JP2790636B2 - 食品包装用延伸フイルム - Google Patents

食品包装用延伸フイルム

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JP2790636B2 JP63215096A JP21509688A JP2790636B2 JP 2790636 B2 JP2790636 B2 JP 2790636B2 JP 63215096 A JP63215096 A JP 63215096A JP 21509688 A JP21509688 A JP 21509688A JP 2790636 B2 JP2790636 B2 JP 2790636B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特定のスチレン系重合体の食品包装用二軸
延伸フィルムに関し、詳しくは食品包装用に特に好適な
高強度、高透明性、高ガス透過性のシンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体の二軸延伸フィルムに関
する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕 最近、食品衛生の観点から包装材料にプラスチックフ
ィルムが用いられる場合が増加している。特に、従来、
包装に注意を払われていなかった野菜や果実について
も、プラスチックフィルムで包装されて市場に出回るよ
うになってきている。この野菜等の包装用フィルムにお
いては、野菜等の呼吸の観点から、従来包装材料に一般
的に要求されているガス透過遮蔽性とは逆に、酸素、二
酸化炭素等のガスに対する透過性の良いフィルムが好ま
しいとされている。
ところで従来、この分野おいては、プラスチックフィ
ルムとしてアタクチックポリスチレンのフィルムが用い
られてきたが、強度の点に難があり、高強度を有し、ガ
ス透過性が良好で、透明なフィルムが望まれている。
そこで、本発明者らは、特に高い引張強度と、透過性
を有するとともに、ガス透過性に優れたプラスチックフ
ィルム、特に食品包装用プラスチックフィルムを開発す
べく鋭意研究を重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、既に本発明者らのグループが開発した主と
してシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
(特開昭62−104818号公報)であって、該重合体のフィ
ルムを二軸延伸処理及び熱処理し、特定の引張強度を有
するものが上記の要求特性を満足するフィルムであるこ
とを見出した。
本発明はかかる知見に基いて完成したものである。す
なわち本発明は、主としてシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体を二軸延伸処理及び熱処理してな
り、引張り強度が870kg/cm2以上である食品包装用延伸
フィルムを提供するものである。
本発明において、二軸延伸フィルムの原料として用い
るスチレン系重合体は、主としてシンジオタクチック構
造を有するものであるが、ここでシンジオタクチック構
造とは、立体化学構造が主としてシンジオタクチック構
造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側
鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向
に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティ
シティーは同位体炭素による該磁気共鳴法(13C−NMR
法)により定量される。13C−NMR法により測定されるタ
クティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割
合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合はトリア
ッド,5個の場合はペンタッドによって示すことができる
が、本発明に言う主としてシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体とは、通常はダイアッドで75%以
上、好ましくは85%以上、若しくはペンタッド(ラセミ
ペンタッド)で30%以上、好ましくは50%以上のシンジ
オタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ(アル
キルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ
(アルコキシスチレン),ポリ(ビニル安息香酸エステ
ル)およびこれらの混合物、あるいはこれらを主成分と
する共重合体を指称する。シンジオタクティシティの低
いスチレン系重合体では、二軸延伸処理しても充分な延
伸効果が期待できない。なお、ここで、ポリ(アルキル
スチレン)としては、ポリ(メチルスチレン),ポリ
(エチルスチレン),ポリ(イソプロピルスチレン),
ポリ(ターシャリーブチルスチレン)などがあり、ポリ
(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレ
ン)、ポリ(ブロモスチレン),ポリ(フルオロスチレ
ン)などがある。また、ポリ(アルコキシスチレン)と
しては、ポリ(メトキシスチレン),ポリ(エトキシス
チレン)などがある。これらのうち特に好ましいスチレ
