JPH0412176Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建造物の軒先に軒樋を取り付ける樋
支持具に関する。

（従来の技術） 従来の樋支持具としては、例えば、実公昭59−
19059号公報等に記載されているようなものが知
られている。

この従来の樋支持具は、背板部と固定腕部とで
Ｌ字状に形成されている止め具と、前記固定腕部
に固定されている支持腕と、該支持腕に沿つて固
定されている支持腕とほぼ同じ長さの板バネとを
備え、軒樋の耳部を支持する支持構造が、前記支
持腕の端部と、板バネの端部とで構成されたもの
であつた。

尚、板バネは、その中央位置で支持腕に対しボ
ルト及びナツトで固定されていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来の樋支持具にあ
つては、板バネが支持腕に対してボルト及びナツ
トで固定されていたために、ボルトとナツトの螺
合時にそれらの設置箇所を中心に板バネが螺合方
向に回動して正確な向きでの固定が行ない難く、
また、軒樋取付時においても同様に板バネが回動
して板バネの端部と支持腕の端部とが位置ズレを
生じ、軒樋耳部の支持が不安定となることがあつ
た。

また、板バネを溶接により固定したものも従来
知られているが、溶接の際に正確な位置決めを行
ない、かつ、正確な向きで固定するのはボルト及
びナツトの場合と同様困難であつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上述のような問題点を解決すること
を目的としてなされたもので、この目的達成のた
めに、本考案では、背板部と固定腕部とでＬ字状
に形成されている止め具と、前記固定腕部に固定
されている支持腕とを備え、前記支持腕の前端側
には軒樋の前側耳部を支持する前側支持構造が設
けられ、かつ、支持腕の後端側には軒樋の後側耳
部を支持する後側支持構造が設けられている樋支
持具において、前記後側支持構造が、前記支持腕
の後端部に設けられた支持部と、前記止め具の背
板部に形成されている上下方向のリブに沿つて固
定された板バネとで構成されており、前記リブが
前記支持部の対向位置に形成され、かつ、前記板
バネが前記リブに符合された固定部を有している
手段とした。

（作用） 本考案の樋支持具では、支持腕の後端部に設け
られた支持部と、止め具の背板部に形成されてい
る上下方向のリブに沿つて固定された板バネとで
軒樋の後側耳部を支持する後側支持構造が構成さ
れており、前記リブが前記支持部の対向位置に形
成され、かつ、前記板バネが前記リブに符合され
た固定部を有しているために、板バネの固定部を
止め具のリブに符合させるだけで、板バネの正確
な固定位置及び固定向きを得ることができ、ま
た、固定時あるいは軒樋取付時等に、板バネに回
転方向の外力が作用したとしても板バネの回動を
防止できる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面により詳述する。

まず、第１図〜第３図に示す第１実施例につい
てその構成を説明する。

第１実施例の樋支持具Ａは、第１図に示すよう
に、被固定面Ｂに沿つて設置される止め具１０
と、該止め具１０の前方に突設されている支持腕
２０と、前記止め具１０を被固定面Ｂに固定する
ベース３０とを主な構成要素として、ステンレス
等の金属板を用いてプレス成形されたものであ
る。

止め具１０は、上下方向に長い背板部１１と、
該背板部１１の上端から前方へ折り曲げ加工され
た固定腕部１２とでＬ字状に形成されており、前
記背板部１１はリブ１１１が設けられることで補
強され、かつ、固定腕部は断面〓形に成形される
ことで補強されている。

尚、前記リブ１１１は、背板部１１前面側が突
出するように横断面⌒形とされ、かつ、背板部１
１の幅中心位置に上下方向に形成されている。

支持腕２０は、後端部が前記固定腕部１２の前
端部にかしめ（かしめ部２１）で固定されてお
り、固定腕部１２と同様断面〓形に成形されるこ
とで補強されている。

そして前記支持腕２０の先端部には軒樋Ｃが前
側耳部１００を支持する前側支持構造が設けら
れ、かつ、止め具１０の背板部１１と支持腕２０
の後端部との間には、軒樋Ｃの後側耳部２００を
支持する後側支持構造が設けられている。

前記前側支持構造は、支持腕２０先端部を上方
に折り曲げ加工して形成された上向き折曲片２２
と、支持腕２０先端部の上面に固定された逆Ｖ字
形に折曲された押え部２３１を有する板バネ２３
とで構成されており、第３図に示すように、軒樋
Ｃの前側耳部１００を前記上向き折曲片２２で内
側から支持すると共に、板バネ２３の押え部２３
１で上向き折曲片２２に対向して外側から挟持す
るものである。

また、後側支持構造は、前記止め具１０の背板
部１１前面にリブ１１１に沿つて固定され斜め上
方に折曲された押え部１３１を有する板バネ１３
と、支持腕の後端部上面に固定されＶ字形に折曲
された押え部２４１を有する板バネ２４とで構成
されており、第３図に示すように、軒樋Ｃの後側
耳部２００を前記止め具側の板バネ１３で下側か
ら支持すると共に、前記支持腕側の板バネ２４で
背板部１１側に押圧支持するものである。

