JPH04117284U - 射出成形型の注入口用カツプリング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 樹脂の注入機側に接続される第１カップ２
と、第１カップ２の内フランジ３に沿って上下動可能に
嵌合され、樹脂の通孔４ｂがあけられ、上フランジ４ｃ
及び下フランジ４ｄを備えた第１弁体４と、成形型の注
入口に接続される第２カップ６と、第２カップ６の内フ
ランジ７に沿って上下動可能に嵌合され、樹脂の通孔８
ｂがあけられ、上フランジ８ｃ及び下フランジ８ｄを備
えた２弁体８とからなる射出成形型の注入口用カップリ
ング１。 【効果】 第１カップ２、第１弁体４、第２カップ６及
び第２弁体８で注入口用カップリング１を構成し、第１
弁体４及び第２弁体８を移動して樹脂の流出を防止する
ようにしたので、樹脂注入後に樹脂の硬化を待たずに第
１カップ２を分離することが可能になり、もって射出成
形機の生産性の大幅な向上が図れる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は射出成形型の注入口用カップリングに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３は従来の射出成形型の注入口構造を示し、浴槽の為の成形型１００のキャ ビティ１０１へ注入口１０２を介して樹脂が加圧注入される。

【０００３】 注入口１０２には注入機（図示せず）からのホ−ス１０３の先端が単純なカッ プリング１０４にて結合されている。上記ホ−ス１０３は注入樹脂が硬化した後 に、カップリング１０４から外され、別の成形型の注入口に接続しなおされる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

増産及び生産サイクル短縮の為に、樹脂注入後、速やかにホ−ス１０３のセッ ト替えを図りたいが、注入口１０２にヘッド圧Ｈが掛っていて、成形型から未硬 化樹脂が流出する為に実現できない。従って、生産性の向上は難しい。また、ホ ース１０３内の残留樹脂もセット替えの際に漏出し、作業環境が悪くなる。

【０００５】 そこで、本考案の目的は射出成形型の注入口用カップリングの構造を改善して 、速やかなホ−スのセット替えを可能にすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成すべく本考案は、樹脂の注入機側に接続される第１カップと、 この第１カップの内フランジに沿って上下動可能に嵌合され、樹脂の通孔があけ られたところの円筒部の端部に上フランジ及び下フランジを備えた第１弁体と、 成形型の注入口に接続される第２カップと、この第２カップの内フランジに沿っ て上下動可能に嵌合され、樹脂の通孔があけられたところの円筒部の端部に上フ ランジ及び下フランジを備えた第２弁体から成り、前記第１カップと第２カップ を接合することで１個の接続カップリングを構成し、第１・第２カップリングの 内フランジに第１・第２弁体の上フランジ若しくは下フランジが当接することで 流路を閉じるように射出成形型の注入口用カップリングを構成する。

【０００７】 また、前記第１弁体を射出樹脂より大きな比重の材料で形成し、且つ、前記第 ２弁体を射出樹脂より小さな比重の材料で形成する。

【０００８】

【作用】

第１カップと第２カップとを分離すると、第１弁体が下降して第１カップリン グの内フランジに当接してホース内の樹脂を密封する。また、第２弁体が上昇し て第２カップリングの内フランジに当接して、成形型からの逆流を阻止する。 よって、第１カップは注入樹脂の硬化を待たずに次の成形型へ移動できる。

【０００９】

【実施例】

本考案の実施例を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向 きに見るものとする。

【００１０】 図１は本考案に係る射出成形型の注入口用カップリングの分解図であり、注入 口用カップリング１は、注入機側とされる第１カップ２と、この第１カップ２の 内フランジ３に沿って軸方向に可動とされたフランジ付き第１弁体４と、フィン 付きＯリング５と、成形型側とされる第２カップ６と、この第２カップ６の内フ ランジ７に沿って軸方向に可動とされたフランジ付き第２弁体８とからなる。

【００１１】 第１カップ２及び第２カップ６はその分割線２ａ ，６ａで夫々分離可能で、 通常は図示せぬ締付け具で接合されている。

【００１２】 また、第１弁体４は円筒部４ａに大きな通孔４ｂ…を設け、これの両端に上フ ランジ４ｃ及び下フランジ４ｄを鍔状に付設したものである。なお、下フランジ ４ｄはネジ部４ｅにて着脱自在である。

【００１３】 第２弁体８も同様に円筒部８ａ、通孔８ｂ…、上フランジ８ｃ、下フランジ８ ｄ及びネジ部８ｅとからなる。

【００１４】 そして、第１弁体４は比重が約２．２のポリ四ふっ化エチレンであり、第２弁 体８は比重が約０．９３のポリエチレンである。浴槽等の為の射出樹脂は比重が 約１．４の不飽和ポリエステルであるから、射出樹脂に対して第１弁体４は高比 重であり、第２弁体８は低比重であることに特徴がある。

