JPH04106946U

JPH04106946U - コンバインにおける脱穀部の選別風吸入構造

Info

Publication number: JPH04106946U
Application number: JP1471591U
Authority: JP
Inventors: 隆正中村; 昇一佐藤
Original assignee: セイレイ工業株式会社
Priority date: 1991-02-20
Filing date: 1991-02-20
Publication date: 1992-09-16

Abstract

(57)【要約】（修正有）［目的］コンバインの脱穀部における唐箕の吸気口
が、トラックフレ−ム上に堆積する泥土によって塞がれ
ないようにして、常に安定した選別性能を確保する。［構成］コンバインの機台に搭載する脱穀部の唐箕吸
気口を、クロ−ラ走行部における無端履帯の巻回圏内に
位置させ、その吸気口に吸気ケ−シングを連設して、吸
気ケ−シングの外端口をクロ−ラ走行部の外端付近で外
向きに開口させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンバインにおける脱穀部の選別風吸入構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

左右一対のクロ−ラ走行部によって支承される機台に脱穀部を搭載して構成されるコンバインにおいて、従来のものは、脱穀部の下方部分に配設される唐箕の吸入口が脱穀側板に開設され、クロ−ラ走行部のトラックフレ−ムの内端に接近して位置させられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のコンバインにおける唐箕の選別風吸入構造は、上記のようになっていたので、クロ−ラ走行部の無端履帯によって持ち上げられてトラックフレ−ム上に堆積される泥土により吸入口部が塞がれて、次第に風量不足に陥り選別性能が低下するという問題点があった。本考案は、上記の問題点に鑑みて実施されたものであり、その目的とするところは、泥土により吸入口が塞がれるような事態になることが完全に防止され、常に安定した選別性能を確保できるように改良されたコンバインにおける唐箕の選別風吸入構造を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案における唐箕の選別風吸入構造は、左右一対のクロ−ラ走行部(１)(１)により支承される機台(２)に脱穀部(３)を搭載して構成されるコンバインにおいて、前記脱穀部(３)の唐箕(２２)の吸入口(４４)に吸気ケ−シング(４５)を連設し、各々の吸気ケ−シング(４５)の外端口(４６)を、左右のクロ−ラ走行部(１)(１)における無端履帯(１ａ)(１ａ)の巻回圏内に位置させ、且つ、クロ−ラ走行部(１)(１)の外端面付近において外向きに開口させてあることを特徴とするものである。

【０００５】

【考案の作用及び効果】

上述の選別風吸入構造が適用されたコンバインにおいては、走行の際にクロ− ラ走行部(１)(１)の無端履帯(１ａ)(１ａ)によって持ち上げられてトラックフレ −ム(１ｂ)(１ｂ)上に泥土が堆積することがあっても、選別風の吸入は、トラックフレ−ム(１ｂ)(１ｂ)上から遠く離れて開口する吸気ケ−シング(４５)の外端口(４６)から行われるので、泥土でもって第１唐箕(２２)の吸入口(４４)(４４) が塞がれるようなことがなくなり、常に風量が良好適正に吸入され安定した脱穀性能を確保できる。

【０００６】

【実施例】

つぎに、本考案の実施例について図面を参照して説明する。図１はコンバインの全体側面図、図２は脱穀部の断面説明図、図３は脱穀部のＡ−Ａ断面概略図、図４は脱穀部の揺動選別体の一部分を拡大して示した説明図である。

【０００７】図１に示されたコンバインは直流型になるもので、下部にクロ−ラ走行部(１) を備えた機台(２)に軸流式の脱穀部(３)を搭載し、その脱穀部(３)の前方に昇降可能に前処理部(４)を装設するとともに、前処理部(４)の後部上方で脱穀部(３) の前側部位に運転室(５)を設置して構成されている。なお、(６)は揚穀筒、(７)はグレンタンク、(８)は前処理部昇降用の油圧シリンダ、(９)はエンジン、(１０)は穀粒搬出装置、(１１)は前処理部のプラットホ −ム、(１２)はフィ−ダハウス、(１３)は掻込みリ−ルである。

【０００８】図２において、脱穀部(３)の扱室(１４)内にはスクリュ−形の扱歯を備えた扱胴(１５)が前後方向に向けて軸支され、その前端のインペラ部が前記フィ−ダハウス(１２)に連通している扱室の前側投入口(１６)に臨まされるとともに、後端部が扱室後側の排塵口(１７)に臨まされ、また、扱胴(１５)の下側にはコンケ− ブ(１８)が張設され、さらにコンケ−ブ(１８)の下側に形成される室内には選別部(１９)が設けられている。そして、上記選別部(１９)は、前選別体(２０)と後選別体(２１)とに分割形成されている揺動選別体と、第１唐箕(２２)と第２唐箕(２３)からなる唐箕と、吸排塵ファン(２４)と、コンケ−ブの後半部から漏下する穀粒を前選別体上にまで戻す選別搬送ベルト(２５)などを主要素として構成されている。

【０００９】揺動選別体の前選別体(２０)は、扱胴(１５)の前端下方に位置するフィ−ドパン(２６)と、フィ−ドパン(２６)の後位に設けられる篩線(２７)と、篩線(２７) の下方に配設される第１チャフシ−ブ(２８)などを備えて構成されている。また、後選別体(２１)は、第１チャフシ−ブ(２８)の下方に臨ませるグレンシ −ブ(２９)と、グレンシ−ブの下方に配設する１番流穀板(３０)と、グレンシ− ブの後方に連設する第２チャフシ−ブ(３１)と、第２チャフシ−ブの下方に配設する２番流穀板(３２)などを備えて構成されている。

