JPH04148B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自然光を屋内に採り入れる採光装置
に関するものである。

〔従来の技術〕

工場、倉庫、体育館、講堂等においては、屋根
の開口部に採光板を設置して天窓とし、自然光を
屋内に採り入れるようにした採光装置が設置され
ている。

採光板は、金属線（金属網）で補強したガラス
や合成樹脂製の透明或いは半透明の板材が使用さ
れる。この板材は、平板のものや、ドーム状に加
工したものが使用されている。

上記のような採光板は、四辺（周辺）が支持架
台に固定され、また支持架台は、屋根開口部を囲
むように屋根桁材に連結して構築した固定架台に
設置される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

採光装置としては種々の構造のものが提供され
ているが、いずれも共通する事項は、採光板を固
定するとともに風雨が屋内に浸入することを防止
するため、一般的には方形枠状に組立てられる支
持架台は、形状を異にする複数の構成部材を使用
して密に組み立てられている。

従つて、支持架台の組立作業、ガラスの固定作
業、固定架台への設置作業等完成までに多数の工
程を必要とし、これらの作業は屋根上の高所でな
されるため作業員の転落事故の危険性が非常に多
多いものであつた。

また、ビス止め、燐接止め箇所が非常に多く、
錆の発生・水もれ等の問題を有していた。

更に、屋内外の気温差により採光板内面には結
露が発生し、この結露は液滴となつて室内に落下
して保管する製品や設置した機械、床等を濡らす
原因となつていた。

これら結露の発生や液滴の落下等を防止するた
め、支持架台には発生した結露を外部に排出する
手段が採用され、これらの手段は採光板を固定す
る構成とは別に設けられるため、支持架台の組
立・設置作業および構成は更に複雑なものとなつ
ていた。

また、平板、ドーム型いずれの採光板も、採光
面が一面であつてしかも平面状に設置されるため
採光の方向選択および部分遮断をすることができ
ないものであつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上記する従来の採光装置の種々問題
点に鑑み、一枚の金属板を山形に折曲加工し、両
側傾斜面に採光窓を形成してこの採光窓に採光板
を嵌め込み可能とし、全体構成が簡単な単体枠体
の支持架台を基体とする採光装置を提供すること
を目的とする。

また本発明は、二面の採光面を有することによ
り採光の方向を選択でき、採光の部分遮断を可能
とした採光装置を提供することを目的とする。

更にまた本発明は、単体の支持架台からなる独
立型の採光装置の他、支持架台を順次接続するこ
とにより連続型となし得る採光装置を提供するこ
とを目的とする。

上記目的達成のため本発明は、中央から山形に
折曲した金属製基体５の両側傾斜面に採光窓６を
形成し、両採光窓６の下方に連結部７を下向きＬ
字形に折曲連設するとともに各採光窓６の両側に
おける基板５の傾斜端縁に連結板８を折曲して起
立してなる支持架台２と、採光窓６に密に嵌め込
み可能な採光板３と、支持架台２の側面に形成さ
れる空間面１２を密に被覆可能な側面カバー４と
から成ることを特徴としている。

〔実施例〕

以下、図面に従つて、本発明採光装置の一実施
例を詳細に説明する。

第１図乃至第４図において符号１は本発明採光
装置の全体を示す。この採光装置１は、支持架台
２と、ガラスや合成樹脂製の透明或いは半透明の
板材からなる平板状の採光板３と、側面カバー４
とからなつている。

支持架台２は、一枚の金属板を打ち抜き、折曲
して三角山形に形成してある。

即ち、平板な金属製基板５に、その中心線から
両側対称位置に方形状の採光窓６を打ち抜いて形
成し、この基板５は中心線において山形に折曲す
る。従つて、基板５の傾斜面両側に採光窓６がそ
れぞれ形成されることになり、両採光窓６の下方
位置には、図示しない公知の固定部材への連結部
７を下向きＬ字形状に折曲連設する。更に各採光
窓６の両側における基板５の傾斜端縁には連結板
８を折曲して起立させてある。この連結板８は基
板５の補強を兼ね、山形の全体形状を維持してい
る。

以上の形状は一枚の金属板によつて構成されて
いる。尚、隣接する連結板８の頂上間には谷形の
溝が形成されるが、これはそのままの状態として
もよく、或いは図示のように谷形溝に同質の金属
板を嵌め込み、燐接して固着し、全体として山形
の連結板８としてもよい。

両採光窓６の両側および下側における基板５外
面には、前記採光板３を嵌め込み、固定するため
の窓枠９を設置する。

採光板３は、第６図に示すように基板５と窓枠
９間に嵌め込まれ、基板５と採光板３間にはパツ
キング１０を介装し、また採光板３と窓枠９間は
コーキング処理１１をする。これにより採光窓６
は採光板３により密に覆われ、支持架台２と採光
板３とは一体なものとなる。

