JPH0414588A

JPH0414588A - 木質防火戸

Info

Publication number: JPH0414588A
Application number: JP2116392A
Authority: JP
Inventors: Kenji Onishi; 兼司大西; Yukihiko Yusa; 遊佐　幸彦; Yoshihiro Ota; 義弘太田
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1990-05-01
Filing date: 1990-05-01
Publication date: 1992-01-20

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、一般住宅、集合住宅、高層建築物等に用い
られる木質防火戸に関する。

〔従来の技術〕

従来、一般住宅、集合住宅、高層建築物等に用いられて
いる防火戸は、鉄板、アルミニウム板等の金属製のもの
がほとんどである。

しかし、金属製の戸では、木材に特有のやわらかさやあ
たたかさといった木質感が得られず、美観を損なうとい
う問題があった。

一方、木質戸は、前記木質感を有する反面、防火性（耐
火性）に劣るため、特に集合住宅、ホテル等では、防火
規制の関係で、木材を用いた戸が使えないのが現状であ
る。しかし、ニーズの多様化に伴い、木質戸の要望もま
すます高くなっている。

そこで、発明者らは、内部に不溶性不燃性無機物を含む
木材を用いて木質感のある防火戸を作製する方法をすで
に開発している（特開平１−１３１７７７号公報等参照
）。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、従来の木質防火戸は、主に金属製である戸枠
と戸本体との隙間からの炎の漏れが大きな問題となる場
合があった。つまり、戸本体の外枠となる部分が木材か
らなる場合には、この部分が炭化、脱落しやすくなるた
め、高度な防火性が得られなかった。

以上の事情に鑑み、この発明は、戸枠と戸本体との隙間
からの炎の漏れを抑えることができる高度な防火性を有
し、しかも木質感の豊かな戸を提供することを課題とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するため、この発明にかかる木質防火戸
は、木質系芯材の周囲端面に木材からなる枠材が配され
、同芯材の表裏両面に木材からなる表面板が配された木
質戸であって、少なくとも前記枠材が難燃処理を施した
木材であることを特徴とするものである。

この発明で用いられる木質系芯材としては、木質系材料
であれば特に限定されず、可燃性、難燃性を問わない。

この発明で枠材および表面板として用いられる木材の樹
種、構成（１枚板、合板等）等は、特に限定されない。

ただし、少なくとも枠材が難燃処理を施した木材である
ことが必要である。

難燃処理を施した木材としては、特に限定されず、たと
えば、以下に詳しく説明する内部に不溶性不燃性無機物
を含む木材の他、ハロゲン系、す酸系、ホウ素系、アン
モニア系、炭酸系等の防火（薬）剤を注入したり塗布し
たりして難燃化処理した市販の難燃木材（合板）等を使
用することができる。防火性をより向上させるためには
、内部に不溶性不燃性無機物を含む木材の使用が好まし
い。これら難燃処理を施した木材は、単独で、または、
複数種適宜組み合わせて用いることができる。

前記内部に不溶性不燃性無機物を含む木材を作製する方
法としては、特に限定されないが、たとえば、以下に示
すような方法が好ましい。

改質のための原料木材としては、特に限定はされず、原
木丸太、製材品、スライス単板、合板等が例示される。

それらの樹種等についても何ら限定されることはない。

この発明において、木材中に生成させて木材組織内に分
散・定着させる不溶性不燃性無機物（不溶性生成物）と
しては、特に限定はされないが、たとえば、ホウ酸塩、
リン酸塩、リン酸水素塩、炭酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩
、ケイ酸塩、硝酸塩、水酸塩等の各種塩が挙げられる。

これらの塩のうち、たとえば炭酸塩について具体例を挙
げると、ＢａＣＯｘ　、ＣａＣ０ｚ　、ＦｅＣＯｘ　、
ＭｇＣＯｘ　、Ｍ　ｎ　ＣＯｘ　、Ｎ　ｉ　ＣＯｌ、Ｚ
ｎ、ＣＯｘ等である。これらは、２種以上が木材中に共
存するようであってもよい。木材内の不溶性不燃性無機
物は、木材セルロースと反応した形で定着していてもよ
い。

