JPH0412479Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、透光性材料で形成した指針内部に
光を透過させて指針の指示部を光輝することによ
つて夜間での表示視認性を高めるための指針照明
装置、主に自動車・オートバイ等の計器に装備さ
れる指針照明装置に関する。

［従来の技術］ 一般に、自動車・オートバイ等の計器は、夜間
における走行速度等の測定値を良好に判読するた
め、第１図のように合成樹脂製の透光性を有する
導光体１の表面に透光性を有する薄板２を密着
し、この薄板２の表面に文字・目盛などを施し
て、導光体１からの光源３の照射光線によつて前
記文字・目盛を照明表示するように構成され、前
記導光体１からのの照射光線をさらに指針４の基
部内に入光させて指針４の指示部４ａを照明する
ようにした導光体利用の指針照明装置が提案され
ている。この照明装置は導光体１に入射した照射
光線を導光体１にほぼ45°の傾斜をもたせて形成
された反射面５によつて指針４の基部内へ入光さ
せるとともに指針４の基部にほぼ45°の傾斜をも
たせて形成された反射面６によつて指針４の指示
部４ａ側へ指向して、指示部４ａを内部から照明
し光輝するように構成されている。

ところで、上記のように導光体１を介して指針
４を明るく照明する場合、光源３の光量を導光体
１内に多く入射させるために導光体１自体の厚み
を厚くして指針４の基部に入射する全体光量を可
及的に増加させようとする傾向にある。

しかし、指針４の基部側へ入射させる反射面５
は導光体１の裏面側から表面側にほぼ45°の傾斜
をもたせて形成しているため、導光体１の厚みが
増す程、反射面５の面積が広くなり、これと対応
する指針４の基部が面積も自ずと広くなる。これ
に伴い指針４の指示部４ａ側と相反する側に位置
した基部の下方から指示部４ａ側末端に向つてほ
ぼ45°の傾斜を有する反射面６を形成するため、
基部の下方から傾斜状態にした反射面６の立ち上
がりの長さが長くなり、特に指示部４ａの基端部
分に位置した指針４の基部の高さ、すなわち基部
の肉厚寸法が厚くなつて指針４全体の重量がかさ
み図示しない指示機器に形成された指針軸７の軸
支箇所に負担をかけ、軸受摩耗が発生したり、あ
るいは指示計器の指示トルクなどに影響を与える
という問題がある。

第１図の導光体１を使用しないようにするた
め、透光性の指針の周縁または中央部裏面を傾斜
面または曲面として、周縁部よりの間接照明光線
を上方側へ反射するようにした間接照明用指針が
特許第117355号明細書で提案されている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来技術においては、指針の裏面中央に小
幅のＶ字状傾斜面または曲面を形成するものの場
合、指針の周囲を間接照明する光量が少なくなる
とともに、指針の前方から入射した照明光線を上
方側へ反射できないため指針先端部分を照明する
光量が少なくなり、指針の先端指示効果に不具合
がある。このため、この従来技術では指針の周縁
に傾斜面または曲面を形成して指針の周囲を光輝
するようにしているが、小形な指針の裏面および
周囲に傾斜面または曲面を形成することは構造が
複雑で製作が面倒であり、かつ強度的に難点があ
るという問題を有していた。

そこで本考案は光源からの光を指針周側面から
入射させるものにおいて、比較的簡単な構造によ
り指針照明の光量を比較的多く得ることができる
とともに、指針指示部を先端部分を含めてほぼ全
体的に照明できる指針照明装置を提供することを
目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案は光源の照射光線を透光性材料で形成さ
れた指針指示部の周側面から入射させて照明表示
する指針照明装置において、前記指針指示部の裏
面にその長さ方向に沿つてほぼ全長にわたり指針
指示部とほぼ同幅を有する凹溝を形成し、この凹
溝の側面には指針指示部の外側面から入射した照
射光線を上方側へ反射導光するとともに上方に向
うに従い内側に傾斜する反射面を指針長さ方向に
沿つて設け、前記凹溝の前面には指針指示部の外
前面から入射した照射光線を上方へ反射導光する
とともに上方に向うに従い後側に傾斜する反射面
を設けて構成される。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を添付図面を参照して説
明する。

第２図から第５図にこの考案の指針の第１実施
例が示してあり、光源の照射光線を透光性材料で
形成された指針１１の内部に透過して明るく照明
するものであり、指針１１の指示部１１ａの裏面
に、この指示部１１ａとほぼ同幅を有する断面Ｖ
状の凹溝１２を指針１１の長さ方向に沿つてほぼ
全長にわたつて設け、そのＶ状凹溝１２を形成す
る一対の傾斜面を、指針１１の指示部１１ａに外
部、主に、外側面から入射した照射光線を上方側
へ反射導光する反射面１３，１３ａとして形成し
ている。その反射面１３，１３ａに印刷・ホツト
スタンプあるいは銀テープなどの手段により反射
効率を上げたり色彩表示を施してもよい。その場
合、指針１１の長さ方向に沿つて形成される反射
面１３，１３ａは、第４図のように指針１１の下
面周縁まで拡がるように形成している。

