペンチル−トリス
(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルフマレー
ト、トリフルオロエチル−ペンタメチルジシロキサニル
プロピルオキシエチルフマレート、ヘキサフルオロイソ
プロピル−ペンタメチルジシロキサニルプロピルオキシ
エチルフマレート、オクタフルオロペンチル−ペンタメ
チルジシロキサニルプロピルオキシエチルフマレート等
が挙げられる。
更にまた、前記ビス(フルオロアルキル)系フマレー
トとしては、下記一般式(V): (式中、R3は前記と同様である) にて表わされるものが用いられ、具体的には、ビス(ト
リフルオロエチル)フマレート、ビス(テトラフルオロ
プロピル)フマレート、ビス(ヘキサフルオロイソプロ
ピル)フマレート、ビス(オクタフルオロペンチル)フ
マレート等が挙げられる。
また、前記ビス(シリコン含有アルキル)系フマレー
トとしては、下記一般式(VI): (式中、R4,m及びnは、それぞれ前記と同様である) にて表わされるものが用いられることとなる。具体的に
は、ビス(トリメチルシリルプロピル)フマレート、ビ
ス(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)フマレー
ト、ビス(ペンタメチルジシロキサニルプロピルオキシ
エチル)フマレート、ビス(メチルビス(トリメチルシ
リルオキシ)シリルプロピル)フマレート、ビス(トリ
ス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピル)フマレ
ート等が挙げられる。
ここにおいて、本発明に従って、前記N−ビニルラク
タムと、前記一般式(I)にて表わされるペルオキシド
含有フマレートとからなる二元系ポリマー型重合開始剤
を製造するに際しては、前者の40〜60モル%に対して、
後者の40〜60モル%が共重合せしめられることとなる。
即ち、ペルオキシド含有フマレートは、単独重合性に乏
しいが、N−ビニルラクタムとは良好に共重合するとい
う性質を有すると共に、得られる共重合体が相互性に富
むという特異な性質を呈するものであるが、N−ビニル
ラクタムが40モル%より少ない場合には、未反応ペルオ
キシド含有フマレートが残存するのみであって経済的で
はなく、一方N−ビニルラクタムを60モル%より多く使
用した場合、換言すればペルオキシド含有フマレートを
40モル%より少ない量において用いた場合には、生成す
るポリマーはペルオキシド含有フマレートを含有するポ
リマーとN−ビニルラクタムのホモポリマーとの混合物
となり易く、ポリマー型重合開始剤の分別精製が困難と
なって、好ましくないのである。従って、N−ビニルラ
クタムの使用量は、40〜60モル%、より好適には50モル
%とされることとなる。
また、本発明に従う三元系のポリマー型重合開始剤に
おいては、前記N−ビニルラクタムの40〜60モル%と、
前記ペルオキシド含有フマレートと前記所定のフマル酸
ジエステルとを9:1〜1:9の割合(モル)で組み合わせて
なるものの60〜40モル%とを用いて、それらを共重合せ
しめることにより、目的とするポリマー(重合開始剤)
が製造されることとなるのである。
この場合においても、前記と同様に、ペルオキシド含
有フマレートのみならず、前記フマル酸ジエステル、例
えば一般式(II)〜(VI)にて示されるフマル酸ジエス
テルは、単独重合性に乏しいが、それらはN−ビニルラ
クタムとは良好に共重合するという性質を有しており、
また得られる共重合体は交互性に富むという特異な性質
を呈するものであるが、N−ビニルラクタムを40モル%
より少ない量において用いると、未反応物が残存して経
済的ではなく、またN−ビニルラクタムを60モル%より
多く用いると、生成するポリマーはペルオキシド含有フ
マレート及びフマル酸ジエステルを含有するポリマーと
N−ビニルラクタムのホモポリマーとの混合物となり易
く、ポリマー型重合開始剤の分別精製が困難となり、好
ましくない。従って、N−ビニルラクタムの使用量は、
40〜60モル%、より好適には50モル%とされることとな
る。
また、ペルオキシド含有フマレートを前記割合より少
