JPH04133071U - ダストシール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダストシールのシールの断面をへの字形状と
することで、シールの耐久性を向上する。 【構成】 ボスに圧入されたブッシュとブッシュ内に挿
入され回動するピン管のダストシールにおいて、ボスに
圧入される断面Ｌ字状の金属リングと該金属リングの内
側に弾性リングを挿入し、該弾性リングの内側に断面へ
の字状でリップの先端部がピン外径より小さいシールを
挿入し更にシールのリップ内側にベアリング部を設けた
ダストシール。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はパワーショベル等の作業機のバケット等の回動部のピンとブッシュの ダストシールに関する。

【０００２】 図１はパワーショベルの作業機の先端部のリンク装置を示し、バケット２はピ ン３によりアーム１の先端に枢支結合されている。チルトレバー４の一端はピン ５によりアーム１に連結され、他端は一端をバケット２にピン７により連結され たチルトロッド６と連結されるとともに、復動油圧シリンダ９と連結している。 復動シリンダ９を作動するとバケット２は俯仰作動を行う。

【０００３】 以下、回動部のピンとブッシュのダストシールを図１のＡ−Ａ断面を代表とし て説明する。図６は従来のダストシールを示す。円筒状のボス部１０に円筒状の ブッシュ１１が嵌着されている。ブッシュ１１の長さボス部１０の長さより短く 空隙部１３を生じ、該空隙部１３にダストシール２０が挿入させる。チルトレバ ー４にピン５を嵌入するためのピンボス１２を設ける。ブッシュ１１の穴とピン ボス１２の穴を整合させピン５をピンボス１２の穴に嵌着する。

【０００４】 ダストシール２０の構造は断面Ｌ字型の鉄リング２１の内側に弾性材から成る シール２２が挿入されている。シール２２はリップ２３を有し、リップ２３の内 径はピン５の外径より小いさく、内径と外径の差だけ締代が設けてある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

土砂がピンボス１２の端面から侵入し、リップ２３が磨耗すると締代が少なく なる、同時にピン５とブッシュ１１の間にも土砂が侵入しピン５とブッシュ１１ が磨耗する。そのためピン５とブッシュ１１の隙間が大きくなりブッシュ１１に たいしてピン５の偏心量が大きくなる。リップ２３の締代が少なくなっているの でピン５の偏心に対してリップ２３は追従出来なくなり土砂が更に侵入する。以 上のことを繰り返すことにより大量の土砂が侵入しピン５とブッシュ１１の隙間 大きくなり、頻繁に給油が必要となって使用し難い課題がある。本考案は以上の 課題を解決しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

ボスに圧入されたブッシュとブッシュ内に挿入され回動するピン間のダストシ ールにおいて、ボスに圧入される断面Ｌ字状の金属リングと該金属リングの内側 に弾性リングを挿入し、該弾性リングの内側に断面への字状でリップの先端部が ピン外形より小さいシールを挿入したことを特徴とするダストシールとし、更に シールのリップ内側にベアリング部を設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

断面への字状でリップの先端部がピン外形より小さいシールを挿入したので締 代を大きくすることが出来、ピンの偏心が大きくなってもリップが追従するので ダストシールの耐久性が向上する。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案の実施例について図面を参照にして説明する。図２は図１のＡ− Ａ断面図であり、図３はシール室２５Ｒに挿入されているダストシール２６が挿 入されている状態を示す図であり、図４は図３図のＰ部の拡大図であり、図５は ダストシールの自由状態の形状を示す図である。チルトレバー４Ｒ，４Ｌを間隔 をおいた一対のリンクとし、その一対リンクの一端側に同軸心位置にピン５を嵌 入するためのピンボス部１２Ｒ，１２Ｌを設けると共に、これらビンボス部１２ Ｒ，１２Ｌの間にアーム１の先端に設けた筒状のボス１０を挟入されている。ボ ス１０にはブッシュ１１が嵌着されている。ピンボス１２Ｒ，１２Ｌ及びボス１ ０のブッシュ１１のピン穴を整合のうえ、これに一端にプレート１３が固着され たピン５を嵌入しボルト１４によりビンボス１２Ｌに固着する。ピン５には給脂 用のグリースニップル１８が取着されている。ボス１０はピン５に対して回転自 在である。ピンボス１２Ｒ，１２Ｌ及びブッシュ１１のピン穴とピン５とのはめ あいは組立容易化のため遊隙を持った寸法関係になっており、半径方向Ｒにガタ を設けてある。ピンボス１２Ｒにはプレート１５がボルト１７によって固着され 、ピン５の他端にはプレート１５を介してボルト１６が装着されており、ボルト １６のねじ込み加減によってピンボス１２Ｒと１２Ｌとの間隔を調整することが できる。

【０００９】 ボス１０の全長はブッシュ１１より長く、ボス１０にブッシュ１１を嵌着した 状態ではブッシュ１０の両端に空隙を生じシール室２５Ｌ，２５Ｒを形成し、該 シール室２５Ｌ，Ｒにダストシール２６が挿入されている。ダストシール２６は 断面Ｌ字形をした金属リング２７と弾性リング２８とシール２９と補強リング３ ０とにより構成されている。弾性リング２８は金属リング２７に挿入されており 、自由状態では金属リング２７より突出した寸法ｓとなる形状である。ダストシ ール２６がシール室２５に挿入された時ブッシュ１１及びピン５により圧縮され るため、圧縮されたために生ずる膨張部分を収容する空隙部２８ａ，２８ｂを有 しており、更にシール２９が挿入される空隙部２８ｃを有する。

【００１０】 シール２９の断面はリップ２９ａを有するためへの字形をしており更にブッシ ュ１０側には突起したベアリング部２９ｂを有する。リツプ２９ａは自由状態で はピン５の外形より寸法ｔだけ小さい内径であり、ピン５とリップ２９ａとで締 代ｔを有する。ベアリング部２９ｂはピン５の外形と少しの隙間ｕを有する内径 である。ピン５とブッシュ１１の間にはグリスが注入されるので漏れを防止する ためである。

【００１１】 シール２９にはシール２９の剛性を上げるため補強リング３０が埋め込まれて いる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明した様にシールの形状をへの字形としてのでリップの内径とピンの外 径とで大きな締代をとることができるためピンとブッシュの軸芯のずれ所謂偏芯 に対しても充分追従性がありダストシールの耐久性を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パワーショベルの作業機の先端部のリンク装置
を示す図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】シール室２５Ｒに挿入されているダストシール
２６が挿入されている状態を示す図である。

【図４】図３のＰ部の拡大図である。

【図５】ダストシールの自由状態の形状を示す図であ
る。

【図６】従来のダストシールを示す図である。

【符号の説明】

５ ピン １０ ボス １１ ブッシュ ２６ ダストシール ２７ 断面Ｌ字状の金属リング ２８ 弾性リング ２９ シール ２９ａ リップ ２８ｂ ベアリング

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボスに圧入されたブッシュとブッシュ内
   に挿入され回動するピン間のダストシールにおいて、ボ
   スに圧入される断面Ｌ字状の金属リングと該金属リング
   の内側に弾性リングを挿入し、該弾性リングの内側に断
   面への字状でリップの先端部がピン外形より小さいシー
   ルを挿入したことを特徴とするダストシール。
2. 【請求項２】 シールのリップ内側にベアリング部を設
   けたことを特徴とする請求項１のダストシール。