JPH0416248B2

JPH0416248B2 -

Info

Publication number: JPH0416248B2
Application number: JP27396786A
Authority: JP
Inventors: Kinshiro Naito
Original assignee: Amada Co Ltd
Current assignee: Amada Co Ltd
Priority date: 1986-11-19
Filing date: 1986-11-19
Publication date: 1992-03-23
Also published as: JPS63130228A

Description

【発明の詳細な説明】［発明の目的］（産業上の利用分野）本発明は例えばタレツトパンチプレスなどの油
圧プレスで板材に追切り加工を行なうようにした
油圧プレスによる追切り加工方法に関する。

（従来の技術）従来、例えばタレツトパンチプレスなどのプレ
スを使用して板材にスロツテイング加工あるいは
カツテイング加工を施す場合には、金型であるパ
ンチの刃先形状を長角又は丸角に形成せしめて単
発打ちを連続的に行なつていたのである。

（発明が解決しようとする問題点）しかしながら、前述した従来のタレツトパンチ
プレスなどでは、パンチを上下動せしめるラムの
ストロークは簡単に調節することが出来ないた
め、一定のストロークによる単発打ちでスロツテ
イング加工あるいはカツテイング加工を行なわな
ければならなかつた。

そのため、単発打ちではパンチの刃先形状は長
角又は丸角にて形成されていることから、金型お
よびプレスの加工誤差や温度変化による精度の狂
いにより、継ぎ目にばりやひげが発生し“だれあ
と”の圧痕部が残るという問題がある。従つて、
継ぎ目に発生したばりやひげなどの“だれあと”
の圧痕部を後工程で修正しなければならず、例え
ばばり取りなどの工数が必要となり、製品精度の
低下および工数のアツプの要因となつてしまう。

さらに、例えばひげにより製品にきずつけてし
まうという問題もあつた。

本発明の目的は、上記事情に鑑み問題を改善す
るために提案されたもので、油圧プレスでパンチ
の上下動によるストローク制御を容易に調節して
“だれあと”の圧痕部を発生させないようにした
油圧プレスによる追切り加工方法を提供すること
にある。

［発明の構成］（問題点を解決するための手段）上記目的を達成するために、ダイと協働して板
材に追切り加工を行なうべく上端刃、中間刃およ
び下端刃の高さの異なる刃先部を連続して備えた
パンチを、油圧プレスにおける油圧シリンダの作
動に連動して上下動せしめ、前記パンチの下端刃
および中間刃により板材の剪断を行なうべく前記
油圧シリンダを所定のストロークに制御すること
を繰返して板材に追切り加工を施し、次いで前記
パンチの上端刃で板材を切落すように上端刃を板
材に切り込むストロークに前記油圧シリンダのス
トローク制御を行なつて追切り加工を行なうもの
である。

（作用）本発明の追切り加工方法を採用してパンチのス
トロークを油圧シリンダのストローク制御で調節
することにより追切り加工が容易かつ簡単に行な
われる。しかも追切り時には継ぎ目の“だれあ
と”が生じないのできれいに加工される。

（実施例）第１図は、本発明の方法を実施することができ
るタレツトパンチプレスの斜視図である。

第１図において、タレツトパンチプレス１は、
CAD・CAM３に連絡され、板金加工ラインの中
に配置されている。

本例に示したタレツトパンチプレス１は、通常
のタレツトパンチプレスと略同形であるが、その
構成を簡単に説明する。

タレツトパンチプレス１は、フレーム５を有
し、このフレーム５の内側上下には垂直軸（Ｚ
軸）の回りに回転する上側タレツトと下側タレツ
トとが所定間隔を置いて配設されている。上側タ
レツトの平面（XY）位置には多数のパンチが取
付けられ、下側タレツトの平面位置には前記パン
チと対向して多数のダイが取付けられている。