ない量において使用すると、生成したポリマー型重合開
始剤から製造されるグラフト共重合体は、グラフト効率
が低いものとなってしまうため好ましくなく、また前記
割合より多く用いると、必然的に前記フマル酸ジエステ
ルの使用量を少なくせざるを得ず、ポリマー型重合開始
剤中の疎水性部位として機能する該フマル酸ジエステル
の効果が有効に発現されないため、好ましくない。従っ
て、ペルオキシド含有フマレートの使用量は、フマル酸
ジエステルに対して、モル比にて9:1〜1:9の割合とする
必要があるのであり、またそれらペルオキシド含有フマ
レートとフマル酸ジエステルの合計量は、前記N−ビニ
ルラクタムの使用量に関連して、60〜40モル%とされる
こととなるのである。
ところで、本発明に係るポリマー型重合開始剤は、一
般的なラジカル重合開始剤を用いるラジカル重合法によ
り容易に合成され、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁
重合、乳化重合等の公知の重合技術によって行なわれ得
る。
また、かかる重合反応の温度としては、ペルオキシド
含有フマレート中のペルオキシド基の分解が抑制される
範囲、即ち約0℃〜約60℃の範囲が適当である。このよ
うな重合温度の範囲内で使用出来るラジカル重合開始剤
としては、例えば2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−
シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物やイソブチルペルオキ
シド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−
ブチルエルオキシピバレート等の有機過酸化物等が挙げ
られ、これらのうちから1種または2種以上を選択して
使用することが出来る。更に、これらラジカル重合開始
剤の使用量としては、重合させるべき全単量体の100重
量部に対して、約0.01〜5重量部の範囲が好ましい。
なお、重合時間は、重合温度、ラジカル重合開始剤の
種類等に応じて決定されることとなるが、1〜72時間程
度が好適に採用される。
このようにして得られるポリマー型重合開始剤の数平
均分子量は、約1000〜100万の範囲が好ましく、より好
ましい範囲は、約1000〜約1万である。即ち、数平均分
子量が、約1000より小さい場合は、そのポリマー型重合
開始剤を用いて得られるグラフト共重合体中の、幹ポリ
マーの性質が発揮されなくなる傾向にあるからであり、
また、数平均分子量が、約100万より大きくなると、そ
のポリマー型重合開始剤を用いて得られるグラフト共重
合体の分子量が非常に大きくなり、従って、例えば、そ
のグラフト共重合体を高分子表面改質剤として用いる場
合に、その溶解性が劣ってくる傾向にあるからである。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上
記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
実施例 1 N−ビニル−2−ピロリドン(以下、NVPと略称す
る):0.31g(0.0028モル)、t−ブチルペルオキシ−ラ
ウリルフマレート(以下、LF−POと略称する):1.00g
(0.0028モル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)(以下、V−65と略称する):0.002g(8.0
5×10-6モル)、及びテトラヒドロンフラン(以下、THF
と略称する):2ccを、50mlのガラス製アンプル中に入
れ、かかるアンプル内を窒素ガス置換した後、封管し、
40℃の温度にて18時間重合せしめた。そして、重合が終
了した後、このポリマー溶液を30ccのジエチルエーテル
で稀釈して、分液ロートに移した。次いで、蒸留水で3
回洗浄した後、エーテル層を分取して無水硫酸マグネシ
ウム上で乾燥させ、そして濾過して、エーテルを減圧溜
去せしめた。かくして得られた残渣は、非常に粘調性の
ポリマーであり、収量は1.23g、収率は93.9%であっ
た。そのフーリエ変換赤外吸収スペクトル(IR)を、第
1図に示した。
