JP2672589B2 - スチレン系重合体成形品およびその製造方法 - Google Patents

スチレン系重合体成形品およびその製造方法

Info

Publication number
JP2672589B2
JP2672589B2 JP63215094A JP21509488A JP2672589B2 JP 2672589 B2 JP2672589 B2 JP 2672589B2 JP 63215094 A JP63215094 A JP 63215094A JP 21509488 A JP21509488 A JP 21509488A JP 2672589 B2 JP2672589 B2 JP 2672589B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
styrene
solvent
molded article
based polymer
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63215094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0264141A (ja
Inventor
圭介 舟木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP63215094A priority Critical patent/JP2672589B2/ja
Priority to US07/390,299 priority patent/US5171834A/en
Publication of JPH0264141A publication Critical patent/JPH0264141A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2672589B2 publication Critical patent/JP2672589B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J7/00Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
    • C08J7/02Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances with solvents, e.g. swelling agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2325/00Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring; Derivatives of such polymers

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスチレン系重合体成形品およびその製造方法
に関し、詳しくは主としてシンジオタクチック構造を有
するとともに、高い結晶化度を有する耐熱性,ガス透過
性にすぐれたスチレン系重合体成形品とその効率のよい
製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来から、アタクチック構造のポリスチレン等による
ガス透過性フィルムやポリイミド等による耐熱性(特に
耐ハンダ性)を有する電気部品用成形品が知られてい
る。しかし、これらは要求性能を充分に満足していない
ものであり、あるいは高価なものであり、実用上満足で
きるものではなかった。
ところで本発明者らのグループは、先般シンジオタク
ティシティーの高いスチレン系重合体を開発することに
成功した(特開昭62−104818号公報)。このシンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体は、結晶性ポリ
マーであり、アタクチック構造のスチレン系重合体に比
べて機械的強度,耐熱性,耐薬品性等にすぐれたもので
あるため、種々の用途が期待されている。
これまでに、本発明者らのグループは、さらに上記シ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体につい
て、延伸フィルム,シート,ヤーン,糸,不織布,三次
元成形品について提案した(特開昭63−77905号公報,
同62−259809号公報,同63−81138号公報,同63−98431
号公報,特願昭63−3847号明細書(特開平1−316246
号),同63−4922号明細書(特開平1−183516号),同
63−161018号明細書(特開平2−14055号)。また、そ
の耐熱性を一層向上させるため、成形品を熱処理(特願
昭63−3846号明細書(特開平1−182348号))あるいは
電子線処理(特願昭63−182825号明細書(特開平2−34
647号))することを提案した。
しかし、熱処理においては、殊に延伸フィルムを固定
している場合や延伸糸の製造の場合には、高温、特に融
点近傍での温度コントロールが難しく、場合によっては
フィルムあるいは糸の一部が融点以上に加熱され、破断
してしまうおそれがある。また、電子線処理は効果が認
められるものの、電子線の照射装置を必要とし、そのた
め製造コストがかかるという難点がある。
また、上述した成形品のうち、特にフィルムにおいて
は、野菜包装用フィルムとして用いる場合、従来用いら
れている延伸処理したアタクチックポリスチレンでは、
酸素透過性が充分でなく、さらに透過性の良い包装材料
が望まれている。この点に関し、既に開発したシンジオ
タクチック構造を有するスチレン系重合体からなる成形
品についてガス透過性を検討したところ、必ずしも充分
とは言い難かった。
そこで、本発明者らは、シンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体の結晶化を効率よく行い、結晶化
度を高めて耐熱性を向上させるとともに、ガス透過性に
すぐれた成形品を開発すべく鋭意研究を重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、シンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体からなる成形品を、溶剤処理したものが上記の
