JPH04106241U - 位置決め機構を備えたヒンジキヤツプ付容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 度重なる使用によっても係止位置がずれるこ
とのない、位置決め機構を備えたヒンジキャップ付容器
を提供する。 【構成】 ヒンジキャップ係合用のネジを形成したノズ
ル部を有する容器本体の開口端部より下方に環状段部を
形成し、環状段部の円周上には、開口円の中心線上に対
向した位置に２個のストッパーを形成すると共に、ヒン
ジキャップ内面に形成された係合用のネジの上方部に
は、閉蓋時に前記ストッパーにそれぞれ面で当接する２
個の係止片を形成する。またヒンジキャップ内面には、
容器本体の開口端部を覆うように構成されたコの字状の
舌片が形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、閉蓋時の位置決め機構を備えた容器に関するものであって、より詳 しくは、キャップの締め付けトルクのバラツキに関係なく高い精度で定位置での 係止を可能にしたヒンジキャップ付容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年になって、洗剤、シャンプー、リンス、食用油などの液体容器においては 、ヒンジキャップが多く用いられるようになってきた。ヒンジキャップとは、蓋 の開閉を片手でワンタッチで行い、しかも、開蓋したキャップが紛失しないよう に合成樹脂で一体に形成されたヒンジで容器口部に嵌着された筒壁と連結された キャップであり、内容物の密閉度にすぐれていることや、取扱いが簡便なことか ら、とくに液体容器に多く用いられるようになってきている。

【０００３】 ヒンジキャップの開蓋は、通常キャップ正面の舌片を親指で押し上げるだけで 達成されるように構成されているが、容器本体へのキャップの係合は、容器本体 のノズル部と、キャップ内周に形成されたネジ同士を時計方向に回動し係合する ことによってなされる。ところが、この際、ネジは螺旋になっているためにキャ ップを締め付けるトルクのバラツキによって、閉蓋時の係止位置が一定化しない という問題がある。一方、容器本体には容器の形状に関係なく、その正面に、内 容物を認識し、かつ商品価値を高めるための印刷表示あるいはラベルによる表示 がなされており、ヒンジキャップの開閉面も、その表示部と同一面に形成されて いる。

【０００４】 ところが、前述したように、容器本体にヒンジキャップを係合する際に、ヒン ジキャップの係止位置がずれると、ヒンジキャップの開閉面と、容器本体の表示 部とが同一面に形成されなくなり、使用者にとって不便であると共に容器の商品 価値を損なうという問題が発生する。

【０００５】 従来より、容器とキャップの横断面形状が円形でないものにおいては、閉蓋時 にキャップが容器の形状に合致した位置で停止することが重要であり、そのため に閉蓋時の容器とキャップの位置合せ機構についてのさまざまなアイデアが提案 されている。しかしながら、これらの提案は、ストッパーの構造に配慮がなされ ておらず、度重なる使用によって、係止位置がずれてきたり、構造的に複雑であ ったり、内容物の密閉度が十分でなかったり、また、取扱い上簡便さを欠くもの が多く、しかも、本考案が目的とするヒンジキャップの位置決め機構としては利 用することができない。

【０００６】

【考案の目的】

そこで、本考案の目的は、容器本体に対して密閉性が高い状態で係合すること ができるとともに、係合ネジの構造に由来するトルクのバラツキに関係なく、か つ、度重なる使用によっても係止位置がずれることのない、精度の高い係止位置 での閉蓋を可能にしたヒンジキャップ付の容器を提供することにある。

【０００７】

【目的を達成するための手段】

本考案は、前記目的を達成するために提案されたものである。 すなわち、本考案によれば、 ヒンジキャップ係合用のネジを形成したノズル部を有する容器本体の開口端部 より下方に環状段部を形成し、環状段部の円周上には、開口円の中心線に接して 対向し、かつ、係止片との当接部が該中心線と面一に形成された２個のストッパ ーを形成するとともに、ヒンジキャップ内面に形成された係合用ネジの上方部に は、閉蓋時に前記ストッパーにそれぞれ面で当接する２個の係止片を形成すると ともに、ヒンジキャップ壁面と連接され開口端部を覆うコの字型の舌片を形成し たことを特徴とする位置決め機構を備えたヒンジキャップ付容器が提供される。

