JPH04112498U - 電子レンジ用発熱体および調理容器 - Google Patents
電子レンジ用発熱体および調理容器Info
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Landscapes
- Cookers (AREA)
- Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)
- Electric Ovens (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 電子レンジの機種における電磁界分布の違い
による調理具合のムラを解決し、電子レンジの機種によ
る差を無くし、かつ調理効率が良く、場所の選定の必要
がない優れた電子レンジ用発熱体および調理容器を提供
する。 【構成】 フィルム状またはシート状をなすサポータ3
a〜3dの面に、磁性体層1a〜1dを設ける。あるい
はさらに、磁性体層1a〜1dに、導電性粉末を絶縁材
に混合した抵抗体層2a〜2cを積層して電子レンジ用
発熱体4a〜4dを構成する。また、この発熱体4a〜
4dを電子レンジ用カップ5の底部に設ける。サポータ
3a〜3dは、紙、プラスチックまたはセラミックから
なる。磁性体層1a〜1dは、磁性体粉末を混合した樹
脂、ゴムまたはセラミックからなる。
による調理具合のムラを解決し、電子レンジの機種によ
る差を無くし、かつ調理効率が良く、場所の選定の必要
がない優れた電子レンジ用発熱体および調理容器を提供
する。 【構成】 フィルム状またはシート状をなすサポータ3
a〜3dの面に、磁性体層1a〜1dを設ける。あるい
はさらに、磁性体層1a〜1dに、導電性粉末を絶縁材
に混合した抵抗体層2a〜2cを積層して電子レンジ用
発熱体4a〜4dを構成する。また、この発熱体4a〜
4dを電子レンジ用カップ5の底部に設ける。サポータ
3a〜3dは、紙、プラスチックまたはセラミックから
なる。磁性体層1a〜1dは、磁性体粉末を混合した樹
脂、ゴムまたはセラミックからなる。
Description
【0001】
本考案は、業務用または一般家庭用の電子レンジに用いられる発熱体または該
発熱体を備えた調理容器に関する。
【0002】
電子レンジは、マイクロ波電力を被加熱物である食物に投射し、食物の内部で
発生する電力損失により食物を加熱する調理器具で、短時間で加熱することがで
きるという特徴を有するので、今日業務用あるいは家庭用として種々の食品の調
理に用いられている。このような電子レンジによる調理対象をさらに拡大する付
属部品的な器具の一つとして、電子レンジ用のポップコーンを作る器具が従来よ
り知られており、プラスチックまたはセラミック製のコンセントレータ等が考案
され、実用化されている。図4(A)の縦断面図はその構造例を示すもので、ポ
ップコーン6を入れる円錐形状の容器7とその容器7を支持するプラスチックま
たはセラミック製のコンセントレータ8からなる。
【0003】
このような従来のポップコーン調理容器においては、コンセントレータ8のも
つ誘電率でコーン6に与える電界を強くするだけなので、コーン6に対して十分
な電界を与えることが必ずしもできず、従って容器7に入れられたコーン6が弾
け終わるまでの時間が長くなったり、焦げたりあるいは弾けずに残る等の問題が
あり、調理効率が悪いという欠点があった。
【0004】
従来の調理器として、前記コンセントレータ8の代わりに図4(B)のように
共振器9を設け、該共振器9を作動させて得られる強電界によりポップコーン6
を製造する電子レンジ用のポップコーンを作る容器等も考案され、実用化されて
いる。
【0005】
しかし図4(B)に示した従来のポップコーン調理器においては、特定の周波
数に対する共振を取るために形状が一定となり、任意の形状に選定することがで
きず、さらに発熱体部分が体積的に大きく、重量が重いという欠点があった。
【0006】
また、食品にこげ目をつけることを目的として、フェライト等の磁気損失材料
や、黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、炭化珪素、あるいは金属粉末等
の比較的固有抵抗の小さい物質を塗料化し、電磁波を通過させる耐熱ガラスや耐
熱性陶器に塗布ないしこれらを蒸着したマイクロ波加熱用容器等が考案されてい
る。さらに、フェライト等の磁気損失材料をセラミックに混合し、成形、焼成し
て製作された耐熱性陶器が電子レンジ用こげ目皿として考案されている。図4(
C)の縦断面図および(D)の底面図はその構造例を示すもので、耐熱性陶器の
