JPH04115278U - 熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 別途閉塞部材を用いなくともヘッダ−パイプ
の開口を閉塞できるようにして部品点数を減らすととも
に、仮組みの際にチュ−ブや補強部材をヘッダ−パイプ
に固定するための治具等を用いずとも仮組み状態を保持
できるようにし、組立作業を容易に行えるようにする。 【構成】 ヘッダ−パイプ５に補強プレ−ト６の端部を
貫通させる貫通孔５ｂを設けるとともに、貫通した補強
プレ−ト６の端部を折り曲げてヘッダ−パイプ５に係止
させることにより、チュ−ブ２及び補強プレ−ト６をヘ
ッダ−パイプ５に組付けるようにした。また、ヘッダ−
パイプ５の開口をヘッダ−パイプ５内を貫通する補強プ
レ−ト６によって閉塞するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は各種冷房装置に有用な凝縮器や車両用ラジエ−タ等に用いられる熱交 換器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の熱交換器として図５に示したものが知られている。

【０００３】 同図において、１は所定間隔をおいて対向する二本のヘッダ−パイプで、両端 の開口をキャップ１ａによって閉塞されている。また、一方のヘッダ−パイプ１ の上側面には熱媒体流入パイプ１ｂが、他方のヘッダ−パイプ１の下側面には熱 媒体流出パイプ１ｃがそれぞれ接続され、各ヘッダ−パイプ１の対向面には後記 するチュ−ブ２を挿入する接続孔１ｄが穿設されている。

【０００４】 ２は偏平状に形成された複数のチュ−ブで、ヘッダ−パイプ１の長さ方向に所 定間隔をおいて配列されている。各チュ−ブ２は両端を各ヘッダ−パイプ１の接 続孔１ｄに挿入し連結され、各ヘッダ−パイプ１を連通している。

【０００５】 ３は各チュ−ブ２間に介装された伝熱用のフィンで、波状の薄板からなり、上 下端を各チュ−ブ２に接触している。

【０００６】 ４はチュ−ブ列の末端にそれぞれ配置された補強プレ−トで、チュ−ブ２に沿 って延びる板状の部材からなり、最上位及び最下位のフィン３にそれぞれ固着さ れている。

【０００７】 この熱交換器においては、一方のヘッダ−パイプ１内に流入した熱媒体が各チ ュ−ブ２に流入し、各チュ−ブ２を流通する途中でフィン３を介して空気等と熱 交換した後、他方のヘッダ−パイプ１から流出するようになっている。

【０００８】 また、この熱交換器を組立てるときは、前記各部材を仮組みするとともに、各 部材の接合部分にろう材を付着させておき、この状態で高温の炉に入れて各部材 をろう接している。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の熱交換器では、各ヘッダ−パイプ１の開口を閉塞するた めの計４個のキャップ１ａを必要とすることから、部品点数が多くなるという問 題点があった。また、前記仮組みには、チュ−ブ２や補強プレ−ト４をヘッダ− パイプ１に固定しておくための治具等を必要とするため、治具の着脱等によって 組立作業が繁雑になるという問題点もあった。

【００１０】 本考案は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、 別途閉塞部材を用いなくともヘッダ−パイプの開口を閉塞することができ、しか も仮組みの際にチュ−ブや補強部材をヘッダ−パイプに固定するための治具等を 必要としない熱交換器を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するために、請求項１では、両端を開口し所定間隔を おいて対向する一対のヘッダ−パイプの間に、両端を各ヘッダ−パイプの側面に 挿入し連結された複数の熱媒体流通用チュ−ブをヘッダ−パイプの長さ方向に配 列するとともに、該チュ−ブ列の末端にはチュ−ブに沿って延びる補強部材を設 けた熱交換器において、前記ヘッダ−パイプに補強部材の端部を挿入する挿入孔 を設けるとともに、ヘッダ−パイプ内に挿入された補強部材の対応部位でヘッダ −パイプの開口を閉塞している。

【００１２】 また、請求項２では、両端を開口し所定間隔をおいて対向する一対のヘッダ− パイプの間に、両端を各ヘッダ−パイプの側面に挿入し連結された複数の熱媒体 流通用チュ−ブをヘッダ−パイプの長さ方向に配列するとともに、該チュ−ブ列 の末端にはチュ−ブに沿って延びる補強部材を設けた熱交換器において、前記ヘ ッダ−パイプに補強部材の端部を貫通させる貫通孔を設けるとともに、ヘッダ− パイプ内を貫通する補強部材の対応部位でヘッダ−パイプの開口を閉塞し、且つ 貫通した補強部材の端部を折曲してヘッダ−パイプの外部に係止させている。

【００１３】

【作用】

請求項１の熱交換器によれば、ヘッダ−パイプの挿入孔に挿入された補強部材 の対応部位でヘッダ−パイプの開口が閉塞されることから、別途閉塞部材を必要 としない。

【００１４】 また、請求項２の熱交換器によれば、ヘッダ−パイプの貫通孔を貫通する補強 部材の対応部位でヘッダ−パイプの開口が閉塞されることから、別途閉塞部材を 必要とせず、しかも貫通孔からヘッダ−パイプの外部に突出した補強部材の端部 を折曲することによって補強部材をヘッダ−パイプに係止させていることから、 仮組みの際、治具等を用いてチュ−ブや補強部材をヘッダ−パイプに固定する必 要がない。

