JPH04121090U - ダンパーギヤ取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カセットテープレコーダ等のカセット蓋の開
閉を安定にし、又蓋開閉装置の組立作業性を向上させ
る。 【構成】 カセットテープレコーダ等の筐体に、カセッ
ト蓋１の回転支軸２を中心とするピッチ円を有する固定
ギヤ１１を設ける。カセット蓋１の一側面に固定ギヤ１
１と噛合するダンパーギヤ２０を設け、ギヤ受け部２１
で軸支する。ギヤ受け部２１の端面外周部にダンパーギ
ヤ２０をギヤ受け部２１の本体方向に保持する舌片２２
を一体に形成し、爪部２２ａによりダンパーギヤ２０を
押圧する。ダンパーギヤ２０の制動力により、カセット
蓋１の開閉速度は安定に制御される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はカセットテープレコーダやコンパクトディスクプレーヤ等の電子機器 における蓋開閉装置に用いられるダンパーギヤ取付装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

カセットテープレコーダやコンパクトディスクプレーヤ（以下ＣＤプレーヤと いう）等の電子機器には、カセットハーフやディスクを装着するための蓋開閉装 置が設けられている。この蓋開閉装置には蓋の開放又は閉成時にその速度を制御 するダンパーが付設されている。以下、ダンパーを含む従来の蓋開閉装置におけ るダンパーギヤ取付装置の一例について説明する。

【０００３】 図４はカセットテープレコーダの蓋開閉装置における従来のダンパーギヤ取付 装置の要部構造を示す側面図である。本図において図示しないカセットテープレ コーダの筐体に、カセットハーフを装着するカセット蓋１が取付けられている。 このカセット蓋１はその下方端部の回転支軸２を中心に回動自在に取付けられ、 筐体に対し矢印Ａで示す方向にカセット蓋１が回動するよう構成されている。カ セット蓋１の側面にはダンパーギヤ３が軸支され、図示しない筐体側の固定ギヤ に噛合するよう取付けられている。ダンパーギヤ３はギヤ受け部４により嵌合さ れて、回転自在に軸支されている。ダンパーギヤ３とギヤ受け部４の嵌合面には 粘性グリスが充填されている。これはカセット蓋１の開閉速度を緩慢にする制動 用のグリスである。

【０００４】 カセット蓋１のダンパーギヤ３と近接する側面にビス止め用のボス５が立てら れ、ダンパーギヤ押片６がビス７によりボス５上でねじ締めされている。ダンパ ーギヤ押片６はダンパーギヤ３の一部の側面を押圧する弾性の押さえ板であり、 ダンパーギヤ３がギヤ受け部４から脱落するのを防止するものである。

【０００５】 このような構成のカセット蓋１が筐体に対し開閉するとき、図示しない開閉手 段により開閉力を受け、ダンパーギヤ３と固定ギヤが噛合してカセット蓋１が回 転支軸２を中心とし回動する。このとき、ダンパーギヤ３とギヤ受け部４間の粘 性グリスによりダンパーギヤ３が回転制動を受ける。このためカセット蓋１が筐 体から開閉力を受け続けてもその開閉速度がほぼ一定となる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の構成では、ダンパーギヤ３はダンパーギヤ押片６により軸方 向の押圧を受けて保持されている。しかしこのようなダンパーギヤ取付装置では 、ダンパーギヤ押片６の取付は繊細な作業を必要とし、その取付空間も少なく組 立作業性に欠ける問題があった。又ダンパーギヤ押片６の形状はカセットテープ レコーダの機種毎に異なり、その部品の管理が容易でないという問題もあった。 更にダンパーギヤ押板６の押圧が変動すると、ダンパーギヤ３とギヤ受け部４間 の制動抵抗がばらつき、カセット蓋１の開閉速度が不安定になるという欠点があ った。