課題を解決しうるものであることを見出した。本発明は
かかる知見に基いて完成したものである。
すなわち、本発明は、主としてシンジオタクチック構
造を有する重量平均分子量10万以上のスチレン系重合体
からなる成形品を溶剤処理してなるスチレン系重合体成
形品を提供すると共に、上記のスチレン系重合体からな
る成形品を溶剤処理することを特徴とするスチレン系重
合体成形品の製造方法を提供するものである。
本発明において、成形品の素材として用いるスチレン
系重合体は、主としてシンジオタクチック構造を有する
ものであるが、ここで主としてシンジオタクチック構造
とは、立体化学構造が主としてシンジオタクチック構
造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側
鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向
に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティ
シティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR
法)により定量される。13C−NMR法により測定されるタ
クティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割
合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合はトリア
ッド,5個の場合はペンタッドによって示すことができる
が、本発明に言う主としてシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体とは、通常はダイアッドで75%以
上、好ましくは85%以上、若しくはペンタッド(ラセミ
ペンタッド)で30%以上、好ましくは50%以上のシンジ
オタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ(アル
キルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ
(アルコキシスチレン),ポリ(ビニル安息香酸エステ
ル)およびこれらの混合物、あるいはこれらを主成分と
する共重合体を指称する。シンジオタクティシティーの
低いスチレン系重合体では、熱処理しても充分な物性の
向上が期待できない。なお、ここでポリ(アルキルスチ
レン)としては、ポリ(メチルスチレン),ポリ(エチ
ルスチレン),ポリ(イソプロピルスチレン),ポリ
(ターシャリーブチルスチレン)などがあり、ポリ(ハ
ロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレ
ン),ポリ(ブロモスチレン),ポリ(フルオロスチレ
ン)などがある。また、ポリ(アルコキシスチレン)と
しては、ポリ(メトキシスチレン),ポリ(エトキシス
チレン)などがある。これらのうち特に好ましいスチレ
ン系重合体としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチル
スチレン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−
ターシャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチ
レン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フル
オロスチレン)、更にはスチレンとp−メチルスチレン
との共重合体をあげることができる(特開昭62−187708
号公報)。
また、本発明に用いるスチレン系重合体は、重合平均
分子量が10万以上のものであり、好ましくは15万以上の
ものである。ここで重量平均分子量が10万未満の成形品
を溶剤により処理すると、成形品の強度が脆くなり、実
用に供しえない。つまり、低分子量になると、溶剤処理
時の結晶化の際に脆くなり、自己支持性がなくなり、崩
壊したり、表面荒れがひどくなったりする。
さらに、分子量分布についてはその広狭は制約がな
く、様々なものを充当することが可能である。
この主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体は、融点が160〜310℃であって、従来のアタ
クチック構造のスチレン系重合体に比べて耐熱性が格段
に優れている。
このような主としてシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中また
は溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキ
ルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系
単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重
合することにより製造することができる。
本発明の成形品は、上記の如き主としてシンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体、あるいはこのス
チレン系重合体に必要に応じて、一般に使用されている
熱可塑性樹脂,ゴム,無機充填剤,酸化防止剤、核剤,
可塑剤,相溶化剤,着色剤,帯電防止剤等の各種添加剤
を配合したものを成形して得られる。
熱可塑性樹脂としては、例えばアタクチック構造のポ
リスチレン,アイソタクチック構造のポリスチレン,AS
樹脂,ABS樹脂,SMA(スチレン−無水マレイン酸共重合
体)などのスチレン系重合体をはじめ、ポリエチレンテ
レフタレートなどのポリエステル,ポリカーボネート,
ポリフェニレンオキサイド,ポリスルホン,ポリエーテ
ルスルホンなどのポリエーテル,ポリアミド,ポリフェ
ニレンスルフィド(PPS),ポリオキシメチレンなどの
縮合系重合体、ポリアクリル酸,ポリアクリル酸エステ
ル,ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系重合
体、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ
