JPH0414849Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は多品種少量生産され、時計輪列と電池
ボツクスが１個の機構受板にて一体化された時計
の電池ボツクスに関する。

（従来技術） 近年の時計機械体は小型化及び薄型化に伴つて
電極と回路基板の電気的結合は、電池ボツクスの
正極と該正極から回路基板までの導電部材が一体
形成された電極板を介して行なわれている。

一方、時計は室内装飾品としての需要が高まつ
てきており、使用者の要望に対応するには多種類
の装飾機能を備えた時計を提供することが必要と
なつている。

そのため、回路基板の形状及び回路基板の電源
端子から電池ボツクスの正極までの長さが異なる
時計機構が多種類発生することとなる。従つて、
回路基板の電源端子までの導電部材の長さが異な
る電極板が多種類必要となり、その結果、プレス
金型の種類が多くなるという問題が発生してい
る。

また、乾電池用の電池ボツクスにおいて、電池
の長手方向の衝撃により電池が電池ボツクスから
離脱しないように脱落防止用突起部を正極部より
上方向に設けた電池ホルダーが例えば実開昭55−
91064号にて提案されている。脱落防止用突起部
がケースと一体成形されている電池ボツクスで
は、電池の正極突部が衝撃により脱落防止用突起
部に乗り上がつた際には導通不良が発生するとい
う問題も発生している。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案の目的は多品種少量生産される時計にお
ける電池ボツクスの正極端子が１種類にて共用可
能とすることである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するために、電池ボツ
クスの正極側壁面の略中央には乾電池の正極突部
と接触する導電性線材から成る正極線端部が電池
ボツクスの底面から上方向へ向けて配置され、前
記正極線端部と電池装着空間側で交叉して正極側
壁面上に少なくとも一重の輪を屈成し、乾電池の
正極突部は正極線端部と接触した際には、前記正
極線端部と交叉する導電性線材の下方位置に装着
され、さらに、電池ボツクスの外側へ伸びる屈曲
可能な導電アームを有する正極部材を備えたこと
を特徴とする。

（実施例） 第１〜３図には本考案に係る一実施例が示され
ている。第１図において、空間Ａには図示は省略
したが時計輪列及び回路基板が装着される。空間
Ａと隣接して電池ボツクスＢが設けられている。

電池ボツクスＢの正極側壁面２にはその中央に
縦溝４が設けられ、正極側壁面２に隣接する隣接
側面６と隣接底面８には夫々縦溝１０・横溝１２
が設けられている。

正極部材１３は導電性線材からなり、正極線端
部１４は縦溝４の略中央に電池ボツクスの底面か
ら上方向へ向けて配置され、正極側壁面２の縁部
に設けられた横溝１２・縦溝１０と係合可能に屈
曲成形され、さらに、正極線端部１４の端面高さ
より低い位置にて水平方向に屈曲形成された水平
アーム１６が設けられ、その端部は空間Ａに装着
する回路基板（図示省略）の電源端子に接続させ
ることができる導電アーム１８を構成している。
該導電アーム１８は屈曲自在であつて、電池ボツ
クスと隣接されて装着される回路基板の電源端子
位置に合わせて自由に曲げることができる。

正極部材の固定は正極側壁面２の縁部に設けた
縦溝１０や横溝１２に正極部材自身を係合させて
電池の長手方向移動を固定し、さらに、正極側壁
面２に設けた爪２４，２６によつて、電池ホルダ
ーの底面から上方向へ正極部材が移動しないよう
に固定されている。

（考案の効果） 本考案における正極部材は、正極線端部を正極
側壁面の中央に配置して一重の輪を構成し、正極
線端部と電池装着空間側で交叉する水平アームを
設け、該水平アームからさらに電池ボツクスの外
側へ伸びる導電アームが屈曲自在であるので、導
電アームの長さを所定長さに設定しておくことに
よつて、１種類の正極部材にて、電池ボツクスの
電極から回路基板の電源端子までの長さが異なる
多種類の時計機構体に共用できる。

また、水平アームが電池の正極突部側面に係合
して、電池を径方向移動不能に固定できるので、
電池の衝撃による脱落防止を果たすことができ、
たとえ電池の正極突部が水平アームに衝撃により
乗り上げたとしても不導通となることがないので
信頼性の高い脱落防止機能が得られている。

本考案における正極部材は簡単なホーミング加
工によつて導電性線状部材を屈曲成形するだけで
容易に製作でき、回路基板の電源端子までの長さ
に導電アームの長さを屈曲調整するだけで多種類
の時計機構体に使用できるので、従来のようにプ
レス金型を多数設ける必要がなく、製作工程の管
理が簡単になつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電池ボツクスにおける正
極側壁面を示す断面図。第２図は本考案に係る電
池ボツクスの平面図。第３図は第２図の−線
断面の拡大断面図である。 ２……正極側壁面、１３……正極部材、１４…
…正極線端部、１６……水平アーム、１８……導
電アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電池ボツクスにおいて、正極側壁面の略中央に
   は乾電池の正極突部と接触する導電性線材からな
   る正極線端部が電池ボツクスの底面から上方向へ
   向けて配置され、前記正極線端部と電池装着空間
   側で交叉して正極側壁面上に少なくとも一重の輪
   を屈成し、乾電池の正極突部は正極線端部と接触
   した際には、前記正極線端部と交叉する導電性線
   材の下方位置に装着され、さらに、電池ボツクス
   の外側へ伸びる屈曲可能な導電アームを有する正
   極部材を備えた乾電池の電池ボツクス。