【００１５】 以上の構成からなる注入口用カップリングの作用を次に述べる。 図２（ａ） ，（ｂ）は作用説明図（図は符号の向きに見る。）であり、成形 型の注入口１０２（図３参照）に第２カップ６が接続固定され、この第２カップ ６に注入機側のホ−ス１０３が付いた第１カップ２をＯリング５を介して接合し 、図示せぬクランプ金具で締結したものが図２（ａ）であり、注入機からの樹脂 は矢印、矢印 、矢印の順で成形型へ流れる。

【００１６】 次に、Ｏリング５廻りのクランプ金具（図示せず）を外し、速やかに第１カッ プ２を上昇せしめると、第１カップ２内の第１弁体４はホ−ス１０３内の樹脂の 圧力（矢印）及び比重差により下降し、また、第２カップ６内の第２弁体８は 成形型からの背圧（矢印）及び比重差によって上昇し、結果、図２（ｂ）に示 す通り第１弁体４の上フランジ４ｃは内フランジ３の上面に当接し、また、第２ 弁体８の下フランジ８ｄは内フランジ７の下面に当接する。

【００１７】 第１弁体４の上フランジ４ｃには例えば１ｋｇ／ｃｍ²（ゲ−ジ圧）の樹脂の 圧力が作用して、内フランジ３とのシ−ルは完全になる。また、第２弁体８の下 フランジ８ｄには例えば６００ｍｍ水柱の背圧が作用して、内フランジ７とのシ −ルは完全になり、成形型内の注入樹脂は漏れることなく、徐々に硬化する。

【００１８】 よって、図２（ｂ）の状態で注入樹脂の硬化を待たずに、ホ−ス１０３付き第 １カップ２は次の成形型へ移動することが可能である。

【００１９】 尚、第１弁体４はホ−ス１０３内の樹脂圧力で下降し、また、第２弁体８は成 形型からの背圧で上昇するので第１弁体４と注入樹脂並びに第２弁体８と注入樹 脂の比重差が小さくとも問題はない。しかし、本実施例の如く、比重差が大きけ れば第１弁体４及び第２弁体８の移動が速やかに実施される。

【００２０】

【考案の効果】

以上に述べた通り本考案は、第１カップ、第１弁体、第２カップ及び第２弁体 で注入口用カップリングを構成し、第１弁体及び第２弁体を移動して樹脂の流出 を防止するようにしたので、樹脂注入後に樹脂の硬化を待たずに第１カップを分 離することが可能になり、もって射出成形機の生産性の大幅な向上が図れる。

【００２１】 また、第１弁体を注入樹脂より高比重の材料、また、第２弁体を注入樹脂より 低比重の材料で構成すればこれら弁体の移動速度が増し、カップリングの分離作 業が速やかに為せ、生産性は更に向上する。

【００２２】 更に、ホース１０３内の残留樹脂が漏れることなくセット替えができ、作業環 境が良好に保てる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る射出成形型の注入口用カップリン
グの分解図

【図２】本考案に係る射出成形型の注入口用カップリン
グの作用説明図

【図３】従来の射出成形型の注入口構造を示す図

【符号の説明】

１…注入口用カップリング、２…第１カップ、３…内フ
ランジ、４…第１弁体、４ａ…円筒部、４ｂ…通孔、４
ｃ…上フランジ、４ｄ…下フランジ、６…第２カップ、
７…内フランジ、８…第２弁体、８ａ…円筒部、８ｂ…
通孔、８ｃ…上フランジ、８ｄ…下フランジ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂の注入機側に接続される第１カップ
   と、この第１カップの内フランジに沿って上下動可能に
   嵌合され、樹脂の通孔があけられたところの円筒部の端
   部に上フランジ及び下フランジを備えた第１弁体と、成
   形型の注入口に接続される第２カップと、この第２カッ
   プの内フランジに沿って上下動可能に嵌合され、樹脂の
   通孔があけられたところの円筒部の端部に上フランジ及
   び下フランジを備えた第２弁体から成り、前記第１カッ
   プと第２カップを接合することで１個の接続カップリン
   グを構成し、第１・第２カップリングの内フランジに第
   １・第２弁体の上フランジ若しくは下フランジが当接す
   ることで流路を閉じるように構成したことを特徴とする
   射出成形型の注入口用カップリング。
2. 【請求項２】 前記第１弁体は射出樹脂より大きな比重
   の材料で形成され、且つ、前記第２弁体は射出樹脂より
   小さな比重の材料で形成されていることを特徴とした請
   求項１記載の射出成形型の注入口用カップリング。