4−メチルペンテン−1,エチレン−プロピレン共重合体
などのポリオレフィン、あるいはポリ塩化ビニル,ポリ
塩化ビニリデン,ポリ弗化ビニリデンなどの含ハロゲン
ビニル化合物重合体などが挙げられる。
また、ゴムとしては、様々なものが使用可能である
が、最も好適なものはスチレン系化合物をその一成分と
して含むゴム状共重合体で、例えば、スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体のブタジエン部分を一部あるいは
完全に水素化したゴム(SEBS),スチレン−ブタジエン
共重合体ゴム(SBR),アクリル酸メチル−ブタジエン
−スチレン共重合体ゴム,アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体ゴム(ABSゴム),アクリロニト
リル−アルキルアクリレート−ブタジエン−スチレン共
重合体ゴム(AABS),メタクリル酸メチル−アルキルア
クリレート−スチレン共重合体ゴム(MAS),メタクリ
ル酸メチル−アルキルアクリレート−ブタジエン−スチ
レン共重合体ゴム(MABS)などが挙げられる。これらの
スチレン系化合物をその一成分として含むゴム状共重合
体は、スチレン単位を有するため、主としてシンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体に対する分散性
が良好であり、その結果、物性の改善効果が著しい。
さらに用いることのできるゴムの他の例としては、天
然ゴム,ポリブタジエン,ポリイソプレン,ポリイソブ
チレン,ネオプレン,エチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム,ポリスルフィドゴム,チオコールゴム,アクリルゴ
ム,ウレタンゴム,シリコーンゴム,エピクロルヒドリ
ンゴム,ポリエーテル・エステルゴム,ポリエステル・
エステルゴムなどが挙げられる。
さらに無機充填剤としては、繊維状のものであると、
粒状,粉状のものであるとを問わない。繊維状無機充填
材としてはガラス繊維,炭素繊維,アルミナ繊維等が挙
げられる。一方、粒状,粉状無機充填材としてはタル
ク,カーボンブラック,グラファイト,二酸化チタン,
シリカ,マイカ,炭酸カルシウム,硫酸カルシウム,炭
酸バリウム,炭酸マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫
酸バリウム,オキシサルフェート,酸化スズ,アルミ
ナ,カオリン,炭化ケイ素,金属粉末等が挙げられる。
酸化防止剤としては様々なものがあるが、特にトリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト,トリ
ス(モノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト等の
モノホスファイトやジホスファイト等のリン系酸化防止
剤およびフェノール系酸化防止剤が好ましい。
上記の酸化防止剤は、前記の主としてシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体100重量部に対し、
0.0001〜2重量部、好ましくは0.001〜1重量部の割合
で配合される。ここで酸化防止剤の配合割合が0.0001重
量部未満であると分子量低下が著しく、一方、2重量部
を超えると機械的強度に影響があるため、いずれも好ま
しくない。
溶剤処理前の成形品の形状,成形方法,結晶化度など
については特に制限はなく、目的とする成形品に要求さ
れる特性などに応じて適宜決定することができる。例え
ば、その形状は、フィルム状,シート状,繊維状などが
あり、またその成形方法は、成形品の形状などに応じ
て、押出成形,インフレーション成形,紡糸,延伸成形
などを適用することができる。さらに、結晶化度につい
ては、結晶性,非晶性のいずれでもよい。また、必要に
応じて、成形後に熱処理を施したものも使用することが
できる。
本発明においては、特に、延伸により結晶化させた延
伸フィルムあるいは更に熱処理を施して結晶化度を上げ
た延伸フィルムのほかに、ブロー成形あるいは溶融紡糸
によって得られる繊維,不織布,T−ダイなどを用いた押
出成形によって得られたシートなどが好適に使用され
る。
上記延伸フィルムは、例えば特願昭63−3847号明細書
に記載の方法、具体的には主としてシンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体を融点以上の温度で融解
した後急冷して非晶性原反シートを作成し、次いで該シ
ートをガラス転移温度以上融点以下の温度で延伸するこ
とによって得られる。また、この延伸フィルムは、ガラ
ス転移温度以上融点以下の温度で熱処理することによっ
て結晶化度を更に上げることができる。
本発明においては、上記のような成形品に溶剤処理を
施すが、溶剤処理の方法としては、溶剤浸漬処理あるい
は溶剤蒸気処理などがある。また両者を併用してもよ
い。
溶剤浸漬を行う場合、使用する溶剤としては、ベンゼ
ン;トルエン;キシレン;1,2,4−トリクロロベンゼン;
ベンゾアルデヒド等の芳香族溶剤、ヘキサン,ヘプタ
ン,デカリン,シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤
の他、通常使用されるアセトン,メチルエチルケトン,
酢酸エチル,四塩化炭素,クロロホルム,トリクロロエ
チレン,塩化メチレン,テトラクロロエチレン,トリク
ロロエタン等の極性溶媒、及びこれらの二種以上の混合
溶媒があげられる。
溶剤浸漬処理の条件は、使用する溶剤により最適な条
件は異なるが、室温から溶剤の沸点以下20℃の範囲が好
ましい。溶剤の温度が低すぎると、空気中の水分が結露
し、成形品の乾燥に手間がかかる。また溶剤の温度が高
すぎると、特に芳香族系の溶剤においては、成形品が一
部溶解する場合がある。なお、浸漬時間は、目的とする
成形品の結晶化度,性質等によって適当に選定すればよ
いが、通常5分以内で充分である。あまり長時間浸漬し
ても、効果の向上は認められず、処理効率の低下を招
く。
本発明においては、上記の如き溶剤に成形品を浸漬し
て処理するが、各種溶剤で複数回数浸漬することもでき
