JPH04133672U - エスカレータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エスカレータ降り口に乗客が多数いる場合低
速運転を行い、降り口の混雑を緩和させる。 【構成】 エスカレータ踏段の上方に複数の乗客検出手
段３、４、５、６を設け、この検出手段の発する出力信
号からエスカレータ降り口の混雑状態と、踏段上の乗客
の状態とを分析する分析手段７と、この分析手段７の発
する出力信号を受け、エスカレータ降り口に乗客が多数
検出され、かつ降り口に利用客が近づいている場合に、
駆動手段に対して踏段の移動速度を下げる指令信号を出
力する制御手段８とにより構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は踏段を少なくとも２速で移動させることが可能な駆動手段を備えたエ スカレータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般にエスカレータは、一定速度で運転されるものが多いが、最近では電車の 駅のホームにもエスカレータが設置されることが多く、このような駅のホームに 設置されるエスカレータは、電車の到着時以外にはほとんど利用客が無いという ことから、実開昭５４−１１６３８７号公報に提案されるように、光電装置によ り乗客の有無を検出し、利用客の多い時は高速運転を行い、利用客の少ない時は 低速運転を行い、更にしばらく利用客がない時はエスカレータを停止するという 制御を行い、節電につとめるエスカレータが提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、駅という場所は、初めてその土地を訪れる人が多いところであり、 エスカレータを降りた乗客が自分の行くべき方向がわからず、あちこち目印等を 捜すためにエスカレータ降り口で立ち止まってしまうことがある。このような状 態は大変危険であり、次々と乗客が続いてくる混雑時などは、降り口で立ち止ま る乗客が原因で降り口が混み合い、最悪の場合乗客が将棋倒しになってしまう重 大事故が起こり得る。このような場合、先の乗客の混雑に応じ高速運転を行う制 御を行っていては大変危険であり、又同様の事態が休日等のデパートなど利用客 の多い場所で起こり得る。

【０００４】 本考案の目的は、降り口に乗客が多数いる場合に低速運転を行い、降り口の混 雑を緩和することのできるエスカレータを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために本考案は、無端状に連設された踏段と、この踏段を 少なくとも２速で移動させることが可能な駆動手段を備えたエスカレータにおい て、前記踏段の上方に設けられた複数の乗客検出手段と、この検出手段の発する 出力信号に応じてエスカレータの降り口の混雑状態と、踏段上の乗客の状態とを 分析する分析手段と、この分析手段の分析に対応して前記駆動手段に踏段の移動 速度を下げる指令信号を出力する制御手段を備えるようにしたものである。

【０００６】

【作用】

本考案は、エスカレータが自動運転を行う時、エスカレータ踏段上方に複数設 置した乗客検出手段の発する出力信号によって、エスカレータ降り口及びエスカ レータ踏段上の混雑状態を分析し、エスカレータ降り口が混雑し、かつ降り口に 多数の乗客が近づいている場合には、エスカレータを低速運転に切り換える。そ れによってエスカレータ降り口の混雑は緩和される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明する。

【０００８】 図において、１はエスカレータの移動手すり、２は踏段、３〜６は踏段上方に 設置した複数（例えば図中では４個）の乗客検出装置例えば赤外線センサ、７は 赤外線センサ３〜６の出力信号によりエスカレータ降り口が混雑し、かつ踏段２ 上の乗客が増加した場合に出力信号を発する乗客の状態の分析装置、８は分析装 置７の出力信号を受けてエスカレータの運転速度を切り換えるための速度制御例 えばインバータ制御装置、９はエスカレータ駆動用例えば三相誘導電動機、１０ はエスカレータ上部機械室を示す。

【０００９】 今エスカレータ（図では下降方向に運転中）の上部乗り口よりエスカレータに 乗った乗客は、自動運転で下部降り口まで運ばれる。その際、乗客が降り口より すぐ立ち去れば何の問題もない。しかし、例えば駅のホームに設置されているエ スカレータにおいては、降り口で自分の行先を捜すために立ち止まることがよく ある。その場合赤外線センサ６により降り口に立ち止まっている人数を検出し、 出力信号を分析装置７に発し、この時の人数が多人数（例えば５人）の場合降り 口は混雑していると分析する。それと同時に、赤外線センサ３、４、５の下に位 置する踏段上の乗客の有無を検出し乗客がいる場合は出力信号を分析装置７に発 する。この時、赤外線センサ３、４、５全部から出力を受けた場合には踏段上の 乗客が増加していると分析する。この２つの条件が重なった時に分析装置７は、 運転速度を切り換えるための出力信号をインバータ制御装置に発する。この信号 によってエスカレータ駆動用三相誘導電動機の回転数を、インバータ制御装置が 踏段上の乗客の安全が保てるようにゆるやかに落していき、エスカレータの運転 速度を低速（例えば高速運転時の２分の１程度）に切り換える。

【００１０】 上述した説明では、降り口が混雑している時の人数を例として５人としたが、 エスカレータを設置している場所（例えばデパート等）の違い等により、危険と 思われる任意の人数に設定できる。また、赤外線センサ３、４、５については数 を増やすことにより、より確実な乗客の検出が可能である。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によれば、エスカレータ踏段上方に複数設置した乗客検出手段の発する 出力信号から、エスカレータ降り口及びエスカレータ踏段上の混雑状態を分析す る。この分析結果を利用し、エスカレータ降り口が混雑し、かつ降り口に多数の 乗客が近づいている場合にエスカレータを低速運転に切り換えることにより、エ スカレータ降り口の混雑を緩和させる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のエスカレータの一実施例を示したエス
カレータ側面図である。

【符号の説明】

１ エスカレータ移動手すり ２ 踏段 ３、４、５、６ 赤外線センサ ７ 分析装置 ８ インバータ制御装置 ９ エスカレータ駆動用三相誘導電動機

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状に連設された踏段と、この踏段を
   少なくとも２速で移動させることが可能な駆動手段を備
   えたエスカレータにおいて、前記踏段の上方に設けられ
   た複数の乗客検出手段と、この検出手段の発する出力信
   号に応じてエスカレータの降り口の混雑状態と、踏段上
   の乗客の状態とを分析する分析手段と、この分析手段の
   分析に対応して前記駆動手段に踏段の移動速度を下げる
   指令信号を出力する制御手段を備えたことを特徴とする
   エスカレータ。