JPH0413769Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は磁気ヘツドの固定装置に係り、磁気
テープの再生方向を自動的に切換えるための磁気
ヘツドの反転装置に好適な磁気ヘツドの固定装置
に関する。

従来、テープレコーダ等では再生時、磁気テー
プをその再生方向に応じて操作者がカセツトテー
プを反転させ、所望の再生信号を得るのが一般的
であるが、近年、磁気テープの反転を自動又は操
作によつて切換えるオートリバース方式のテープ
レコーダやテーププレーヤが実用化されている。

この種のテープレコーダにおいて磁気テープの
再生方向を切換える場合、１つの磁気ヘツドを反
転させることによつて、その再生方向を切換える
ため、磁気ヘツドの反転装置が必要となる。従来
の磁気ヘツドの反転装置は、その構成が複雑であ
るとともに、一定の精度を維持することから回転
軸にラジアル軸受を使用し、その価格が高くなる
欠点があつた。

そこで、軸受部の構造を簡略化するとともに、
摩耗によるがたつき等を防止し、安定した反転状
態を得ることができ、小型化を図つた磁気ヘツド
の反転装置が提案されている。

この考案は、磁気ヘツドの反転装置において磁
気ヘツドの固定構造の簡略化を図るとともに、位
置ずれ等を防止し、安定した固定状態が得られる
磁気ヘツドの固定装置の提供を目的とする。

即ち、この考案の磁気ヘツドの固定装置は、固
定部材に固定される固定枠２と、この固定枠に回
転可能に取り付けられ、上面に第１の突部６４が
形成され、かつ、固定突部５０Ａ，５０Ｂの内側
に凹部５６が形成された可動枠８と、この可動枠
の前記第１の突部上に設置されて前記凹部に係合
させる第２の突部（係合突部５８Ａ，５８Ｂ）が
側壁部に形成され、かつ磁気ヘツド１０を保持す
べき保持枠１２と、前記第１の突部を嵌め込んで
前記可動枠に取り付けられ、前記保持枠と前記可
動枠の間に介在して前記突部と前記凹部とを圧接
状態に保持させる第１の屈曲部７０とともに、前
記保持枠を前記可動枠の内壁に強固に押し付ける
第２の屈曲部（押圧部７２）が形成され、前記可
動枠上に前記保持枠を固定させるばね板６２とを
備えたことを特徴とする。

以下、この考案を図面に示した実施例を参照し
て詳細に説明する。

第１図ないし第４図はこの考案の磁気ヘツドの
固定装置の実施例を示し、第１図は磁気ヘツドの
反転機構を示す一部破断側面図、第２図はその平
面図、第３図は可動枠、保持枠及び板ばね部分の
分解斜視図、第４図は保持枠の固定構造を示す断
面図を示している。

第１図において、固定枠２は両側部に形成され
た取付孔４，６を介してテープレコーダのフレー
ムに固定される。この固定枠２の中央部には可動
枠８が回転可能に支持され、この可動枠８には磁
気ヘツド１０を保持する保持枠１２が可動枠８を
固定部材として着脱可能に固定されている。

固定枠２の中央部には可動枠８を回転可能に支
持するため、円柱状の回転支持部１４が形成さ
れ、この回転支持部１４の周囲部には断面コ字状
の凹部１６が形成されている。回転支持部１４の
中央部に形成された透孔１８には、可動枠８の中
央部に設けられた支持軸２０が挿通されていると
ともに、その内壁部には45°の角度をなす円錐面
から成る回転支持面２２が形成されている。この
回転支持面２２は支持軸２０に固定された支持リ
ング２４で閉塞され、この支持リング２４はスプ
リング２６を介して歯車２８で固定されている。
スプリング２６は円板状を成し、それをＳ字状に
折曲して弾力性を持たせたものである。支持リン
グ２４と回転支持面２２との間には複数のボール
３０が設置され、支持軸１８は固定枠２の回転支
持面２２にボール３０を介して回転可能に支持さ
れている。さらに、固定枠２の凹部１６に臨ませ
られた可動枠８の回転支持部３２の内側には45°
の円錐面からなる回転支持面３４が形成され、こ
の回転支持面３４と固定枠２の回転支持部１４の
外周部及び凹部１６の内底面との間には、複数の
ボール３６が設置され、固定枠２には可動枠８の
回転支持部３２が回転可能に支持されている。

また、固定枠２には可動枠８の回転を阻止する
ストツパねじ３８，４０が第２図に示すように、
コイルスプリング４２を介挿して固定され、その
先端部が可動枠８の回転範囲内に臨ませられてい
る。一方、可動枠８の側部には、係止突部４４が
突設され、その当接部には当接ねじ４６Ａ，４６
Ｂが固定されている。

そして、可動枠８の上面部には保持枠１２の前
面部に位置する固定突部４８が突設されていると
ともに、保持枠１２の側部に臨む一対の固定突部
５０Ａ，５０Ｂが突設され、固定突部５０Ａ，５
０Ｂ間には切欠部５２が形成されている。固定突
部４８に形成されたねじ孔４９には位置調節ねじ
５４が取付けられ、この位置調節ねじ５４の先端
には保持枠１２の前面部が当接され、その位置が
位置調節ねじ５４で調整可能にされている。これ
ら固定突部５０Ａ，５０Ｂの下部にはＵ字形の凹
部５６が形成され、保持枠１２の両側部には凹部
５６に挿入される第２の突部として一対の係合突
部５８Ａ，５８Ｂが切欠部６０を設けて形成され
ている。