る。
浸漬した後、成形品を溶剤から引き出して乾燥すれ
ば、目的とする性能を備えた成形品が得られる。
また、本発明においては、上記溶剤浸漬処理に代え
て、あるいはこれとともに溶剤蒸気処理を行うことがで
きる。この溶剤蒸気処理の場合、溶剤としては、溶剤浸
漬の場合と同様なものを用いることができるが、殊に、
沸点が低く、揮発性のものを用いると、蒸気を発生しや
すくなり好ましい。また、溶剤蒸気の発生方法について
は特に制限はないが、例えば、シート製造や紡糸工程の
連続装置内に組み入れ、加熱された溶剤溶液と蒸気吸引
装置との間を連続して成形されたシート,糸,フィルム
等を通過させる如き方法、あるいは加熱されたオーブン
中を通過するシート,糸,フィルム等の成形品に、加熱
された溶剤を細いノズルより噴霧させる方法等があげら
れる。
溶剤蒸気処理の条件は、用いる溶剤によって異なる
が、蒸気圧は200〜760mmHgの範囲が好ましい。ここで20
0mmHg未満では、結晶化の効率が低下する場合があり、
また760mmHgを超えると、圧力装置が必要となるなどの
不都合が生ずる。処理時間については、溶剤浸漬処理の
場合よりも長くても差支えないが、通常20分以内とすれ
ば充分である。
以上のようにして得られる本発明の成形品は、ガス透
明性,耐熱性に優れたものであり、しかも溶剤処理によ
り、より高い結晶化度を達成することができ、副次的効
果として、弾性率に優れたものとなる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳し
く説明する。
製造例1(主としてシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体の製造) 反応容器に、溶媒としてトルエン2と、触媒成分で
あるシクロペンタジエニルチタニウムトリクロリド1ミ
リモル、およびメチルアルミノキサンをアルミニウム原
子として0.6モル加え、20℃においてスチレン3.6を加
えて1時間重合反応を行った。
反応終了後、生成物を塩酸−メタノール混合液で洗浄
し、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥して重合体33
0gを得た。
次に、この重合体(ポリスチレン)をメチルエチルケ
トンを溶媒としてソックスレー抽出し、抽出残分95重量
%を得た。この重合体は重量平均分子量が29万、数平均
分子量158万であり、融点は270℃であり、さらに同位体
炭素の核磁気共鳴(13C−NMR)による分析(溶媒:1,2−
ジクロロベンゼン)からシンジオタクチック構造に基因
する145.35ppmに吸収が認められ、そのピーク面積から
算出したラセミペンタッドでのシンジオタクティシティ
ーは96%のものであった。
実施例1 上記製造例1で得たシンジオタクチック構造のポリス
チレン粉末100重量部と、酸化防止剤として、ビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスト−ルジホス
ファイト0.7重量部および2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール0.1重量部をドライブレンドした。次
に、この粉末を296℃にて溶解し、急冷して非晶性プレ
スシートを作成した。
この非晶性シートを120℃において3.5×3.5倍に同時
二軸延伸を行い、厚さ25μmのフィルムを得た。このフ
ィルムを格子状の固定器具に固定し、50℃に加熱したク
ロロホルムの上方に置き、5分間蒸気に晒した。このフ
ィルムを固定したまま、減圧乾燥して目的とするフィム
ルを得た。この際フィルム内での引裂は起こらなかっ
た。
またこのフィルムの熱変形温度をサーマルメカニカル
アナリシス(TMA)を用いて2%変形する温度として測
定した。またこのフィルムを差圧法により酸素透過係数
を測定した。結果を表に示す。
実施例2 延伸フィルムを蒸気に晒す代わりに、40℃のクロロホ
ルムに5秒間浸漬したこと以外は、実施例1に同様して
フィルムを得た。結果を表に示す。
実施例3 クロロホルムの代わりに、80℃のトルエンを用いたこ
と以外は、実施例2と同様にしてフィルムを得た。結果
を表に示す。
実施例4 溶剤処理を行う前に延伸フィルムを格子で固定して25
0℃で20秒間熱処理を行ったこと以外は、実施例3と同
様にしてフィルムを得た。結果は表に示す。
実施例5 実施例1と同様にシンジオタクチックポリスチレンと
酸化防止剤のドライブレンドを行い310℃で融解させ、
T−ダイで押し出し、急冷して100μmの透明なフィル
ムを得た。このフィルムを格子で固定し、80℃のトルエ
ンに10秒間浸漬して目的とするフィルムを得た。この際
このフィルムは白化した。結果を表に示す。
実施例6 実施例1と同様にシンジオタクチックポリスチレンと
酸化防止剤のドライブレンドを行い300℃で融解させ、
細いノズルから押し出し、急冷し、繊維状成形品を得
た。この繊維状成形品を120℃において5倍に延伸し、
固定して、110℃のキシレンに5秒間浸漬して、目的と
する繊維状成形品を得た。結果を表に示す。
比較例1 実施例1で得た溶剤処理前の延伸フィルムを、格子で
固定して270℃で5秒間熱処理を行ったところ引裂け
た。
比較例2 実施例1で得た溶剤処理前の延伸フィルムを、格子で
固定して250℃で30秒間熱処理した。結果を表に示す。
比較例3 実施例1で得た溶剤処理前の延伸フィルムの性状を測
定した。結果を表に示す。
比較例4 アタクチックポリスチレン(商品名:出光スチロール
US 300,重量平均分子量37万,メルトインデックス2g/1
0分,出光石油化学(株)製)を用いて、200℃で溶解さ
せ、プレスシート得た。
このプレスシートを120℃で3.5×3.5倍に同時二軸延
伸を行った。この延伸フィルムの結果を表に示す。
比較例5 実施例5で得た溶剤処理前の延伸した繊維状成形品
を、270℃で熱固定したところ破断した。
製造例2 内容積10の反応容器に、トルエン3とシクロペン
タジエニルチタニウムトリクロリド0.75ミリモルおよび
メチルアルミノキサンをアルミニウム原子として450ミ
リモル加え、30℃においてスチレン3をこの反応容器
に導入し、さらに水素をその分圧が1.0kg/cm2となるま
