JPH04118051U - 移動家具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用時における固定保持が確実で、しかも、
容易かつ軽快に移動させることができる移動家具を提供
する。 【構成】 下面に非滑動性の脚座(13)を備える家具本体
における前部下端の外角部に、下面が脚座(13)の下面よ
りもやや上位にあり、かつ家具本体を前傾させたとき
に、ほぼ重心を含む垂直面内に位置するようにした車輪
(15)を取付けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、使用に際しては、安定よく固定保持することができ、かつ必要に応 じ、無理なく軽快に移動させることができる移動家具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

移動家具においては、通常、家具本体の下面に、車輪もしはキャスターが取付 けられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような移動家具は、移動させるには便利である反面、接床部を、床面の 不整に対して高低調節することはできず、また使用状態において、側方向の外力 がかかると、妄りに動いてしまうという問題がある。 このような問題点を解決するために、例えばソファ等において、本体の下面の 前部に、非滑動性の脚座を設け、かつ同じく下面の後部に、車輪もしくはキャス ターを取付けたものがある。

【０００４】 しかし、このようなものにおいては、使用状態における固定保持が強力ではな く、また安定感も必ずしも良好ではない。 また、これを移動させるためには、かがんで、本体における脚座を有する側を 、僅かに持ち上げて操作しなければならないので、無理な姿勢を強いられ、また 手にかかる負荷も大である。

【０００５】 というのは、本体の脚座を有する側を、過度に持ち上げると、本体の他側縁が 接床してしまうこととなり、また、車輪もしくはキャスターの取付部に、過大な 曲げ応力が作用して、無理を生ずるとともに、車輪の下部に前向きの力が作用し て、その保持が不安定となるからである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案によると、上記問題点は、下面に非滑動性の脚座を備える家具本体にお ける前部下端の外角部に、下面が脚座の下面よりもやや上位にあり、かつ家具本 体を前傾させたときに、そのほぼ重心を含む垂直面内に位置するようにした車輪 を取付けたことにより解決される。

【０００７】

【作用】

家具本体を前傾させ、すべての脚座を浮上させるとともに、この際、家具本体 のほぼ重心を通る垂直面を、おおむね車輪の中心と一致させて、押すか引くかす ることにより、移動させる。 車輪には、垂直荷重のみが作用する。

【０００８】

【実施例】

図は、本考案を折りたたみテーブルに適用した実施例を示す。 (１)は、左右の側脚で、前後方向を向く台脚(２)の前端に、斜後方を向く脚杆 (３)の下端を固着してなり、かつ左右の脚杆(３)の上下適所同士を、横杆(４)( ５)をもって連結して、脚体が構成されている。 左右の脚杆(３)の上端には、天板(６)の両側付近の下面に設けた前後方向を向 く補強杆(７)の後端部が、左右方向を向く枢軸(８)をもって枢着されている。 各補強杆(７)の前端には、ステー(９)の上端が、左右方向を向く軸ピン(10)を もって枢着されている。

【０００９】 ステー(９)の前面下端には、凹入孔(11)が設けられ、天板(6)を水平に展開し たとき、この凹入孔(11)を、脚杆(3)の高さ方向の中間部の内側面に突設した受 止ピン(12)に係止させることにより、天板(6)は固定保持される。

【００１０】 前記台脚(２)の下面前後端近くには、高低調節可能な、ねじ込み式の非滑動性 の脚座(13)が取付けられている。 各台脚(２)の前端における脚杆(３)の延長線上には、脚杆(３)を前傾させたと き、折りたたみテーブルのほぼ重心を通る垂直面上に位置するようにした取付軸 (14)をもって、車輪(15)を備えるキャスター(16)が取付けられている。

【００１１】 天板(６)を水平に展開した使用状態においては、図２に示すように、すべての 脚座(３)は接床しているが、キャスター(16)の車輪(15)は浮上している。 従って、すべての荷重は、脚座(13)のみによって受けられ、折りたたみテーブ ルは、側方力が作用しても、妄りに動くことはない。

【００１２】 折りたたみテーブルを移動させるには、天板(６)を展開したまま、あるいは図 ３に示すように、天板(６)を折りたたんでから、脚杆(３)を前傾させ、すべての 脚座(13)を浮上させるとともに、キャスター(16)の車輪(15)を接床させる。 これにより、折りたたみテーブルの全重量は、ほぼ垂直方向に車輪(15)に負荷 されることとなり、無理なく軽快に移動させることができる。 しかも、車輪(15)およびその取付軸(14)には、曲げ応力はほとんど作用しない ので、キャスター(16)や取付軸(14)が傷んだりするおそれも小さい。

【００１３】 この移動家具は、箱状のもの、あるいは椅子等であってもよい。

【００１４】

【発明の効果】

(a) 使用状態においては、全荷重は、脚座を介して床面に伝えられるので、床 面との摩擦は大きく、側方力が作用しても、妄りに動くことはない。 (b) 移動時には、簡単な操作により、全重量を、垂直荷重として車輪に負荷さ せ、容易に走行させることができ、しかも、この際、車輪の取付部に曲げ応力が 作用することはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用した折りたたみテーブルの使用状
態をにおける一部切欠斜視図である。

【図２】同じく側面図である。

【図３】同じく移動時における側面図である。

【符号の説明】

(１)側脚 (２)台脚 (３)脚杆 (４)(５)横杆 (６)天板 (７)補強杆 (８)枢軸 (９)ステー (10)軸ピン (11)凹入孔 (12)受止ピン (13)脚座 (14)取付軸 (15)車輪 (16)キャスター

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下面に非滑動性の脚座を備える家具本体
   における前部下端の外角部に、下面が脚座の下面よりも
   やや上位にあり、かつ家具本体を前傾させたときに、そ
   のほぼ重心を含む垂直面内に位置するようにした車輪を
   取付けてなる移動家具。
2. 【請求項２】 家具本体が、前後方向を向く台脚の前端
   より、後上方へ向く脚杆を突設した脚体を備えるもので
   ある請求項１に記載の移動家具。