かかるIRスペクトルの結果から明らかなように、NVP
のビニル基由来の吸収ピーク(1629cm-1)及びLF−POの
ビニル基由来の吸収ピーク(1643cm-1)が消失してお
り、重合の進行が示される。また、IRスペクトル(フー
リエ変換)における特性吸収帯は、NVP中の LF−PO中のラウリルエステルの LF−PO中のt−ブチルペルオキシエステルの であることが示される。
従って、以下の結果より、得られたポリマーは、目的
とするポリマー型重合開始剤であることを確認した。
実施例 2 NVP:1.02g(0.0092モル)、t−ブチルペルオキシ−
エチルフマレート(以下、EF−POと略称する):1.98g
(0.0092モル)、V−65:0.045(0.0002モル)、及びTH
F:1.82gを、50mlガラス製アンプル中に入れ、該アンプ
ル内を窒素ガス置換した後、封管し、そして40℃の温度
にて18時間重合せしめた。かかる重合の終了の後、得ら
れた重生成物、即ちポリマー溶液を大量のn−ヘキサン
中に投入してポリマーを沈澱せしめ、そしてその得られ
たポリマーを濾別、乾燥して、目的とするポリマー型重
合開始剤を得た。その収量は2.70g、収率は90.0%であ
った。このポリマーのフーリエ変換IRスペクトルを第2
図に示した。
かかる図から明らかなように、IRスペクトルにおける
特性吸収帯は、NVP中の EF−PO中のエチルエステルの EF−PO中のt−ブチルペルオキシエステルの であることを示している。
実施例 3〜8 下記第1表に示されるモノマー混合物を用いて、それ
ぞれ、前記実施例2と同様にして重合せしめた後、処
理、精製を行ない、ポリマー型重合開始剤を得た。そし
て、その得られたポリマー型重合開始剤について、それ
ぞれ、IRスペクトルを測定した結果、使用したモノマー
がポリマー中に導入されていることを確認した。
参考例 1〜3 ポリマー型重合開始剤を用いて合成したグラフト共重合
体の合成とその性能評価 実施例1で得られたポリマー型重合開始剤(以下、NF
−PO〈L〉と略称する)、実施例5で得られたポリマー
型重合開始剤(以下、NF8F−PO〈E〉523と略称す
る)、及び実施例8で得られたポリマー型重合開始剤
(以下、NS2F−PO〈E〉532と略称する)とを用い、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、2−HEMAと
略称する)のグラフト重合を、それぞれ、行なった。
即ち、下記第2表に示される如きモノマー混合物を調
製し、それらモノマー混合物を、それぞれ、50mlのガラ
ス製アンプルに入れ、該アンプル内を窒素ガス置換した
後、封下した。そして、80℃の温度において18時間、更
に115℃の温度にて2時間の加熱を行ない、重合を完結
せしめた。かかる重合の重量後、ポリマー溶液をメタノ
ールにて稀釈し、大量のジエチルエーテル中に投入し
て、ポリマーを沈澱せしめた。
かくして得られたポリマーを濾別、乾燥させ、それぞ
れのポリマーをエチレングリコールに、0.05%、0.1
%、0.5%、1.0%の濃度になるように溶解し、表面張力
を測定した。なお、表面張力は、協和界面科学(株)製
「CBVP−A3型 自動表面張力計」を用いて、室温におい
て測定した。その結果を第3図に示した。また、用いた
ポリマー型重合開始剤は、何れも、モノマーである2−
HEMAや重合溶媒であるMCS(エチレングリコールモノメ
チルエーテル)に容易に溶解した。
参考比較例 1〜3 2−HEMAと疎水性モノマーのランダム共重合体の合成と
その性能比較 上記参考例1〜3において用いられたポリマー型重合
開始剤中に存在する疎水基、即ちNF−PO〈L〉であれば
ラウリル基、NF8F−PO〈E〉523であればアクタフルオ
ロペンチル基、NS2F−PO〈E〉532であればペンタメチ
ルジシロキサニル基に着目し、それぞれのポリマー型重
合開始剤を用いて合成したグラフト化ポリ2−HEMAを含
有するポリマーと、それぞれに含まれる同様の疎水基を
等モル量においてランダムに含有するように調製した2
−HEMAのランダム共重合体の性能を比較した。
なお、かかる2−HEMAのランダム共重合体は、下記の