【０００７】 本考案はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ダンパーギ ヤ３の制動力を安定させ、ギヤ受け部４と一体に形成できるギヤ圧接手段を設け たダンパーギヤ取付装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本願の請求項１記載の考案は、可動自在の可動体に取付けられ、固定ギヤと噛 合するダンパーギヤと、該ダンパーギヤを粘性グリスを介して保持するギヤ受け 部と有するダンパーギヤ取付装置であって、ギヤ受け部にダンパーギヤをギヤ受 け部本体側に押圧するギヤ圧接手段を設けたことを特徴とする。

【０００９】 本願の請求項２記載の考案は、可動体が筐体に回動自在に保持された蓋であり 、ギヤ圧接手段は、ギヤ受け部と一体に形成され、ギヤ受け部の側面外周部分か ら突出してダンパーギヤの一側面をギヤ受け部方向に押圧する弾性の舌片である ことを特徴とするものである。

【００１０】

【作用】

このような特徴を有する本願の請求項１，２の考案によれば、可動体としての 蓋の開閉と共に回転するダンパーギヤと、ダンパーギヤを回転自在に保持するギ ヤ受け部間にギヤ圧接手段より一定の押圧を与える。ダンパーギヤはこの押圧に より粘性グリスを介し一定の制動力を受け、蓋が緩慢な速度で開閉されることと なる。

【００１１】

【実施例】

以下本考案の一実施例について図面を参照しながら説明する。図１は一実施例 における主要部の構成を示す断面図である。本図において、後述する固定ギヤが カセットテープレコーダ等の固定された筐体側に取付けられ、ダンパーギヤ２０ とこれを軸支するギヤ受け部２１が共にカセット蓋側に取付けられる。ダンパー ギヤ２０は固定ギヤと噛合するギヤ部２０ａ及びこれと同軸の２段の円筒形状を 有する制動部２０ｂにより形成されている。又ダンパーギヤ２０を軸支するギヤ 受け部２１は、ダンパーギヤ２０の制動部２０ｂと嵌合する凹部２１ａを有し、 その中心にダンパーギヤ２０の回転軸となる軸２１ｂを一体に形成している。又 ギヤ受け部２１のダンパーギヤ２０と嵌合する側の側面には、ギヤ圧接手段とし て外周部にダンパーギヤ２０をその軸方向に押圧する舌片２２が形成されている 。またダンパーギヤ２０とギヤ受け部２１の回転摺動面には粘性グリス２３が塗 布されている。この粘性グリス２３はダンパーギヤ２０の回転速度を低下させる ものである。

【００１２】 図２及び図３はこのようなダンパーギヤ取付装置を有する蓋開閉装置の左側面 図及び背面図である。従来例を示す図４と同一部分は同一の符号を付してその構 成を説明する。カセットハーフを収納するカセット蓋１は筐体に対し回転支軸２ を中心に回動自在に取付けられている。回転支軸２は筐体前面側のキャビネット １０の底面内部に軸支され、矢印Ｂで示す方向に回動自在となっている。カセッ ト蓋１が嵌入されるキャビネット１０の開口部にはその開口側面に保持された固 定ギヤ１１が設けられ、回転支軸２を中心とするピッチ円の一部にカセット蓋１ の開口に必要な歯数を有する歯１１ａが形成されている。

【００１３】 一方、カセット蓋１の一側面には固定ギヤ１１と噛合するダンパーギヤ２０が ギヤ受け部２１により保持されている。ダンパーギヤ２０はギヤ受け部２１の軸 ２１ｂにより軸支され、その制動部２０ｂの側面外周部が舌片２２により押圧さ れている。図２，図３に示すように、舌片２２はギヤ受け部２１とその外周部分 で一体に連結されており、ギヤ受け部２１の外周に沿う円弧部の先端には制動部 ２０ｂの側面と当接する爪部２２ａを有している。爪部２２ａは舌片２２の弾性 によりダンパーギヤ２０をギヤ受け部２１側に押圧を与えるものである。