で供給して、1.5時間重合反応を行った。反応終了後、
生成物を塩酸−メタノール混合液で洗浄して、触媒成分
を分解除去し、乾燥して重合体360gを得た。
次にこの重合体(ポリスチレン)をメチルエチルケト
ンを溶媒としてソックスレー抽出し、抽出残部96重量%
を得た。この重合体の重量平均分子量は、73,000,数平
均分子量は、12,000であり融点は267℃であった。
また、この重合体は、同位体炭素の核磁気共鳴(13C
−NMR)による分析からシンジオタクチック構造を基因
する145.35ppmに吸収が認められ、そのピーク面積から
算出したペンタッドでのシンジオタクティシティーは96
%のものであった。
比較例6 製造例2のシンジオタクチックポリスチレンを用いた
こと以外は、実施例5と同様な操作を行ったところ浸漬
後、表面が荒れて自己支持性がなくなり崩壊した。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明によればガス透過性,耐熱性など
の各種物性に優れたスチレン系重合体成形品を得ること
ができ、しかも極めて短時間の溶剤処理で製造が可能で
あって、製造効率が著しく高い。
また、このスチレン系重合体成形品は、ガス透過膜,
野菜包装用フィルム,耐熱性の要求される各種成形品等
に幅広く有効に利用される。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主としてシンジオタクチック構造を有する
    重量平均分子量10万以上のスチレン系重合体からなる成
    形品を溶剤処理してなるスチレン系重合体成形品。
  2. 【請求項2】成形品がフィルム,シートあるいは繊維状
    体である請求項1記載のスチレン系重合体成形品。
  3. 【請求項3】主としてシンジオタクチック構造を有する
    重量平均分子量10万以上のスチレン系重合体からなる成
    形品を溶剤処理することを特徴とするスチレン系重合体
    成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】溶剤処理が溶剤浸漬処理あるいは溶剤蒸気
    処理である請求項3記載の製造方法。
JP63215094A 1988-08-31 1988-08-31 スチレン系重合体成形品およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2672589B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63215094A JP2672589B2 (ja) 1988-08-31 1988-08-31 スチレン系重合体成形品およびその製造方法
US07/390,299 US5171834A (en) 1988-08-31 1989-08-07 Solvent treatment of syndiotactic styrene-based polymer moldings

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63215094A JP2672589B2 (ja) 1988-08-31 1988-08-31 スチレン系重合体成形品およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0264141A JPH0264141A (ja) 1990-03-05
JP2672589B2 true JP2672589B2 (ja) 1997-11-05

Family

ID=16666655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63215094A Expired - Fee Related JP2672589B2 (ja) 1988-08-31 1988-08-31 スチレン系重合体成形品およびその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5171834A (ja)
JP (1) JP2672589B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5476899A (en) * 1989-09-14 1995-12-19 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Process for produce a readily slidable film
JP2522601B2 (ja) * 1990-11-19 1996-08-07 大和紡績株式会社 イオン交換性ポリマ、イオン交換繊維およびその製造方法並びにイオン交換不織布
IT1250712B (it) * 1991-07-29 1995-04-21 Montecatini Tecnologie Srl Manufatti semicristallini a base di poli-p-metilstirene siondiotattico (s-ppms)
US6191197B1 (en) * 1996-09-23 2001-02-20 Bridgestone Corporation Extended polymer compostion derived from blends of elastomers and syndiotactic polystyrene
US6329459B1 (en) 1996-09-23 2001-12-11 Bridgestone Corporation Extended syndiotactic polystyrene-elastomeric block copolymers
US5889069A (en) * 1997-07-15 1999-03-30 The Dow Chemical Company High temperature syndiotactic styrene polymer foam
US6094555A (en) * 1998-01-30 2000-07-25 Canon Kabushiki Kaisha Developer amount regulating member, method of producing the same, and development device using the same
