JPH04135637U - バルコニーの手すり壁構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】バルコニーの手すり壁を形成する化粧板を親柱
に取付きかつ化粧板支持部を有する化粧カバーに固定す
ることにより、化粧板の位置合わせを容易とする。 【構成】バルコニーＡの外周縁Ｃに配した外枠材２…に
親柱３…を立設するとともに、この親柱３に、その外面
３Ａを化粧する覆部４Ａを有する化粧カバー４を取付け
る一方、該化粧カバー４は、前記覆部４Ａの側部に、内
方にのびる内向き片６と、内向き片６の内端に設けられ
かつ側方に突出する取付片５とからなる支持部４Ｂを具
える。さらに隣り合う親柱３ａ、３ｂに取付けた化粧カ
バー４ａ、４ｂの向き合う支持部４Ｂ、４Ｂａに、親柱
３ａ、３ｂ間に配する化粧板９を前記取付片５にビス止
めすることにより固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バルコニーの外枠材に立設する親柱を化粧する化粧カバーに化粧板 を取付けることにより、部材種類の削減と化粧板の取付作業の能率化を図りうる バルコニーの手すり壁構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

家屋の外壁の階上部分から突出するバルコニー、あるいは家屋本体に付設する 低層の付属家屋の屋上に設けられる屋上バルコニー等の階上のバルコニーが、居 住性を高めるために多用されている。

【０００３】 このようなバルコニーの外周縁で立上がる手すり壁は、従来、図４に略示する ように、前記外周縁に沿って配されかつバルコニー床体を支持する外枠材ａに適 宜の間隔を有して支柱ｂ…を立設するとともに、隣り合う支柱ｂ、ｂの対向する 側面に例えば断面Ｌ字のアングル材ｃ、ｃを固着し、該アングル材ｃの一片をな しかつ側方に突出する取付片ｃ１に前記支柱ｂ、ｂ間を覆う化粧板ｄを固定する ことにより形成されていた。

【０００４】 又支柱ｂの外面には、化粧カバーｅが前記化粧板ｄの取付け後添設され該支柱 ｂを化粧していた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらこのような従来のものにあっては、前記化粧板ｄを取付けるため にアングル材ｃなどの専用の部材を必要とし、部材種類の増大を招くとともに、 前記アングル材ｃを化粧板ｄの取付け位置に正確に支柱ｂに固定する作業に手間 を要し、ややもすると工期の遅延を招来するという解決すべき課題がある。

【０００６】 本考案は、親柱の外面を化粧する化粧カバーの側部に、バルコニーの外周縁と 直角に内方にのびる内向き片と化粧板をビス止めする取付片とからなる支持部を 具えることを基本として、化粧カバーを利用して化粧板を取付けでき部材種類の 削減と施工性の向上を図りうるバルコニーの手すり壁構造の提供を目的としてい る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、階上のバルコニーの手すり壁を形成するバルコニーの手すり壁構造 であって、前記バルコニーの外周縁に配した外枠材に笠木により上端を接続され る親柱を立設するとともに、この親柱に、前記外周縁に沿う親柱の外面を化粧す る覆部を有する化粧カバーを取付ける一方、該化粧カバーは、前記覆部の側部に 、前記外周縁と直角に内方にのびる内向き片と、内向き片の内端に設けられかつ 外周縁と平行に側方に突出する取付片とからなる支持部を具えるとともに、隣り 合う親柱に取付けた化粧カバーの向き合う支持部に、親柱間に配する化粧板を前 記取付片にビス止めすることにより固定する。

【０００８】

【作用】

バルコニーの外周縁に配した外枠材に親柱を立設するとともに、該親柱に、そ の外面を化粧する覆部、および前記外周縁と直角に内方にのびる内向き片と外周 縁と平行に側方に突出する取付片とからなる支持部を具える化粧カバーを取付け る。又親柱間に配される化粧板は、隣り合う親柱に取付けた化粧カバーの向き合 う支持部の前記取付片にビス止めされることにより固定される。このように先行 して取付けられた化粧カバーを利用して化粧板を取付けるため、従来のような化 粧板取付用の専用の部材を省略でき、部材種類の削減を図りうるとともに、この 部材の取付け作業に伴う手間を排除するため、施工性の向上を図りうる。

