JPH04138003U - 自動倉庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動倉庫内における荷繰り作業や庫内の保管
整理作業が、製品の入出庫作業の能率を妨げることなく
行えるようにして倉庫の運転効率の向上を図る。 【構成】 自動倉庫の倉庫部の一端地上部を入出庫部と
し、入出庫部の上階に位置する倉庫部一端に操荷場７を
設け、この操荷場７にループ搬送台車ライン８を設置
し、このループ搬送台車ライン８と倉庫の入出庫コンベ
ヤ４ｂ端とを向かい合わせ、上記ループ搬送台車ライン
８は直線状の往路９と復路１０のそれぞれの一端を転回
台式接続手段１１に接続し、それぞれの他端を非転回式
接続手段１２に接続してループ状に形成したことを特徴
とし、また、上記ループ搬送台車ライン８の直線状の迷
路部に接し倉庫部付属工場の工場入口装置１４と工場出
口装置１５とを設け、ループ搬送台車ライン８を経由し
て付属工場２へ製品の出入を可能に構成したことを特徴
としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、製品の入庫搬送作業と倉庫内の荷操り作業がたがいに交錯すること なく、出庫作業に適する製品の向きや保管格納場所の変更を可能にした自動倉庫 に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の自動倉庫の搬送装置を図７に示す。図７において、０１は自動 倉庫、０２は倉庫０１端に設置された入出庫コンベヤ、０３は倉庫０１端に接し て設けられたループ軌道、０４はループ軌道０３端部に設けた旋回軌道部、０５ はループ軌道０３の他端部に設けた直角軌道部、０６はループ軌道部０３上を走 行する多数の搬送台車、０７は倉庫０１と反対側でループ軌道０３に接して設け た入出庫装置、０８はループ軌道０３の直線部の間に設けた中間コンベヤである 。

【０００３】 上記従来の自動倉庫への製品の入庫は、複数の入出庫装置０７からパレットに 乗って製品が前向きに搬送台車０６上へ送られ、搬送台車０６はループ軌道０３ 上を反時計まわりに移動し、旋回軌道部０４を通って１８０°旋回して搬送台車 は向きを換え、所定の倉庫０１端に停止し、製品が後向きに入出庫コンベヤ０２ へ送られて倉庫０１内に収容される。製品の出庫は、製品が倉庫０１の入出庫コ ンベヤ０２から前向きに搬送台車０６上へ送られ、搬送台車０６が反時計まわり に直角軌道部０５から前向きのまま通り、指定された入出庫装置０７の前で停止 し、搬送台車０６上から製品が前向きに入出庫装置０７を経て出庫する。この時 、図のように搬送台車０６を入出庫装置０７ラインと直線位置に停止し中間コン ベヤ０８と接続状態にすると、ループ軌道０３によることなく倉庫０１内から矢 印のように直線的に入出庫装置０７へ出庫させ、反対に直線的に入庫させること ができる状態となる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の図７に示すような自動倉庫の搬送装置において、入出庫装置０７の半分 を入庫用に、他の半分を出庫用として複合運転を行い、中間コンベヤ０８を通る 直線路で入出庫させる場合、倉庫０１の内部では出庫に先立って出庫製品を出庫 運転される倉庫列内に他の倉庫列から移し替える荷操り作業が必要になる。そし て、この荷装り作業にループ軌道０３上を移動する搬送台車０６を使用するとき 、製品の前後の向きの調整に長時間を要する欠点がある。

【０００５】 例えば自動車などの製品の場合に、前向きに直線入庫した製品はループ軌道０ ３の一巡で後向き入庫に転回できるが、既に後向きに転回した製品を後向きの状 態を保持したまま出庫運転倉庫列へ移し替えようとすると、ループ軌道０３を二 巡させることが必要となる場合が生ずる。すなわち、倉庫内の製品の倉庫列から 他の倉庫列への移し替えや整理に非常に長い時間をとられ、入出庫の運転効率に 多大の影響を及ぼすという問題を生ずる。