KR100405208B1 (ko) * 2001-05-10 2003-11-12 삼성전기주식회사 편향요크
CA2564605A1 (en) 2004-05-12 2005-12-01 Massachusetts Institute Of Technology Manufacturing process, such as three-dimensional printing, including solvent vapor filming and the like
IT1404157B1 (it) * 2010-12-30 2013-11-15 Nano Active Film S R L Forma cristallina nanoporosa disordinata di polistirene sindiotattico, suo processo di preparazione e articoli comprendenti la stessa.

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA670124A (en) * 1963-09-10 American Cyanamid Company Stereospecific polymer and method of preparing
US2142968A (en) * 1936-07-22 1939-01-03 Dow Chemical Co Stabilizing articles containing polymerized styrene
GB1122649A (en) * 1965-09-09 1968-08-07 Herbert Frederich Bienert Production of foamed plastic products
GB1268828A (en) * 1968-09-05 1972-03-29 Mitsubishi Rayon Co Method for treating synthetic resin mouldings and films to impart roughness and opacity thereto
CA1276748C (en) * 1985-07-29 1990-11-20 Michitake Uoi Styrene polymers
WO1989004846A1 (en) * 1986-09-22 1989-06-01 Idemitsu Kosan Company Limited Styrenic polymer moldings
JP2749897B2 (ja) * 1989-08-21 1998-05-13 株式会社リコー 多点同期光書込み装置

Also Published As

Publication number Publication date
US5171834A (en) 1992-12-15
JPH0264141A (ja) 1990-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5145950A (en) Method of storing food or plant materials by wrapping with a stretched syndiotactic polystyrene film
JP2828982B2 (ja) フィルム,シートまたはテープ、およびその製造方法
US5109068A (en) Styrene-based polymer composition, stretched molding thereof and process for producing the same
US5183871A (en) Styrene polymer molding material and process for preparing same
US5166238A (en) Styrene-based resin composition
EP0318794B1 (en) Stretched styrene-based resin moldings and a process for production thereof
US5357014A (en) Styrenic resin molding and process for producing same
JP2672589B2 (ja) スチレン系重合体成形品およびその製造方法
US5373031A (en) Styrene-based polymer moldings and process for production thereof
JP2826350B2 (ja) スチレン系重合体フィルムの製造方法
JP2790636B2 (ja) 食品包装用延伸フイルム
JPS6377905A (ja) フィルム又はテープ
JPH01182349A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2779225B2 (ja) スチレン系重合体フィルムの製造方法
WO1996017005A1 (fr) Film de polystyrene etire et procede pour la preparation de ce film
JP2710324B2 (ja) スチレン系重合体成形品とその製造方法
WO1992020850A1 (en) Nonwoven fabric and method of manufacturing said fabric
JP2901249B2 (ja) スチレン系重合体成形品およびその製造方法
JPH07112699B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法
JP3124323B2 (ja) スチレン系樹脂成形体
JP2636900B2 (ja) スチレン系樹脂延伸成形体及びその製造方法
JP3649257B2 (ja) スチレン系樹脂製シート・フィルムの製造方法
JP3574694B2 (ja) ポリスチレン系樹脂及びその成形体
JPH05104617A (ja) 透明成形体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees