JPH04137530U - 磁気記録再生装置のテープテンシヨン制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サブシャーシにテープテンション制御機構の
部材を設置し、この各部材の取付位置を調整すること無
くメカ組立が簡単にでき、このサブシャーシをメカデッ
キシャーシに取り付けてメカデッキシャーシ上のスペー
スを有効にしたものである。 【構成】 サプライリールにＵ字形に巻き付けテンショ
ンスプリングで付勢したバンドブレーキとテンションア
ームを支持するブレーキ支持板を設け、テンションポー
ルを嵌め込んだメカデッキシャーシの長溝と、テンショ
ンアームのピンを嵌め込んだブレーキ支持板の円弧状長
穴と、テンションアームとブレーキ支持板とを支持する
サブシャーシと、ブレーキ支持板のストッパ用突起部
と、サブシャーシに設けたストッパ軸とを備え、テンシ
ョンポールと固定ガイドを走行テープが摺接するよう構
成したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は磁気記録再生装置のテープテンション制御装置に係り、特にメカ組 立を容易にしメカデッキシャーシ上のスペースを有効にするのに好適な磁気記録 再生装置のテープテンション制御装置に関する。

【０００２】

【従来技術】

従来より、磁気記録再生装置のテープテンション制御装置は図３に示す分解斜 視図のものが多く提供されていた。図において、10はテンションポール10a を有 したテンションアームであり、シャーシに固定されたテンションスプリング11に よって付勢され、このテンションアーム10に結合部材12と押え板13によって略Ｕ 字形のバンドブレーキ14が取り付けられている。

【０００３】 ６はテープ走行機構のサプライリール台であり、このサプライリール台６に上 記略Ｕ字形のバンドブレーキ14が巻き回され、バンドブレーキ14の端部は長穴を 有して位置調整可能な支持部材16に押え板15でシャーシ17に固定されている。

【０００４】 一方、テンションアーム10は取付軸10c に嵌め込まれるシャーシ17のピン17a と止輪８で回動自在に支持され、このテンションアーム10は前記バンドブレーキ 14がサプライリール台６に巻き回された圧接力によるブレーキトルクと、テンシ ョンアーム10を付勢するテンションスプリング11の弾力によるトルクとで回動位 置が決められて取り付けられている。

【０００５】 この様に構成したテープテンション制御装置はテンションアーム10のテンショ ンポール10a に摺接して走行する走行テープのテープ張力と、前記バンドブレー キ14のブレーキバンド張力及びテンションスプリング11によるテンションアーム 10の回動位置が均衡してテープテンション制御を行なっていた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した従来の磁気記録再生装置のテープテンション制御装置はリー ル駆動系のテープテンション制御機構やテープローディング駆動系のテープ走行 機構をメカデッキシャーシ17の表面（図３で図示）又は裏面（図示せず）に取り 付けられ、特にメカデッキシャーシ17の表面にテンションアーム10があるため、 メカデッキシャーシ17上のスペース占有率が大きくなり他のパーツの取付が困難 になるという欠点があった。

【０００７】 また、バンドブレーキ14をテンションアーム10に取り付けるため、テンション アーム10の平衡度が確保できず、バンドブレーキ14の支持部材16による位置調整 機構が必然的に必要になってくるという欠点もあった。更に、テープアンローデ ィング時にバンドブレーキ14が弛みバンドブレーキ14を正常位置のまま保持する ことが難しくなるという欠点もあった。

