JPH0399828A - スチレン系重合体フィルムの製造方法 - Google Patents

スチレン系重合体フィルムの製造方法

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JPH0399828A
JPH0399828A JP1236896A JP23689689A JPH0399828A JP H0399828 A JPH0399828 A JP H0399828A JP 1236896 A JP1236896 A JP 1236896A JP 23689689 A JP23689689 A JP 23689689A JP H0399828 A JPH0399828 A JP H0399828A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスチレン系重合体フィルムの製造方法に関し、
詳しくは機械的強度のすぐれたスチレン系重合体の二軸
延伸フィルムを、安定かつ連続的に製造する方法に関す
る。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕近年、
シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体が開
発され(特開昭62−104.818号公報)、また特
開平1−110122号公報には、シンジオタクチック
ポリスチレン系フィルムの製造方法が開示されている。
しかし、この方法は具体的にはテンターによるバッチ式
の同時二軸延伸法によるものであり、延伸フィルムの製
造効率が不充分であるばかりでなく、安定した品質の製
品を連続して製造することが困難であった。
そこで、本発明者らは、上記従来法の欠点を克服し、耐
熱性や機械的特性にすぐれ、安定した品質のフィルムを
高い生産性で得ることのできる方法を開発すべく鋭意研
究を重ねた。
その結果、特定の密度及び結晶化度の延伸用予備成形体
く原反シート)を特定の配向状態(複屈折)の範囲に縦
方向に延伸した後、横方向に延伸する逐次二輪延伸によ
って、上記目的を達成できることを見出した。本発明は
かかる知見に基いて完成したものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、シンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体又はその組成物からなる密度1.07 
g /cJ以下以下高結晶化度5〜30%伸用予備成形
体(シート、フィルム等)を加熱し、フィルムの複屈折
の絶対値が3X10−3〜70XIO−’の範囲になる
ように縮方向に延伸し、次いで横方向に逐次的に延伸し
、しかる後に得られた二軸延伸フィルムを熱処理するこ
とを特徴とするスチレン系重合体フィルムの製造方法を
提供するものである。
本発明において用いるシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体とは、立体化学構造が主としてシンジ
オタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される
主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が
交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり
、そのタフティシティ−は同位体炭素による核磁気共鳴
法(”C−NMR法)により定量される。+3CNMR
法により測定されるタフティシティ−は、連続する複数
個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアツ
ド、3個の場合はトリアット。
5個の場合はペンタッドによって示すことができるが、
本発明に言うシンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体とは、通常はラセミダイアツドで75%以上、
好ましくは85%以上、若しくはラセミペンタッドで3
0%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクテイシ
テイ−を有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン
)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(アルコキシス
チレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの
水素化重合体およびこれらの混合物、あるいはこれらの
構造単位を含む共重合体を指称する。なお、ここでポリ
(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン
)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(プロピルスチレン
)、ポリ(ブチルスチレン)ポリ(フェニルスチレン)
、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)