如くして調製した。即ち、下記第3表に示されるモノマ
ー混合物をそれぞれ50mlのガラス製アンプルに入れ、該
アンプル内を窒素ガス置換した後、封管し、そして40℃
にて24時間、重合せしめ、更にかかる重合の終了後、ポ
リマー溶液をメタノールにて稀釈し、大量のジエチルエ
ーテル中に投入して、ポリマーを沈澱せしめた。次い
で、かくして得られたポリマーを濾別、乾燥せしめ、エ
チレングリコールに0.05%、0.1%、0.5%、1.0%の濃
度になるように調製し、参考例1〜3と同様に、それぞ
れの表面張力を測定した。その結果を、第3図に併わせ
示した。
かかる参考例1〜3及び参考比較例1〜3の結果から
明らかなように、参考例1〜3で合成したグラフト化ポ
リ2−HEMAは、それぞれ、それと等モル量の同様の疎水
基を含有するランダムポリ2−HEMA、即ち比較参考例1
〜3のそれぞれに対して、より優れた表面張力低下能を
有していることが判った。
参考例 4 異種ポリマー鎖を同時にグラフトさせたグラフト共重合
体の合成とその性能評価 スチレン:5.0gと、実施例2で得られたポリマー型重
合開始剤:0.16gと、THF:5ccとをガラス製アンプルに入
れ、該アンプル内を窒素ガス置換した後、封管し、そし
て80℃にて4時間重合せしめた。その後、該アンプルを
開封して、ポリマー溶液を大量のメタノール中に投入
し、ポリマーを沈澱せしめた。得られたポリマーを濾
別、乾燥させたところ、収量は0.8gであった。
次いで、このスチレングラフトポリマー:0.4gとメチ
ルメタクリレート:0.4gとをTHF:2mlに溶解せしめ、更に
N,N−ジメチルアニリン:0.06gを加えて、その混合物を5
0mlのガラス製アンプルに入れ、前記と同様に、該アン
プル内を窒素ガス置換した後封管し、80℃で18時間重合
させた。かかる重合の終了後、ポリマー溶液を大量のメ
タノール中に投入し、ポリマーを沈澱せしめた。そし
て、このポリマーを濾別、乾燥せしめたところ、収量は
0.6gであった。
かくして得られたポリマーの0.01gを、アセトニトリ
ル:1ccとシクロヘキサン:1ccの二層分離溶液中に加え、
激しく撹拌しながら溶解せしめたところ、本来二層に分
離するアセトニトリルとシクロヘキサンが乳化し、非常
に安定なエマルジョンを形成した。該ポリマーは、ポリ
スチレン鎖とポリメチルメタクリレート鎖の両者を同時
に含有するグラフトポリマーであり、そのために、ポリ
スチレン鎖はシクロヘキサン中に、ポリメチルメタクリ
レート鎖はアセトニトリル中に溶解し、該ポリマーが界
面活性剤の作用を持つことから、安定なエマルジョンが
形成されたものと、考えられる。
なお、比較として、ポリスチレン:0.005gとポリメチ
ルメタクリレート:0.005gをシクロヘキサン:1ccとアセ
トニトリル:1ccの二層分離溶液中に加え、激しく撹拌し
ながら溶解させたところ、その溶液は直ちに二層に分離
してしまった。
このように、本発明に従うポリマー型重合開始剤を用
いることにより、容易に異種のポリマー鎖をグラフトさ
せることが出来、それによって界面活性高分子を合成す
ることが可能となったのである。
以上の結果から明らかなように、本発明に従うポリマ
ー型重合開始剤を用いることにより、容易に界面活性能
を有する疎水−親水グラフト共重合体を合成することが
出来ると共に、異種ポリマーを同時に含有する界面活性
グラフト共重合体を合成出来ることが判ったのであり、
更に種々の機能を有する高分子合成の前駆体として有用
であるものと考えられるのである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に係る新規な
ポリマー型重合開始剤は、ポリマー鎖中に、親水性を呈
するN−ビニルラクタム単位と、疎水性部位を有するペ
ルオキシド含有フマレート単位やフマル酸ジエステル単
位とが交互に存在する構造を採るものであるところか
ら、種々の親水性モノマーや重合溶媒に対する溶解性が
良好となり、種々の疎水−親水グラフト共重合体の合成
を可能としたのである。
しかも、本発明のポリマー型重合開始剤にあっては、
非常に多くのペルオキシドを含有しており、このペルオ
キシド基が比較的高い温度で分解するところから、例え