【０００８】 この考案は上記した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは 従来例の欠点を解消し、メカデッキシャーシに取り付けられたサブシャーシ上に テープテンション制御機構の部材を設置し、この各部材の取付位置を調整するこ と無くメカ組立が簡単にでき、しかもメカデッキシャーシ上のスペースを有効に したテープテンション制御装置を提供するところにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案の磁気記録再生装置のテープテンション制御装置はメカデッキシャー シにリール駆動系のテープテンション制御機構とテープローディング駆動系のテ ープ走行機構を備え、テープテンション制御機構がサプライリールにＵ字形に巻 き付けたバンドブレーキと回動自在のテンションアームとで構成され、このテン ションアームに立設したテンションポールとメカデッキシャーシの固定ガイドを 走行テープが摺接するテープ走行機構で構成した磁気記録再生装置のテープテン ション制御装置において、上記略Ｕ字形のバンドブレーキとテンションアームを 支持するブレーキ支持板を設け、上記テンションアームのテンションポールをメ カデッキシャーシの２本の固定ガイドの中間に設けた長溝に回動自在に嵌め込み 、テンションアームに設けたピンを上記ブレーキ支持板に設けた円弧状長穴に回 動自在に嵌め込み、上記テンションアームとブレーキ支持板とを同軸上に支持し て同期して回動することができ、上記同軸上に支持したテンションアームとブレ ーキ支持板とを支持するサブシャーシを設け、このサブシャーシが上記メカデッ キシャーシに取り付けられ、上記ブレーキ支持板にストッパ用突起部を設け、こ のストッパ用突起部がサブシャーシに設けたストッパ軸と当接するよう構成した ものである。

【００１０】 また、上記略Ｕ字形に形成したバンドブレーキの端部にテンションスプリング を設けてサブシャーシに固定し、一方、このバンドブレーキの他端部をブレーキ 支持板に固定してブレーキ支持板を付勢するよう構成しても良い。

【００１１】

【作用】

この考案によれば、磁気記録再生装置のリール駆動系のテープテンション制御 機構をメカデッキシャーシに取り付けられたサブシャーシ上に構成し、テープロ ーディング駆動系のテープ走行機構のみをメカデッキシャーシ上に構成し、メカ デッキシャーシ上のスペースファクタを良くすることができる。

【００１２】 上記テープテンション制御機構において、サプライリール台にＵ字形に巻き付 けたバンドブレーキのブレ−キトルクはサプライリール台に圧接したバンドブレ ーキの圧接力に比例し、このバンドブレーキの圧接力はバンドブレーキに取り付 けられたテンションスプリングによって生じるバンドブレーキ張力と、テンショ ンポールに摺接したテープ張力によって回動するテンションアームを支持したブ レーキ支持板の回動位置とが均衡して構成したものである。

【００１３】 上記回動自在のテンションアームのテンションポールをメカデッキシャーシ上 の２本の固定ガイドの中間に設けた長溝に回動自在に嵌め込み、この２本の固定 ガイドと、この２本の固定ガイドの中間に位置したテンションポールに走行テー プが摺接してテ−プ張力をテンションアームに与え、このテンションアームに設 けたピンを同軸上に支持したブレーキ支持板に設けた円弧状長穴に回動自在に嵌 め込み、テンションアームとブレーキ支持板とが同期して回動することができ、 テープ張力による回動位置を設定することができる。

【００１４】 このテンションアームと同軸上に支持したブレーキ支持板の外周に設けたスト ッパ用突起部がサブシャーシに設置されたストッパ軸に当接して決められた位置 を初期位置として、ブレーキ支持板及びテンションアームは回動自在に取り付け られている。

【００１５】 この様に構成したテープテンション制御機構はテープアンローディング状態の 初期状態においても、サプライリール台に弱いブレ−キトルクが作用しているた め、テープローディング駆動系のメインブレ−キトルクを小さく設定することが でき、また、逆にバンドブレーキによるブレ−キトルクを補助ブレ−キとして使 用することも可能である。

【００１６】 また、上記略Ｕ字形に形成したバンドブレーキの端部にテンションスプリング を設けてサブシャーシに固定し、バンドブレーキの他端部をブレーキ支持板に固 定してブレーキ支持板を付勢するため、バンドブレーキの取付位置を調整する必 要が無くなり、テープテンション制御機構の生産上の組立作業を容易することが できる。