皿10の底面裏側に塗布した抵抗体11からなる。
【0007】
しかしこのような固有抵抗の小さい物質の塗料を塗布したマイクロ波加熱用容
器においては、ガラスや陶器10が割れやすく、さらに重量が重くなるという問
題点があった。
【0008】
また、これら従来の調理器は、電子レンジの機種によっては調理具合にムラが
生じ、良く調理される機種が限定され、調理効率の良い場所を選ぶ必要があった
。
【0009】
本考案は、これらの問題点に鑑み、電子レンジの機種における電磁界分布の違
いによる調理具合のムラを解決し、電子レンジの機種による差を無くし、かつ調
理効率が良く、場所の選定の必要がない優れた電子レンジ用発熱体および調理容
器を提供することを目的とする。
【0010】
本考案の電子レンジ用発熱体は、フィルム状またはシート状をなす紙、プラス
チックまたはセラミックからなるサポータの面に、磁性体粉末を混合した樹脂、
ゴムまたはセラミックからなる磁性体層を設けるか、あるいはさらに、該磁性体
層に、導電性粉末を絶縁材に混合した抵抗体層を積層して構成したことを特徴と
する。また本考案の電子レンジ用調理容器は、調理容器の底部に前記発熱体を配
置したことを特徴とする。
【0011】
本考案は、前記磁性体層または抵抗体層により電磁界の電界成分あるいは磁界
成分もしくはこれら両成分を共にを強制的に固定し、誘電損失あるいは磁気損失
により有効に発熱をもたらすので、電子レンジの機種における電磁界分布の違い
から生じるポップポーン等の調理物の製造ムラを解決する。
【0012】
図1(A)は本考案による発熱体の一実施例を示す斜視図であり、磁気的損失
材料でなる磁性体粉末を絶縁体に混合してなる磁性体層(磁気的損失層)1aを
、絶縁体でなるサポータ3aに固着して発熱体4aを構成したものである。具体
的には、外径61mmの円形のシート状あるいはフィルム状をなす紙3aの全面に
、フェライト粉末をシリコーン樹脂に73wt%混合した層1aを厚さ70μm に
コーティングして熱硬化することにより、固着したものである。
このようにして作成した円形の発熱体4aを、図3(A)のように、ポップコ
ーン用カップ5の底部上面に接着あるいは載置等により配設し、豆16g、オイ
ル6gを入れ、500Wの電子レンジにて加熱を行なった。その結果、表1に対
比して示すように、発熱体4aが有る場合、発熱体無しの場合に比較し、調理の
終了時間が約40秒速くなり、ボリュームにおいても約40%効率が高くなった
。
【0013】
図1(B)は本考案の他の実施例であり、前記図1(A)と同様に紙3aに前
記同様の厚さ、材質の磁性体層1aをコーティングしたものと、アルミニウム粉
末をシリコン樹脂に23wt%混合した抵抗体層(電気的損失層)2aを紙3bの
全面に厚さ70μm にコーティングしたものとを、これらの層1a、2aどうし
を合わせて熱硬化させ、直径61mmの円形をなす発熱体4bを作製したものであ
る。
【0014】
このように作製した発熱体4bを、磁性体層1aが抵抗体層2aの上になるよ
うに、図3(A)に示したようにコップ5の底に置き、前記同様に、豆16g、
オイル6gを入れ、500Wの電子レンジにて加熱を行なった。その結果、表2
に対比して示すように、発熱体4bが有る場合、発熱体無しの場合に比較し、調
理の終了時間が約50秒速くなり、ボリュームにおいても約40%効率が高くな
った。
【0015】
図1(C)は図1(B)の変形例であり、図の右側に示すように、図1(B)
の場合と同じ組成でなる抵抗体層2bを紙3b上に外径60mm、内径30mmのド
ーナツ状にかつ前記と同じ厚さにコーティングし、図の左側に示すように、前記
と同様の組成および厚さに紙3aにコーティングされた磁性体層1aに抵抗体層
2bを合わせ、熱硬化させて固着することにより、前記と同じ外径の発熱体4c
を作製したものである。
【0016】
このように作製した発熱体4cを、図1(B)の場合と同様にコップ5の底に
置き、豆16g、オイル6gを入れ、500Wの電子レンジにて加熱を行なった
。その結果、表3に対比して示すように、発熱体4cが有る場合、発熱体無しの
場合に比較し、調理の終了時間が約80秒速くなり、ボリュームにおいても約5
0%効率が高くなった。
【0017】
図2(A)も図1(B)の変形例であり、図1(B)の場合と同じ組成でなる
抵抗体層2cを、図の右側に示すようにスパイラルに紙3bに前記と同じ厚さに
コーティングし、図の左側に示すように、前記と同様の組成を有しかつ前記と同
じ厚さに紙3aにコーティングされた磁性体層1aに抵抗体層2cを合わせ、熱
硬化させて固着することにより、前記と同じ外径の発熱体4dを作製したもので