ン系重合体としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチル
スチレン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−
ターシャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチ
レン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フル
オロスチレン),更にはスチレンとp−メチルスチレン
との共重合体をあげることができる。
また、本発明に用いるスチレン系重合体は、分子量に
ついては特に制限はないが、重量平均分子量が10,000以
上のものが好ましく、とりわけ50,000以上のものが最適
である。ここで重量平均分子量がが10,000未満のもので
は、延伸が充分にできない。さらに、分子量分布につい
てはその広狭は制限がなく、様々なものを充当すること
が可能である。なお、この主としてシンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体は、融点が160〜310℃で
あって、従来のアタックチック構造のスチレン系重合体
に比べて耐熱性が格段とに優れている。
このような主としてシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中また
は溶媒の不存在下に、チタン化合物、及び水とトリアル
キルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン
系重合体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を
重合することにより製造することができる(特開昭62−
187708号公報)。
本発明においては、上記のように主としてシンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体を用いるが、成
形性,延伸性,その他目的とする性質に応じて、熱可塑
性樹脂,ゴム,無機充填剤,酸化防止剤,核剤,可塑
剤,相溶化剤,着色剤,帯電防止剤などを添加すること
ができる。
熱可塑性樹脂としては、例えばアタクチック構造のポ
リスチレン,アイソタクチック構造のポリスチレン,AS
樹脂,ABS樹脂などのスチレン系重合体をはじめ、ポリエ
チレンテレフタレートなどのポリエステル,ポリカーボ
ネート,ポリフェニレンオキサイド,ポリスルホン,ポ
リエーテルスルホンなどのポリエーテル,ポリアミド,
ポリフェニレンスルフィド(PPS),ポリオキシメチレ
ンなどの縮合系重合体、ポリアクリル酸,ポリアクリル
酸エステル,ポリメチルメタクリレートなどのアクリル
系重合体、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテ
ン,ポリ4−メチルペンテン−1,エチレン−プロピレン
共重合体などのポリオレフィン、あるいはポリ塩化ビニ
ル,ポリ塩化ビニリデン,ポリ弗化ビニリデンなどの含
ハロゲンビニル化合物重合体などが挙げられる。
またゴムとしては、様々なものが使用可能であるが、
最も好適なものはスチレン系化合物をその一成分として
含むゴム状共重合体で、例えば、スチレン−ブタジエン
ブロック共重合体のブタジエン部分を一部あるいは完全
に水素化したゴム(SEBS),スチレン−ブタジエン共重
合体ゴム(SBR),アクリル酸メチル−ブタジエン−ス
チレン共重合体ゴム,アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合体ゴム(ABSゴム),アクリロニトリル
−アルキルアクリレート−ブタジエン−スチレン共重合
体ゴム(AABS),メタクリル酸メチル−アルキルアクリ
レート−スチレン共重合体ゴム(MAS),メタクリル酸
メチル−アルキルアクリレート−ブタジエン−スチレン
共重合体ゴム(MABS)などが挙げられる。これらのスチ
レン系化合物をその一成分として含むゴム状共重合体
は、スチレン単位を有するため、主としてシンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体に対する分散性が
良好であり、その結果、物性の改善効果が著しい。
さらに用いることのできるゴムの他の例としては、天
然ゴム,ポリブタジエン,ポリイソプレン,ポリイソブ
チレン,ネオプレン,エチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム,ポリスルフィドゴム,チオコールゴム,アクリルゴ
ム,ウレタンゴム,シリコーンゴム,エピクロルヒドリ
ンゴム,ポリエーテル・エステルゴム,ポリエステル・
エステルゴムなどが挙げられる。
さらに無機充填剤としては、繊維状のものであると、
粒状,粉状のものであるとを問わない。繊維状無機充填
剤としてはガラス繊維,炭素繊維,アルミナ繊維等が挙
げられる。一方、粒状,紛状無機充填剤としてはタル
ク,カーボンブラック,グラファイト,二酸化チタン,
シリカ,マイカ,炭酸カルシウム,硫酸カルシウム,炭
酸バリウム,炭酸マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫
酸バリウム,オキシサルフェート,酸化スズ,アルミ
ナ,カオリン,炭化ケイ素,金属粉末等が挙げられる。
また酸化防止剤としては様々なものがあるが、特にト
リス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト,
