JPH0413042B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は全体として圧延機に関し、特に、捩れ
の生じ易い棒材等のような圧延製品を捩れの起き
ない状態で圧延する単一ストランドブロツク方式
の改良した圧延機に関する。

［従来の技術］ 上述した型式による従来の一般的な圧延機は米
国特許第28107号（wilson等）および同第
3160014号（weber）に開示されている。これら
圧延機の場合、着脱式のロールユニツトを支持す
るかさ歯車を備えた連続的なロールスタンドが圧
延ラインの同一側に設けてある。これはかなり複
雑で重量の嵩む基礎構造体を必要とし、圧延機全
体のコストを大幅に増大させるものである。

例えば、西独特許第970102号（1958年８月21日
特許）および1958年９月発行のアイアン・アン
ド・スチールエンジニア（Iron and steel
Engineer）の65−67頁に記載された圧延機は異
なるＸ状の配設方法を採用し、連続する圧延スタ
ンドを圧延ラインの両側部に沿つて交互に配設し
たものである。これら圧延機は逆Ｖ字形をした支
持台座の傾斜面に圧延スタンドを取付けたもので
ある。かかる型式の基礎構造体でも幾分かのコス
ト削減は可能である。しかし、縦および横寸法と
もコンパクトでないこと、十分な構造的剛性を欠
くこと、および支持台座下方の密封スペース内で
の反響に起因し、騒音値が増大するといつた新た
な問題が生ずるため、コスト削減効果は帳消しと
なり、ほとんどの場合、実際に使用することはで
きない。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明の目的は現在広く使用されている従来型
式の基礎構造体と比較して、コスト的に低廉であ
る改良した基礎構造体を備えた単一ストランドブ
ロツク型式の圧延機を提供することにある。

本発明のもう１つの目的は寸法上のコンパクト
および構造的剛性を犠牲にすることなく、上記コ
スト削減効果を達成し、また騒音値を相当に軽減
することである。

［問題点を解決するための手段］ 以下、より詳細に説明する。上記および他の目
的、利点は圧延機が下方の水平基礎板に端縁を溶
接した直立の平坦な中央板を有する構造を基礎と
し、圧延ラインに対して平行に伸長する逆Ｔ字形
を形成するようにしたことによるものである。複
数の補強板が中央板の両側辺から横方向に伸長
し、且つ該両側辺に沿つて間隔を置いて配設され
ている。該補強板の端縁は中央板および基礎板の
双方に溶接されている。基礎構造体を平坦な中央
板、基礎板および補強板を溶接して一体的構造体
として構成することにより、構造的剛性を犠牲に
することなく、全体の重量およびコストを大幅に
削減することができる。

隣接する対の補強板が中央板および基礎板と協
働し、基礎構造体の上方および横方向に開口する
仕切り部分を形成する。補強板の上部端縁を機械
加工して、支持面を形成し、この支持面に歯車ハ
ウジングを取付ける。歯車ハウジングの底部部分
は上記仕切り部分内まで下方に伸長し、圧延機全
体の構造を高さ方向にコンパクト化する。さら
に、中央板の両側に相互に配設された連続する歯
車ハウジングの底部は圧延方向に相互に重なり合
つて、圧延機の長手横方向の構造をコンパクト化
している。開放した仕切り板部分により反響は最
小になるため、作動中の騒音値を大幅に低減させ
ることができる。

［実施例］ 本発明の好適実施態様について、添付図面を参
照しながら、以下に詳細に説明する。

先ず第１図を参照すると、本発明による圧延機
が１０で示してある。該圧延機は従来型式の歯車
式増速器１２を介して、駆動モータ１４に連結さ
れている。

他の図面を参照すると、圧延機１０は圧延ライ
ン１８に沿つて配設した連続対の「片持ち」また
は「張り出し」ばりとして作動ロール１６を備え
ているのが分かる。連続対のロール軸心は90°ず
らしてあるため、圧延製品は捩れの起こりにくい
状態にて圧延される。

圧延機の底部は端縁２２（第７図参照）を下方
の水平底部板２４に溶接した平坦な中央板２０の
直立構造部材を備えている。中央板２０および底
部板２４は逆Ｔ字形断面を形成する。中央板２０
は圧延ライン１８の下方で且つ圧延ライン１８に
対して平行状態に伸長する。