【０００６】 本考案は、前記の問題点に鑑み提案するものであって、その目的とするところ は、自動倉庫内の荷繰り作業や庫内整理作業が製品の入出庫作業の能率を妨げる ことなく、しかも効率よく運転できるようにした自動倉庫を提供しようとする点 にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために本考案の自動倉庫は、自動倉庫１の倉庫部の一端 地上部を入出庫部５とし、上記入出庫部５の上階に位置する倉庫部一端に操荷場 ７を設け、この操荷部７にループ搬送台車ライン８を設置し、このループ搬送台 車ライン８と倉庫の入出庫コンベヤ４ｂ端とを向かい合わせて倉庫内の製品を循 環搬送可能とし、上記ループ搬送台車ライン８は直線状の往路９と直線状の復路 １０のそれぞれの一端を転回台式接続手段１１に接続し、それぞれの他端を非転 回式接続手段１２に接続してループ状に形成したことを特徴とする。また、上記 ループ搬送台車ライン８の直線状の送路部に接し倉庫部付属工場２の工場入口装 置１４と工場出口装置１５を設け、ループ搬送台車ライン８を経由して付属工場 ２へ製品２２の出入を可能に構成したことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

本考案の自動倉庫は、上述したような構成を有し、倉庫地上部の入出庫部５は 上階の操荷場７と離れ独立していて、この入出庫部５は自動倉庫の入出庫コンベ ヤ４ａと直接に接続して設けられ製品２２を前向きに倉庫へ入庫し、入庫した製 品２２は倉庫内において別途荷操り作業により、スタッカクレーンなどにより上 階の操荷場７で後向きに転回され移し換え整理された製品２２は再度入庫保管さ れるのである。

【０００９】 この場合、地上部の入出庫部５に対して独立して設けられた上階の操荷場７の ループ搬送台車ライン８は、一端の転回台式接続手段１１部で循環する搬送台車 を転回もしくは非転回の何れかの選択操作で循回させ、他端の非転回接続手段１ ２部で非転回のまま上階倉庫端位置へ戻すことにより、製品の向きを転回し、あ るいは非転回の状態で自由に所要位置へ戻すことができる。

【００１０】 また、ループ搬送台車ライン８上を経て付属工場（装備点検工場）２の工場入 口装置１４へ製品２２を渡し、工場出口装置１５からループ搬送台車ライン８へ 戻った製品２２を転回台式接続手段１１で前後の向きを自由に選択転回調整する ことにより、所定の向きで所定の倉庫位置へ戻すことができる。このように、ル ープ搬送台車ライン８による上階での荷操り作業と、階下の入出庫部５による直 接入出庫作業はそれぞれ独立して並行して進めることができる。なお、同一倉庫 列で入出庫作業と荷繰り作業が重なる場合は、その倉庫列に属するスタッカクレ ーンを入出庫優先で作動させれば格別の支障を来すことはない。

【００１１】

【実施例】

本考案の自動倉庫を図１ないし図６に示す実施例により詳述する。図１および 図２において、１は自動倉庫、２は倉庫１に隣接して設けられた装備点検用の付 属工場、３は倉庫列に沿って走行するスタッカクレーン、４ａは地上階の倉庫端 に接続した入出庫コンベヤ、５は入出庫コンベヤ４ａに直接に接続した地上階の 入出庫部、６は入出庫部５への倉庫出入口である。入庫する自動車などの製品は 倉庫出入口６から入出庫部５上に配置されたパレット上に前向きに乗り、入出庫 コンベヤ４ａで倉庫１側へ送られ、そのままの向きでスタッカクレーン３が取り 上げて搬送し倉庫内の棚に格納する。製品の出庫は庫内において後述する荷繰り 作業により向きを転回された製品をスタッカクレーン３が庫内から入出庫コンベ ヤ４ａ上に移し、入出庫部５から前向きに出庫させる。