トリス(モノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト
等のモノホスファイトやジホスファイト等のリン系酸化
防止剤およびフェノール系酸化防止剤が好ましい。ジホ
スファイトとしては、一般式 〔式中、R1,R2はそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基,
炭素数3〜20のシクロアルキル基あるいは炭素数6〜20
のアリール基を示す。〕で表わされるリン系化合物を用
いることが好ましい。
上記一般式で表わされるリン系化合物の具体例として
は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト;ジオクチルペンタエリスリトールジホスファイト;
ジフェニルペンタエリスリトールジホスファイト;ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイト;ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト;ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファ
イトなどが挙げられる。
また、フェノール系酸化防止剤としては既知のものを
使用することができ、その具体例としては、2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジフェニル−
4−メトキシフェノール;2,2′−メチレンビス(6−t
−ブチル−4−メチルフェノール);2,2′−メチレンビ
ス〔4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フ
ェノール〕;1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−2−メチルフェニル)ブタン;2,2′−メチレンビス
(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール);2,2′
−メチレンビス−(4−メチル−6−ノニルフェノー
ル);1,1,3−トリス−(5−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−2−メチルフェニル)ブタン;2,2−ビス(5−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−
n−ドデシルメルカプトブタン;エチレングリコール−
ビス〔3,3−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)ブチレート〕;1−1−ビス(3,5−ジメチル−
2−ヒドロキシフェニル)−3−(n−ドデシルチオ)
−ブタン;4,4′−チオビス(6−t−ブチル−3−メチ
ルフェノール);1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベジル)−2,4,6−トリメチルベンゼ
ン;2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)マロン酸ジオクタデシルエステル;n−オクタ
デシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル
フェニル)プロピオネート;テトラキス〔メチレン(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメ
ート)〕メタンなどが挙げられる。
上記の酸化防止剤は、前記の主としてシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体100重量部に対し、
好ましくは0.0001〜2重量部、より好ましくは0.001〜
1重量部の割合で配合される。ここで酸化防止剤の配合
割合が0.0001重量部未満であると分子量低下が著しく、
一方、2重量部を超えると機械的強度に影響があるた
め、いずれも好ましくない。
本発明の二軸延伸フィルムを成形するには、通常は次
の如き操作を行う。即ち、まず上述のスチレン系重合体
あるいはこれに他の成分を適量配合したものを成形材料
として、これを通常はまず押出成形やカレンダー成形、
あるいはブロー成形、またブロー延伸成形の場合にはさ
らに射出成形等により成形して、延伸用予備成形体(フ
ィルム,シート,チューブ,パリソン)とする。この成
形にあたっては、上記成形材料の加熱溶融したものを各
種成形機にて所定形状に成形するのが一般的であるが、
成形材料を加熱を加熱溶融させずに、軟化した状態で成
形してもよい。ここで成形材料の溶融温度は通常260〜3
50℃、好ましくは280〜330℃である。温度が高すぎると
成形材料が分解するなどの問題が生じ好ましくない。ま
た、ここで成形する予備成形体の厚さは任意いに選定す
ればよいが、一般には5mm以下、好ましくは3mm〜20μm
の範囲で適宜定めればよい。厚さが5mmを超えるもので
は、延伸に必要な張力が大きく、延伸が困難となる。予
備成形体(フィルム)の結晶化度は、好ましくは30%以
下、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以
下である。
なお、なるべく結晶化度の低い予備成形体を製造した
い場合、特に肉厚の厚い予備成形体を成形する際には、
加熱溶融した上記成形材料を成形時に急冷することが効