、ポリ(アセナフチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン
化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ
(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)などが
ある。また、ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポ
リ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)な
どがある。これらのうち特に好ましいスチレン系重合体
としては、ポリスチレン、ポリ(pメチルスチレン)、
ポリ(m−メチルスチレン)。
ポリ(p−ターシャリ−ブチルスチレン)、ポリ(p−
クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレン)。
ポリ(p−フルオロスチレン)、またスチレンとp−メ
チルスチレンとの共重合体をあげることができる(特開
昭62−187708号公報)。
更に、スチレン系共重合体におけるコモノマーとしては
、上述の如きスチレン系重合体のモノマーのほか、エチ
レン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のオ
レフィンモノマー、ブタジェン、イソプレン等のジエン
モノマー、環状ジエンモノマーやメタクリル酸メチル、
無水マレイン酸、アクリロニトリル等の極性ビニルモノ
マー等をあげることができる。
またこのスチレン系重合体は、分子量について特に制限
はないが、重量平均分子量が10,000以上3,00
0,000以下のものが好ましく、とりわけ50.00
0以上1,500,000以下のものが最適である。
ここで重量平均分子量が10,000未満であると、延
伸が充分にできない。さらに、分子量分布についてもそ
の広狭は制約がなく、様々なものを充当することが可能
であるが、重量平均分子量(Mw)/数平均分子!(M
n)が1.5以上8以下が好ましい。なお、この主とし
てシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体は
、従来のアククチツク構造のスチレン系重合体に比べて
耐熱性が格段に優れている。
このようなシンジオタクチック構造を有するスチレン系
樹脂は、例えば不活性炭化水素溶媒中または溶媒の不存
在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニウ
ムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上記
スチレン系重合体に対応する単量体)を重合することに
より製造することができる(特開昭62−187708
号公報)。
また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)については
特開平1−46912号公報、これらの水素化重合体は
特願昭62−335893号明細書に記載された手法に
より得ることができる。
本発明に用いる素材は、基本的には上記スチレン系重合
体からなるが、このスチレン系重合体に、一般に使用さ
れている他の樹脂、ゴム、無機微粒子、酸化防止剤、核
剤、可塑剤、相溶化剤9着色剤、帯電防止剤などを添加
した組成物からなるものでもよい。
ここで好適に使用できる無機微粒子としては、IA族、
IIA族、IVA族、VIA族、■A族、■族。
IB族、IIB族、 I[lB族、IVB族元素の酸化
物。
水酸化物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、
酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩
、チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化合物、それら
を中心とする複合化合物、天然鉱物粒子などがある。具
体的には、弗化リチウム、硼砂(硼酸ナトリウム含水塩
)等のIA族元素化合物、炭酸マグネシウム9燐酸マグ
ネシウム。
酸化マグネシウム(マグネシア)、塩化マグネシウム、
酢酸マグネシウム、弗化マグネシウム、チタン酸マグネ
シウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウム含水塩(
タルク)、炭酸カルシウム。
燐酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、硫酸カルシウム(
石膏)、酢酸カルシウム、テレフタル酸カルシウム、水
酸化カルシウム、珪酸カルシウム。
弗化カルシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロ
ンチウム、炭酸バリウム、燐酸バリウム。
硫酸バリウム、亜燐酸バリウム等のIIA族元素化合物
、二酸化チタン(チタニア)、−酸化チタン。
窒化チタン、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)。
−酸化ジルコニウム等のIVA族元素化合物、二酸化モ
リブデン、三酸化モリブデン、硫化モリブデン等のVI
