JPH041124Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は循環式に構成したハンガー装置、よ
り詳しくは、必要なパーツをハンガーに掛け、該
ハンガーを径路に配設した複数の縫製ステーシヨ
ンへ順送しながら各ステーシヨンで必要縫製作業
をなし、ハンガー径路を一巡する間に縫製作業を
完了するタイプの縫製工場で使用するハンガー装
置に関するものである。

［従来技術］ 一般に縫製作業は、大量、迅速に処理するため
各作業拠点が特定の工程をそれぞれ分業すること
により、これをなすのが通例である。

例えば、或る作業拠点では袖付け作業がなさ
れ、次の拠点では身頃へのポケツトの取り付け作
業がなされ、縫製物は順次作業拠点を経て完成品
となるのである。

したがつて、各作業拠点間で、縫製物を構成す
る各パーツおよびこれによる半完成品を円滑に移
動させる必要が生じる。第４図は、このような場
合に使用されているハンガー装置である。

図において、Ａは或る作業拠点、１は後述のハ
ンガー２を移動させるための搬送ベルト、２は搬
送ベルト１に係合する懸架部２ａ、吊具としての
アーム２ｂ、このアーム２ｂの下部に設けられた
ハンガー本体２ｃとからなるハンガーである。そ
して、懸架部２ａは第５図に示すようにベルト係
合部２ａ３を有し、アーム２ｂの上端折曲部２ｂ
１をかん合する軸受部分にベアリング部２ａ２を
具えたガイドローラ２ａ１で構成されている。

ベルト係合部２ａ３は、ガイドローラ２ａ１の
外周面の中央全周にわたる溝部で形成されてい
る。

そして、ハンガー本体２ｃに必要なパーツ類縫
製品等を吊下して、各作業拠点間を搬送ベルト１
によつて順次搬送する。例えば、上物の身頃に或
るパーツを縫いつける作業拠点Ａには、その前の
作業拠点で縫合された身頃本体とこれに縫いつけ
るためのパーツがハンガー本体２ｃに吊下されて
送られてくる。このようにして縫製の最終工程に
いたるまでハンガー２による搬送がなされる。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上述のような従来のハンガー装
置は、作業拠点で複数のハンガーが滞留した場合
次のような問題を生ずるのである。

すなわち、例えば或る拠点での作業が順調にす
すみ、その拠点までの縫製加工を終えた品物と次
工程で必要なパーツ類は、次々とハンガー本体に
吊下され、次の作業拠点へ送られる。ここで、次
の作業拠点での作業が前工程に合わせて順調にな
されれば良いが、なんらかの原因で当該拠点での
作業が遅滞すると、ハンガー搬送をストツパーに
より停止する必要がある。

こうなると全拠点からどんどんハンガーが送ら
れてくる一方、この拠点からのハンガー移送は遅
れるから、当該拠点で複数のハンガーが滞留し
て、各懸架部が接触する事態が発生する。

すなわち、第６図に示すように、ハンガー２Ａ
のガイドローラ２ａ１にストツパーＳを当接させ
ると搬送ベルト１はガイドローラ２ａ１を空転さ
せながら移動していき、ハンガー２Ａは一定点に
停止する。そして、一定時間ここに滞留すると次
のハンガー２Ｂが搬送されてきて、そのガイドロ
ーラ２ａ１の外周端面をハンガー２Ａのそれに当
接させて、このハンガー２Ｂもそこで停止するこ
とになる。ところが、ハンガー２Ａとハンガー２
Ｂの各ガイドローラ２ａ１の空転方向は同一で
も、両ガイドローラの当接点における移動方向は
相互に逆方向となる。つまり搬送ベルト１の移動
により（図で右方向）ハンガー２Ａのガイドロー
ラ２ａ１は矢符Ａ方向へ、ハンガー２Ｂのガイド
ローラ２ａ１は逆に矢符Ｂ方向へ移動すべく付勢
されることとなる。