【０００９】 又前記化粧カバーは取付片の側端に前記内向き片を具えている。従って、隣り 合う親柱に取付く各化粧カバーの内向き片間に化粧板を配設でき、該化粧板の取 付作業に伴う位置合わせを容易とし、その作業の能率を向上しうる。

【００１０】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。 図において本考案のバルコニーの手すり壁構造は、階上のバルコニーＡの手す り壁Ｂを形成するものであり、バルコニーＡの外周縁Ｃに配した外枠材２…に親 柱３…を立設するとともに、この親柱３に、前記外周縁Ｃに沿う親柱３の外面３ Ａを化粧する覆部４Ａを有した化粧カバー４を取付ける一方、該化粧カバー４の 側方に突出する取付片５に、隣り合う親柱３、３間に配する化粧板９をビス止め することにより該化粧板９を化粧カバー４の支持部４Ｂに固定する。

【００１１】 前記外枠材２は、本例では、図３に示すように、家屋の外壁に沿って並設され かつ階上、階下を結ぶ胴差となる水平なラチス梁２０を架設した例えば角鋼管か らなる家屋の柱２１、２１の外面に一端がボルト止めされかつ家屋の外壁から直 角に突出する平行な片持ち梁２２、２２と、該片持ち梁２２、２２の前端を継ぐ 継ぎ梁２３とを含む。

【００１２】 前記片持ち梁２２は、垂直なウエブ２２Ａの上下に水平なフランジ２２Ｂ、２ ２Ｃを設けたＩ形鋼から形成され、又継ぎ梁２３はウエブ２３Ａの上下端からフ ランジ２３Ｂ、２３Ｃを外方に張出した断面コ字の溝形鋼から形成されるととも に、平行な片持ち梁２２、２２の各ウエブ２２Ａ、２２Ａに夫々ボルト止めされ る固定片２５と、該固定片２５の後端から直角に折曲がり継ぎ梁２３のウエブ２ ３Ａをボルト止めする固定片２６とを有するＬ字状の取付金具２７により、片持 ち梁２２と継ぎ梁２３とは各上のフランジ２２Ｂ、２３Ｂの高さを揃えて強固に 連結され、コ字状の前記外周縁Ｃを形成する。なお外周縁Ｃとは、本明細書では 、前記片持ち梁２２、２２、継ぎ梁２３の各上のフランジ２２Ｂ、２３Ｂの外縁 がなすコ字状の外縁を意味する。

【００１３】 又外枠材２…上には、下受金具３０を介して前記親柱３…が適宜の間隔を有し て立設される。下受金具３０は、図２、図３に示すように、前記外枠材２の上フ ランジ２２Ｂ、２３Ｂの外端近傍で立上がる前脚片３１と、内端近傍で立上がる 後脚片３２とを水平な上片３３により連結してなる断面コ字の基体３４を具える とともに、前記前脚片３１、後脚片３２の下端から直角にかつ内方に折曲がり前 記上フランジ２２Ｂ、２３Ｂ上面に沿う前後の水平片３１Ａ、３２Ａを、該上フ ランジ２２Ｂ、２３Ｂにボルト止め等により固着することにより、下受金具３０ は、外枠体２…上に強固に固定される。なお前記後の水平片３２Ａは、上フラン ジ２２Ｂ、２３Ｂの内端を越えて内方に突出し、図３に一点鎖線で示すような例 えば軽量コンクリートからなる床パネルＰの端部を載置、固定する。

【００１４】 前記親柱３は、本例では角鋼管からなり、その下端を下受金具３０の上片３３ に取付けられた適宜の取付金具（図示せず）により固定されるとともに、並設さ れた親柱３…の上端は、下地金具３６を介して笠木３７により接続される。

【００１５】 下地金具３６は、図２、図３に示すように、親柱３…の上端にボルト止め等に より固着される横長矩形の水平片３９の内外縁から立片４０、４１を立上げた断 面コ字の長尺な金具であって、前記片持ち梁２２の前端近傍に立設されたコーナ の親柱３ａ上端で折曲がることによりコ字状をなす。