補強板２６が圧延ライン１８に沿つて間隔を置
いて配設され、その端縁は中央板２０および底部
板２４の双方に溶接されている。該補強板２６は
全体的構造を補強し、中央板２０および底部板２
４と一緒に、仕切り部分２８を形成する。該仕切
り部分２８は中央板２０両側に設けられ、または
圧延方向に向けて相互に重なり合つている。第４
図、第７図から明らかなように、補強板２６は中
央板２０および圧延ライン１８の双方を包含する
基準面「Ｐ」から、外側下方向に傾斜する上部支
持端縁３０を備えている。上部支持端縁３０は機
械加工され、歯車ハウジング３２を取付けること
ができるようになつている。該歯車ハウジング３
２は圧延ライン１８に沿つて、連続的に配設され
ている。該歯車ハウジングの下部３２ａは中央板
２０の両側に沿つて交互に配設されている。第３
図および第４図は該歯車ハウジング下部が下方に
突出して、仕切り部分２８内に突入しているた
め、垂直方向にコンパクト化された状態を示した
ものである。さらに、第２図に示すように、歯車
ハウジング下部３２ａは、図示するようにＸ区間
で、部分的に相互に重なり合うため、圧延機は圧
延方向にコンパクト化できる。

歯車ハウジング３２の上部３２ｂは中央板２０
の上に位置し、補強板２６の傾斜上部支持端縁３
０上に担持され取外しできるように固設されてい
る。歯車ハウジング下部部分３２ａが重なり合つ
ていることにより、歯車ハウジング上部部分３２
ｂ間の間隔を小さくし得るもので、連続する対の
作動ロール１６間の距離を小さくできるという効
果が得られる。

第５図に示すように各歯車ハウジング３２は駆
動かさ歯車３６を有する歯車ユニツトとこれを駆
動するラインの軸部３４を収容している。該駆動
かさ歯車３６は対の中間被駆動軸４０の１方の軸
上で被駆動かさ歯車３８と齟合する。該中間被駆
動軸４０には齟合歯車４２が取付けてある。

ロールユニツト４４は歯車ハウジング３２によ
つて担持されている。該ロールユニツトは少なく
とも、一部分が歯車ハウジング上部３２ｂ内に嵌
入していることが望ましい。各ロールユニツトは
１対のロール軸４６を備え、該ロール軸４６上に
作動ロール１６が取付けてある。第６図に示すよ
うに、各ロール軸は相互に分離され、中間被駆動
軸４０の齟合歯車４２と個々に齟合する歯車４８
を取付けてある。図示していないが、各対の作動
ロールの分離を調節する米国特許第RE28107号
（wilson等）と同様の手段を設けてあるのが理解
できよう。

ライン軸部３４の連結は歯車ハウジング下部３
２ａの間を伸長し、着脱式床板５２の下方にある
継手５０によつて行つている。連結されたライン
軸部は増速器１２を介して、駆動モータ１４によ
つて駆動される。

［発明の効果］ 上述の説明から、当業者は本発明の基礎構造体
が従来技術では不可能であつた重要な利点をもた
らすものであることを理解し得るであろう。例え
ば、平坦な中央板、底部板および補強板を使用す
ることで重量およびコストは相当に削減すること
ができる。一体化した溶接体は十分な強度および
ねじれに対する剛性を備えるに至る。

補強板２６の傾斜した上部支持端縁３０だけが
精密機械加工を必要とし、しかも、この機械加工
は基礎構造体を完全に製造し、熱処理した後に行
なえば、連続する歯車ハウジングの中心を正確に
一致させることが可能となる。

