JPH0413172B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動車のトランクルームトリムに関
し、詳細にはトランクルーム内に設けた工具等常
時車両搭載物の収納スペース上を覆う前記トリム
の開閉装置に関する。

（従来技術） 従来、自動車のトランクルーム内に、工具、ジ
ヤツキ等常時搭載物を収納しておくための陥凹部
の上方に床敷部材を敷設して隠蔽する構造を第１
図、第２図を用いて説明する。即ち、トランクル
ーム１を構成するフロアパネル２の側壁２ａと、
フロアパネル２の周囲に立設したパネル３とによ
つて陥凹部４を形成し、該陥凹部４内にジヤツキ
５又は工具箱等常時車両搭載物を収納する一方、
フロアパネル２の上面に床敷部材６を敷設して陥
凹部４を隠蔽している。前記床敷部材６には薄肉
ヒンジ７を設けて、この薄肉ヒンジ７を介して床
敷部材６の端片たる蓋体６ａを折曲開閉させる構
成となつている。尚第３図は床敷部材６の一例を
示す断面図であつて、平板状のプラスチツク６ｂ
と、円柱状が断続して形成され、柱との間に凹部
６ｄをなすプラスチツク６ｃとを積層接着した、
通常ダンボールプラスチツクと呼称される材料を
用いている。この床敷部材の上面には更に要求に
応じて不織布又はカーペツトなどの化粧材６ｅを
張り付けてフロアトリムを構成する。８はパネル
３の内面を覆うように設けられた被覆部材であ
る。

しかしながら、このような従来の床敷部材にあ
つては、前記薄肉ヒンジ７によつて上方に折曲す
る蓋体６ａを開放してジヤツキ５等を取り出す際
に、蓋体６ａを作業者が手で支えていなければな
らず、必然的に片手作業となつて操作上の支障が
発生する外、重量物の出し入れの際には危険性を
伴う難点があつた。

（発明の目的） 本発明はこのような従来の問題点に着目してな
されたものであつて、前記蓋体を「開」とした際
に、作業者が片手で支えなくとも「閉」となるこ
とがなく、操作性の向上をはかつた装置の提供を
目的とするものである。

（発明の構成） 上記目的を達成するために本発明にあつては、
フロアパネルに設けた陥凹部の上方に位置する床
敷部材の蓋体の開閉時に際して「開」の状態を安
定に保持可能ならしむる蓋体のストツパ機構を付
設した装置を得ることを主眼とし、その構成手段
として、周囲を車両の被覆部材で囲まれたトラン
クルーム内のフロアパネルに床敷部材を敷設し、
この床敷部材の下方で且つフロアパネルの隅部に
位置する部位に車両搭載物を収納する陥凹部を形
成する一方、前記床敷部材の隅角部分に、周囲が
折曲自在な薄肉ヒンジで包囲された領域を設けた
ことによつて、該床敷部材の一部分である前記領
域を陥凹部の上面を覆う蓋体として利用した自動
車用トランクルームにおいて、床敷部材と蓋体と
の一方側の境界部分に、該床敷部材を部分的に切
り欠いた第１のスリツトと、この第１のスリツト
のトランクルーム内方側先端部から被覆部材側の
直角方向に延長する第１の薄肉ヒンジを形成する
とともに、上記床敷部材と蓋体との他方側の境界
部分で且つ前記第１の薄肉ヒンジに沿つて被覆部
材に近接した部位に、上記第１のスリツトと直角
方向に離間する短小な第２のスリツトを形成し、
該第２のスリツトのトランクルーム内方側先端部
から前記第１のスリツトと平行な第２の薄肉ヒン
ジを形成し、上記第２のスリツトの近傍に位置す
る被覆部材に、蓋体の解放時に該蓋体の一部が係
止されて該蓋体を「開」状態に保持する凸部を設
けた自動車用トランクルームの構成を特徴とする
ものである。

（実施例） 以下図面を参照して本発明にかかる自動車用ト
ランクルームの具体的な実施例を、第４図乃至第
８図に基づき従来の構成部品と同一の構成部品に
同一の符号を付して説明する。

即ち６は床敷部材、６ｆは蓋体であつて、床敷
部材６は、周囲を車両の被覆部材であるトランク
リヤフイニツシヤ８′によつて囲まれたトランク
ルーム内のフロアパネル２上に敷設されている。

この床敷部材６の下方で且つフロアパネル２の
隅部に位置する部位には、工具等の車両搭載物を
収納する陥凹部４が形成されており、前記床敷部
材６の隅角部分に、周囲が折曲自在な薄肉ヒンジ
で包囲された領域を設けたことによつて、該床敷
部材６の一部分である該領域を陥凹部４の上面を
覆う蓋体６ｆとして利用している。換言すれば床
敷部材６と蓋体６ｆとは同一の素材から構成され
ている。