【００１４】 このように構成された蓋開閉装置では、カセット蓋１の図示しない開閉手段に より矢印Ｂ方向にカセット蓋１を開放すると、ダンパーギヤ２０は固定ギヤ１１ と噛合して回転する。図１に示すように、ダンパーギヤ２０は舌片２２によりギ ヤ受け部２１へ押圧を受けているので、粘性グリス２３の塗布厚みが一定に保持 された状態でダンパーギヤ２０が回転することとなる。このためダンパーギヤ２ ０の制動部２０ｂとギヤ受け部２１の凹部２１ａ間等で粘性グリス２３により一 定の制動力が作用する。これ故蓋開閉手段からの開放力の付勢に係わらず、一定 の速度でカセット蓋１が開放される。又カセット蓋１の閉成動作においてもダン パーギヤ２０はギヤ受け部２１に対し舌片２２より一定の押圧を受ける。このギ ヤ圧接手段における押圧はダンパーギヤ２０の回転方向にかかわらず一定であり 、カセット蓋１は開放時と同一の制動力を受けることになる。

【００１５】 さて、このようなダンパーギヤ取付装置を有するカセットテープレコーダの組 立工程では、図１に示すように、舌片２２の円弧部の弾性に抗して爪部２２ａを ギヤ部２０ａの外方に矢印Ｃで示す方向の力を加えると、爪部２２ａがギヤ部２ ０ａから破線で示す位置に退行するので、ダンパーギヤ２０をギヤ受け部２１か ら脱離できる状態となる。従って舌片２２を押すことにより容易にダンパーギヤ ２０を着脱でき、又ダンパーギヤ２０の押圧を調節する必要もなく、組立作業性 に優れたダンパーギヤ取付装置となる。

【００１６】 尚、本実施例のダンパーギヤ取付装置はカセットテープレコーダのカセット蓋 に設けたが、ＣＤプレーヤや他の電子機器等における緩慢な蓋開閉速度が要求さ れる部分にも設けることができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように本考案によれば、固定体に可動自在に保持された可 動体に、固定体の固定ギヤと噛合するダンパーギヤを粘性グリスを介して軸支し 、ダンパーギヤをギヤ受け部側に押圧するギヤ圧接手段を設けことにより、ダン パーギヤとギヤ受け部の制動力を一定に保持することができる。又ギヤ圧接手段 を弾性変形させることにより、ダンパーギヤをギヤ受け部に対し容易に脱着でき る。このため蓋開閉装置の組立作業性が向上し、蓋の開閉速度を安定に制御でき る優れたダンパーギヤ取付装置を実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例におけるダンパーギヤ取付装
置の主要部の構成を示す断面図である。

【図２】実施例におけるダンパーギヤ取付装置を含むカ
セット蓋の左側面図である。

【図３】実施例におけるダンパーギヤ取付装置を含むカ
セット蓋の背面図である。

【図４】従来のダンパーギヤ取付装置を含むカセット蓋
の左側面図である。

【符号の説明】

１ カセット蓋 ２ 回転支軸 １１ 固定ギヤ ２０ ダンパーギヤ ２０ａ ギヤ部 ２０ｂ 制動部 ２１ ギヤ受け部 ２１ａ 凹部 ２１ｂ 軸 ２２ 舌片 ２２ａ 爪部 ２３ 粘性グリス

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可動自在の可動体に取付けられ、固定ギ
   ヤと噛合するダンパーギヤと、該ダンパーギヤを粘性グ
   リスを介して保持するギヤ受け部と有するダンパーギヤ
   取付装置であって、前記ギヤ受け部に前記ダンパーギヤ
   を前記ギヤ受け部本体側に押圧するギヤ圧接手段を設け
   たことを特徴とするダンパーギヤ取付装置。
2. 【請求項２】 前記可動体は筐体に回動自在に保持され
   た蓋であり、前記ギヤ圧接手段は前記ギヤ受け部と一体
   に形成され、前記ギヤ受け部の側面外周部分から突出し
   て前記ダンパーギヤの一側面を前記ギヤ受け部方向に押
   圧する弾性の舌片であることを特徴とする請求項１記載
   のダンパーギヤ取付装置。