ある。
【0018】
このように作製した発熱体4dを、図1(B)の場合と同様にコップ5の底に
置き、豆16g、オイル6gを入れ、500Wの電子レンジにて加熱を行なった
。その結果、表4に対比して示すように、発熱体4dが有る場合、発熱体無しの
場合に比較し、調理の終了時間が約60秒速くなり、ボリュームにおいても約4
0%効率が高くなった。
【0019】
また、図1(C)に示した発熱体4cを用い、各種家庭用電子レンジ(500
W〜650W)4種類について発熱体4c有り、なしで前記と同様の豆を加熱し
たところ、表5のような結果となり、発熱体4cが有る場合、発熱体なしの場合
に比較して各種家庭用電子レンジにおける調理の終了時間のばらつきが少なく、
かつボリュームにおいても均等になるという結果が得られた。また、調理の終了
時間は全体的におおよそ30〜60%効率が高いという結果が得られた。
【0020】
図1(C)に示した発熱体4cを用い、500Wの家庭用電子レンジにおいて
、ターンテーブルの中央、端および端と中央の中間にカップ5を置き、発熱体4
c有り、なしで前記と同様の豆を加熱したところ、表6のような結果となり、発
熱体4cが有る場合、発熱体なしの場合に比較して各種家庭用電子レンジにおけ
る調理の終了時間のばらつきが少なく、かつボリュームにおいても均等になると
いう結果が得られた。また、調理の終了時間は全体的に約100秒速くなり、ボ
リュームにおいても全体的に約50%効率が高くなるという結果が得られた。
【0021】
本考案を実施する場合、上記実施例以外に種々の変更を加えることができる。
例えば図2(B)〜(D)に示すように、磁性体層をそれぞれドーナツ状1b、
スパイラル状1c、放射状1dに形成しても良く、図2(E)に示すように、磁
性体層1aに金属ないし極めて抵抗を低い電気良導材20を固着したものを用い
ても良い。また、サポータ3a〜3cとしてフィルム状またはシート状のプラス
チックあるいはセラミックを用いても良い。また、発熱体4a〜4dの配設構造
は、図3(B)のように、カップ5の底部下面に発熱体4a等を接着あるいは嵌
着等により設けても良く、また、図3(C)のように、発熱体4a等に保護手段
としての紙、プラスチックまたはセラミックでなるサポータ3dを配置した構造
としても良い。また、本考案において、前記磁性体層1a〜1dは、複素透磁率
μが、実数部で1〜5、虚数部で0.1〜3の値を有することが好ましく、前記
抵抗体層2a〜2cは、複素誘電率εが実数部で3〜500、虚数部で0.1〜
500の値を有することが好ましい。
【0022】
【0023】
本考案によれば、磁界に有効な磁性体層、または該磁性体層に積層して電界に
有効な抵抗体層を電子レンジ用発熱体として設けることにより、調理物付近の電
磁界が強制的に調理容器に固定され、電磁レンジの機種による電磁界分布の違い
による調理具合のムラを解決し、電子レンジの機種による差を無くし、かつ調理
効率の良い場所の選定が必要ない優れた電子レンジ用発熱体を提供することがで
きる。また、本考案の調理容器は、該発熱体を底部に設けたので、電磁界の固定
が調理物の近傍に有効に固定される。
【0024】
また、発熱体がフィルム状あるいはシート状の紙、プラスチックまたはセラミ
ックによって構成されることから、軽量かつ安価であり、破損のおそれのない優
れた電子レンジ用発熱体を提供することができる。
【図1】(A)ないし(C)はそれぞれ本考案による発
熱体の各実施例を示す斜視図である。
熱体の各実施例を示す斜視図である。
【図2】(A)は本考案による発熱体の他の実施例を示
す斜視図、(B)ないし(D)は本考案による発熱体の
他の実施例を示す底面図、(E)は本考案による発熱体
の他の実施例を示す側面図である。
す斜視図、(B)ないし(D)は本考案による発熱体の
他の実施例を示す底面図、(E)は本考案による発熱体
の他の実施例を示す側面図である。
【図3】(A)ないし(C)は本考案による調理容器の
各実施例を示す縦断面図である。
各実施例を示す縦断面図である。
【図4】(A)ないし(C)は従来の調理容器の例を示
す縦断面図、(D)は(C)の底面図である。
す縦断面図、(D)は(C)の底面図である。
1a〜1d 磁性体層
2a〜2c 抵抗体層
3a〜3d サポータ
4a〜4d 発熱体
5 カップ
6 コーン
7 調理容器
8 コンセントレータ
9 共振器
10 皿
11 抵抗体
20 電気良導材
Claims (5)
- 【請求項1】フィルム状またはシート状をなす紙、プラ
スチックまたはセラミックからなるサポータの面に、磁
性体粉末を混合した樹脂、ゴムまたはセラミックからな