ば、先ず第一のモノマー(A成分)をグラフト化して
も、まだ多量のペルオキシドを残存させることが出来、
従って、次に第二のモノマー(B成分)をグラフト化さ
せることにより、前記A成分モノマー単位からなるポリ
マー鎖とB成分モノマー単位からなるポリマー鎖を本発
明のポリマー型重合開始剤からなる1本の幹ポリマーに
同時に含有する、新規な高機能を有するグラフト共重合
体を合成することが出来るという効果をも有しているの
である。即ち、本発明に係るポリマー型重合開始剤は、
疎水−親水グラフト共重合体の前駆体としてのみなら
ず、種々の高機能ポリマーの前駆体としても応用するこ
とが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、それぞれ、実施例1及び実施例2
で得られた本発明に係るポリマー型重合開始剤のフーリ
エ変換赤外吸収スペクトル(IR)を示し、第3図は、参
考例1〜3及び参考比較例1〜3で合成された各ポリマ
ーをエチレングリコールに溶解させた溶液の表面張力を
測定した結果を示すグラフである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)N−ビニルラクタムの40〜60モル%
    と、(B)下記一般式(I): (但し、R1は、炭素数18以下の直鎖状アルキル基、分枝
    鎖状アルキル基若しくは環状アルキル基または炭素数が
    6〜18の芳香族基を示し、R2は、炭素数13以下の直鎖状
    アルキル基、分枝鎖状アルキル基若しくは環状アルキル
    基またはフェニル基を示す) にて表わされるペルオキシド含有フマレートの少なくと
    も1種の40〜60モル%とを共重合させて得られるポリマ
    ー型重合開始剤。
  2. 【請求項2】前記N−ビニルラクタムが、N−ビニル−
    2−ピロリドンである請求項(1)記載のポリマー型重
    合開始剤。
  3. 【請求項3】(A)N−ビニルラクタムの40〜60モル%
    と、(B)(b1)下記一般式(I): (但し、R1は、炭素数18以下の直鎖状アルキル基、分枝
    鎖状アルキル基若しくは環状アルキル基または炭素数が
    6〜18の芳香族基を示し、R2は、炭素数13以下の直鎖状
    アルキル基、分枝鎖状アルキル基若しくは環状アルキル
    基またはフェニル基を示す) にて表わされるペルオキシド含有フマレートの少なくと
    も1種と、(b2)下記一般式(II): (式中、R1は前記と同様であり、そしてR3は、−(C
    H2−CaHbF2a+1-b〔式中、aは1〜21の整数、bは
    0又は1、kは0〜3の整数である〕を示す)にて表さ
    れるアルキル−フルオロアルキル系フマレート、下記一
    般式(III): (式中、R1は前記と同様であり、R4は、 〔A1,A2,A3は、それぞれ、−CH3または−O−Si(CH3
    からなる基を示す〕を示し、lは0又は1、mは1〜
    3の整数、nは0又は1である。但し、n=1のときl
    =0とする) にて表わされるアルキル−シリコン含有アルキル系フマ
    レート、下記一般式(IV): (式中、R3,R4,m及びnは、それぞれ、前記と同様であ
    る) にて表わされるフルオロアルキル−シリコン含有アルキ
    ル系フマレート、下記一般式(V): (式中、R3は前記と同様である) にて表されるビス(フルオロアルキル)系フマレート及
    び下記一般式(VI): (式中、R4,m及びnは、それぞれ、前記と同様である) にて表わされるビス(シリコン含有アルキル)系フマレ
    ートよりなる群から選ばれたフマル酸ジエステルの少な
    くとも1種とをモル比で9:1〜1:9の割合で組み合わせて
    なるものの60〜40モル%とを共重合させて得られるポリ
    マー型重合開始剤。
  4. 【請求項4】前記N−ビニルラクタムが、N−ビニル−
    2−ピロリドンである請求項(3)記載のポリマー型重
    合開始剤。
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