【００１６】 又笠木３７は、前記下地金具３６の内の立片４０にボルト止めされる内の立下 げ片３７Ａと、前記化粧板９の外面上端を覆う外の立下げ片３７Ｂとを有し、該 化粧板９の親柱３…への取付け後、下地金具３６に固着される。

【００１７】 化粧板９は、例えば合板の表裏に化粧シートを貼着した矩形の板材であって、 その両側端近傍には、取付け用のボルト挿入孔９ａ…が穿設されている。該化粧 板９は、前記親柱３に取付く化粧カバー４に固定される。

【００１８】 化粧カバー４は、図１、図３に示すように、前記コーナの親柱３ａに固定され る第１の化粧カバー４ａと、外枠材２の中通り部に立設される親柱３ｂに取付く 第２の化粧カバー４ｂとを含む。

【００１９】 第１の化粧カバー４ａは、前記コーナの親柱３ａの直交する２つの外面３Ａ、 ３Ａに夫々固定されかつ前記支持部４Ｂを有する側の化粧カバー４Ｂ１と、該コ ーナの親柱３の外面３Ａ、３Ａを覆う覆部４Ａを有する中の化粧カバー４Ａ１と からなる。

【００２０】 側の化粧カバー４Ｂ１は、親柱３ａの前記外面３Ａにボルト止めされる縦長矩 形の固定片１１、および該固定片１１の親柱３ａから突出した一側端から直角か つ外方にのびる内向き片６と前記固定片１１に同一垂直面内で連なり外枠材２と 平行に突出する取付片５とからなる支持部４Ｂを具えるとともに、該取付片５に は、前記化粧板９のボルト挿入孔９ａに位置を合わせてネジ孔１２が設けられて いる。又取付片５の側端には、直角かつ内方に折曲がりかつ内端に親柱３ａの他 の側面３Ｂに先端が至る側片１３Ａを有した略Ｌ字状の折曲がり片１３が一体に 成形されている。

【００２１】 又中の化粧カバー４Ａ１は、前記側の化粧カバー４Ｂ１の固定片１１の他側端 から段差部１４を介してのびる挟持片１５と前記外面３Ａとの間に挟着される挟 着片１６、および該挟着片１６の側端から外方にのびる連結片１７を介して一体 に設けられた断面略Ｌ字状の覆部４Ａからなるとともに、該覆部４Ａの側端は、 前記内向き片６の外端から固定片１１と向き合う方向にのびる当着片１９の外面 に当接する。

【００２２】 然して１対の前記側の化粧カバー４Ｂ１、４Ｂ１を前記コーナの親柱３ａの２ つの外面３Ａ、３Ａに、各固定片１１、１１をボルト止めすることにより取付け るとともに、取付けられた２つの側の化粧カバー４Ｂ１、４Ｂ１の前記挟持片１ ５、１５と前記外面３Ａ、３Ａとの間に前記挟着片１６、１６を嵌着することに より、中の化粧カバー４Ａ１をコーナの親柱３ａに固定する。従って該コーナの 親柱３ａの外面３Ａ、３Ａは、中の化粧カバー４Ａ１の覆部４Ａにより化粧され るとともに、該覆部４Ａの側部には、前記外周縁Ｃと直角に内方にのびる内向き 片６と、該内向き片６の内端に設けられかつ外周縁Ｃと平行に側方に突出する取 付片５とからなる支持部４Ｂが側の化粧カバー４Ｂ１により形成される。

【００２３】 一方、前記親柱３ｂに取付く第２の化粧カバー４ｂは、前記第１の化粧カバー ４ａの側の化粧カバー４Ｂ１と同形の側の化粧カバー４Ｂ２、および親柱３ｂの 外周縁Ｃに沿う外面３Ａを化粧する覆部４Ａａを有する中の化粧カバー４Ａ２か らなる。