A族元素化合物、塩化マンガン、酢酸マンガン等の■A
族元素化合物、塩化コバルト酢酸コバルト等の■族元素
化合物、沃化第一銅等のIB族元素化合物、酸化亜鉛、
酢酸亜鉛等の■B族元素化合物、酸化アルミニウム(ア
ルミナ)。
水酸化アルミニウム、弗化アルミニウム、アルミノシリ
ケート(珪酸アルミナ、カオリン、カオリナイト)等の
I[lB族元素化合物、酸化珪素(シリカ、シリカゲル
)1石墨、カーボン、グラファイト、ガラス等のIVB
族元素化合物、カーナル石。
カイナイト、雲母(マイカ、キンウンモ)、バイロース
鉱等の天然鉱物の粒子が挙げられる。この無機微粒子の
平均粒径は、特に制限はないが、好ましくは0.01〜
100μm、より好ましくは0.01〜3ttmで、組
成物中の含量は0.001〜3重量%、好ましくはo、
oot〜1重量%である。
また、前述の無機微粒子はフィルム面の滑り性を改善す
る上で、効果的な成分であるが、本発明の目的を阻害し
ない限り、他の種類あるいは他の粒径の微粒子、無機充
填材等を含むものであってもよい。
上記無機微粒子は、最終的な成形品(フィルム)に含有
されるが、含有させる方法に限定はない。
例えば、スチレン系単量体の重合中の任意の過程で添加
あるいは析出させる方法、溶融押出する任意の過程で添
加する方法が挙げられる。
一方、上述したシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体と共に用いることのできる他の樹脂としては
、各種のものがあるが、例えば、アククチツク構造のス
チレン系重合体、アイソタクチック構造のスチレン系重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリフェニ
レンエーテル等は、前述のシンジオタクチック構造のス
チレン系重合体と相溶しやすく、延伸用予備成形体く原
反シート、フィルム等)を作成するときの結晶化の制御
に有効で、その後の延伸性が向上し、延伸条件の制御が
容易で、且つ力学物性に優れたフィルムを得ることがで
きる。このうち、アククチツク構造および/またはアイ
ソタクチック構造のスチレン系重合体を含有させる場合
、シンジオタクチック構造のスチレン系重合体と同様の
モノマーからなるものが好ましい。また、これら相溶性
樹脂成分の含有割合は70〜1重量%、特に好ましくは
50〜2重量%とすればよい。ここで相溶性樹脂成分の
含有割合が70重量%を超えると、シンジオタクチック
構造のスチレン系重合体の長所である耐熱性等が損なわ
れるため好ましくない。
また、非相溶性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等のポリオ
レフィン、ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエス
テル、ナイロン−6やナイロン6.6等のポリアミド、
ポリフェニレンスルフィド等のポリチオエーテル、ポリ
カーボネート、ボリアリレート、ポリスルホン、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイ
ミド、テフロン等のハロゲン化ビニル系重合体、ポリメ
タクリル酸メチル等のアクリル系重合体、ポリビニルア
ルコール等、上記相溶性の樹脂以外はすべて相当し、さ
らに、上記相溶性の樹脂を含む架橋樹脂が挙げられる。
これらの樹脂は、本発明のシンジオタクチック構造のス
チレン系重合体と非相溶であるため、少量含有する場合
、シンジオタクチック構造のスチレン系重合体中に島の
ように分散させることができ、延伸後に程良い光沢を与
えたり、表面のすべり性を改良するのに有効である。こ
れら非相溶性樹脂成分の含有割合は、光沢を目的とする
場合は50〜2重量%、表面性の制御を目的とする場合
、0.001〜5重景%が好ましい。また、製品として
使用する温度が高い場合は、耐熱性のある樹脂を用いる
ことが好ましい。
本発明では、上記シンジオタクチック構造のスチレン系
重合体あるいはこれに他の成分を配合した組成物を素材
とした延伸用予備成形体(原反シート、フィルム等)を
出発原料として用いる。この延伸用予備成形体の性状は
密度1.07g/c+fl以下であり、また結晶化度が
5〜30%のもの、特に結晶化度が10〜25%のもの
が連続生産性がよいので好ましい。ここで延伸用予備成
形体の密度が、1.07 g /ctJを超えるもので
は、縦方向に延伸する工程で、安定した性状の縦延伸シ
ート又はフィルムを得ることができない。なお、上記の
密度は、23°Cにおいて密度勾配管により測定したも
のである。また、結晶化度5%未満のシートは、通常の
冷却設備では得られにくいため、連続生産が困難であり
、30%を超えるものは延伸フィルムが不均一になりや
すく、延伸も困難である。なお、上記の結晶化度は示差
走査熱量計(DSC)により測定したものである。
上記、延伸用予備成形体を製造するには、様々な手法に
よればよいが、例えば上記シンジオタクチック構造のス
チレン系重合体あるいはその組成物を、通常の押出成形
機等を用いて、該スチレン系重合体の融点〜分解温度よ
り50°C高い温度(分解温度+50°C)の範囲で加
熱溶融してシート、フィルムなどとし、次いでこれを冷
却固化すればよい。