なお、１種の不溶性不燃性無機物中に、後述のカチオン
および／またはアニオン部分がそれぞれ２種以上含まれ
ていてもよい。

前記の不溶性不燃性無機物を木材組織内で生成させるた
めには、同不溶性不燃性無機物のカチオン部分を構成す
る１群の無機化合物で調製された水溶液、すなわちカチ
オン含有処理液と、アニオン部分を構成する他の１群の
無機化合物で調製された水溶液、すなわちアニオン含有
処理液とを別々に順次木材組織内に含浸浸透させる。カ
チオン含有処理液およびアニオン含有処理液は、交互に
１回または複数回含浸させることができる。複数回含浸
させる場合は、交互でなく、連続して含浸させでもよい
。

前記不溶性不燃性無機物のカチオン部分を構成するもの
としては、たとえば、Ｎａ、になどのアルカリ金属、Ｃ
ａ、ｆ３ａ、Ｍｇ、Ｓｒなどのアルカリ土類金属、Ｍｎ
、Ｎｉ、Ｃｄ等の遷移元素、Ｓｉ、Ｐｂ等の炭素族元素
、Ｚｎ、Ａ１などが挙げられる。これらのうちでも、Ｃ
ａ、Ｂａ、Ｍｇ、ＺｎおよびＡＡカチオンが好ましい。

前記不溶性不燃性無機物のアニオン部分を構成するもの
としては、たとえば、０、ＳｉＣ２，５１０８、Ｂ４０
？、ＢＯ２、Ｐ○、　、ＣＯ，、ＳＯ−、Ｎｏｗ　、０
ＨＸＣ１ｌ−Ｂｒ、Ｆ、ＩおよびＯＨ等が挙げられる。

これらのうちでも、ＢＯ。

、ＢＯ４、ＣＯ３、ＳＯ４およびＯＨアニオンが好まし
い。また、前記アニオンのうちでＢ２Ｏ。

、ＢＯ，およびＰＯ４は、炭化促進のメカニズムによる
難燃化効果、ＣＯ３は、不燃性ガスの発生のメカニズム
による難燃化効果、Ｃ２、Ｆ、Ｂｒなどのハロゲンは、
発炎燃焼における連鎖反応の阻害および不燃性ガスの発
生のメカニズムによる難燃化効果がそれぞれ期待できる
。

上記カチオンとアニオンは、木材内に生しさせようとす
る所望の不溶性不燃性無機物の組成に応じて任意に選択
され、それらの各イオンを含んだ水溶性無機物を別々に
水に熔かすことにより、所望のカチオンを含んだカチオ
ン含有処理液、および、所望のアニオンを含んだアニオ
ン含有処理液が調製される。ただし、前記カチオンとア
ニオンとの組み合わせに関しては、木材組織内で不溶性
不燃性無機物が生成されやすいような組み合わせが適宜
選択される。

水に溶けて上記所望のカチオンを生しさせる無機物とし
ては、ＭｇＣ１ｚ　、ＭｇＢ　ｒｘ　、Ｍｇ５Ｏ，−Ｈ
，０１Ｍｇ　（Ｎｏ、）ｚ　　−６Ｈ，ｏ、ＣａＣｅｘ
　、ＣａＢｒｔ　、Ｃａ　　（ＮＯｘ）ｚ　、ＢａＣｆ
ｆ・２Ｈ，０１ＢａＢｒｚ　、１３ａ　（Ｎｏｔ）Ｚ　
、ＡＩｃＩ２Ｎ　、Ａｊ’Ｂｒ、　、ＡＡ２（ＳＯ４）
２、Ａｌ　（Ｎｏ、）１　　・９Ｈ，０１Ｚｎ　Ｃｌ　
ｘ等が一例として挙げられるが、これらに限定されない
。水に溶けて上記所望のアニオンを生じさせる無機物と
じては、たとえば、Ｎ　ａ　ｚ　ＣＯｌ、（ＮＨ，）、
Ｃｏ２、Ｈｚ　　ＳＯａ　　、Ｎａｚ　　５０４　　、
　（ＮＨ４）２　ＳＯ４、ＨＩ　　ＰＯ４、Ｎａｇ　　
ＨＰＯ４、（ＮＨ４）ＺＨＰＯａ　、ＨＩ　Ｂｏｘ　、
Ｎａ　Ｂｏｘ　、Ｎ８４　Ｂｏｆなどが挙げられるが、
やはり、これらに限定されることはない。以上の水溶性
無機物は、各々が単独で用いられるほか、互いに反応せ
ずに均一な水溶液を形成できる範囲内で、■処理液中に
複数種が併用されるようでもよい。