このため、両ガイドローラ２ａ１は、その回転
を互いに相殺されることになり空転が停止する。

したがつて、搬送ベルト１は各ハンガーのベル
ト係合部２ａ３との接触部分で大きな抵抗を受け
つつ移動することとなり、搬送ベルト１の駆動用
のモータが過負荷により過熱したり、時として搬
送ベルトの移動がストツプしてしまう等の不都合
が生じる。

［問題点を解決するための手段］ この考案は、ハンガーの懸架部を一対のガイド
ローラとこの一対のガイドローラにあつて、これ
に対し自由回転するフリーホイールとで構成する
とともにガイドローラ径をフリーホイール径より
大きくすることによつて上記従来の問題点を解決
しようとするものである。

［作用］ この考案に係るハンガー装置では、搬送ベルト
上で複数のハンガーがそれぞれのガイドローラー
を相接触させて滞留しても搬送ベルトはフリーホ
イールを空転させつつ移動することができる。

［実施例］ 図面にもとずいて、この考案の実施例を説明す
る。

第１図は、この考案に係る一実施例を示す図で
ある。

図において、３はハンガーのアーム２ｂの折曲
先端部２ｂ１部分に軸支される懸架部である。こ
の懸架部３は、互いに対向する一対のガイドロー
ラ３ａ，３ａと、これらの両ガイドローラ３ａ間
に介装されるフリーホイール３ｂとからなつてい
る。

４はガイドローラ３ａ，３ａに挟持される軸
受、５は各ガイドローラ３ａ，３ａと軸部として
のハンガーアームの折曲先端部２ｂ１との間に介
装されるベアリングである。

フリーホイール３ｂは、軸受４の外周にベアリ
ング６を介して周設されておりガイドローラ３
ａ、軸受４に対して自由に回転する。そして、こ
のフリーホイール３ｂの径はガイドローラ３ａの
径より小、すなわちガイドローラ３ａの内側壁と
フリーホイール３ｂの周面とで搬送ベルト１のガ
イド溝を形成するようになつている。

なお、１は上記のフリーホイール３ｂに当接す
る搬送ベルトである。

懸架部３は、上述の構成としたため、フリーホ
イール３ｂはガイドローラ３ａの挙動と無関係
に、搬送ベルト１に従動して常に円滑に回転す
る。

また、第２図および第３図は、この考案の他の
実施例を示す図である。

該実施例においては、軸としてのハンガーアー
ムの折曲先端部２ｂ１とガイドローラ３ａとの間
にはベアリングが介装されておらずガイドローラ
３ａは、単に折曲先端部２ｂ１にかん合軸支され
る状態で取り付けられている。

その他の構成は前述の実施例と全く同様であ
る。

［考案の効果］ この考案は、上述の構成としたため、複数のハ
ンガーをそれぞれのガイドローラが相接した状態
で搬送ベルト上に滞留しても搬送ベルトは各ハン
ガーのフリーホイールを空転させながら移動でき
るので搬送ベルトおよびこれを駆動するモータに
過重負荷による悪影響をおよぼすことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す一部断面
説明図、第２図は他の実施例を示す側面図、第３
図は同上断面図、第４図は従来のハンガー装置の
斜視説明図、第５図は従来のハンガーにおける懸
架部の断面図、第６図は、複数のハンガーの滞留
状態を示す正面図である。 １……搬送ベルト、３……懸架部、３ａ……ガ
イドローラ、３ｂ……フリーホイール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のハンガーの各懸架部を搬送ベルトに係合
   させて順次移動させるようにしたハンガー装置に
   おいて、ハンガーの吊具の折曲先端部に軸支され
   る前記懸架部を、搬送ベルトに係合するフリーホ
   イールとこのフリーホイールと同軸でその両側に
   配設するガイドローラとで構成するとともにガイ
   ドローラの周端をフリーホイール周端より突設さ
   せ、かつガイドローラは吊具の折曲先端部に自由
   回動し、フリーホイールはガイドローラに対して
   自由回動するようにしたことを特徴とするハンガ
   ー装置。