【００１５】

【実施例】

図１乃至図３は本考案の一実施例を示すもので、従来例と同等の構成部分には 同一の符号を付して示す。即ち、２はチュ−ブ、３はフィンである。

【００１６】 同図において、５は両端を開口した一対のヘッダ−パイプで、その対向面には 従来例と同様、チュ−ブ２の接続孔５ａが設けられている。また、各ヘッダ−パ イプの上・下端寄りには後記する補強プレ−ト６の端部を貫通させる貫通孔５ｂ がそれぞれ設けられ、貫通孔５ｂはヘッダ−パイプ５の内径と等しい幅に形成さ れている。

【００１７】 ６はチュ−ブ列の末端にそれぞれ配置された補強プレ−トで、チュ−ブ２に沿 って一様に延びる板状の部材からなり、ヘッダ−パイプ５の内径と等しい幅に形 成されている。

【００１８】 本実施例の熱交換器を組立てるときは、各チュ−ブ２をヘッダ−パイプ５の接 続孔５ａに挿入するとともに、補強プレ−ト６の端部を貫通孔５ｂに貫通させる 。そして、図２に示すように、貫通孔５ｂからヘッダ−パイプ５の外部に突出し た補強プレ−ト６の端部をヘッダ−パイプ５の側面に向かって折り曲げ、該折曲 端をヘッダ−パイプ５に係止させる。これにより、チュ−ブ２及び補強プレ−ト ６はヘッダ−パイプ５に組付けられ、治具等を用いることなく仮組み状態が保持 される。

【００１９】 また、図３に示すように、補強プレ−ト６の幅はヘッダ−パイプ５の内径に等 しく形成されていることから、ヘッダ−パイプ５の開口がヘッダ−パイプ５内を 貫通する補強プレ−ト６の対応部位によって閉塞される。

【００２０】 このように、本実施例の熱交換器によれば、ヘッダ−パイプ５に補強プレ−ト ６の端部を貫通させる貫通孔５ｂを設けるとともに、貫通した補強プレ−ト６の 端部を折り曲げてヘッダ−パイプ５に係止させることにより、チュ−ブ２及び補 強プレ−ト６をヘッダ−パイプ５に組付けるようにしたので、別途治具等を用い ることなく仮組み状態を保持することができる。従って、治具の着脱等の面倒な 作業を省略することができ、組立作業を極めて容易に行うことができる。また、 ヘッダ−パイプ５の開口をヘッダ−パイプ５内を貫通する補強プレ−ト６によっ て閉塞するようにしたので、従来例に示すキャップのような閉塞部材を別途設け る必要がなく、部品点数を大幅に低減することができる。

【００２１】 尚、前記実施例ではヘッダ−パイプ５に補強プレ−ト６を貫通させるようにし たものを示したが、図４に示すように、ヘッダ−パイプ７に貫通しない挿入孔７ ａを設けるとともに、該挿入孔７ａには先端をヘッダ−パイプ７の内面に沿って 丸く形成した補強プレ−ト８を挿入し、該挿入部でヘッダ−パイプ７の開口を閉 塞し、閉塞部材の省略のみを図るようにしたものであってもよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１の熱交換器によれば、ヘッダ−パイプの開口を 閉塞するための部材を別途必要としないので、部品点数を大幅に低減することが できる。

【００２３】 また、請求項２の熱交換器によれば、請求項１の効果を達成するのは勿論のこ と、別途治具等を用いることなく仮組み状態を保持することができるので、治具 の着脱等の面倒な作業を省略することができ、組立作業を極めて容易に行うこと ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す熱交換器の全体斜視図

【図２】本考案の一実施例を示す熱交換器の要部拡大図

【図３】本考案の一実施例を示すヘッダ−パイプ及び補
強プレ−トの上面図

【図４】本考案の他の実施例を示すヘッダ−パイプ及び
補強プレ−トの上面図

【図５】従来例を示す熱交換器の全体斜視図

【符号の説明】

２…チュ−ブ、５，７…ヘッダ−パイプ、６，８…補強
プレ−ト、５ｂ…貫通孔、７ａ…挿入孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端を開口し所定間隔をおいて対向する
   一対のヘッダ−パイプの間に、両端を各ヘッダ−パイプ
   の側面に挿入し連結された複数の熱媒体流通用チュ−ブ
   をヘッダ−パイプの長さ方向に配列するとともに、該チ
   ュ−ブ列の末端にはチュ−ブに沿って延びる補強部材を
   設けた熱交換器において、前記ヘッダ−パイプに補強部
   材の端部を挿入する挿入孔を設けるとともに、ヘッダ−
   パイプ内に挿入された補強部材の対応部位でヘッダ−パ
   イプの開口を閉塞したことを特徴とする熱交換器。
2. 【請求項２】 両端を開口し所定間隔をおいて対向する
   一対のヘッダ−パイプの間に、両端を各ヘッダ−パイプ
   の側面に挿入し連結された複数の熱媒体流通用チュ−ブ
   をヘッダ−パイプの長さ方向に配列するとともに、該チ
   ュ−ブ列の末端にはチュ−ブに沿って延びる補強部材を
   設けた熱交換器において、前記ヘッダ−パイプに補強部
   材の端部を貫通させる貫通孔を設けるとともに、ヘッダ
   −パイプ内を貫通する補強部材の対応部位でヘッダ−パ
   イプの開口を閉塞し、且つ貫通した補強部材の端部を折
   曲してヘッダ−パイプの外部に係止させたことを特徴と
   する熱交換器。