る磁性体層を設けて構成されることを特徴とする電子レ
ンジ用発熱体。 - 【請求項2】フィルム状またはシート状をなす紙、プラ
スチックまたはセラミックからなるサポータの面に、磁
性体粉末を混合した樹脂、ゴムまたはセラミックからな
る磁性体層を設けると共に、導電性粉末を樹脂、ゴムま
たはセラミックに混合した抵抗体層を前記磁性体層に積
層して構成されることを特徴とする電子レンジ用発熱
体。 - 【請求項3】請求項2の発熱体において、前記磁性体層
と抵抗体層との積層体を挟むように発熱体の両面にサポ
ータが設けられていることを特徴とする電子レンジ用発
熱体。 - 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかの発熱体に、
さらに紙またはプラスチックからなる発熱体保護用サポ
ートを組合わせてなることを特徴とする電子レンジ用発
熱体。 - 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか発熱体を、調
理容器の内側ないし外側の底部に配置したことを特徴と
する電子レンジ用調理容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991023272U JP2564990Y2 (ja) | 1991-03-16 | 1991-03-16 | 電子レンジ用発熱体および調理容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991023272U JP2564990Y2 (ja) | 1991-03-16 | 1991-03-16 | 電子レンジ用発熱体および調理容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04112498U true JPH04112498U (ja) | 1992-09-30 |
JP2564990Y2 JP2564990Y2 (ja) | 1998-03-11 |
Family
ID=31908558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991023272U Expired - Lifetime JP2564990Y2 (ja) | 1991-03-16 | 1991-03-16 | 電子レンジ用発熱体および調理容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2564990Y2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013110095A (ja) * | 2011-10-27 | 2013-06-06 | Jfe Chemical Corp | マイクロ波吸収発熱体用粉末の製造方法およびマイクロ波吸収発熱体用粉末ならびにその粉末を用いたマイクロ波吸収発熱体 |
JP2014065537A (ja) * | 2012-09-27 | 2014-04-17 | Toyo Aluminium Kk | 食品収納体 |
WO2014129350A1 (ja) * | 2013-02-22 | 2014-08-28 | 中谷産業株式会社 | 電子レンジ用容器 |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP5854905B2 (ja) * | 2012-03-27 | 2016-02-09 | 東洋アルミエコープロダクツ株式会社 | マイクロ波発熱構造体 |
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JPS6396893A (ja) * | 1986-10-13 | 1988-04-27 | 池田 為彦 | 天火器具を備えた電子レンジ調理用容器 |
JPS6396894A (ja) * | 1986-10-13 | 1988-04-27 | 若林 定雄 | 電子レンジ調理用天火器具 |
-
1991
- 1991-03-16 JP JP1991023272U patent/JP2564990Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Also Published As
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---|---|
JP2564990Y2 (ja) | 1998-03-11 |
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