【００１２】 図３は図２の上階部平面を示し、４ｂは倉庫端に設けた上階部入出庫コンベヤ 、７は上階倉庫端に隣接して設けた操荷場、８は操荷場７内に倉庫１の入出庫コ ンベヤ４ｂ沿いに設けたループ搬送台車ライン、９はループ搬送台車ライン８の 直線状の往路、１０はループ搬送台車ライン８の直線状の復路、１１は上記往路 ９と復路１０の一端に接続する転回台式接続手段であり、１２は上記往路９と往 路１０の他端をループ接続する非転回式接続手段である。１３はループ搬送台車 ライン８上に自走可能に設けた多数の搬送台車、１４、１５はそれぞれループ搬 送台車ライン８の直線状の往路部に接して設けたリフト式の工場入口装置と工場 出口装置である。

【００１３】 図４および図５は上記ループ搬送台車ライン８の拡大図で、図において、直線 状の往路９と復路１０は台１６上に設けたレール１７上を搬送台車１３がそれぞ れ自走すにようにし、転回台式接続手段１１は床面のトラバースレール１８上に 乗って往路９と復路１０端に自走する台車１９を備え、この自走台車１９にはタ ーンテーブル２０と上記往路、復路レール１７の延長線上にこれと整合するレー ル１７ａとターンテーブル２０上のレール１７ｂとを備えてなり、非転回式接続 手段１２はトラバースレール１８上に乗ったターンテーブルを持たないレール１ ７ａ付きの台車２１で構成されている。図中２２は搬送台車１３上にパレットを 介して乗せた製品を示し、△印は製品２２の前端側マークを示している。また図 ４中の矢印はループ搬送台車ライン８上の製品の流れを示す。

【００１４】 次に、図６に上述した入出庫部５とループ搬送台車ライン８により行う倉庫１ 内での製品２２の荷繰り作業の流れを示す。なお、倉庫１内の製品２２の出入は スタッカクレーン３と入出庫コンベヤ４ａ、４ｂにより行われるものである。図 ６において、入庫する製品２２Ａは入出庫部を経て直接倉庫１内へ矢印のａのル ートでパレット搬送されて２２Ｂまたは２２Ｃに示すように前向きに入庫する。 前向き入庫した製品の中、追加装備の必要な製品２２Ｂはスタッカクレーンによ り階上のループ搬送台車ライン８に送り出され矢印ｂに示すルートで工場入口装 置１４から装備点検用の付属工場２内へ２２Ｄに示すように送り込まれる。

【００１５】 付属工場２で追加装備作業の終了した製品２２Ｅは工場出口装置１５からルー プ搬送台車ライン８へ前向きで入り、矢印ｅに示すルート沿いに移動し、転回台 式接続手段１１部で転回なしにそのまま非転回式接続手段１２を経て倉庫１内へ 後向きで２２Ｈのように戻す。一方前向きに入庫した他の製品２２Ｃは順次矢印 Ｃに示すルートでループ搬送台車ライン８を一周させ転回台式接続手段１１によ り１８０°転回して２２Ｆに示すように倉庫１内へ後向きで戻す。この荷繰り操 作で１８０°転回された製品２２Ｆの１つが追加装備の対象になった場合は、矢 印ｆで示すルートで付属工場２へ後向きで２２Ｄ′のように送られ、工場出口装 置１５を経由して２２Ｅと同様に前向きでループ搬送台車ライン８へ戻り、矢印 ｅのルートで転回なしに倉庫１へ２２Ｈのように戻すのである。

【００１６】 また、倉庫１内に後向きに転回して戻した他の製品２２Ｆ′をループ搬送台車 ライン８の上流側の倉庫列へ入れ換える場合は、製品２２Ｆ′を矢印ｆ′のルー トで転回台式接続手段１１を転回作動させずにループラインを一巡させることに より転回なしに製品を２２Ｈ′位置に移し換えることができる。また最終的に付 属工場２での処理や倉庫１内での荷繰り操作が済んだ製品２２Ｈ、２２Ｈ′は、 その倉庫列から矢印ｈで示すルートにしたがい入出庫部５を通じてストレートに 出荷２２Ｊさせることができる。

