JPH0414037Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はシートバツクの取付構造に関し、更に
詳細に説明すると、シートクツシヨン側に取付け
られる基板と、シートバツク側に取付けられるア
ームとを枢支軸により回動自在に連結し、シート
バツクを前後傾動可能に支持するシートバツクの
取付構造に関する。

〔従来の技術〕

従来より車両等のシートバツクまたはシートク
ツシヨンに加えられる衝撃を吸収させるために
種々の提案がなされており、車両等の居住性及び
安全性の向上が図られている。

例えば、「衝撃吸収手段付座席傾斜装置」とし
て特公昭61−2537号公報が、「乗物用座席シート
の衝撃吸収装置」として実開昭50−74027号公報
が存在する。

またトラツク等の車両においては荷物等を積載
するためにリヤーサスペンシヨンが硬めにセツテ
イングされており、空荷時にはリヤー側が路面の
凹凸により上下動し、この結果、運転席側のシー
トに前後方向への振動を発生させていた。これは
リヤー側が上下動するとトラツク等の前輪を中心
として車体が回転するような動きとなり、シート
バツクにより着座者が前方に突き上げられたり、
着座者が上方に向く姿勢となつたりするものであ
つた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の衝撃吸収手段付座席傾斜装置等は車両等
が衝突事故を発生させた場合に、衝撃エネルギー
を吸収させるものであり、また構造が複雑で高価
となる虞れを有し、またリクライニング機構のア
ームに弾性体を組み込んだ場合にはアームが回転
中心としての枢支軸に規制されて回動するので着
座者が前方に突き上げられたり、着座者が上方を
向くこととなり、前後方向のサスペンシヨン効果
がよくないものであつた。

本考案の目的はシートバツクの前後方向に加え
られる衝撃荷重を緩衝させることが出来、乗り心
地が優れ、前後方向のサスペンシヨン効果に優
れ、構成が簡易で組付作業も容易に行え、著しく
経済性に優れたシートバツクの取付構造を提供す
るものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上述せる問題点に鑑みてなされたもの
で、シートクツシヨン側に取付けられる基板と、
シートバツク側に取付けられるアームとを枢支軸
により回動自在に連結し、シートバツクを前後傾
動可能に支持するシートバツクの取付構造におい
て、前記基板に基板とシートクツシヨンフレーム
とを取付ける取付部が、前記アームにアームとシ
ートバツクフレームとを取付ける取付部が夫々形
成され、前記取付部は前後方向に延びる長孔と、
該長孔に取付けられた弾性体とを備え、該弾性体
にボルト挿通孔が穿設され、前記基板及びアーム
が弾性体のボルト挿通孔に夫々挿入されたボルト
及びボルトと夫々螺合するナツトにより前記シー
トクツシヨンフレーム及びシートバツクフレーム
に取付けられるようになされていることを特徴と
する。

〔作用〕

本考案に依れば、シートクツシヨン側に取付け
られる基板と、シートバツク側に取付けられるア
ームとに取付部が形成され、該取付部に前後方向
に延びる長孔が夫々形成され、該長孔にボルト挿
通孔を有する弾性体が夫々取付けられているの
で、ボルト及びナツトにより前記基板及びアーム
を夫々シートクツシヨンフレーム及びシートバツ
クフレームに取付けた場合に、前後方向の衝撃を
前記弾性体が吸収し、前後方向へのサスペンシヨ
ン効果が得られるものである。

〔実施例〕

以下本考案に係るシートバツクの取付構造の一
実施例を図面を参照して詳述する。

第１図乃至第４図には本考案に係るシートバツ
クの取付構造の一実施例の概略が夫々示されてお
り、このシート１１はシートクツシヨン１２と、
該シートクツシヨン１２の後方に取付けられたシ
ートバツク１３とを備えている。

シートバツク１３の一側部にはリクライニング
機構１５が設けられ、他側部にはリンク機構２５
が設けられている。リクライニング機構１５はシ
ートクツシヨン１２のシートクツシヨンフレーム
１２ａに固着される基板１６と、シートバツク１
３のシートバツクフレーム１３ａに固着されるア
ーム１７と、前記基板１６とアーム１７とを回動
自在に連結する枢支軸１９とを備え、図示しない
回動角度調節機構及びロツク機構とにより、シー
トバツク１３が前後傾動調節自在になされてい
る。