以上のカチオン含有処理液およびアニオン含有処理液に
よる原料木材の無機物含浸処理は、たとえば、以下のよ
うに行われる。

まず、両処理液のうちのいずれか一方（第１液）を、同
処理液中に上記原料木材を浸漬させるなどして、木材中
に含浸させる。この第１液の含浸後、同第１液と反応す
る相手方のイオンを含んだ処理液（第２液）を同様に含
浸させて、木材内部において不溶性不燃性無機物を生成
させる。

次に、上記のごとくして、アニオン含有処理液およびカ
チオン含有処理液の２液が含浸された後、さらに必要に
応じては、第３液、第４液・・・等を用意して繰り返し
含浸させ、生成物層の緻密化を図るようにしてもよい。

このとき用いられるカチオン／アニオン含有両処理液は
、それぞれ、同一種のものであっても、異種のものであ
っても構わないし、その１度等も特に限定はされない。

缶液の含浸処理方法、含浸処理時間等も、特に限定され
ることはなく、減圧下で含浸させたり、塗布による含浸
を行ったりすることもできる。

なお、第１液の含浸処理に先立ち、原料木材に飽水処理
を施して、木材を充分に飽水された状態にしておくこと
が推奨される。これにより、木材中の水を媒体として第
１液に含まれているイオンが速く拡散していくようにな
り、処理時間を短縮することができるためである。飽水
処理方法は、特に限定されないが、水中貯木、スチーミ
ング、減圧下含浸、加圧下含浸なとで行う。なお、第１
液を減圧下含浸させる場合には、この飽水処理を行う必
要は必ずしもない。

含浸処理後には、必要に応して養生を行って不溶性不燃
性無機物の生成反応を促進させることもできる。

以上の含浸処理により木材内に不溶性不燃性無機物を生
成・定着させた後、必要に応じては、木材表面の水差等
を行い、乾燥させて、無機処理木材を得る。

以上の各処理により、防腐・防虫性、寸法安定性等に高
度に優れ難燃性を有する無機処理木材を効率良く得るこ
とができる。得られた無機処理木材は、無機物が木材内
部に含浸・定着されているため、木質感が損なわれてお
らず、上記性能に加えて外観的にも優れた木材となって
いる。

〔作　　　用〕

枠材および表面板として木材を用いるようにすると、木
質感が豊かになる。また、少なくとも枠材として難燃処
理を施した木材を用いるようにすると、炎による材料の
剥離・脱落がなくなるため、戸枠と戸本体との隙間から
の炎の漏れが抑えられ、高度な防火性を有するようにな
る。

〔実　施　例〕

次に、この発明をその実施例に基づいて詳しく説明する
が、この発明は下記実施例に固定されない。

第１図は、この発明にかかる木質防火戸の一実施例を表
す。図にみるように、芯材１の周囲端面には枠材２が、
表裏面には表面板３がそれぞれ配されている。表面板３
の最外面には、さらに薄い化粧材４が積層されている。

枠材２の材質は、難燃処理を施した木材単板からなる合
板である。一方、芯材１および表面板３の材質は、いず
れも未処理木材単板からなる合板であり、化粧材４の材
質は、未処理木材単板である。

この木質防火戸は、全体が木材でできているため、加工
性に優れ、重量が軽く、木質感にあふれている。しかも
、枠材２が難燃処理を施した木材からなるため、炎によ
る材料の剥離・脱落がなく、戸枠と戸本体との隙間から
の炎の漏れが抑えられるといった高度な防火性を有する
ものである。

また、芯材１が合板であるため、強度が高く、しかも、
高熱にさらされた場合、木材炭化層による高い断熱性が
得られるため、防火性が高いものとなっている。

なお、上記木質防火戸において、必要に応じては、芯材
１、表面板３または化粧材４も難燃処理を施した木材で
あってもよい。その場合は、特に炎の燃え抜けに対して
大きな効果が得られるため、防火性がさらに向上したも
のとなる。

以下に、この発明のさらに具体的な実施例を説明する。

一実施例１− 枠材の原料木材として、ロータリーレースにより切削さ
れた厚さ３鶴のベイマツ材を使用し、これに飽水処理を
施して木材内部にまで充分水を含浸させた。

飽水処理後の単板を、５０℃の塩化亜鉛水溶液（濃度２
　ｓｏｌ／水ｌｌ１）からなる第１浴に２４時間浸漬し
、ついで、５０℃のリン酸水素二ナトリウム水溶液（濃
度４ｍｏｌ／水１１）からなる第２浴に２４時間浸漬し
た。

