JPH04122879U - 管支持台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】管断面の方向出しを正確に行い得、その方向出
しを行った管の支持状態が安定であり、しかも、盛土で
埋設するにもかかわらず、管断面方向の修正、勾配修正
等を容易に行い得る管支持台を提供する。 【構成】管が嵌合される略Ｕ字形部の両側上端に、水平
方向に延在する安定板が設けられていることを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は下水道や敷地内排水路等の地中埋設管の施工において、管埋め戻し前 の段階での管の支持に使用する管支持台に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

地中埋設管においては、断面に方向性を有する管を所定の断面方向で配設しな ければならないことがある。例えば、下水管においては、断面卵形の管（卵形管 ）をその断面長軸方向を垂直方向に向けて配管することにより、水深を深くし、 それだけ水流を速くして汚物，固形物の堆積を軽減することが知られており、こ の場合、卵形管をその断面長軸方向を垂直にして地中に埋設することが必要であ る。 そこで、本出願人においては、図４の（イ）並びに（ロ）に示すように、 断面逆Ｕ字形１’の両側下端に水平部２１’，２２’を設けた管支持台Ｂ’を卵 形管Ａ’に弾性的に嵌合し、この管を配設中の前の管に接続すると共に管支持台 Ｂ’の管布設基礎面Ｅ’への載置により卵形管Ａ’の断面長軸方向を垂直方向に 向けることを既に提案した（実用新案出願公告昭５７−２０９３４号）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この管支持台においては、図４の（ロ）に示すように受口外周 の最下端箇所ｍ並びに水平部下面箇所ｎ，ｎの３箇所と管布設基礎面Ｅ’との接 触によって管Ａ’の断面長軸方向を垂直方向に向けるものであり、管布設基礎面 の厳格な平面出しを行わなければ、高精度の管断面方向出しを行い難い。又、支 点ｎ，ｎが管Ａ’の重心Ｇよりも下側にあり、支持状態も不安定である。

【０００４】 上記のように、卵形管をその断面長軸方向を垂直方向に向けて配設していく間 、既に配設した管がその後に配設する管の負荷で管断面が傾くことのないように 、上記管支持台とその近傍の管部分を盛土中に埋設しておく必要がある。又、管 の埋め戻し前に管断面方向にずれが生じていることが判明すれば、既に盛土した 管支持台において、管断面の傾き方向の修正が必要となる。しかしながら、上記 した管支持台においては、管布設基礎面が現れるまで盛土を除去しなければなら ず、その修正作業がやっかいである。

【０００５】 また、自然流下方式の下水道、排水路においては、所定の勾配で管を配設する 必要があるが、上記管支持台を盛土で埋め込む以上、この勾配修正の場合も、盛 土を管布設記面が現れるまで除去する必要があり、この修正作業もやっかいであ る。

【０００６】 本考案の目的は管断面の方向出しを正確に行い得、その方向出しを行った管の 支持状態が安定であり、しかも、盛土で埋設するにもかかわらず、管断面方向の 修正、勾配修正等を容易に行い得る管支持台を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の管支持台は管が嵌合される略Ｕ字形部の両側上端に、水平方向に延在 する安定板が設けられていることを特徴とする構成である。

【０００８】

【作用】

安定板を水平にして全体を盛土中に埋設することにより、卵形管の断面長軸方 向を垂直方向に向けることができ、管布設基礎面の平面性に関係なく、管断面の 方向出しを正確に行い得る。また、管の支持が、実質上、上端両側の安定板で行 われ、その支持箇所が管の重心点よりも上方にあるから、支持状態が安定である 。更に、安定板までの盛土を除去し、安定板の水平出しを行うことによって管断 面の方向修正をなし得、修正作業が簡単である。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面により説明する。 図１の（イ）は本考案の実施例を卵形管に取着した状態を示す上面図、図１の （ロ）は図１の（イ）におけるロ−ロ断面図である。

【００１０】 図１において、Ａは合成樹脂製の卵形管である。Ｂは本考案の管支持管であり 、管Ａに嵌合される略Ｕ時形部１と、その両側上端から外側に水平に延在する安 定板２１，２２とを備えている。３１，３２は各安定板２１，２２の先端部に形 成した下方向傾斜部である。

【００１１】 上記において、略Ｕ時形部１の深さは、その上端が卵形管Ａの最大幅箇所に位 置するように設定することが好ましい。 上記安定板２１，２２の平面積は、取扱に支障をきたさない範囲内で大きくす ることが望ましく、その幅並びに長さを上記の管最大幅の略２分の１にすること が好ましい。

【００１２】 上記管支持台Ｂは、通常、合成樹脂例えば、塩化ビニル樹脂から成形されるが 、セラミックス、金属等を使用することもできる。 上記の管支持台Ｂにおいては、管Ａを所定の断面方向で埋設するために、掘削 溝埋め戻しの際まで、管を所定の断面方向に保持するために使用され、図２の（ イ）は管のその保持状態の上面図を、図２の（ロ）は図２の（イ）におけるロ− ロ断面図をそれぞれ示し、管Ａが管支持台Ｂの略Ｕ字形部１に結着され、管支持 台Ｂとその近傍の管Ａ部分が盛土Ｃ中に埋設され、安定板２１，２２が盛土Ｃ中 に水平に延在している。この安定板２１，２２が実質上、管Ａの支持部材として 作用し、支点が管Ａの重心Ｇよりも上方に位置するから、支持状態が頗る安定で ある。

