JPH04103610U - コモンモードチヨークコイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バイファイラ巻きに巻線を施したトロイダル
コイルを板端子を取付けた端子台を用い巻線の引き出し
線を固定し、トロイダルコイルと端子台を夫々係止爪と
係合孔により嵌合する箱形ケース本体と箱形蓋体の中に
収め、接着作業とからげ作業のない組立所要工数の少な
いコモンモードチョークコイルとする。 【構成】 トロイダルコイル５と板端子１３とを貫設し
た２個の端子台１１に巻線の端部を前記板端子１３の上
端部に接続して組合せ、箱形ケース本体６と箱形蓋体７
を組合わせてなるケースに、前記板端子１３の下端部を
前記箱形ケース本体６内底の貫通孔１０に挿通しトロイ
ダルコイルの引き出し線を板端子１３の突片１４に接続
し、折り曲げ接続した後収納したコモンモードチョーク
コイルである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、トロイダルコアを用いた基板装着型のコモンモードチョークコイル の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

トロイダルコアにバイファイラ巻きに巻線を施したコモンモードチョークコイ ルは、電磁雑音防止用に使われる。基板装着型にした従来のトロイダルコアの軸 方向を水平にして配置したこの種のコモンモードチョークコイルの一例を図３に 示す。

【０００３】 対向壁と底板からなる断面Ｕ形の絶縁台１の底面に４本のピン端子２を垂設し 、スタンドオフ片３を突設してある。底板の上面の両側辺中央部にコイル支持片 ４（片方だけを図示）が設けられ、支持片４の両側で底板に縦溝が形成されてい る。支持片４の内側はコイル５の外周に対応する湾曲面である。

【０００４】 支持片４の内側に接着材を盛り付けてから、バイファイラ巻きのトロイダルコ イル５（以下コイルと称す）を絶縁台１の中に置き、巻線の端部を縦溝に通して ピン端子２の根元にからげて半田付により接続していた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

接着作業とからげ作業を要する構造の従来のコイルは、組立のための所要工数 が多いので、構造原価が高くなるという欠点があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案によるコモンモードチョークコイルは、板端子を貫設した２個の端子台 と、内底に板端子用貫通孔を形成した箱形ケース本体（以下ケース本体と称す） と箱形蓋体（以下蓋体と称す）からなるケースを用いることを特徴とし、コイル の巻線の端部を板端子の上端部に止めて点溶接により接続して、コイルと端子台 とを組合せたものを、板端子の下端部を貫通孔に挿通してケース本体に入れ、蓋 体を被せて側壁の係止爪と係合孔を係合する構造である。

【０００７】 即ち本考案は、バイファイラ巻きに巻線を施したトロイダルコイルと板端子を 貫設した２個の端子台とを、前記巻線の端部を前記板端子の上端部に接続して組 み合わせ、箱形ケース本体と箱形蓋体を組み合わせてなるケースに、前記板端子 の下端部を前記箱形ケース本体の内底の貫通孔に挿通して収納してなることを特 徴とするコモンモードチョークコイルである。

【０００８】

【作用】

端子台は、板端子の上端部で巻線の端部と溶接による接続を助ける。上端部に 突片を設けて巻線の端部を突片を倒して止めてから接続することもできる。ケー スはコイルを収納し、板端子を所定の配列に保持し端子台を内部で固定する。

【０００９】

【実施例】

本考案のコモンモードチョークコイルの一実施例の分解図を図１に示し、完成 品の階段断面図を図２に示す。コモンモードチョークコイルを収納するケースは 、箱形のケース本体６に箱形蓋体７を被せる形式のもので、ケース本体６の両側 面に係止爪８を設け、蓋体７にはケース本体に対応する係合孔９を形成してある 。ケース本体６の内底には、所定の配列で４個の細長い貫通孔１０（図１に１個 だけを図示）が形成されている。端子台１１は、ケース本体６の深さとほぼ同じ 高さで、ケース本体６の内寸（図１で短辺）より僅かに小さい長さの絶縁材で、 上面の両端に段部１２があり、段部１２に板端子１３が貫設されている。板端子 １３は、片端に側方への短い突片１４のある「形に打ち抜いた導電板を、突片１ ４の近傍で直角に折り曲げ、さらに突片１４を付け根で外側に直角に折り曲げた ものであり、突片１４のある方が上端部になる。図１において中段右側の端子台 １１に示したように、板端子１３は主面が端子台１１の側面と平行で、突片１４ のない方の側端が段部１２の直立壁に沿い、上端部が段部１２で露出し、突片１ ４が段部１２の直立壁と対向するようにして貫設されている。

【００１０】 次に組立てを説明する。２個の端子台１１を、図示しない治具の上に所定の間 隔に配置する。端子台１１の間にトロイダルコイル５を置き、バイファイラ巻き の巻線の端部を板端子１３の上端部の上に引き出す。（図１の右側の端子台１１ を参照）次に図１の左側の端子台１１に示したように、突片１４を倒して巻線の 端部を止める。溶接材の電極を突片１４に圧接し通電して巻線の端部を板端子１ ３と接続する。この組合せに用いる治具は、例えば溶接材の電極を兼ねる導電材 の直方体で、板端子１３の下端（垂下）部の長さより大きい高さをもち、両側面 に下端部を通す４個の縦溝を形成した平面形状が王字状のものである。

【００１１】 ケース本体６の貫通孔１０に板端子１３の下端部を通して、端子台１１とコイ ル５をケース本体６に収納する。このケース本体６に蓋体７を被せて、図２の右 側の半断面図（図１におけるＢ線での半断面図）に示したように係止爪８と係合 孔９を係合して一体のケースにして組立てが終了する。図２に示したように、蓋 体７の内底（天井）がケース本体６の開口面と端子台１１の上面とに当接する。 板端子１３が貫通孔１０に挿通されているので、端子台１１はケース内で固定さ れている。コイル５は巻線の引出し線だけで拘束されている。振動の多い機器な どに使用する場合は、引出し線の断線およびコイル５とケースの衝突音の発生を 防止するために、蓋体７の内底とコイル５の間に弾性発泡材などの緩衝体を介挿 するのが望ましい。

【００１２】

【考案の効果】

本考案によるコモンモードチョークコイルは、接着作業とからげ作業がなく、 単純な作業だけで組み立てる構造であるから、所要工数が従来より少なくなり、 自動化装置を適用することも容易であり、極めて安価に作ることができる効果を 発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるコモンモードチョークコイルの一
実施例を示す分解斜視図である。

【図２】図１の実施例の完成品についての図１における
Ａ線およびＢ線による階段断面図である。

【図３】従来例を示す外観図である。

【符号の説明】 １ 絶縁台 ２ ピン端子 ３ スタンドオフ片 ４ 支持片 ５ トロイダルコイル ６ 箱形ケース本体 ７ 箱形蓋体 ８ 係止爪 ９ 係合孔 １０ 貫通孔 １１ 端子台 １２ 段部 １３ 板端子 １４ 突片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バイファイラ巻きに巻線を施したトロイ
   ダルコイルと、板端子を貫設した２個の端子台とを、前
   記巻線の端部を前記板端子の上端部に接続して組み合わ
   せ、箱形ケース本体と箱形蓋体とを組み合わせてなるケ
   ースに、前記板端子の下端部を前記箱形ケース本体の内
   底の貫通孔に挿通して収納してなることを特徴とするコ
   モンモードチョークコイル。