また、可動枠８の上面には保持枠１２を固定す
るための弾性部材であるばね板６２を固定する矩
形の第１の突部６４が形成されているとともに、
固定突部６４には係合孔６５が形成されている。
係合孔６５は前面開口部を大きくし、中途部に段
部６７を設けて後部を狭小にしたものである。

第３図に示すように、ばね板６２には中央に矩
形の透孔６６を形成し且つくの字型に折り曲げた
第１の屈曲部７０が形成され、この屈曲部７０の
前縁部には、係合孔６５に挿入して係合させるＬ
字形の係合舌片６８が形成され、さらに屈曲部７
０の後縁部には第２の屈曲部を成す押圧部７２が
形成されている。押圧部７２には屈曲部７０の後
縁部にほぼ直角に折り曲げて立上がる支持部７４
が形成され、この支持部７４の中間部をＶ字状に
下方に折り曲げ、保持枠１２の後面部に当接する
当接片７６が形成されている。

以上のように構成したので、可動枠８の上面に
ばね板６２の透孔６６に固定突部６４を挿入させ
て固定載置する。この場合、ばね板６２の係止舌
片６８は固定突部４８の係合孔６５に挿入して係
止させる。そして、予め磁気ヘツド１０を取付け
た保持枠１２の後面部をばね板６２の当接片７６
に当接し、保持枠１２とばね板６２を後方に傾斜
させ、可動枠８の凹部５６に保持枠１２の係合突
部５０Ａ，５０Ｂを挿入する。この場合、保持枠
１２はばね板６２の当接片７６の付勢力で前方に
摺動し、その前面部は固定突部４８に固定された
位置調節ねじ５４の端部に当接し、位置固定がな
されるとともに、第４図に示すように、可動枠８
上に保持枠１２が強固に固定される。

そして、可動枠８は固定枠２に回動可能に支持
されているので、歯車２８に図示していない磁気
テープの再生方向に応動する磁気ソレノイド等の
回転駆動機構を連結し、第２図に矢印Ａ−Ｂで示
す方向に可動枠８を回転させ、磁気ヘツド１０を
磁気テープの再生方向に対応して反転させること
ができる。第２図は磁気ヘツド１０を矢印Ｂの方
向に10°程度変位させた状態を示している。この
場合、回動始点及び終点はストツパねじ３８，４
０の突出量を加減して調整することができる。

このような構成によれば、磁気ヘツド１０を保
持している保持枠１２は固定部材としての可動枠
８の上面に載置されたばね板６２の載置部７０の
弾性により可動枠８から引き離す方向に付勢さ
れ、その係合突部５８Ａ，５８Ｂの上面部が凹部
５６の内壁面に強固に当接される。この結果、保
持枠１２は可動枠８に強固に固定される。

また、ばね板６２の押圧部７２は保持枠１２の
側面部を固定突部４８の方向に付勢し、保持枠１
２は押圧部７２と固定突部の位置調節ねじ５４の
端部との間に把持されて固定される。

このように、磁気ヘツド１０を取付けた保持枠
１２は可動枠８に着脱可能且つ強固に固定できる
ので、位置ずれ等による再生音への影響が抑制で
きる。しかも、磁気ヘツド１０の上下方向位置、
即ち磁気テープの当接面のずれは、位置調節ねじ
５４の突出量を加減し、ばね板６２の押圧部７２
に抗して保持枠１２を移動して調整することがで
きる。この場合、保持枠１２は可動枠８の上面を
摺動させて行なえるので、精密調整が可能であ
り、磁気ヘツド１０や保持枠１２を取外す必要が
ないので、調整作業が容易になる。

以上説明したようにこの考案によれば、磁気ヘ
ツドの取付け構造を簡略化できるとともに、その
取付け及び位置の調整が容易にでき、位置ずれ等
を防止し、安定した固定状態を得ることができ、
しかも、弾性部材による固定であるため、ねじな
どの他の固定手段が不要となり、組立作業の簡略
化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の磁気ヘツドの固定装置の実
施例を示す一部破断側面図、第２図はこの考案の
磁気ヘツドの固定装置の実施例を示す平面図、第
３図は可動枠、保持枠及び板ばねの構造を示す分
解斜視図、第４図は保持枠の固定構造を示す断面
図である。 ２……固定枠、８……可動枠、１０……磁気ヘ
ツド、１２……保持枠、５０Ａ，５０Ｂ……固定
突部、５６……凹部、５８Ａ，５８Ｂ……係合突
部（第２の突部）、６２……ばね板、６４……第
１の突部、７０……第１の屈曲部、７２……押圧
部（第２の屈曲部）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 固定部材に固定される固定枠と、 この固定枠に回転可能に取り付けられ、上面に
   第１の突部が形成され、かつ、固定突部の内側に
   凹部が形成された可動枠と、 この可動枠の前記第１の突部上に設置されて前
   記凹部に係合させる第２の突部が側壁部に形成さ
   れ、かつ磁気ヘツドを保持すべき保持枠と、 前記第１の突部を嵌め込んで前記可動枠に取り
   付けられ、前記保持枠と前記可動枠の間に介在し
   て前記突部と前記凹部とを圧接状態に保持させる
   第１の屈曲部とともに、前記保持枠を前記可動枠
   の内壁に強固に押し付ける第２の屈曲部が形成さ
   れ、前記可動枠上に前記保持枠を固定させるばね
   板と、 を備えたことを特徴とする磁気ヘツドの固定装
   置。