本発明の方法では、上記の延伸用予備成形体をまず縦延
伸する。この際、延伸用予備成形体を加熱し延伸する。
この延伸温度としては、特に制限はないが、好ましくは
ガラス転移温度以上、冷結晶化温度(Tcc)以下の範
囲(更に好ましくは、ガラス転移温度以上、冷結晶化温
度より10°C低い温度以下)の範囲で選定する。ガラ
ス転移温度未満では、軟化が不充分であるため延伸が困
難となり、冷結晶化温度を超えると、結晶化の進行によ
り均一な延伸が困難となる。
またこの縦延伸は、常法によればよい。なかでもロール
間−軸延伸は、縦延伸方法の中で一般的かつ最も生産性
の高い方法であり、これによれば、最低、二対のニップ
ロール間及びガイドロールで固定され走行するフィルム
を、ニップロールの前工程あるいはロール自体で加熱し
、二対のニップロールの周速差により、縮方向に延伸す
ることができる。延伸倍率は、特に制限はなく、通常1
.2〜5倍で、好ましくは2〜4.5倍の範囲で選択す
ればよい。
本発明の方法では、上記縦延伸を行うことにより、得ら
れる縦延伸フィルムの複屈折の絶対値1Δn1が3X1
0−3〜70X10弓の範囲になるようにする。ここで
1Δn1が3X10−’未満では、縦方向の延伸効果が
充分でなく、また7゜Xl0−3を超えると、縦方向に
延伸過剰となり、次段階の横延伸が困難且つ不均一にな
り易い。
なお、複屈折の絶対値1Δn1は、縦方向の屈折率n。
と横方向の屈折率nア、との差であり、偏光顕微鏡にセ
ットされたベレクのコンペンセータや、偏光子を組み合
わせたレーザーによる強度測定、あるいは直接、アツベ
の屈折計によりnMDおよびnTDを測定することによ
り得られる。
本発明の方法では、次に、このようにして得た縮延伸フ
ィルムを、横方向に延伸する。延伸は常法をはじめ様々
な手法によればよく、特に制限はない。中でもテンター
横延伸は、一般的に走行中のフィルムの両端を連続的に
走行するクリップ等で固持し、その固持したままの状態
で適当な温度雰囲気中にフィルムを搬入し、両端のクリ
ップ間の距離をクリップが走行するレールの起動を変え
ることにより変化させ、横方向に延伸するものである。
この際の延伸温度は、適宜選定すればよいが、通常はガ
ラス転移温度より5°C高い温度以上、融点より30℃
低い温度以下、好ましくはガラス転移温度より10°C
高い温度以上、融点より40°C低い温度以下にする。
ここで、延伸温度がガラス転移温度+5 ’C未満では
、軟化が不充分のため延伸が困難な場合があり、また融
点−30’Cを超えると、結晶化の進行により、延伸が
不均一になりやすい。
本発明の方法における横延伸は、延伸倍率については特
に制限はなく、状況に応じて適宜定めればよいが、一般
的には1.5〜5倍、好ましくは2.0〜4.5倍の範
囲とする。ここで延伸倍率が、1.5倍未満では充分な
延伸が行えず、得られる延伸フィルムの厚み等が不均一
となりやすい。一方、5倍を超えると、延伸過剰となり
、延伸破壊を招きやすくなる。
上記延伸終了後、冷却されたフィルムは、クリップより
開放され次工程に進むが、一般的には、延伸終了後、ク
リップに固持されたままで次の工程により、熱処理が施
される。
上述のように、本発明では得られた二輪延伸フィルムに
熱処理を施すが、この熱処理は、フィルムを緊張状態に
保持して行うことが好ましい。フィルムが緊張状態にな
いと、フィルムに収縮が生じて、フィルムが不均一にな
り易い。また、この際の熱処理温度は、延伸終了したフ
ィルムの融点以下、好ましくは融点−100℃以上、融
点−5°C以下の範囲で選定する。その他、最適な温度
条件は、オーブン内を通過するフィルムのスピード、つ
まり処理時間により設定すべきである。また処理時間は
、各種条件により定めればよいが、通常は設備上、また
省力化の為、3分以下に設定するのが好ましい。熱処理
時間が長すぎると、成形中にフィルムの破断を招き易い
。なお、この際必要に応じて、巻取後における熱処理(
例えばエージング)を、連続ラインとは離れたところで
施してもよい。
本発明の方法では、このような各操作を連続的に行うこ
とによって、目的とするスチレン系重合体フィルムを製
造することができるが、そのフィルムの密度は1.03
g〜1.08g/dの範囲のものが好ましい。
なお本発明においては、必要に応じて、延伸終了後、さ
らに縦横、多段を問わず再延伸をすることができる。ま
た延伸終了後あるいは熱処理後に、コーティングをした
り、ラミネートや蒸着処理を施すこともできる。さらに
表面処理のために、プラズマ処理やコロナ処理、火炎処
理等をすることも可能である。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説
明する。
参考例 (1)トリメチルアルミニウムと水との接触生成物の調
製 アルゴン置換した内容積500戚のガラス製容器に、硫
酸銅5水塩(CuSO4’ 5HzO)17.8g(7
1ミリモル)、トルエン200戚及びトリメチルアルミ
ニウム24al!(250ミリモル)を入れ、40°C
で8時間反応させた。その後、固体部分を除去して得ら
れた溶液から、更に、トルエンを室温下で減圧留去して
接触生成物6.7gを得た。このものの凝固点降下法に
よって測定した分子量は610であった。
(2)スチレン系重合体の製造 内容積2I!、の反応容器に、上記(1)で得られた接