前記側面カバー４は、支持架台２の山形連結板
８によつて形成される三角状輪郭から支持架台２
の両側に形成される空間面１２全面を覆うことが
できる、金属製三角状カバー体１３の内側面に、
連結板８と対称形状に形成される角パイプ製連結
部材１４を一体に固着し、連結部材１４とは反対
側において、カバー体１３の下部には下向きＬ字
状の水切り板１５を折曲、連設した形状を有し、
連結部材１４の両側下端には固定板１６が水平状
に突設してある。

この側面カバー４は、その連結部材１４を支持
架台２の連結板８に当接し、両者をビス、ボルト
等を使用して一体に固定することにより採光装置
１を構成する。

そして第７図に示すように、支持架台２と側面
カバー４との連結部分は、断面コ字形状の金属体
を山形に形成した連結カバー１７で被覆し、連結
部７と水切り板１５に跨がる固定片１８をビス、
ボルト等で固定することにより支持架台２と側面
カバー４とは一体に連結される。

上記のようにして支持架台２、採光板３および
側面カバー４とからなる採光装置１は、屋根開口
部を囲むようにして屋根桁材に構築した図示しな
い固定架台に設置して固定される。

尚、前記側面カバー４の連結部材１４下端に突
設した固定片１６は、側面カバー４を固定架台に
立設状態で設置するものである。また、図中符号
１９は棟カバーであり、採光板３を設置した支持
架台２の棟部２０に重合して採光板３の上部を雨
仕舞い被覆するものである（第６図参照）。

以上の採光装置１は単体の独立型として使用さ
れる場合である。

第８図に示すように、支持架台２の片側の連結
板８には、前記連結部材１４と同様角パイプから
なる連結部材２１を一体に固着し、連結部材２１
の両側下端に固定板２２を水平状に突設する。

このような支持架台２を使用すれば連続型の採
光装置１を得ることができる。

即ち、同図の如く図示しない固定架台の片側端
部に立設した側面カバー４に支持架台２を連結
し、この支持架台２の固定板２２を固定架台に固
定する。そしてこの支持架台２の連結部材２１
に、隣接する支持架台２の連結板８を当接して両
者をビス、ボルト等により固定する。同様にして
支持架台２を順次連結し、最終の支持架台２の側
面空間面１２を側面カバー４で被覆すればよい。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明採光装置１は、一
枚の金属板を山形に折曲するとともに両側傾斜面
に採光窓６を形成した単体の枠体からなる支持架
台２と、採光窓６を密に被覆可能な採光板３と、
支持架台２の両側空間面１２を密に被覆可能な側
面カバー４とからなるので、簡単な構造であり、
組み立て作業を短時間で容易にすることが可能で
ある。

しかも、独立型、連続型いずれにも使用できる
ものである。

また、支持架台２は山形に形成し、両側の傾斜
面に採光面を設けたことにより、二面の採光面を
有し採光量を多くすることができる。

更に、二面の採光面を有することから、採光面
の方向性によつて、片側の採光面を遮断し、他方
の採光面のみで採光することも可能である。これ
は、例えば倉庫内に保管する食品や医薬品等太陽
熱で室内が暑くなるのを嫌うような場合、南面側
の採光面を遮断し、北側面の採光面のみから自然
光を採り入れるのに有効である。尚、片側の採光
面を常時遮断するには、採光板に変えて金属板や
不透明な板材で採光窓を覆えばよく、また、必要
に応じて片側の採光面を遮断する場合には、採光
板３の上面に適当な遮蔽板を着脱自在とすればよ
い。

更にまた、採光面は傾斜状に形成してあるので
屋内外の気温差により採光板３内面に結露が発生
しても、この結露は傾斜面に沿つて流下しやすく
従つて、第４図に鎖線で示すように連結部７下側
に水切り板を設けておけば、流下した液滴はこの
水切り板を通して外部に排出が可能となり、結露
の排出処理を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は採光装置全体の正面図、第２図は同平面図、第
３図は同斜視図、第４図は第１図Ａ−Ａ線に沿つ
た採光板を除いた状態の断面図、第５図は第１図
Ｂ−Ｂ線拡大断面図、第６図は第１図Ａ−Ａ線の
要部拡大断面図、第７図は採光装置の分解状態の
概略斜視図、第８図は本発明採光装置の他の実施
例を示す分解概略斜視図である。 １は採光装置、２は支持架台、３は採光板、４
は側面カバー、５は基板、６は採光窓、７は連結
部、８は連結板、９は窓枠、１２は空間面、１３
はカバー体、１４は連結部材、１５は水切り板、
１６は固定板、２１は連結部材、２２は固定板で
ある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中央から山形に折曲した金属製基板５の両側
   傾斜面に採光窓６を形成し、両採光窓６の下方に
   連結部７を下向きＬ字形に折曲連設するとともに
   各採光窓６の両側における基板５の傾斜端縁に連
   結板８を折曲して起立してなる支持架台２と、採
   光窓６に密に嵌め込み可能な採光板３と、支持架
   台２の側面に形成される空間面１２を密に被覆可
   能な側面カバー４とから成ることを特徴とする採
   光装置。 ２ 支持架台２の片側連結板８に連結部材２１を
   一体に固定し、連結部材２１の下側両端に固定板
   ２２を水平に突設して成ることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の採光装置。