また、指針１１の裏面に形成された凹溝１２の
先端および基端にも同様な反射面１３ｂを形成し
て、指示部１１ａに外前面および外後面から入射
した光を上方側へ反射導光できるようにしてい
る。

また、反射面１３，１３ａ，１３ｂの傾斜角度
は45°前後を基準に設定することが望ましいが、
要するに指針の指示部の上方に光源からの照射光
線が導光されるものであればよい。

また、反射面１３，１３ａ，１３ｂは平面的で
なくゆるやかな曲率の曲面にしてもよい。

また、１４は指針１１の基部側１１ｂを被う不
透明材料により形成された指針キヤツプである。

第３図は指針１１を自動車またはオートバイの
計器に使用した場合を示しており、表面に文字・
目盛などを施した透明性を有する文字板１５の下
方に図示しない指示計器の本体１６が配設されて
ハウジング１７内に固定されている。

前記文字板１５には図示しない指示計器の一部
を構成する指針軸１８が下方側から挿通配設さ
れ、この指針軸１８の上端にアクリル樹脂などの
透光性を有する指針１１が圧入固定されている。

その指針１１には指針軸１８を圧入固定するた
めの肉薄な円板状基部１１ｂが形成されている。
なお、文字板１５の下方においてハウジング１７
に光源１９が配設されているとともに、文字板１
５より上方位置にフランジ２０が配設されてい
る。

そして、光源１９からの照射光線が文字板１５
を直接透過して文字・目盛などを照射し、同時に
ハウジング１７の内面と文字板１５の外周面の間
から文字板１５より上方へ導光しフランジ２０に
よつて反射導光して文字板１５の表面を照明表示
する。この照明表示とともにこの光源１９からの
照射光線は指針１１の指示部１１ａにも照射さ
れ、この照射光線が指示部１１ａの全周側面から
ほぼ水平に入射し、第２図〜第５図に示すように
反射面１３，１３ａ，１３ｂにより上方側へ反射
指向され光輝させるものである。すなわち、指示
部１１ａの外側面から入射した照明光線は凹溝１
２の側部に形成された反射面１３，１３ａに反射
して上方へ導光され、指示部１１ａの外前面およ
び外後面から入射した照明光線は凹溝１２の前面
および後面に形成された反射面１３ｂに反射して
上方へ導光され、指示部１１ａは先端部を含めて
ほぼ全体的に照明される。

このように、本実施例においては、指示部１１
ａの全周面の比較的広い領域から入射した光を指
示部１１ａとほぼ同幅を有し、かつそのほぼ全長
にわたり長さ方向に沿つて形成された１個の凹溝
１２の反射面１３，１３ａ，１３ｂに反射させて
上方へ導光するように構成したから比較的多くの
光量によつて指示部１１ａを良好に光輝させるこ
とができる。さらに、凹溝１２の前面に形成した
反射面１３ｂによつて指示部１１ａの先端を光輝
させるから、指示部１１ａの先端指示部分が明瞭
になり、良好な指示効果が得られる。また、指示
部１１ａの長さ方向に凹溝１２を形成し、この凹
溝１２の内面を反射面１３，１３ａとしたから指
示部１１ａの長さ方向に連続的に形成された反射
面１３，１３ａによつて光源１９からの照明光線
を上方に反射導光することができ、これによつて
ラインが僅かに表われるだけで、通常の慣れた指
針の意匠と同様になり表示効果が良好である。

又第６図は、この考案の第２実施例を示すもの
で、この場合光源１９を文字板１５の上面側の側
方に位置したハウジング１７に設置されている。

したがつて、光源１９からの照射光線が文字板
１５の表面を照明するとともに指針１１をも照明
し、これによつて、第１実施例と同様な効果を期
待出来るものである。

また、第７図および第８図はこの考案の第３実
施例を示し、指針３１の指示部３１ａの裏面に一
対のＶ状の凹溝３２，３２ａが間隔を置いて長さ
方向に設けられ、第１実施例と同様な反射面３
３，３３ａがそれぞれの凹溝３２，３２ａに１つ
ずつ形成されている。なお、指示部３１ａの裏面
中央の前記間隔部や反射面３３，３３ａにはホツ
トスタンプ、印刷等により着色３４が施されてい
る。