【００１３】 上記図２の（ロ）において、管Ａに管断面を傾けようとするモ−メント外力Ｍ ₁ ，（Ｍ₂）が作用すると、安定板２１（２２）と盛土Ｃとの間に反力Ｐ₁（Ｐ₂） が発生し、各安定板の幅をｂ，各安定板中央と管下端箇所との距離をＬとすれば 、反力モ−メントＰ₁ｂＬ（Ｐ₂ｂＬ）が上記のモ−メント外力Ｍ₁，（Ｍ₂）に釣 り合って管Ａの固定状態が維持される。

【００１４】 本考案の管支持台を使用して管を埋設するには、管施工現場において、管に管 支持台を取着する。この取着には、速乾性の接着剤を使用することがことが望ま しく、また、管を掘削溝内に搬入する直前（通常１０〜１５分前）に、その取着 を行うことが好ましい。

【００１５】 次いで、管支持台取着管を掘削溝内に搬入し、前の管の受口（又は挿口）にそ の搬入した管の挿口（又は受口）を、管断面を所定の方向に向けつつ挿入し、こ の挿入時に管支持台の安定板の裏側に保護砂或いは良質土を盛り込み、該安定板 の水平出しを行う。この保護砂或いは良質土は、図２の（ィ）に示すように、掘 削溝内に予め、点在させておくことが便利である（一箇所当たり、スコップ５〜 ６パイ分程度）。

【００１６】 上記安定板の水平出しを行う場合、安定板の平面積を充分に広くしておくこと により、安定板の水平度を充分に高精度で確認でき、安定板の水平出しにより、 卵形管の断面長軸方向を正確に垂直方向に向けることができる。

【００１７】 上記管断面の長軸方向の垂直出しと共に管支持台の左右方向の位置調整を行っ て、管受口と管挿口との管芯合わせも行う。 このようにして、管断面の長軸方向の垂直出し並びに管芯合わせを行ったのち は、管支持台の安定板上並びにその近傍の管側部と管上部に上記の保護砂或いは 良質土を盛り上げ、その管の固定状態を次ぎの管の接続時の負荷に対して強化し ておく。以後は、上記の繰返しによって、管を管断面の長軸方向の垂直出し並び に管芯合わせを行いつつ接続配設していき、全管の配設終了後に、掘削溝の埋め 戻しを行う。

【００１８】 上記において、管への管支持台の取着は、通常管の一本おきに行う。通常の場 合、マンホ−ルの取付用短管の受口に挿口を挿入した管の受口近傍に一番目の管 支持台を取着し、以後３本目ごとにその管の受口近傍に管支持台を取着していく 。

【００１９】 上記において、掘削溝内での管の配設中、管断面の方向性にずれのあることが 判明し、ある管支持台での管断面の方向を修正する必要が生じた場合、その修正 を行うべき管支持台上の盛土を、安定板の位置まで除去し、そのずれの方向に応 じて左右の両安定板の何れかを押し込むことにより、その修正を容易に行うこと ができる。

【００２０】 上記の管施工においては、管への管支持台の取着に接着剤を使用したが、管支 持台の略Ｕ字形部内面にセパレ−タ−付き粘着シ−トを貼着しておき、管への取 着時、セパレ−タ−付き粘着シ−トのセパレ−タ−を剥離し、粘着面において管 に取着すること、管に管支持台をバンドやバインド線の緊締によって取着するこ と、或いは、図３に示すように、管支持台Ｂの略Ｕ字形部１を卵形管Ａの最大幅 部よりもやや上方に達する口絞りの形状とし、この略Ｕ字形部を管に弾性的に嵌 着すること等も可能である。

【００２１】 本考案の管支持台は、上記した卵形管以外に、断面に方向性があってその断面 を所定の方向に向けて管を配設する場合、例えば、楕円形管をその断面の長軸方 向を垂直方向に向けて配設する場合にも使用できる。又、下水管の勾配を取るた めの管のレベル出しにも有用であり、円形管にも使用できる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案の管支持台は上述した通りの構成であり、管断面の方向を傾けようとす るモ−メント外力が作用すると、安定板と盛土との接触面に発生する反力に基づ くモ−メント反力が作用し、両者の釣合いによって管断面の方向を元の状態に保 持できる。又、安定板が実質上支持部材として機能し、支持点を管の重心よりも 上方に位置させ得るから、管の支持状態が安定であり、しかも、管布設基礎面の 平面性に左右されることなく、この安定な支持状態を保証できる。更に、左右の 安定板の何れか一方を押さ込むことによって、管断面の方向性を修正し得、盛土 を安定板の位置まで除去することにより、その修正作業を容易に行い得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を管に結着した状態を示す説明
図（イ）と（イ）のロ−ロ断面図である（ロ）。

【図２】本考案の実施例の使用状態を示す上面説明図
（イ）と（イ）のロ−ロ断面図である（ロ）。

【図３】本考案の別実施例を管に結着した状態を示す説
明図である。

【図４】従来例を管に結着した状態を示す説明図（イ）
と（イ）のロ−ロ断面図である（ロ）。

【符号の説明】

１ 略Ｕ字形部 ２１ 安定板 ２２ 安定板 Ａ 管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】管が嵌合される略Ｕ字形部の両側上端に、
   水平方向に延在する安定板が設けられていることを特徴
   とする管支持台。