JPH04129983U - 電磁作動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔目的〕プランジャの移動方向に沿って相互に間隔をあ
けて配置されるヨークおよび固定コアと、相互に対向し
てヨークおよび固定コアにそれぞれ連設される鍔部と、
ヨークおよび固定コアを囲繞して両鍔部間に配設される
コイルと、該コイルを覆うようにして前記両鍔部間を連
結する磁性材料製カバーとを備える電磁作動装置におい
て、ボビンを不要とした絶縁構造で部品点数低減および
小型化を図る。 〔構成〕ヨーク１１および固定コア１３が相互間に非磁
性部材１２を挟んで一体的に連結されて成る円筒体８の
外面と、該円筒体８に一体的に連設される両鍔部７，９
の対向面とに非磁性材料から成るコーテイング層２０が
形成され、コイル４は、該コーティング層２０を挟んで
円筒体８に直接巻付けられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プランジャの移動方向に沿って相互に間隔をあけて配置されるヨー クおよび固定コアと、相互に対向してヨークおよび固定コアにそれぞれ連設され る鍔部と、ヨークおよび固定コアを囲繞して両鍔部間に配設されるコイルと、該 コイルを覆うようにして前記両鍔部間を連結する磁性材料製カバーとを備える電 磁作動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、かかる電磁作動装置は、たとえば特開平１−３１６５８２号公報等で既 に知られており、相互間に空きスペースを挟んで配置されたヨークおよび固定コ アに、ボビンを介してコイルが巻付けられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、ボビンはヨークおよび固定コアと、コイルとの間の絶縁に用いられ るものであり、磁気回路および作動性能に直接影響するものではない。しかもボ ビンを固定するために複数の部品が必要である。したがってボビンを用いないで 前記絶縁構造を得ることができれば、作動性能に影響を与えることなく部品点数 低減および小型化を図ることが可能であろう。

【０００４】 本考案は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ボビンを不要とした絶縁 構造で部品点数低減および小型化を可能とした電磁作動装置を提供することを目 的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案によれば、ヨークおよび固定コアが相互間 に非磁性部材を挟んで一体的に連結されて成る円筒体の外面と、該円筒体に一体 的に連設される両鍔部の対向面とに非磁性材料から成るコーテイング層が形成さ れ、コイルは、該コーティング層を挟んで円筒体に直接巻付けられる。

【０００６】

【実施例】

以下、図面により本考案の一実施例について説明する。

【０００７】 図１ないし図３は本考案の一実施例を示すものであり、図１は本考案を適用し たリニアソレノイドの作動時の縦断面図、図２は非作動時の図１に対応する縦断 面図、図３は図１の３部拡大図である。

【０００８】 先ず図１および図２において、電磁作動装置としてのリニアソレノイド１は、 入力電気量に対応した推力を発揮するものであり、ハウジング２と、ハウジング ２に巻装されるコイル４と、該コイル４により形成される磁力線により吸引作動 せしめるべくハウジング２に軸方向移動可能に支承されるプランジャ５と、該プ ランジャ５に同軸に連なるシャフト６とを備え、図示しない被作動部材がシャフ ト６に連結される。しかもシャフト６およびプランジャ５は、前記被作動部材側 から図１および図２の上方側にばね付勢されている。

【０００９】 ハウジング２は、半径方向外方に張出す第１鍔部７を一端に有する円筒体８と 、円筒体８の軸方向に第１鍔部７とは間隔をあけた位置で円筒体８に圧入固定さ れる第２鍔部９と、コイル４を囲繞して第１鍔部７および第２鍔部９を連結する 円筒状のカバー１０とから成る。円筒体８は、磁性材料から成る円筒状であって 前記第１鍔部７を一端に備えるヨーク１１と、非磁性材料たとえばステンレス鋼 等によりヨーク１１と同一の内、外径を有する円筒状に形成されるとともにヨー ク１１の他端に焼結結合される非磁性部材１２と、磁性材料により基本的に円筒 状に形成されるとともに非磁性部材１２の他端に同軸に結合される固定コア１３ とから成るものであり、該円筒体８の内面には、ヨーク１１から固定コア１３の 途中までの間にわたる第１案内孔１４と、第１案内孔１４よりも小径であって段 部１５を介して第１案内孔１４に同軸に連なる第２案内孔１６とが同軸に設けら れる。また固定コア１３の外面は、非磁性部材１２の外面と面一である大径部１ ７と、大径部１７よりも小径であって段部１８を介して大径部１７に同軸に連な る小径部１９とが設けられており、小径部１９は段部１８に当接するまで第２鍔 部９に圧入される。これにより、第１鍔部７を備える円筒体８と、第１鍔部７に 対向する第２鍔部９とが一体的に構成されることになる。