【００１０】そして、後選別体(２１)の前端側が前選別体(２０)の後端側下方に上下に重複する如く臨まされ、前選別体(２０)の第１チャフシ−ブ(２８)の下方に後選別体 (２１)のグレンシ−ブ(２９)が受け状態に位置し、第１チャフシ−ブ(２８)からの穀粒がグレンシ−ブ(２９)に落下するようになし、第１チャフシ−ブ(２８)の上部に第２唐箕(２３)で選別風を供給すると共に、第１チャフシ−ブ(２８)とグレンシ−ブ(２９)の間の風路に第１唐箕(２２)からの選別風を供給して塵を吹き飛ばして選穀し、１番流穀板(３０)からの穀粒を１番コンベア(３３)を経て揚穀筒(６)に、又、２番流穀板(３２)からの２番還元物を２番コンベア(３４)を経て扱胴(１５)の前端部に還元し、塵類は前記吸排塵ファン(２４)及び３番口(３５) から機外に排出するようになっている。

【００１１】揺動選別体を構成する前選別体(２０)と後選別体(２１)とは、揺動駆動方向が互いに逆向きとなるように揺動リンク機構を介して枢支される。つまり、前選別体(２０)の前端と後選別体(２１)の後端とを脱穀側板に揺動リンク(３６)(３７) を介して揺動自在に支持すると共に、前選別体(２０)の後端と後選別体(２１)の略中央部とを駆動リンク(３８)を介して脱穀側板に支持させている。図４にみられるように、前記駆動リンク(３８)は、長手方向中央の揺動支点軸 (３９)を脱穀側板に枢支させ、駆動リンク(３８)の両端側を前・後選別体(２０) (２１)に夫々支軸(４０)を介して連結させると共に、左右の脱穀側板間を貫通する揺動駆動軸(４１)に偏心輪(４２)、連結ア−ム(４３)を介して連結させて、揺動駆動軸(４１)の回転でもって前・後選別体(２０)(２１)を相互に逆方向に揺動駆動するように構成されている。

【００１２】前記駆動リンク(３８)において、揺動支点軸(３９)と前選別体(２０)とを結合する側のア−ム長さ(Ｌ１)が、揺動支点軸(３９)と後選別体(２１)とを結合する側のア−ム長さ(Ｌ２)よりも長くなっており、このＬ１＞Ｌ２のア−ム比であることによって、前選別体(２０)が後選別体(２１)よりも大なる振幅で揺動されて、振幅の大きい前選別体(２０)で荒選別を行い、振幅の小さい後選別体(２１)で仕上げ選別を行うようになっている。つまり、重量面で前選別体＞後選別体の関係にあるので、相対的に軽い前選別体が大きな振幅で、重い後選別体が小さい振幅で揺動されることになって選別部で発生する振動が低減され、これに前選別体と後選別体の揺動駆動方向が互いに逆向きであることで運動慣性力が打ち消し合わされるとが相俟って、全体的に揺動による騒音や騒音が低減されるものとなっているのである。

【００１３】しかして、本考案にあっては、上記の構成になるコンバインにおいて、脱穀部の唐箕と、クロ−ラ走行部(１)とが次のような関連配置で設けられているところに特徴がある。すなわち、左右の脱穀側板に開設された第１唐箕(２２)の吸入口(４４)(４４) にはそれぞれ吸気ケ−シング(４５)(４５)が連設されて、それぞれの吸気ケ−シング(４５)(４５)の外端口(４６)(４６)が、左右クロ−ラ走行部(１)(１)における無端履帯(１ａ)(１ａ)の巻回圏内に位置し、且つクロ−ラ走行部の外端部付近において外向きに開口されている。故に、本考案においては、クロ−ラ走行部(１)(１)の無端履帯(１ａ)(１ａ)によって持ち上げられてトラックフレ−ム(１ｂ)(１ｂ)上に堆積する泥土で第１唐箕(２２)の吸入口(４４)(４４)が塞がれるようなことがなくなり、常に風量が良好適正に供給されて脱穀性能が安定するのである。

【００１４】なお、図例においては、唐箕とクロ−ラ走行部との上記関連配置構成を、第１唐箕(２２)にのみ適用したものとしているが、第２唐箕にも同じ関連配置構成を適用する場合も包含するものである。また、本考案は、直流型コンバインだけでなく、他の形式のコンバインにおいても実施できることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が実施されたコンバイの全体側面図であ
る。

【図２】脱穀部の断面説明図である。

【図３】脱穀部のＡ−Ａ断面概略図である。

【図４】脱穀部における揺動選別体の一部分を拡大して
示した説明図である。

【符号の説明】

１クロ−ラ走行部１ａ無端履帯３脱穀部４４吸入口４５吸気ケ−シング４６外端口

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】左右一対のクロ−ラ走行部(１)(１)によ
って支承される機台(２)に脱穀部(３)を搭載して構成さ
れるコンバインにおいて、前記脱穀部(３)の唐箕(２２)
の吸入口(４４)に吸気ケ−シング(４５)を連設し、それ
ぞれの吸気ケ−シング(４５)の外端口(４６)を、左右の
クロ−ラ走行部(１)(１)における無端履帯(１ａ)(１ａ)
の巻回圏内に位置させ、且つ、クロ−ラ走行部(１)(１)
の外端面付近において外向きに開口させてあることを特
徴とするコンバインにおける脱穀部の選別風吸入構造。