【００１７】

【実施例】

この考案に係る磁気記録再生装置のテープテンション制御装置の実施例を図１ 及び図２に基づいて説明する。なお従来例と同一部分には同一符号を付してその 説明を省略する。

【００１８】 図１はテープテンション制御装置の分解斜視図であり、図２はテープ走行機構 とテープテンション制御機構の動作を示した動作原理図である。図において、１ はメカデッキシャーシであり、このメカデッキシャーシ１に設けた２本の固定ガ イド1aの中間に長溝1bを設け、一方、２はテンションアームであり、テンション アーム２のテンションポール2aが上記メカデッキシャーシ１の長溝1bに嵌め込ま れ、サプライリール台６からの走行テープ９は図２に示すように固定ガイド1a、 テンションポール2a及び固定ガイド1aを摺接して走行する。

【００１９】 走行テープ９のテープ張力は、一般にキャプスタン軸とピンチローラ（図示せ ず）との圧着によって発生し、一定速度でテープを走行させる場合、サプライリ ール及びテイクアップリール（図示せず）の両リールのテープの巻径の変化によ って速度変動とテープテンション変動が発生する。巻き取り側のテイクアップリ ールはテープ弛みを防止するため、テイクアップリール台駆動にスリップ機構（ 図示せず）を装着してテープ巻径に対する回転負荷変動を吸収している。

【００２０】 一方、サプライリール６は巻径に対応した一定の負荷が作用するようなバック テンション付加機構が装着され、テンションアーム２によってテープテンション を検出し、このテープテンションに応じたブレ−キトルクをサプライリール台６ にＵ字形に巻き付けたバンドブレーキ４で与えることができる。

【００２１】 テープテンションを検出するテンションアーム２は同軸上に支持されたブレー キ支持板３のストッパ用突起部3aがサブシャーシ７のストッパ軸7aと当接した状 態を初期値として、サブシャーシ７の取付軸7cにブレーキ支持板３の取付穴3c及 びテンションアーム２の取付部2cを止輪８で同軸上に回動自在に取り付けられ、 テープ張力によってテンションアーム２とブレーキ支持板３は同期して回動する ことができる。

【００２２】 即ち、テンションアーム２のテンションポール2aで図２に示すテープテンショ ンＰが検出され、例えばテンションポール2aが時計方向に移動すると、テンショ ンアーム２は取付部2cを中心に時計方向に微小角だけ回動する。この時テンショ ンアーム２のピン2bも同様に時計方向に回動し、テンションアーム２と同軸上に 支持されたブレーキ支持板３の円弧状長穴3bの右端を押すことになり、ブレーキ 支持板３も同様に時計方向に同期して回動する。

【００２３】 ブレーキ支持板３の円弧状長穴3bに対向する位置に設けた取付用突起部3dに取 り付けられたバンドブレーキ４は、ブレーキ支持板３の回動によって反時計方向 に引っ張られ、ブレーキ支持板３の他端部に設けたテンションスプリング５が図 のようにサブシャーシ７の取付フック7bに取り付けられているため、このテンシ ョンスプリング５の反発力がＵ字形に巻き付けられたサプライリール台６に与え られ、サプライリール台６に対して図２に示すブレ−キトルクＦが発生する。

【００２４】 このブレ−キトルクＦによってサプライリール台６の回転数が制御され、この サプライリール台６はサプライリールのテープ巻径とは無関係に走行テープ９の バックテンションＰ’をほぼ一定に保つことができる。

【００２５】 このバックテープテンションＰ’が走行テープ９に作用するため、サプライリ ール台６のテープ巻径の変化に影響を受けること無く磁気記録再生装置のヘッド （図示せず）と走行テープ９との接触圧は一定に保持され、テープテンション変 動による走行テープ９の弛みや走行テープ９の速度変動も無くすことができ、良 好な状態で走行テープ９の走行駆動を行ない、良好な記録再生を行なうことがで きる。

