JPH04103697U - プリント配線板におけるノイズ防止構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント配線板にプリント形成されている信
号ラインそれ自体にフェライトビーズによるノイズ防止
対策を実施できるようにする。 【構成】 プリント配線板１にプリント形成されている
所定の信号ライン２の両側部に一対のコア取付穴３と４
を形成する。コア取付穴３、４を通して２個のフェライ
トコア５と６をプリント配線板１を挟むようにして組み
合わせる。すると両フェライトコア５と６により信号ラ
イン２を取り囲む環状の磁気回路が構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、電子回路機器からの電磁波の不要輻射を低減するのに効果的なプ リント配線板におけるノイズ防止構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

電子機器が発生する電磁妨害波を低減し深刻な電子機器の誤動作を回避するた めに、電子部品や回路装置をシールド材料で遮蔽したり、電子回路の電源ライン や信号ラインに適切なフィルタを挿入したり、ビーズコアあるいはフェライトビ ーズと呼ばれている環状のフェライトコアに信号線を通したり、プリント配線板 自体に電磁波シールド層を設けるなど、さまざまな電磁波障害対策が講じられて いる。

【０００３】 従来、フェライトビーズを用いたノイズ防止対策は、具体的に次のように実施 されている。例えば環状のフェライトコア（これをフェライトビーズと読んでい る）に信号線ケーブルを貫通させる。またＩＣやＬＳＩのリードフレームに小さ なフェライトビーズを装着する。あるいはフェライトビーズにジャンパー線など を通してその両端を端子とした素子（ビーズフィルタと呼んでいる）を作ってお き、この素子をプリント配線板の所定の信号ラインの途中に挿入するように実装 する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前述のように従来は、プリント配線板における所定の信号ラインにフェライト ビーズによるノイズ防止対策を実施するには、フェライトビーズに銅線を通した ２端子素子（ビーズフィルタ）を作り、これを抵抗やコンデンサなどの素子と同 様にプリント配線板に実装していた。そのためビーズフィルタの製造とビーズフ ィルタのプリント基板への実装の両方を含む作業工程が面倒であり、フェライト ビーズによるノイズ防止対策を簡単に多用することができなかった。

【０００５】 この考案は、前述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、プ リント配線板上の信号ラインにフェライトビーズによるノイズ防止対策を低コス トで簡単に実施することができるようにしたノイズ防止構造を提供することにあ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そこで、この発明では、プリント配線板にプリント形成されている所定の信号 ラインの両側部に一対のコア取付穴を形成し、このコア取付穴を貫通して相互接 合する形状の２つのフェライトコアでもって配線板を表裏から挟み込み、両フェ ライトコアにより前記信号ラインを取り囲む環状の磁気回路を構成するようにし た。

【０００７】

【作用】

プリント配線板にプリント形成されている信号ラインそれ自体が前記２つのフ ェライトコアでもって取り囲まれ、両フェライトコアがその信号ラインに対して フェライトビーズとして作用する。

【０００８】

【実施例】

図１と図２に本考案の一実施例を示している。プリント配線板１には多数の回 路素子を実装して、電子回路を構成するためのプリント配線パターンが形成され ている。そのうちのフェライトノイズ防止対策を講じようとする信号ライン２に ついて、その所定部分の両脇に一対のコア取付穴３と４を形成しておく。この例 では信号ライン２を挟んで左右対称の長方形状のコア取付穴３と４を形成してい る。

【０００９】 コア取付穴３と４を通して、信号ライン２の形成されたプリント配線板１を２ 個のフェライトコア５と６で表裏から挟み込む。フェライトコア５はＣ字形に構 成されており、その両端突出部分がコア取付穴３と４に嵌まり込んでこれを貫通 する形状になっている。もう１つのフェライトコア６は、Ｃ字形フェライトコア ５の両端部の間をぴったりと埋める寸法の角柱状に構成されている。図２に示す ように、Ｃ字形フェライトコア５の両端をコア取付穴３、４に通し、反対側から 角柱形フェライトコア６をＣ字形フェライトコア５の間に嵌め込む。この状態で コア５、６をプリント配線板１に接着して固定する。

【００１０】 以上の構成によりプリント配線板１にプリント形成されている信号ライン２が フェライトコア５と６からなる環状の磁気回路でもって取り囲まれる。つまり図 ２のように組み合わされたフェライトコア５と６が前述のフェライトビーズとし て作用し、信号ライン２についてノイズ減衰効果を付与する。

【００１１】

【考案の効果】

この考案では、プリント配線板にプリント形成されている信号ラインの両側部 に一対のコア取付穴を形成し、このコア取付穴を貫通して２個のフェライトコア をプリント配線板に組み合わせ、２つのフェライトコアでもって前記信号ライン を取り囲む環状の磁気回路を構成するので、プリント配線板にプリント形成され ている信号ラインそれ自体にフェライトビーズによるノイズ防止対策を極めて簡 単に施すことができ、実施コストも非常に安くなり、実施スペースも小さくて済 む。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例によるプリント配線板におけ
るノイズ防止構造を示す分解斜視図

【図２】同上実施例の拡大断面図

【符号の説明】

１ プリント配線板 ２ 信号ライン ３、４ コア取付穴 ５、６ フェライトコア

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリント配線板にプリント形成されてい
   る所定の信号ラインの両側部に一対のコア取付穴を形成
   し、このコア取付穴を貫通して相互接合する形状の２つ
   のフェライトコアでもって配線板を表裏から挟み込み、
   両フェライトコアにより前記信号ラインを取り囲む環状
   の磁気回路を構成することを特徴とするプリント配線板
   におけるノイズ防止構造。