【００２４】 一対の側の化粧カバー４Ｂ２、４Ｂ２は、その支持部４Ｂａ、４Ｂａを前記第 １の化粧カバー４ａの支持部４Ｂと向き合わせて親柱３ｂの外面３Ａに、固定片 １１Ａ、１１Ａをボルト止めすることにより固定されるとともに、固定されるこ とにより対向する側の化粧カバー４Ｂ２、４Ｂ２の挟持片１５Ａ、１５Ａと前記 外面３Ａとの間に中の化粧カバー４Ａ２の挟着片１６Ａを挟着することにより、 該挟着片１６Ａの水平方向略中央から直角かつ外方にのびる連結片１７Ａを介し て垂直に設けられた矩形の覆部４Ａａが前記外面３Ａを化粧する。

【００２５】 さらに隣り合う親柱３ａ、３ｂに取付けた第１、第２の化粧カバー４ａ、４ｂ の向き合う支持部４Ｂ、４Ｂａに、親柱３ａ、３ｂ間に配する化粧板９が、その ボルト挿入孔９ａを前記取付片５に設けたネジ孔１２に位置を合わせてかつ化粧 板９外面から螺着される化粧ビスＤを用いて取付片５にビス止めすることにより 、強固に固定され前記手すり壁Ｂを形成する。又化粧板９を親柱３ａ、３ｂ間に 位置合わせする際、前記支持部４Ｂ、４Ｂａが有する内向き片６、６間に化粧板 ９を誘導するため、該化粧板９の位置合わせが容易となり、施工性を向上すると ともに、予め取付けられた化粧カバー４ａ、４ｂにより化粧板９の配設される空 間が設定されているため、化粧板９を位置ズレさせることなく便宜に親柱３ａ、 ３ｂ間に取付けることができる。

【００２６】 なお本明細書においては、コーナの親柱３ａと中通り部の親柱３ｂとの間に化 粧板９を配設する場合を例にとり説明したが、他の親柱３…間にも同様に化粧板 ９が取付けられる。

【００２７】 又化粧板９の上端は、図２に示すように、前記笠木３７の下地金具３６への固 定により、該笠木３７の外の立下げ片３７Ｂにより覆われ目隠しされるとともに 、下端は、前記下受金具３０上にビス固定されかつ外端部に前記外枠材２…の外 方を化粧する化粧カバー４６の上端が嵌着する下開放の溝部４５を有する化粧カ バー取付金物４７の上片４７Ａ上で終端している。

【００２８】 なお化粧カバー４は、覆部４Ａ、および取付片５と内向き片６からなる支持部 ４Ｂを有するものであればよく、本実施例のように覆部４Ａと支持部４Ｂとを別 部材とすることなく一体に成形したものを用いてもよい。又化粧板９の取付片５ への固定はドリルビスを用いて行ってもよい。

【００２９】

【考案の効果】

叙上の如く本考案のバルコニーの手すり壁構造は、親柱に取付く化粧カバーに 内向き片と取付片とからなる支持部を設けたため、化粧板取付け用の専用の部材 を省略でき、部材種類の削減と施工性の向上を図りうるとともに、内向き片によ り化粧板の位置合わせを容易にでき、その取付作業を能率化する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す横断面図である。

【図２】その縦断面図である。

【図３】その分解斜視図である。

【図４】従来の技術を説明する横断面図である。

【符号の説明】

２ 外枠材 ３、３ａ、３ｂ 親柱 ３Ａ 親柱の外面 ４、４ａ、４ｂ 化粧カバー ４Ａ、４Ａａ 覆部 ４Ｂ、４Ｂａ 支持部 ５ 取付片 ６ 内向き片 ９ 化粧板 ３７ 笠木 Ａ バルコニー Ｂ 手すり壁 Ｃ 外周縁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】階上のバルコニーの手すり壁を形成するバ
   ルコニーの手すり壁構造であって、前記バルコニーの外
   周縁に配した外枠材に笠木により上端を接続される親柱
   を立設するとともに、この親柱に、前記外周縁に沿う親
   柱の外面を化粧する覆部を有する化粧カバーを取付ける
   一方、該化粧カバーは、前記覆部の側部に、前記外周縁
   と直角に内方にのびる内向き片と、内向き片の内端に設
   けられかつ外周縁と平行に側方に突出する取付片とから
   なる支持部を具えるとともに、隣り合う親柱に取付けた
   化粧カバーの向き合う支持部に、親柱間に配する化粧板
   を前記取付片にビス止めすることにより固定してなるバ
   ルコニーの手すり壁構造。