したがつて、指針３１の指示部３１ａの外部か
ら入射した照射光線は第１実施例と同様に反射面
３３，３３ａにより上方側へ指向され光輝させる
ものであり、第８図のように着色部３４が帯線状
に表われることになる。

第９図および第１０図はこの考案の第４実施例
を示し、断面Ｖ状の凹溝１２を指針１１の長さ方
向に沿つて設けた第１実施例の反射面１３，１３
ａにホツトスタンプ、印刷等により着色３４ａを
施したものである。そして、指針１１の指示部１
１ａの外部から入射した照射光線は反射面１３，
１３ａにより上方側へ指向され光輝する。

その場合、第３、第４実施例の様に指針１１，
３１に着色部３４，３４ａを有すると、光源１９
からの光が当らない昼間において着色が透過され
る目盛、文字の判読が容易に行われ視認性が良好
になる。又反射面１３，１３ａ，３３，３３ａの
上端は照射光線が集まるため第８図、第１０図の
ようにその部分が一層光ることになる。

前述した実施例では、光源の照射光線を透光性
材料で形成された指針外周面に入射させて照明表
示する指針照明装置において、指針指示部の裏面
に、指針指示部に外周面から入射した照射光線を
多く上方側へ反射導光する反射面を有する１個の
凹溝を、指針長さ方向に沿つて設けたから、従来
重要視されていた指針基部の肉厚の問題が解消さ
れ、第２図、第３図のような基部の薄い軽量な指
針を使用出来るため、指針軸の軸支箇所に負担が
かかることなく、指示特性、追従性に秀れた照明
装置が提供できる。

また、光源の照射光線を指針の基部に導光する
ための導光体の必要性が除去されるからその分構
造簡単でかつローコストとなる。また、指針のほ
ぼ全長にわたりその長さ方向に沿つて一対の反射
面を有する凹溝を設け、その凹溝が指針指示部と
ほぼ同幅を有してその裏面周端まで形成されてい
るから指針外側面から入射した光線を上方に多く
反射導光でき指示部全体が鮮明に光輝することに
なり、夜間での表示視認性が非常に良好である等
その実用上の効果は大きい。また、凹溝の前面に
は、指針指示部の外前面から入射した照明光線を
上方側へ反射させる反射面を有しているため、指
示先端を光輝させることができ指示先端部分の指
示が明瞭になる。

なお本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく本考案の要旨の範囲内において種々の変形実
施が可能である。

［考案の効果］ 本考案は光源の照射光線を透光性材料で形成さ
れた指針指示部の周側面から入射させて照明表示
する指針照明装置において、前記指針指示部の裏
面にその長さ方向に沿つてほぼ全長にわたり指針
指示部とほぼ同幅を有する凹溝を形成し、この凹
溝の側面には指針指示部の外側面から入射した照
射光線を上方側へ反射導光するとともに上方に向
うに従い内側に傾斜する反射面を指針長さ方向に
沿つて設け、前記凹溝の前面には指針指示部の外
前面から入射した照射光線を上方へ反射導光する
とともに上方に向うに従い後側に傾斜する反射面
を設けて成り、比較的簡単な構造により指針照明
の光量を比較的多く得ることができるとともに、
指針指示部を先端部分を含めてほぼ全体的に照明
できる指針照明装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例であり、第１図は従来
装置の断面図、第２図はこの考案の第１実施例の
指針とキヤツプを示す斜視図、第３図は同上装置
を計器に用いた場合の断面図、第４図は同上指針
指示部の断面図、第５図は同上指針の断面図、第
６図は第２実施例の断面図、第７図は第３実施例
の指針指示部の断面図、第８図は同上指針の平面
図、第９図は第４実施例の指針指示部の断面図、
第１０図は同上指針の平面図である。 １１，３１……指針、１１ａ，３１ａ……指示
部、１２，３２，３２ａ……凹溝、１３，１３
ａ，１３ｂ，３３，３３ａ……反射面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光源の照射光線を透光性材料で形成された指針
   指示部の周側面から入射させて照明表示する指針
   照明装置において、前記指針指示部の裏面にその
   長さ方向に沿つてほぼ全長にわたり指針指示部と
   ほぼ同幅を有する凹溝を形成し、この凹溝の側面
   には指針指示部の外側面から入射した照射光線を
   上方側へ反射導光するとともに上方に向うに従い
   内側に傾斜する反射面を指針長さ方向に沿つて設
   け、前記凹溝の前面には指針指示部の外前面から
   入射した照射光源を上方へ反射導光するとともに
   上方に向うに従い後側に傾斜する反射面を設けて
   成ることを特徴とする指針照明装置。