JPH04101842U - バランスシヤフトの反転機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受の片当りを抑止して、軸受の焼付を防止
する。 【構成】 駆動ギヤ７は、中間軸の反リアバランスシャ
フトプーリ側に取り付けられている。そして、リアバラ
ンスシャフトに取り付けられた被駆動ギヤ９と噛合って
いる。駆動ギヤ７と被駆動ギヤ９との噛合位置１３は、
駆動ギヤ７の軸中心線１４を通り、タイミングベルト張
り側６ａに平行な直線１５と、駆動ギヤ７の軸中心線１
４を通り、タイミングベルト緩み側６ｂに平行な直線１
６との、２直線に挾まれた範囲内にある。 【効果】 リアバランスシャフトプーリ５に掛るベルト
張力と、駆動ギヤ７と被駆動ギヤ９との噛合により駆動
ギヤ７に掛る力とが、略同じ方向に働くので、中間軸に
働くモーメントが小さくなり軸受の片当りが抑止され
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エンジンの回転に同期して回転し、エンジンの発生する起振力を打 消すバランスシャフトの反転機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

エンジンが振動するために、車体等が加振されて振動する。従来から、エンジ ンの発生する起振力を打消す装置としてバランスシャフトが知られている。

【０００３】 従来のバランスシャフトとしては、例えば図４及び図５に示すようなものがあ る（例えば、実開昭６３−１２３８４７号公報等参照）。

【０００４】 すなわち、エンジン回転と同方向に回転するフロントバランスシャフト１と、 反対方向に回転するリアバランスシャフト２とを配置し、クランクプーリ３、フ ロントバランスシャフトプーリ４及びリアバランスシャフトプーリ５にタイミン グベルト６を巻き掛けて、前記両バランスシャフト１，２をエンジンと同期して 回転させ、両バランスシャフト１，２の回転によって生ずる発生力によって、エ ンジンの起振力を打ち消し、制振している。

【０００５】 図６には、リアバランスシャフト２の反転機構を示す。リアバランスシャフト プーリ５と中間軸８により同軸で回転する駆動ギヤ７を、中間軸８の反プーリ側 に配置し、該駆動ギヤ７でリアバランスシャフト２端に設けた被駆動ギヤ９を駆 動してリアバランスシャフト２の回転方向を反転している。

【０００６】 なお、１１はベルトテンショナプーリ、１２は反転ギヤボックスである。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来のバランスシャフトの反転機構にあっては、図 ５のＢ−Ｂ線に沿って一部断面した側面を図示した図７に示すように、タイミン グベルト６による引張力Ｆがリアバランスシャフトプーリ５に掛るが、該プーリ ５，中間軸８及び駆動ギヤ７で組立てられた部品は、軸受１０でのみ支持されて おり、また、駆動ギヤ７と被駆動ギヤ９との噛み合いによって発生する力は、タ イミングベルト６の引張力Ｆと略垂直方向に作用している。

【０００８】 従って、引張力Ｆは片持ち状態でリアバランスシャフトプーリ５に掛り、中間 軸８に大きなモーメントが掛る。このため、軸受１０に片当りが生じ、軸受１０ が焼付く可能性があるという問題点があった。

【０００９】 本考案は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、軸受の片 当りを抑止して、軸受の焼付を防止した、バランスシャフトの反転機構を提供す ることを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

このため本考案は、エンジンの発生する起振力を打消すバランスシャフトに被 駆動ギヤを取り付け、クランク軸によりベルト又はチェーンを介して駆動される プーリ又はスプロケットと中間軸を介して同軸上に配置した駆動ギヤにより、被 駆動ギヤをクランク軸の回転方向と反対の方向に回転させるバランスシャフトの 反転機構において、駆動ギヤを中間軸の反プーリ又はスプロケット側に設けると ともに、被駆動ギヤと駆動ギヤとの噛み合い位置を、駆動ギヤの軸中心線を通り 、駆動ギヤと同軸に設けられたプーリ又はスプロケットを駆動するベルト又はチ ェーンの接線方向と平行な２本の直線に挾まれた範囲内に配置した。

【００１１】

【作用】

中間軸の反プーリ又は反スプロケット側（反タイミングベルト側）に、駆動ギ ヤ７と被駆動ギヤとの噛み合いによって発生する力が、タイミングベルトにより 引張力と同じ方向に掛る。