前記フレーム５の上方には、上下動可能のラム
を備えたシリンダ装置７が設けられている。ラム
は前記上側タレツトの上方に配置され、その下方
に位置するパンチをダイに向けて押圧する。前記
フレーム５の側面にはＹ軸ガイドレール９が設け
られている。このＹ軸ガイドレール９にはＹ軸サ
ーボモータによつてＹ軸方向に案内される移動部
材が設けられ、該移動部材の上面には、フリーベ
アリングを備えたテーブル１１が固定されてい
る。

前記テーブル１１のＹ軸端にはＸ軸サーボモー
タによつてＸ軸方向に移動可能のキヤリツジ１３
が設けられている。該キヤリツジ１３には、前記
テーブル１１上に載置された板材Ｗを把持し、該
板材ＷをXY平面内に案内する板材クランプ装置
が設けられている。

かかる構成のタレツトパンチプレス１は、NC
装置１５によつて、キヤリツジ１３をXY平面内
で案内すると共に、シリンダ装置７を適時駆動す
ることにより、板材Ｗの所定位置に、所定の穴明
け加工を行なうことが可能である。

第２図は、前記NC装置１５の概要を示すと共
に、シリンダ装置７とその油圧回路１７の概要を
示す制御系のブロツク図である。

第２図において、シリンダ装置７は、シリンダ
７ａ内にピストン７ｂを有しており、このピスト
ン７ｂには上下（Ｚ）方向に移動自在のラム７ｃ
が接続されている。参照符号１９，２１，２３
は、それぞれ板材クランプ装置、パンチ、ダイを
示している。シリンダ７ａの下面には、転動輪を
ラム７ｃと当接し、該ラム７ｃの動きをパルス信
号PSで検出するパルスエンコーダ２５が取付け
られている。

油圧回路１７は、油圧ポンプOPと、前記シリ
ンダ７ａの上室及び下室と配管OL₁，OL₂を介し
て接続されるサーボ弁２７を有して構成されてい
る。配管OL₁には該配管の油圧を電気信号で検出
する圧力検出器２９が設けられている。

NC装置１５は、NCデータ入力部３１と、主
制御部３３と、XY軸指令部３５と、Ｚ軸指令部
３７と、位置検出部３９と、サーボ弁制御部４１
と、を有している。

NCデータ入力部３１は、前記CAD・CAM３
とオフライン又はオンラインで連絡され、これか
らタレツトパンチプレス制御用のNCデータを受
け取つて、このデータを主制御部３３に提供す
る。

主制御部３３はオペレーテイングシステムで稼
動され、前記NCデータ入力部３１からNCデー
タを受け取つて、主には、板材Ｗの位置制御と、
シリンダ装置７の駆動制御を行なつている。又、
主制御部３３は、各種センサ、リミツトスイツ
チ、その他各種のアクチユエータと接続され、当
該タレツトパンチプレス１を総括的に制御する。

XY軸指令部３５は、前記主制御部３３から所
定の位置制御データを受け取つて、前記Ｘ軸及び
Ｙ軸サーボモータを駆動することにより、板材Ｗ
のXY平面内における位置決め制御を行なつてい
る。

Ｚ軸指令部３７は、主制御部３３からＺ軸指令
データを受け取つて、サーボ弁駆動用の位置Zn、
速度Vnのデータを出力する。

位置検出部３９は前記パルスエンコーダ２５が
出力するパルス信号PSを積算し、ラム７ｃの現
在位置Ｚを検出する。パルスエンコーダは位相が
１／４異なる２相のパルス信号を出力する形式のも
のであり、位置検出部３９は、この２相のパルス
信号に基づいてラム７ｃの移動方向をも知ること
ができる。

サーボ弁制御部４１は、前記Ｚ軸指令部３７か
ら位置データZnと速度データVnを入力し、又、
前記位置検出部３７から前記ラム７ｃの現在位置
Ｚを入力する。サーボ弁制御部４１は、これら入
力値に基づいて、前記サーボ弁２７を所定位置に
又、所定開度に制御する。