【００２６】 この様に、バンドブレーキ４をサプライリール台６に巻き付け、このバンドブ レーキ４による純機械式テープテンションを検出するテープテンション制御装置 であるので、カセットテープレコーダやDAT,VTR などの磁気記録再生装置に利用 することができる。

【００２７】

【考案の効果】

この考案に係る磁気記録再生装置のテープテンション制御装置は前述のように 、メカデッキシャーシに取り付けられたサブシャーシ上にテンションアームなど を設置して構成したので、メカデッキシャーシ上のスペースファクタを良くする ことができ、テープ走行機構や他の部品などを有効にメカデッキシャーシ上に設 置することができるという効果がある。

【００２８】 また、サプライリール台駆動系とテープテンション制御機構とが一体化して積 み重ね方式の組み立てが可能であり、バンドブレーキ取付のテンションスプリン グの設定値が決定されることにより、バンドブレーキ取付に調整が不要となり、 バンドブレーキの取付を簡単にし、バンドブレーキの組立性を向上することがで き、バンドブレーキに折り目を付けたり損傷を与えるなどの不具合を防止するこ とができるという効果もある。

【００２９】 しかも、構造が簡単であって、また、安価に構成することができるため実施 も容易であるなどの優れた特長を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のテープテンション制御装置の実施例
を示した分解斜視図である。

【図２】図１のテープ走行機構とテープテンション制御
機構の動作を示した動作原理図である。

【図３】従来例を示した分解斜視図である。

【符号の説明】

１ メカデッキシャーシ 1a 固定ガイド 1b ２本の固定ガイドの中間に設けた長溝 ２ テンションアーム 2a テンションポール 2b ピン 2c 取付軸 ３ ブレーキ支持板 3a ストッパ用突起部 3b 円弧状長穴 3c 取付穴 3d 取付用突起部 ４ バンドブレーキ ５ テンションスプリング ６ サプライリール台 ７ サブシャーシ 7a ストッパ軸 7b 取付フック 7c 取付軸 ８ 止輪

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 メカデッキシャーシにリール駆動系のテ
   ープテンション制御機構とテープローディング駆動系の
   テープ走行機構を備え、テープテンション制御機構がサ
   プライリールにＵ字形に巻き付けたバンドブレーキと回
   動自在のテンションアームとで構成され、このテンショ
   ンアームに立設したテンションポールとメカデッキシャ
   ーシの固定ガイドを走行テープが摺接するテープ走行機
   構で構成した磁気記録再生装置のテープテンション制御
   装置において、上記略Ｕ字形のバンドブレーキとテンシ
   ョンアームを支持するブレーキ支持板を設け、上記テン
   ションアームのテンションポールをメカデッキシャーシ
   の２本の固定ガイドの中間に設けた長溝に回動自在に嵌
   め込み、テンションアームに設けたピンを上記ブレーキ
   支持板に設けた円弧状長穴に回動自在に嵌め込み、上記
   テンションアームとブレーキ支持板とを同軸上に支持し
   て同期して回動することができ、上記同軸上に支持した
   テンションアームとブレーキ支持板とを支持するサブシ
   ャーシを設け、このサブシャーシが上記メカデッキシャ
   ーシに取り付けられ、上記ブレーキ支持板にストッパ用
   突起部を設け、このストッパ用突起部がサブシャーシに
   設けたストッパ軸とが当接するよう構成したことを特徴
   とする磁気記録再生装置のテープテンション制御装置。
2. 【請求項２】 上記略Ｕ字形に形成したバンドブレーキ
   の端部にテンションスプリングを設けてサブシャーシに
   固定し、一方、このバンドブレーキの他端部を上記ブレ
   ーキ支持板に固定してブレーキ支持板を付勢するよう構
   成したことを特徴とする請求項１記載の磁気記録再生装
   置のテープテンション制御装置。