JPH0413481Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、 弁体にスプールを摺動自在に嵌挿し、前記スプ
ールの左右方向への摺動によつて油圧アクチユエ
ータの作動方向を操作レバーを介して切り換え制
御する手動式方向切換弁の急操作規制装置に関す
る。

（従来の技術） 従来の手動式方向切換弁は、スプールの摺動速
度に格別の制限を与えるものではなかつた。

（従来の技術の問題点） このため、スプールの摺動速度が速すぎると油
圧アクチユエータの起動時、停止時にシヨツクが
生じるという問題点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は、スプールの摺動速度を規制して前
記した油圧アクチユエータの起動時、停止時にシ
ヨツクが生じるという問題点を解消することを目
的とする。

（問題点を解決するための手段） この目的を達成するために、 本考案は、手動式方向切換弁の弁体から外方へ
突出するスプール又はスプールの延長上或いは、
前記スプールの長手方向に沿い当該スプールに並
設すると共に連動するロツドを設け当該ロツドに
ピストンを嵌合止着するとともに当該ピストンに
よつて区画された油室を両側に備えた油圧シリン
ダを配設し、前記ピストンには、前記各油室を連
通する大径油路を穿設すると共に、その両側に前
記大径油路を覆いこの大径油路と対峠する小径の
透孔を備えた平板を夫々止着し、特に前記平板
は、常時は前記透孔が大径油路から遠ざかつた位
置に位置して前記油室間での油の出入が前記透孔
を経過することなく出来る位置を占め、前記ピス
トンの急移動時にはこの移動方向と同じ側の平板
がピストン側に押圧されて前記油室間での油の出
入が前記透孔を経過する位置を占めるようにした
技術的手段を講じたものである。

（作用） 前記した技術的手段により本考案は次のように
作用する。

スプールをゆつくり摺動させたときには、平板
がピストン側に押圧されることがなく、平板の透
孔が大径油路から遠ざかつた位置に位置するの
で、油室間での油の出入が前記小径の透孔を経過
することなく出来て、スプールの移動には大きな
力を要さない。

スプールを急摺動させようとしたときには、油
を排出させる側の油室に油圧力が発生してこの油
室側の平板がピストン側に押圧されるので、この
油室から排出される油は前記小径の透孔を経過せ
ざるを得ず、この油室の油圧力は増大するので、
スプールの移動には大きな力を要す。その結果ス
プールの急摺動にブレーキをかけるようになる。

（実施例） 次に本考案を具体的１実施例を示す第１、第２
及び第３図に基づいて詳細に説明する。

Ａは、手動式方向切換弁であり、当該手動式方
向切換弁Ａの操作によつて、油圧アクチユエータ
（図示せず）の作動方向を制御する。１は、前記
手動式方向切換弁Ａの弁体に摺動自在に嵌挿する
スプールであり、このスプール１の両端は、弁体
から外方へ突出しており、一端には、前記スプー
ル１を左右方向へ摺動させて油圧アクチユエータ
の作動方向を制御するための操作レバー２が配設
されている。３は、スプール１の他端側にあつて
スプール１の延長状にあるロツドであり、当該ロ
ツド３にピストン４が嵌合止着されている。５は
ピストン４によつて区画された油室６，７を両側
に備えた油圧シリンダであり、そのシリンダチユ
ーブが手動式方向切換弁Ａに支持されている。８
はピストン４に穿設された大径油路であり、油室
６，７を連通させる。

９は、ピストン４の両側に夫々止着された平板
でありバネ材でできている。

この平板９は、前記大径油路８を覆い、この大
径油路８と対峠する小径の透孔１０を備えてい
る。そしてこの平板９は、常時は前記透孔１０が
大径油路８から遠ざかつた位置に位置するもので
あり、前記油室６，７間での油の出入が前記透孔
１０を経過することなく出来る。この状態は第１
図に示されている。前記第１図の状態から、ピス
トン４を第３図に示す方向に急移動させようとす
ると油室７側に位置する平板９がピストン４側に
押圧されて油室７側の油は透孔１０を経過して大
径油路８へ流入させられ油室７の油圧力は急上昇
してスプールの急摺動にブレーキをかける。なお
以上の符号３乃至１０で急操作規制装置を形成す
る。

以上の実施例ではスプールの延長上に直接ピス
トンを嵌合止着したが、スプールの長手方向に当
該スプールに並設すると共に連動するロツドを設
け当該ロツドに前記ピストンを嵌合止着してもよ
い。

（効果） 本考案では、スプールと共に移動するピストン
の動きにより油の移動をともなうように形成し
て、この油の移動にともなう油の通路の径を、ス
プールの摺動速度が並の場合にはその動きを規制
せず、その摺動速度が急速である場合にはその動
きを規制する径に変化させるようにしたので油圧
アクチユエータの急起動、急停止を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図に示したのは、本考案の手動式方向切換
弁の急操作規制装置の一部断面図、第２図は第１
図のＨ−Ｈ矢視図、第３図は、急操作規制装置の
作動を示す断面図である。 １……スプール、２……操作レバー、Ａ……手
動式方向切換弁、４……ピストン、６，７……油
室、５……油圧シリンダ、８……大径油路、１０
……透孔、９……平板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 弁体にスプールを摺動自在に嵌挿し、前記スプ
   ールの左右方向への摺動によつて油圧アクチユエ
   ータの作動方向を操作レバーを介して切り換え制
   御する手動式方向切換弁において、 前記弁体から外方へ突出するスプール又はスプ
   ールの延長上或いは、前記スプールの長手方向に
   沿い当該スプールに並設すると共に連動するロツ
   ドを設け当該ロツドにピストンを嵌合止着すると
   ともに当該ピストンによつて区画された油室を両
   側に備えた油圧シリンダを配設し、前記ピストン
   には、前記各油室を連通する大径油路を穿設する
   と共に、その両側に前記大径油路を覆いこの大径
   油路と対峠する小径の透孔を備えた平板を夫々止
   着し、特に前記平板は、常時は前記透孔が大径油
   路から遠ざかつた位置に位置して前記油室間での
   油の出入が前記透孔を経過することなく出来る位
   置を占め、前記ピルトンの急移動時にはこの移動
   方向と同じ側の平板がピストン側に押圧されて前
   記油室間での油の出入が前記透孔を経過する位置
   を占めるようにした手動式方向切換弁の急操作規
   制装置。