【００１２】 従って、中間軸の傾きは小さくなり、軸受の片当りが最小限に抑えられる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案を図面に基づいて説明する。図１〜図３は、本考案の一実施例を 示す図である。

【００１４】 まず構成を説明する。なお、従来例と同一構成部分には、同一の符号を付して 、その説明は省略する。

【００１５】 図１はエンジンの正面から見たバランスシャフト駆動系のレイアウト図、図２ は図１のＡ部を拡大した図、図３は一部を図１のＣ−Ｃ線に沿い断面した側面図 である。

【００１６】 図３に図示したように、駆動ギヤ７は、中間軸８の反プーリ端側に取り付けら れて、被駆動ギヤ９と噛合っている。

【００１７】 図２に示すように、被駆動ギヤ９の駆動ギヤ７との噛合位置１３は、駆動ギヤ ７の軸中心線（中間軸８の軸中心線）１４を通りタイミングベルト６の張り側の 接線６ａに平行な直線１５と、駆動ギヤ７の軸中心線１４を通りタイミングベル ト６の緩み側の接線６ｂに平行な直線１６とに挾まれた図中斜線で示した範囲内 にある。

【００１８】 次に作用を説明する。図３に示すようにタイミングベルト６による引張力Ｆが リアバランスシャフトプーリ５に掛る。この引張力Ｆは前進中はベルト６の張り 側に、後退時にはベルト６の緩み側に掛る。そして、急加速時等に特に大きな張 力となる。

【００１９】 一方、中間軸８の反リアバランスシャフトプーリ側に取り付けられた駆動ギヤ ７には、被駆動ギヤ９との噛合によって発生する力Ｇが掛っている。そして、駆 動ギヤ７と被駆動ギヤ９との噛合位置１３が、駆動ギヤ７の軸中心線１４を通り 、駆動ギヤと同軸に設けられたリアバランスシャフトプーリ５を駆動するタイミ ングベルト６の張り側の接線６ａ及び緩み側の接線６ｂに平行な２本の直線１５ 及び１６に挾まれた範囲（図２斜線部分）内に存在するので、この力Ｇの方向は ベルトの引張力と、ほぼ同じ方向となる。

【００２０】 従って、中間軸８に掛るモーメントが小さくなるので、軸受１０の片当りは起 こらず、焼付きが防止される。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明してきたように構成されているので、本考案によれば、軸受の片当り が抑止されるので、軸受の焼付の可能性が無くなり、エンジン性能の低下を防止 することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す、エンジンの正面から
見たバランスシャフト駆動系のレイアウト図。

【図２】図１のＡ部を拡大して示す図。

【図３】図１のＣ−Ｃ線に沿う断面図。

【図４】バランスシャフトの構成を示す斜視図。

【図５】従来のバランスシャフト駆動系のレイアウト
図。

【図６】図１のＡ−Ａ線に沿う断面を示す側面図。

【図７】図１のＢ−Ｂ線に沿う断面を示す側面図。

【符号の説明】

１…フロントバランスシャフト ２…リアバランスシャフト ５…リアバランスシャフトプーリ ６ａ…タイミングベルト張り側接触 ６ｂ…タイミングベルト緩み側接線 ７…リアバランスシャフト駆動ギヤ ８…中間軸 ９…被駆動ギヤ １０…軸受 １３…噛合位置 １４…駆動ギヤの軸中心線 １５…張り側ベルトに平行な直線 １６…緩み側ベルトに平行な直線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンの発生する起振力を打消すバラ
   ンスシャフトに被駆動ギヤを取り付け、クランク軸によ
   りベルト又はチェーンを介して駆動されるプーリ又はス
   プロケットと中間軸を介して同軸上に配置した駆動ギヤ
   により、被駆動ギヤをクランク軸の回転方向と反対の方
   向に回転させるバランスシャフトの反転機構において、
   駆動ギヤを中間軸の反プーリ又は反スプロケット側に設
   けるとともに、被駆動ギヤと駆動ギヤとの噛み合い位置
   を、駆動ギヤの軸中心線を通り、駆動ギヤと同軸に設け
   られたプーリ又はスプロケットを駆動するベルト又はチ
   ェーンの接線方向と平行な２本の直線に挾まれた範囲内
   に配置したことを特徴とするバランスシャフトの反転機
   構。