リンク機構２５はシートクツシヨン１２側に固
着される基板２６と、シートバツク１３側に固着
されるアーム２７と、前記基板２６とアーム２７
とを回動自在に連結する枢支軸２９とを備えてい
る。

前記リクライニング機構１５及びリンク機構２
５の基板１６，２６とアーム１７，２７には夫々
取付部３１，３２が形成されている。この取付部
３１はシートクツシヨンフレーム１２ａに取付け
るためのもので、取付部３２はシートバツクフレ
ーム１３ａに取付けるためのものである。取付部
３１，３２には前後方向に延びる長孔３５が穿設
され、且つこの長孔３５に弾性体３７が取付けら
れている。

弾性体３７の前後方向の略中央位置にはボルト
挿通孔３９が設けられ、このボルト挿通孔３９に
ナイロンブツシユ４１を介してボルト４３が挿通
され、シートクツシヨンフレーム１２ａまたはシ
ートバツクフレーム１３ａに穿設されたボルト孔
１２ｂ，１３ｂに挿通した状態でボルト４３の先
端にナツト４５が螺合されている。尚符号４７は
ワツシヤーである。

基板１６，２６に形成した長孔３５は前後方向
が固定的に設定されているが、アーム１７，２７
における長孔３５はシートバツク１３が通常の着
座状態にある場合の前後方向に延びて設けられて
いるものである。従つてシートバツク１３を最後
傾位置としてシートクツシヨン１２と一連にした
場合には長孔３５は上下方向に延びることとな
る。

〔考案の効果〕

以上が本考案に係るシートバツクの取付構造の
一実施例の構成であるが、斯る構成に依れば、シ
ートクツシヨン側に取付けられる基板と、シート
バツク側に取付けられるアームとに取付部が形成
され、該取付部には通常の着座状態で前後方向に
延びる長孔が形成され、該長孔にボルト挿通孔を
有する弾性体が夫々取付けられているので、前記
取付部を介してシートクツシヨンフレーム及びシ
ートバツクフレームに基板及びアームが取付けら
れ、着座者の通常の着座状態においてシートに前
後方向の衝撃荷重が加えられた場合に前記弾性体
が前後方向に延びる長孔の範囲で変形し、シート
バツクが前後方向に平行状態を保持して移動する
こととなるので着座者が突き上げ感を受けたり上
方を向く虞れがなく、前後方向のサスペンシヨン
効果に優れ、乗り心地が優れ、構成が簡易で組付
作業も容易に行え、著しく経済性に優れたシート
バツクの取付構造を得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案に係るシートバツク
の取付構造の一実施例の概略を夫々示すもので、
第１図は分解斜視図、第２図はリクライニング機
構の側面説明図、第３図はリンク機構の側面説明
図、第４図は取付部の断面説明図である。 図中、１１……シート、１２……シートクツシ
ヨン、１２ａ……シートクツシヨンフレーム、１
３……シートバツク、１３ａ……シートバツクフ
レーム、１５……リクライニング機構、１６，２
６……基板、１７，２７……アーム、１９，２９
……枢支軸、２５……リンク機構、３１，３２…
…取付部、３５……長孔、３７……弾性体、３９
……ボルト挿通孔、４３……ボルト、４５……ナ
ツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨン側に取付けられる基板と、シ
   ートバツク側に取付けられるアームとを枢支軸に
   より回動自在に連結し、シートバツクを前後傾動
   可能に支持するシートバツクの取付構造におい
   て、前記基板に基板とシートクツシヨンフレーム
   とを取付ける取付部が、前記アームにアームとシ
   ートバツクフレームとを取付ける取付部が夫々形
   成され、前記取付部は前後方向に延びる長孔と、
   該長孔に取付けられた弾性体とを備え、該弾性体
   にボルト挿通孔が穿設され、前記基板及びアーム
   が弾性体のボルト挿通孔に夫々挿入されたボルト
   及びボルトと夫々螺合するナツトにより前記シー
   トクツシヨンフレーム及びシートバツクフレーム
   に取付けられるようになされていることを特徴と
   するシートバツクの取付構造。