尚、前記止め具１０側の板バネ１３は、背板部
１１に固定される固定部１３２が、リブ１１１に
符合可能なように断面⌒形に形成されており、背
板部１１に対してはスポツト溶接により固定され
ている。

また、支持腕２０側の板バネ２４は、押え部２
４１が止め具１０のリブ１１１と対向する位置に
配置され止め具１及び支持腕２と一体にかしめら
れている。

ベース３０は、止め具１０の背板部１１に直交
して横方向に設けられた長尺状の板であつて、前
記背板部１１の前面に予め溶接等で溶着されてお
り、両端部には釘を打ち込むための固定穴３１が
開口されている。

次に第１実施例の作用を説明する。

実施例の樋支持具Ａは、後側支持構造におい
て、支持腕２０側の板バネ２４と止め具１０に形
成されたリブ１１１とが対向して配設され、止め
具１０側の板バネ１３の固定部１３２が前記リブ
１１１に符合可能なように断面⌒形に形成されて
いるために、板バネ１３の固定部１３２を止め具
１０のリブ１１１に符合させるだけで板バネ１３
の正確な固定位置及び固定向きを得ることができ
る。

従つて、以下に述べる効果が得られる。

イ 軒樋の後側耳部は、支持腕側の支持部（板バ
ネ）とベースとの間に該後側耳部の前後を符合
し、該支持部（板バネ）と対向する止め具のリ
ブに固定された板バネにより該後側耳部の外側
下部を押し上げるようにして固定される。

ロ 軒樋Ｃの耳部１００，２００の支持が確実に
行なわれる。

ハ ボルト、ナツト等の固定部材を用いて板バネ
１３の固定を行なつたとしても、止め具１０の
リブ１１１と板バネ１３の固定部１３２とが符
合していることによつて固定時あるいは軒樋Ｃ
取付時等に板バネ１３が回動するといつた不都
合がない。

次に、第４図に示す第２実施例について説明す
る。

尚、第２実施例を説明するにあたり、第１実施
例と同様の構成は説明を省略する。また、作用に
ついても第１実施例と同様の作用は説明を省略す
る。

この実施例は、止め具１０の背板１１のリブ１
１２の断面形状を波形にし、かつ、板バネ１３の
固定部１３３の断面形状を⌒形にした例である。

以上、本考案の実施例を図面により詳述してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計変更等があつても本考案に含まれる。

例えば、実施例では、止め具を被固定面に固定
させるためにベースを用いたが、止め具の背板を
広幅に形成して直接被固定面に固定させてもよ
い。

また、実施例では、前側支持構造を１対の板バ
ネで構成したが、支持腕側の板バネのかわりに支
持腕後端部を延長して支持部としてもよいし、後
側支持構造も実施例の構成に限られない。

また、止め具のリブ及び板バネの断面形状は実
施例で示したものに限られず、互いに符合された
形状であればよい。

（考案の効果） 以上説明してきたように、本考案の樋支持具に
あつては、板バネの固定部が止め具のリブに符合
されているので板バネに回転方向の外力が作用し
たとしても板バネの回動を防止でき軒樋耳部の支
持が安定となると共に、軒樋の支持も確実に行な
われるという効果が得られる。

更に、ボルト、ナツト等の固定部材を用いて板
バネの固定を行なつたとしても、止め具のリブと
板バネの固定部とが符合していることによつて固
定時あるいは軒樋取付時等に板バネが回動すると
いつた不都合がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案第１実施例の樋支持具を示す斜
視図、第２図は第１図の−線における断面
図、第３図は第１実施例の樋支持具の使用状態を
示す断面図、第４図は第２実施例の樋支持具の要
部を示す断面図である。 Ａ……樋支持具、１０……止め具、１１……背
板部、１２……固定腕部、１３……板バネ、１３
２……固定部、２０……支持腕、２４……板バネ
（支持部）、Ｃ……軒樋、１００……前側耳部、２
００……後側耳部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背板部と固定腕部とでＬ字状に形成されている
   止め具と、前記固定腕部に固定されている支持腕
   とを備え、前記支持腕の前端側には軒樋の前側耳
   部を支持する前側支持構造が設けられ、かつ、支
   持腕の後端側には軒樋の後側耳部を支持する後側
   支持構造が設けられている樋支持具において、前
   記後側支持構造が、前記支持腕の後端部に設けら
   れた支持部と、前記止め具の背板部に形成されて
   いる上下方向のリブに沿つて固定された板バネと
   で構成されており、前記リブが前記支持部の対向
   位置に形成され、かつ、前記板バネが前記リブに
   符合された固定部を有していることを特徴とする
   樋支持具。