このように、ラム７ｃは自由に制御することに
よつて、パンチ２１のストロークを制御すること
ができる。

第２図に示された金型としてのパンチ２１とダ
イ２３との具体的な構造は第３図に詳細に示して
ある。すなわち、第３図において、パンチ組立体
としての中空筒形状からなるパンチガイド４３内
にパンチ２１が位置決め用ガイドキー４５に合わ
せて挿入され、ねじ４７などで固定してある。パ
ンチガイド４３の外周部には、パンチガイド４３
を板材Ｗから浮かすために外方へ付勢したりリフ
トスプリング４９が介装してある。

パンチ２１の上部にはパンチ２１の頭部５１が
ねじ５３で固定してある。頭部５１の外周部には
パンチ２１を板材Ｗから抜き取るように外方へ付
勢したストリツプスプリング５５が介設してあ
る。パンチ２１の下部で刃先部と同形状の孔を有
したストリツパプレート５７を前記パンチガイド
４３にねじ５９などで固定してある。

パンチ２１の第３図において下部である刃先部
は、例えば矩形形状の異高刃を呈している。第３
図において板材Ｗの進行方向の前側すなわち右端
へ設けた異高刃の前側下端刃部６１が板材Ｗの進
行方向の後側へ設けた異高刃の後側上端刃部６３
より高く形成してある。しかも、異高刃の前側下
端刃部６１と後側上端刃部６３との間には、例え
ば任意の曲線状からなる中間刃部６５を形成して
連接してある。曲線状からかる中間刃部６５は例
えば曲率半径R₁としたものと、曲率半径R₂とし
たものとからなり、後側上端刃部６３から前側下
端刃部６１に連接せしめてある。なお、中間刃部
６５は曲線状でなく直線状であつても構わない。

上記構成とすることにより、板材Ｗを追切りし
た際、例えば打抜かれたカスは曲線状の中間刃部
６５にて円弧を描きながらダイ２３側内に入り込
むことになる。

下側タレツト６７には、パンチ２１に対応する
ダイ２３が軸心を一致させて第３図に示されてい
るように嵌着してある。ダイ２３の裏逃げ部６９
は例えば打抜かれたカスの引掛りを防止するため
に例えば逆円錐形状に形成してある。而して、打
抜かれたカスはダイ２３の裏逃げ部６９に引掛か
らないことになる。したがつて、打抜かれたカス
はダイ２３の下方へ落し易くすることができる。

次に、板材Ｗに追切り加工する方法を第４図に
より説明すると、第４図のＡの状態が追切り加工
する前の状態で、ラム７ｃを前述したシリンダ装
置７により下降せしめてパンチ２１の頭部５１を
打圧する。パンチ２１の頭部５１を打圧した状態
が第４図のＢである。すなわち、パンチ２１の刃
先部である異高刃の前側下端刃部６１がダイ２３
に入り込み、曲線状の中間刃部６５で板材Ｗが切
断される。第４図Ｂの状態でシリンダ装置７によ
りラム７ｃを第４図のＣに示す如くやや上方に上
昇せしめて、パンチ２１の前側下端刃部６１を板
材Ｗの厚さｔ内に位置させる。

次いで、第４図Ｃの状態から第４図のＢへ戻
り、第４図のＢと第４図のＣの状態すなわち、パ
ンチ２１の前側下端刃部６１の位置が第４図のＢ
とＣに示された位置で上下動するようにラム７ｃ
を油圧によるシリンダ装置７を制御して追切り加
工が繰返えされる。

そして、板材Ｗから例えば抜きかすWaを切り
落す際には、シリンダ装置７によりラム７ｃのス
トローク長を第４図のＢとＣにおけるラム７ｃの
ストローク長より長くなるよう制御する。すなわ
ち、パンチ２１の後側上端刃部６３の位置を第４
図のＣにおいて、板材Ｗの厚さｔより下方へ位置
せしめるようにすることによつて、異高刃の後側
上端刃部６３が板材Ｗの抜きかすWaを板材Ｗか
ら切り落して追切り加工が終了する。

第４図のＡ〜Ｄで説明した追切り加工の時間に
対するパンチ２１の刃先である異高刃の前側下端
刃部６１と後側上端刃部６３のストローク下方位
置における状態が第５図のＡおよびＢに示されて
いる。