【０００８】

【考案の具体的説明】

本考案の位置決め機構を備えたヒンジキャップ付容器の構成を、図面に基づい て説明する。

【０００９】 図１は、本考案のヒンジキャップと容器本体との係合時の状態の一例を示す側 断面図、図２は、開口部の環状段部に形成されたストッパーの形状を示す上面図 、図３は、同斜視図である。図１において、ヒンジキャップ（全体としてＢで表 わす）に係合するためのネジ（２）を形成したノズル部（１）を有する容器本体 （全体としてＡで表わす）の開口端部（３）より下方に環状段部（１１）を形成 し、環状段部の円周上には、図２、図３に示すように容器本体の開口円の中心線 に接して対向した２個のストッパー（６，６’）を形成する。

【００１０】 本考案においては、このストッパーの、係止片と当接する面の形状を、容器本 体の開口円の中心線と面一に形成することが重要である。閉蓋時にストッパーと 係止片が同一の角度で、常に面で当接することにより、度重なる閉蓋によっても 、ストッパーと係止片の形状が摩耗などによって変形することがなく、したがっ て、高い精度で安定した位置決めが可能となる。

【００１１】 ヒンジキャップ内面に形成された係合用ネジ（４）の上方部には、閉蓋時に前 記ストッパーに同一角度で互いに面で当接する２個の係止片（５，５’）を形成 してある。ストッパーと係止片の幅は、環状段部の幅一杯に形成されることが好 ましい。容器の開口端部は、ヒンジキャップの上方側壁（１３）とそれに一体と なって開口端部を覆うコの字型の嵌合舌片（１２）とによって嵌合され、キャッ プの密閉度を高めるように構成されている。

【００１２】 ヒンジキャップは、中心に開孔された注出孔（１４）をキャップ本体の頂板（ ８）中央に形成された注出孔嵌入筒（１５）によって嵌合され、開蓋する場合に は、開蓋舌片（９）を押し上げることによってヒンジ（７）を介して開蓋される 。またヒンジキャップは、図１に示すように、筒壁を容器の口部に螺着できる程 度の比較的薄肉の部材として形成し、その外面を別ピースとして成形された外挿 体（１０）で覆うように形成してもよい。

【００１３】 本考案の容器本体およびヒンジキャップは、前述した構成を有することにより 、容器本体にヒンジキャップを時計方向に回転させながら螺着してゆくと、その 終点において、容器本体のストッパー（６，６’）に、ヒンジキャップ内面に形 成された係止片（５，５’）が当接し、螺着が完了すると同時に正確な位置決め が達成され、その結果、ヒンジキャップの開蓋舌片（９）は、常に容器本体の正 面に位置し、片手での操作で、容器正面の表示を確認しながら、キャップの開閉 が正しく行うことができる。

【００１４ 】 本考案のヒンジキャップ付き容器は、容器本体およびキャップ本体ともに、熱 可塑性樹脂で成形されるが、なかでもポリオレフィン樹脂、とくにポリプロピレ ンで成形されることが好ましい。

【００１５】

【考案の効果】

本考案によれば、度重なる閉蓋によっても、また締めつけるトルクのバラツキ に関係なく容器本体とヒンジキャップが高い精度で常に一定の場所で係止され、 しかも、密封度の高い閉蓋構造のヒンジキャップ付容器を提供される。したがっ て、このヒンジキャップ付容器は、長期にわたって容器の商品価値を損なうこと なく、片手で容器正面の表示を確認しながら、ワンタッチでヒンジキャップの開 閉ができるという便利さを使用者に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のヒンジキャップ付容器の係合時の状態
の一例を示す側断面図である。

【図２】容器本体の開口段部に形成されたストッパーの
構造を示す上面図である。

【図３】容器本体の開口段部に形成されたストッパーの
構造を示す斜視図である。

【符合の説明】Ａ 容器本体 Ｂ ヒンジキャップ １ 容器本体のノズル部 ２ 容器本体の係合用ネジ ３ 容器本体の開口端部 ４ ヒンジキャップの係合用ネジ ５、５’係止片 ６、６’ストッパー ７ ヒンジ ８ キャップの頂板 ９ 開蓋舌片 10 外挿体 11 環状段部 12 嵌合舌片 13 ヒンジキャップの上方側壁 14 注出口 15 注出口嵌入筒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヒンジキャップ係合用のネジを形成した
   ノズル部を有する容器本体の開口端部より下方に環状段
   部を形成し、環状段部の円周上には、開口円の中心線に
   接して対向し、かつ、係止片との当接部が該中心線と面
   一に形成された２個のストッパーを形成するとともに、
   ヒンジキャップ内面に形成された係合用ネジの上方部に
   は、閉蓋時に前記ストッパーにそれぞれ面で当接する２
   個の係止片を形成するとともに、ヒンジキャップ壁面と
   連接され開口端部を覆うコの字型の舌片を形成したこと
   を特徴とする位置決め機構を備えたヒンジキャップ付容
   器。