【００１７】 これらの入出庫作業と荷繰り作業の両方の作業は並行して行うことができるか ら、その結果、庫内の製品の向きの変更や付属工場への製品の往復、出荷先グル ープごとの製品の置き換えなどの荷繰り作業は上記のように独立したループ搬送 台車ライン８により、迅速に行うことができ、入出庫作業と交錯しないから入出 庫作業の遅延をなくし倉庫の運営効率が向上する。この場合、同一倉庫列で荷繰 り作業と入出庫作業が重なる場合だけ、スタッカクレーンを入出庫優先で作動さ せれば格別の支障は来さないものである。

【００１８】

【考案の効果】

本考案の自動倉庫は、倉庫部の一端地上部を入出庫部とし、入出庫部の上階に 位置する倉庫部一端に操荷場を設け、この操荷場にループ搬送台車ラインを設置 し、このループ搬送台車ラインと倉庫の入出庫コンベヤ端とを向かい合わせて、 倉庫内の製品を循環搬送可能とし、上記ループ搬送台車ラインは直線状の往路、 復路のそれぞれの一端を転回台式接続手段に接続し、それぞれの他端を非回転式 接続手段によりループ接続したから、倉庫の入出庫ルートと荷繰り作業ルートが 地上部と階上部とに別れ、両作業は交錯することなく行うことができる。

【００１９】 また、階上部に設置したループ搬送台車ラインで製品の前後転回や前後非転回 の入れ換え荷繰り作業が自由に選択処理可能で、それによって荷繰り作業を格段 に早いスピードで行えるようになり、また出庫作業に適する製品の向きや、製品 の保管場所の変更により、入出庫作業の遅延をなくし倉庫の運転効率を高めるこ とができる。さらに、ループ搬送台車ラインに接して倉庫部付属工場の入口装置 と出口装置とを設け、ループ搬送台車ライン上から付属工場への製品の出入を可 能にしたから、付属工場への製品の流れも入出庫作業と交錯しなくなり、付属工 場から戻る製品を直接荷繰り整理し出庫に備えることができるなどの効果を奏す る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る自動倉庫の部分縦断面図
である。

【図２】図１のＸ−Ｘ線に沿う地上階部の平面図であ
る。

【図３】図１のＹ−Ｙ線に沿う上階部の平面図である。

【図４】ループ搬送台車ラインの拡大平面図である。

【図５】図４のＺ−Ｚ線に沿う正面図である。

【図６】倉庫の入出庫作業と荷繰り作業の流れを示す説
明図である。

【図７】従来の倉庫の入出庫部を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 倉庫 ２ 付属工場 ４ａ 入出庫コンベヤ（地上階部） ４ｂ 入出庫コンベヤ（上階部） ５ 入出庫部 ７ 操荷場 ８ ループ搬送台車ライン ９ 直線往路 １０ 直線復路 １１ 転回台式接続手段 １２ 非転回式接続手段 １４ 工場入口装置 １５ 工場出口装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 倉庫部の一端地上部を入出庫部とし、入
   出庫部の上階に位置する倉庫部一端に操荷場を設け、こ
   の操荷場にループ搬送台車ラインを設置し、このループ
   搬送台車ラインと倉庫の入出庫コンベヤ端とを向かい合
   わせて、倉庫内の製品を循環搬送可能とし、上記ループ
   搬送台車ラインは直線状の往路と直線状の復路のそれぞ
   れの一端を転回台式接続手段に接続し、それぞれの他端
   を非転回式接続手段に接続してループ状に形成したこと
   を特徴とする自動倉庫。
2. 【請求項２】 上記ループ搬送台車ラインの直線状の走
   行路に接し、倉庫部付属工場の工場入口装置と工場地口
   装置とを設け、ループ搬送台車ラインを経由して付属工
   場へ製品の出入を可能にしたことを特徴とする請求項１
   記載の自動倉庫。