第５図のＡおよびＢにおいて、Ａ点およびＢ点
が追切り加工する前の異高刃の前側下端刃部６
１、後側上端刃部６３のそれぞれの位置を表わ
し、実線の曲線が前側下端刃部６１における追切
り加工の軌跡、点線の曲線が後側上端刃部６３に
おける追切り加工の軌跡を示している。

第５図のＡにおいて、前側下端刃部６１のスト
ローク上端６１ａが板材Ｗの厚さｔ内に、ストロ
ーク下端６１ｂが板材Ｗの厚さｔの下方でストロ
ーク長Ｓによりストロークし、抜きかすWaを切
り落す際に、パンチ２１のストロークを追切り中
のストロークより大きくして後側上端刃部６３の
ストローク下端を板材Ｗの厚さｔより下方の位置
６３ｃに下降するように制御して抜きかすWaが
板材Ｗより切落されるのである。

第５図Ｂの例は、第５図のＡとほぼ同様である
が、第５図のＡと異なる点は、前側下端刃部６１
のストローク上端６１ａを板材Ｗの厚さｔより上
方へ切り上つた状態で追切り加工が施こされるも
のである。その他は第５図のＡと同じであるから
説明を省略する。

上述した板材の追切り加工を行なうことによつ
て、従来発生していた“だれあと”と呼ばれる圧
痕部がほとんどなくなりきれいに高精度の追切り
加工ができる。

また、追切り加工されて生じた抜きかすは、曲
線形状の中間刃部のＲ部に沿つて円弧を描きなが
らダイ側に入ると共にダイの裏逃げ部６９におけ
る逆円錐形状のテーパ部で大きく逃げて抜きかす
Waが引掛らずに切落される。

なお、本発明は前述した実施例に限定されるこ
となく、適宜の変更を行なうことにより、その他
の態様で実施し得るものである。例えば、第５図
に示したパンチのストローク制御だけでなく、そ
れ以外の自由な曲線かつストローク長を制御調整
して対応することも可能である。

［発明の効果］以上のごとき実施例の説明から理解されるよう
に、本発明によれば、油圧プレスでパンチの下端
刃および中間刃による所定のストローク制御を油
圧シリンダのストローク制御で繰返し、次いで上
端刃で板材に切り込む際には、切り込みストロー
クに油圧シリンダのストローク制御をして板材に
追切り加工を施すようにしたから、追切り加工が
簡単かつ容易に出来ると共に、従来発生していた
“だれあと”の圧痕部がほとんどなくなりきれい
にかつ高精度に追切りされる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の方法を実施した一実施例の
油圧式タレツトパンチプレスの斜視図である。第
２図は、第１図の油圧式タレツトパンチプレスの
制御回路の一例を示すブロツク図である。第３図
は、第１図の油圧式タレツトパンチプレスに使用
した金型の一例を示す正面拡大断面図である。第
４図のＡ〜Ｄは本発明の主要動作の一例を示す動
作図である。第５図のＡおよびＢは本発明の主要
動作を説明するための説明図である。［図面の主要な部分を表わす符号の説明］、１
……油圧式タレツトパンチプレス、７……シリン
ダ装置、１５……NC装置、１７……油圧回路、
２１……パンチ、２３……ダイ、６１……前側下
端刃部、６３……後側上端刃部、６９……裏逃げ
部。

Claims

【特許請求の範囲】

１ダイと協働して板材に追切り加工を行なうべ
く上端刃、中間刃および下端刃の高さの異なる刃
先部を連続して備えたパンチを、油圧プレスにお
ける油圧シリンダの作動に連動して上下動せし
め、前記パンチの下端刃および中間刃により板材
の剪断を行なうべく前記油圧シリンダを所定のス
トロークに制御することを繰返して板材に追切り
加工を施し、次いで前記パンチの上端刃で板材を
切落すように上端刃を板材に切り込むストローク
に前記油圧シリンダのストローク制御を行なつて
追切り加工を行なうことを特徴とする油圧プレス
による追切り加工方法。