従つて、上部支持端縁３０のみ精密加工すれば
良いので製造費用が低廉となる。また基礎構造体
を工場で製造し、ハウジングの取付けなどは現場
で行なえるので組立てが容易となる。前記効果
は、構造体を圧延ライン方向及び高さ方向にコン
パクト化しているので、一層増大されることにな
る。基礎構造体が解放していることにより、圧延
機の作動中、反響し、騒音値を増加させる虞れの
ある密閉スペースまたは室が一切存在しないとい
う効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による単一ストランドブロツク
型式の圧延機を幾分図解的に示した縮少図、第２
図は第１図に示した圧延機の拡大部分（加速器お
よび駆動モータを除く）に関し、下方の基礎構造
体を明確に図示するため、一部切欠いた平面図、
第３図は同様に下方の基礎構造体を明確に図示す
るため、一部切欠いた圧延機の側面図、第４図は
第２図の線４−４に関する拡大断面図、第５図は
第４図の線５−５に関する断面図、第６図は第５
図の線６−６に関する断面図、および第７図は第
３図の線７−７に関する断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 棒材又はロツド材等の製品を捩れの起こらな
   いように圧延するため両側に作動ロールを対にし
   て連続的に設けた単一ストランドブロツク方式圧
   延機において、 圧延ラインの下方に設けた水平底部材２４と逆
   Ｔ字形断面を形成し、かつ圧延ラインと平行で圧
   延ライン下方に伸長する前記水平底部材に取外し
   できないように固設した垂直構造体部材２０と、 前記構造体部材２０の両側部から交互に片側横
   方向に伸長し、前記構造体部材に沿つて間隔をお
   いて配設し、下端縁及び中央側縁を前記構造体部
   材と前記底部材の双方に取外しできないように固
   設し、上部に支持端縁を設けた複数個の部材から
   なる補強部材２６と、 上部が圧延ラインに沿つて連続的に配設され、
   下部が前記構造体部材の両側部に交互に配設され
   るものであつて、各々が前記補強部材の隣接する
   上部支持端縁に取外しできるように固設された歯
   車ハウジング３２と、 前記ハウジングによつて担持され、一対のロー
   ル及び軸４６を有するロールユニツト４４と、前
   記歯車ハウジング内に設けられた前記ロール軸を
   反対方向に回転駆動する歯車ユニツト４８，４
   ２，３８，３６と前記歯車ユニツトを駆動するラ
   イン軸部３４とを備えたロール駆動装置と、 前記構造体部材の両側部で前記ライン軸部を連
   動させる連結手段と、 前記構造体部材の１端に設けられ、前記連結し
   たライン軸部を駆動する駆動モータ手段とを備な
   えたことを特徴とする単一ストランドブロツク方
   式圧延機。 ２ 前記連続的に配設され歯車ハウジングの上部
   が前記構造体部材の上方にあり、且つ圧延ライン
   に沿つて間隔を置いて配設されることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載した単一ストラン
   ドブロツク方式圧延機。 ３ 連続する歯車ハウジングの底部が相互に圧延
   方向に向けて一部分、重なり合うことを特徴とす
   る特許請求の範囲第２項に記載した単一ストラン
   ドブロツク方式圧延機。 ４ 前記補強部材の上部支持端縁が下方に向けて
   傾斜し、前記構造部材および圧延ラインを包含す
   る基準面から離れる方向に傾斜することを特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載した単一ストラ
   ンドブロツク方式圧延機。 ５ 前記歯車ハウジングの底部が前記底部を支持
   する補強部材間を下方に伸長することを特徴とす
   る特許請求の範囲の第１項乃至第４項の何れかの
   項に記載した単一ストランドブロツク方式圧延
   機。 ６ 前記ロールユニツトの少なくとも一部分が前
   記歯車ハウジングの上部内に嵌入されたことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載した単一ス
   トランドブロツク方式圧延機。 ７ 前記構造体部材が前記底部板の端縁上に直立
   する細長い平板を備えることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項に記載した単一ストランドブロツ
   ク方式圧延機。 ８ 捩れの起らないような状態で棒材を圧延する
   ように配設した連続対の作動ロール１６を備え、
   作動ロールが歯車ハウジングに着脱可能なように
   取付けたロールユニツト４４のロール軸４６上に
   取付けられ、歯車ハウジングが前記ロール軸を駆
   動する圧延機駆動手段に接続された手段を収容す
   る単一ストランド圧延機において、端縁上で垂直
   に直立し、下方の底部板に取外しできないように
   固設され、圧延ラインに対し平行状態で、圧延ラ
   インの下方に伸長する平坦な構造体部材と、およ
   び前記構造体部材の双方に取外しできないように
   固設され且つ上部端縁を有し、前記構造体部材か
   ら横方向に伸長し且つ前記構造体部材に沿つて間
   隔を置いて配設された複数の補強部材とを備え、
   前記歯車ハウジングが圧延ラインに沿つて連続的
   に配設され、底部が前記構造体部材の両側部に沿
   つて交互に配設され且つ隣接対の前記補強部材の
   上部支持端縁に固設されることを特徴とする単一
   ストランド方式圧延機。