【００１０】 第１鍔部７および第２鍔部９間で円筒体８にはコイル４が巻装されるものであ り、該コイル４を円筒体８に巻付けるにあたって、円筒体８の外面ならびに第１ および第２鍔部７，９の対向面には、図３で示すように、非磁性材料である合成 樹脂によるコーティング層２０が形成されており、コイル４は該コーティング層 ２０を介して円筒体８に直接巻付けられる。

【００１１】 円筒体８の一端には、第１鍔部７と同一外径を有する円盤状の蓋部材２１が当 接される。またコイル４は、磁性材料により基本的に円筒状に形成されるカバー １０で覆われるものであり、該カバー１０の一端は第１鍔部７および蓋部材２１ の外周部にかしめられ、カバー１０の他端は第２鍔部９の外周部にかしめられる 。

【００１２】 プランジャ５は、磁性材料により短円柱状に形成されるものであり、円筒体８ の第１案内孔１４に摺動可能に嵌合される。而してプランジャ５の段部１５側端 部の外周部には段部１５側に向かうにつれて小径となるテーパ面５ａが設けられ る。またプランジャ５および蓋部材２１間が、プランジャ５の軸方向移動に応じ て加、減圧されることを回避するために蓋部材２１には第１案内孔２４内を外部 に開放させる開放孔２２が設けられる。

【００１３】 シャフト６は、小径部６ａと、該小径部６ａに段部６ｃを介して同軸に連なる 大径部６ｂを有して非磁性材料により形成されるものであり、小径部６ａがプラ ンジャ５に圧入される。しかもプランジャ５が段部１５に直接接触することを回 避するために、前記段部６ｃおよびプランジャ５間には非磁性材料から成る円盤 状の緩衝部材２３が挟持される。また大径部６ｂは、第２案内孔１６内に同軸に 挿通されるものであり、第２案内孔１６の軸方向両端部にはシャフト６の軸方向 移動を案内すべく大径部６ｂの外面に摺接するブッシュ２４，２４がそれぞれ圧 入される。

【００１４】 次にこの実施例の作用について説明すると、コイル４を励磁したときには、図 １および図２の矢印で示すように、コイル４の周囲において、固定コア１３、第 ２鍔部９、カバー１０、第１鍔部７、ヨーク１１およびプランジャ５を経て、プ ランジャ５のテーパ面５ａから固定コア１３に至る磁力線が生じ、その励磁電気 量に対応したストロークだけプランジャ５が図１で示すように固定コア１３側に 移動する。それによりシャフト６で押されて被作動部材が作動されることになり 、コイル４を消磁したときにはプランジャ５が固定コア１３から離反した位置に 戻る。

【００１５】 このようなリニアソレノイド１において、コイル４は、コーティング層２０を 介して円筒体８に直接巻付けられるものであり、従来必要であったボビンが不要 となり、部品点数の低減およびリニアソレノイド１の小型化に寄与することがで きる。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、ヨークおよび固定コアが相互間に非磁性部材を 挟んで一体的に連結されて成る円筒体の外面と、該円筒体に一体的に連設される 両鍔部の対向面とに非磁性材料製コーテイング層が形成され、コイルは、該コー ティング層を挟んで円筒体に直接巻付けられるので、従来必要であったボビンを 不要として部品点数の低減および電磁作動装置の小型化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用したリニアソレノイドの作動時の
縦断面図である。

【図２】非作動時の図１に対応する縦断面図である。

【図３】図１の３部拡大図である。

【符号の説明】

１ 電磁作動装置としてのリニアソレノイド ４ コイル ５ プランジャ ７，９ 鍔部 １０ カバー １１ ヨーク １２ 非磁性部材 １３ 固定コア ２０ コーティング層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プランジャ（５）の移動方向に沿って相
   互に間隔をあけて配置されるヨーク（１１）および固定
   コア（１３）と、相互に対向してヨーク（１１）および
   固定コア（１３）にそれぞれ連設される鍔部（７，９）
   と、ヨーク（１１）および固定コア（１３）を囲繞して
   両鍔部（７，９）間に配設されるコイル（４）と、該コ
   イル（４）を覆うようにして前記両鍔部（７，９）間を
   連結する磁性材料製カバー（１０）とを備える電磁作動
   装置において、ヨーク（１１）および固定コア（１３）
   が相互間に非磁性部材（１２）を挟んで一体的に連結さ
   れて成る円筒体（８）の外面と、該円筒体（８）に一体
   的に連設される両鍔部（７，９）の対向面とに非磁性材
   料から成るコーテイング層（２０）が形成され、コイル
   （４）は、該コーティング層（２０）を挟んで円筒体
   （８）に直接巻付けられることを特徴とする電磁作動装
   置。