浸漬後、熱風乾燥処理を行うことにより、内部に不溶性
不燃性無機物を含み、含水率５〜１０％の単板を得た。

この単板を積層、接着させて合板（以下、「無機処理合
板」と称する）を作製し、枠材に加工した。

これとは別に、いずれも市販の難燃合板（以下、単に「
難燃合板」と称する）からなる芯材および表面板を用意
し、それらと前記得られた枠材とを組み合わせてドア構
造体を得た後、構造体の表裏両面に化粧材として厚さ０
．６　ｗｍのナラ材突き板を貼って、木質防火戸を作製
した。

一実施例２一実施例１において、枠材として無機処理合板の代わりに
難燃合板を用いるようにした以外は実施例１と同様にし
て、木質防火戸を作製した。

一実施例３一実施例１において、芯材および表面板として難燃合板の
代わりにいずれも未処理合板を用いるようにした以外は
実施例１と同様にして、木質防火戸を作製した。

実施例４一実施例１において、芯材および表面板として難燃合板の
代わりにいずれも無機処理合板を用いるようにした以外
は実施例１と同様にして、木質防火戸を作製した。

実施例５一実施例３において、枠材として無機処理合板の代わりに
難燃合板を用いるようにした以外は実施例３と同様にし
て、木質防火戸を作製した。

−比較例１一実施例１において、枠材として無機処理合板の代わりに
ケイカル板を用いるようにした以外は実施例１と同様に
して、木質防火戸を作製した。

−比較例２一実施例３において、枠材として無機処理合板の代わりに
未処理合板を用いるようにした以外は実施例３と同様に
して、木質防火戸を作製した。

実施例１〜５および比較例１〜２で得られた木質防火戸
について、耐火時間（防火性）、加工性、重量を調べた
。加工性は、優れているものを○で、劣っているものを
×で評価した。重量は、４０ｋｇ以内を◎で、４０〜５
０ｋｇの間を○で、５０ｋｇ以上を△て評価した。それ
らの結果を第１表二二示した。

第　　１　　表第１表にみるように、下記■〜■のことがわかる。

■　比較例２で得られた月収外は、いずれも乙種防火戸
相当以上の性能を有している。

■　枠材として難燃処理を施した木材を使用することに
より防火性（耐火性）が大きく向上する（実施例３と比
較例２との対比および実施例５と比較例２との対比）。

■　枠材としてケイカル板を用いてもある程度の防火性
が得られるが、加工性の面で劣っており、しかも重量が
重くなるという欠点がある。

〔発明の効果〕

この発明にかかる木質防火戸は、全体が木材または木質
系材料からできているため、加工性に優れ、木質感の豊
かなものである。しかも、少な（とも枠材として難燃処
理を施した木材が用いられているため、炎による材料の
剥離・脱落がなく、戸枠と戸本体との隙間からの炎の漏
れが抑えられるといった高度な防火性を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明にかかる木質防火戸の一実施例を表
す側断面図である。

Claims

【特許請求の範囲】１　木質系芯材の周囲端面に木材からなる枠材が配され
、同芯材の表裏両面に木材からなる表面板が配された木
質戸であって、少なくとも前記枠材が難燃処理を施した
木材であることを特徴とする木質防火戸。２　難燃処理を施した木材が内部に不溶性不燃性無機物
を含む木材である請求項１記載の木質防火戸。３　内部に不溶性不燃性無機物を含む木材が、混合する
ことにより不溶性不燃性無機物を生じさせるカチオン含
有処理液とアニオン含有処理液の組み合わせのうちの一
方を原料木材に含浸させた後に他方を含浸させて、前記
原料木材の内部に前記不溶性不燃性無機物を生成・定着
させることにより得られたものである請求項２記載の木
質防火戸。４　カチオン含有処理液がＭｇ、Ｂａ、Ｃａ、Ａｌおよ
びＺｎカチオンからなる群の中から選ばれた少なくとも
１種を含むものであり、アニオン含有処理液がＢＯ＿３
、ＰＯ＿４、ＣＯ＿２、ＳＯ＿４およびＯＨアニオンか
らなる群の中から選ばれた少なくとも１種を含むもので
ある請求項３記載の木質防火戸。５　芯材および表面板も難燃処理を施したものである請
求項１ないし４のいずれかに記載の木質防火戸。