触生成物をアルミニウム原子として5ミリモル、トリイ
ソブチルアルミニウムを5ミリモル。
ペンタメチルシクロペンタジェニルチタントリメトキシ
ド0.025ミリモル及び精製スチレン12を加え、9
0℃で5時間重合反応を行った。その後、生成物を水酸
化ナトリウムのメタノール溶液で触媒成分を分解後、メ
タノールで繰返し洗浄し、乾燥して重合体(ポリスチレ
ン)308 gを得た。
次いで、この重合体を、1,2.4−トリクロロベンゼ
ンを溶媒として、135℃でゲルパーミェーションクロ
マトグラフィーにて測定した。その結果、この重合体の
重量平均分子量は389,000、重量平均分子量/数
平均分子量は2.64であった。また融点及び13C−
NMR測定により、得られた重合体は、ラセミペンタッ
ドでのシンジオタクテイシテイ−は92%であり、ガラ
ス転移温度(Tg)は97℃、融点(T−)は272″
C1分解温度(Td)は320℃であることがわかった
実施例1 上記参考例で得られたスチレン系重合体を充分に減圧乾
燥した後、300°Cで溶融し、キャピラリー付押出機
で押出し、ストランドをカットしてペレットとした。こ
のペレットを120°Cの熱風乾燥器で結晶化させた。
次に、得られたペレットを単軸押出機の先端にT−ダイ
を取りつけた装置で320°Cで押出し、70°Cの冷
却ロールで冷却し、固化させて結晶化度14%の原反シ
ートを作成した。この原反シートの密度を23°Cにお
いて密度匂配管により測定したところ、1.05g/c
nであった。なおシートの冷結晶化温度(Tcc)は1
51°Cであった。
この原反シートをロールによって加熱した後、縦方向に
ニップロール間で周速差により、複屈折の絶対値(1Δ
nl)が35X10−”となるように3倍に延伸した。
なおこの時の延伸速度は3.000%/分、延伸温度は
110″Cであった。なお、この−軸延伸フィルムの複
屈折率(Δn)は、偏光顕微鏡にセットされたベレクの
コンペンセータにより測定したものである。
次いで、この−軸延伸フィルムを連続テンターに送り込
み、120°Cにて3.000%/分で3倍に横方向に
延伸した後、続いてテンターに固定したまま260°C
で10秒間熱処理した。
この際、上記連続製造ラインにおいて、4時間以上連続
成形が可能であった。
また得られたフィルムの密度は1.06 g /cdで
、縦方向および横方向のF−5値(5%伸長時の応力)
をJIS  C−2318に従って測定したところ、そ
れぞれ、9 kg/am”、 9.5 kg /rta
”であり良好な強度であった。
実施例2 複屈折の絶対値(1Δnl)が50X10−’となるよ
うに縦方向の延伸倍率を3.5倍としたこと以外は、実
施例1と同様にした。結果を表に示す。
実施例3 複屈折の絶対値(1Δnl)が22X10−’となるよ
うに縦方向の延伸倍率を2.5倍としたこと以外は、実
施例1と同様にした。結果を表に示す。
実施例4 原反作成時の冷却ロール温度を60°Cとして密度1.
04 g /cJの原反シートを作り、これを実施例1
と同様にして、延伸フィルムを製造した。
結果を表に示す。
実施例5 複屈折の絶対値(lΔnl)が48X10−”となるよ
うに縦方向の延伸倍率を3.5倍としたこと以外は、実
施例4と同様にした。結果を表に示す。
実施例6 複屈折の絶対値(1Δnl)が21X10−3となるよ
うに縦方向の延伸倍率を2.5倍としたこと以外は、実
施例4と同様にした。結果を表に示す。
実施例7 横方向の延伸温度を180°Cにしたこと以外は、実施
例1と同様にした。結果を表に示す。
比較例1 原反作成時に徐冷して、密度1.08g/cfflの原
反シートを得た。このシートを実施例1と同様に桁方向
に延伸を試みたが破断した。
比較例2 縦方向に延伸しなかったこと以外は、実施例1と同様に
した。得られた延伸フィルムの縦方向の機械的強度はほ
とんど改良されず、有用な二軸延伸フィルムが得られな
かった。
比較例3 複屈折の絶対値(1Δnl)が90X10−3となるよ
うに縦方向の延伸倍率を5.5倍としたこと以外は、実
施例1と同様にした。この際、横延伸時に不均一延伸が
起こり、連続的に延伸できなかった。
(以下余白) 〔発明の効果〕 以上の如く、本発明の方法によれば、耐熱性。
機械的特性のすぐれたスチレン系重合体の二軸延伸フィ
ルムを、連続的に安定成形することができる。
また、本発明の方法によって製造されたフィルムは、磁
気テープの基材フィルムを始め、写真フィルム、FPC
基材、コンデンサ等様々な産業用フィルム、包装用フィ
ルムなどに有効に利用される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
    体又はその組成物からなる密度1.07g/cm^2以
    下、結晶化度5〜30%の延伸用予備成形体を加熱し、
    フィルムの複屈折の絶対値が3×10^−^3〜70×
    10^−^3の範囲になるように縦方向に延伸し、次い
    で横方向に逐次的に延伸し、しかる後に得られた二軸延
    伸フィルムを熱処理することを特徴とするスチレン系重
    合体フィルムの製造方法。
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