そして本実施例では、床敷部材６と蓋体６ｆと
の一方側の境界部分には、該床敷部材６を部分的
に切り欠いた第１のスリツト９ａが形成されてお
り、この第１のスリツト９ａのトランクルーム内
方側先端部から、前記トランクリヤフイニツシヤ
８′の直角方向に延長する第１の薄肉ヒンジ７が
形成されている。更に上記床敷部材６と蓋体６ｆ
との他方側の境界部分で且つ前記第１の薄肉ヒン
ジ７に沿つてトランクルームフイニツシヤ８′に
近接した部位に、上記第１のスリツト９ａと直角
方向に離間する短小な第２のスリツト９ｂが形成
されており、該第２のスリツト９ｂのトランクル
ーム内方側先端部から前記第１のスリツト９ａと
平行な第２の薄肉ヒンジ１１が形成されている。

更に前記被覆部材であるトランクリヤフイニツ
シヤ８′より突出する凸部１２が予め設定した所
定の位置に形成されている。

上記構成を有する本発明の第１実施例の動作状
態は以下の通りである。先ず第６図に示す如く、
作業者の手操作によつて床敷部材６の蓋体６ｆを
上方へ引き上げると、第１のスリツト９ａを境界
として蓋体６ｆが第１の薄肉ヒンジ７を曲折ライ
ンとして解放されるが、その中途において第７図
に示す如く、蓋体６ｆの端縁６ｇが凸部１２に衝
接して、第２の薄肉ヒンジ１１を曲折ラインとし
て折れ曲がる。更に引き上げ動作を継続すると凸
部１２に衝接した端縁６ｇが、凸部１２を乗り越
えて第８図に示した位置にまで達し、それによつ
て蓋体６ｆが凸部１２に係止され、結局凸部１２
が蓋体６ｆの戻りを防止するストツパとして機能
し、陥凹部４の「開」の状態を安定に保持する。
尚作業終了後再び「閉」状態に戻す際にあつて
は、第８図の矢印Ａに示す方向へ作業者が押すこ
とによつて、第２の薄肉ヒンジ１１が折曲して蓋
体６ｆの端縁６ｇが凸部１２から外れ、蓋体６ｆ
を陥凹部４側へ倒して閉じることができ、この状
態で、平面状のトランクフロアとなる。

上記の実施例において蓋体６ｆの端縁６ｇとト
ランクリアフイニツシヤ８′側に設けた凸部１２
とは、上下位置においてオーバーラツプするよう
に配設することは当然である。

（発明の効果） 以上詳細に説明した本発明によれば、自動車の
トランクルームを構成するフロアパネルに設けた
陥凹部の上方に位置する床敷部材の蓋体の開閉時
に際して「開」の状態を安定に保持可能ならしめ
るようにしたことを特徴としており、陥凹部に収
納したジヤツキ、工具等常時車両搭載物の取り出
し及び格納時にあつて蓋体が容易に「開」の状態
を保つことになつて両手作業が可能となり、作業
性及び安全性が高くなるとともに「閉」時には、
平坦なフロアスペースが直ちに得られるのでトラ
ンクルーム内の有効空間が増すという利点を発揮
し、トランクルームを有する車両に採用して著し
い効果をもたらすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトランクルームを示す斜視図、
第２図は第１図の−線に沿う断面図、第３図
は床敷部材の構造例を示す部分断面図、第４図乃
至第８図は本発明の具体的な実施例を示してお
り、第４図はトランクルームの一部分を示す斜視
図、第５図は第４図の−線に沿う断面図、第
６図、第７図、第８図は第４図の蓋体の動作状態
を示す斜視図である。 ２……フロアパネル、２ａ……側壁、４……陥
凹部、６……床敷部材、６ｆ……蓋体、８′……
トランクリアフイニツシヤ（被覆部材）、７……
第１の薄肉ヒンジ、１１……第２の薄肉ヒンジ、
９ａ……第１のスリツト、９ｂ……第２のスリツ
ト、１２……凸部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 周囲を車両の被覆部材で囲まれたトランクル
   ーム内のフロアパネルに床敷部材を敷設するとと
   もに、この床敷部材の下方で且つフロアパネルの
   隅部に位置する部位に、工具等の車両搭載物を収
   納する陥凹部を形成する一方、前記床敷部材の隅
   角部分に、周囲が折曲自在な薄肉ヒンジで包囲さ
   れた領域を設けたことによつて、該床敷部材の一
   部分である前記領域を陥凹部の上面を覆う蓋体と
   して利用した自動車用トランクルームにおいて、 上記床敷部材と蓋体との一方側の境界部分に、
   該床敷部材を部分的に切り欠いた第１のスリツト
   と、この第１のスリツトのトランクルーム内方側
   先端部から被覆部材側の直角方向に延長する第１
   の薄肉ヒンジを形成するとともに、上記床敷部材
   と蓋体との他方側の境界部分で且つ前記第１の薄
   肉ヒンジに沿つて被覆部材に近接した部位に、上
   記第１のスリツトと直角方向に離間する短小な第
   ２のスリツトを形成し、該第２のスリツトのトラ
   ンクルーム内方側先端部から前記第１のスリツト
   と平行な第２の薄肉ヒンジを形成し、上記第２の
   スリツトの近傍に位置する被覆部材に、蓋体の解
   放時に該蓋体の一部が係止されて該蓋体を「開」
   状態に保持する凸部を設けたことを特徴とする自
   動車用トランクルーム。