果的である。ここで、急冷にあたっては、冷媒温度を10
0℃以下、好ましくは80℃以下、さらに好ましくは50℃
以下に設定する。冷却温度が高すぎると緩慢冷却とな
り、一部結晶化が起こり、延伸が困難になる。
この予備成形体を二軸延伸処理するにあたっては、一
般には材料のガラス転移温度〜融点以下の温度で二軸に
延伸する。ここで延伸温度は低温結晶化温度以下が好ま
しく、それ以上の温度では透明なフィルムが得られにく
い。また、この二軸延伸における延伸倍率については、
それぞれの延伸方向(二軸方向)に好ましくは1.5倍以
上、より好ましくは2倍以上の延伸倍率で延伸すべきで
ある。延伸倍率が小さすぎると、得られるフィルムの物
性は充分に改善されないものとなる。なお、上記二軸延
伸処理においては、縦方向及び横方向に同時に延伸して
もよいが、任意の順序で逐次延伸してもよい。
また本発明に係る二軸延伸処理を行う場合には、上述
の成形材料を、予備成形体とすることなく、直接インフ
レーション成形することによっても二軸延伸フィルムと
することができる。延伸温度は融点以下10℃であればよ
い。延伸ブロー成形に際しては、延伸前の予備成形体は
ホットパリソン、コールドパリソンのいずれでもよい。
このようにして得られたフィルムの厚みは好ましくは
5〜10μm、より好ましくは10〜50μmであって、ガス
透過性に優れ、透明で光沢があり、清潔感があり、酸
素、二酸化炭素等ガスの透過・拡散を必要とする食品
(例えば、野菜や果実など)の包装素材として特に有効
である。
本発明に係る二軸延伸フィルムは、二軸延伸処理さ
れ、さらに熱処理されてなるフィルムであり、得られた
フィルムの引張強度が870kg/cm2以上である。
この熱処理による熱固定は、ガラス転移温度以上、融
点以下の温度範囲でフィルムを緊張状態にして熱処理す
ればよい。この熱固定により、二軸延伸フィルムの引張
強度、透明性、ガス透過性、耐熱性、寸法安定性、耐薬
品性等の包装材特性が一層向上する。
上述の二軸延伸処理及び熱処理により得られたフィル
ムは、従来のアタクチック構造を有するスチレン系重合
体から得られる、二軸延伸処理されたフィルムに比較
し、引張強度、ガス透過性等に優れ、食品包装に特に好
適である。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく
説明する。
参考例1(シンジオタクチック構造を有するポリスチレ
ンの製造) 反応容器に、溶媒としてトルエン2と触媒成分とし
てシクロペンタジエニルチタニウムトリクロリド1ミリ
モル及びメチルアルミノキサンをアルミニウム原子とし
て0.8モル加え、20℃においてこれにスチレン3.6を加
え、1時間重合反応を行った。
反応終了後、生成物を塩酸−メタノール混合液で洗浄
し、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥し、スチレン
系重合体(ポリスチレン)330gを得た。次に、この重合
体をメチルエチルケトンを溶媒としてソックスレー抽出
し、抽出残分95重量%を得た。このものの重量平均分子
量は290,000、数平均分子量は158,000であり、融点270
℃であった。また、この重合体は13C−NMRによる分析
(溶媒:1,2−ジクロロベンゼン)から、シンジオタクチ
ック構造に起因する145.35ppmに吸収が認められ、その
ピーク面積から算出したラセミペンタッドでのシンジオ
タクティシティーは96%であった。
実施例1 上記参考例で得られたポリスチレンに、酸化防止剤と
して、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト及びテトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシン
ナメート)〕メタンをおのおの0.1重量部ずつ混合し、
直径40mmの二軸押出機にて押出して、ペレット化した。
得られたペレットを、直径40mmの一軸押出機の先端に
Tダイを取り付けた装置に供給し、シリンダー温度300
℃、Tダイ温度310℃、吐出量4.2kg/時の条件で押出
し、肉厚400μmのシートを得た。このとき、シートの
冷却用ロールは表面温度30℃であった。
このようにして得られた延伸用予備成形体は、透明で
密度1.04g/m2,ガラス転移温度100℃,結晶化度15%であ
った。
次いでこの予備成形体を、延伸温度120℃で縦横に3
倍ずつ同時延伸を行った。得られた延伸フィルムを格子
状の固定具に固定し、250℃で30秒間熱処理した。この
時のフィルムの厚さは45μmであった。この酸素透過係
数,ヘイズ,引張強度を測定し、結果を第1表に示す。
実施例2 縦横に3.5倍ずつ同時に延伸したこと以外は、実施例
1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚
さは33μmであった。このフィルムの物性の測定結果を
第1表に示す。
比較例1 縦横に3.5倍ずつ同時に延伸し、熱処理を行わなかっ
たこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムを得た。
得られたフィルムの厚さは33μmであった。このフィル
ムの物性の測定結果を第1表に示す。
実施例3 縦横に4倍ずつ同時に延伸したこと以外は、実施例1
と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚さ
は25μmであった。このフィルムの物性の測定結果を第
1表に示す。
比較例2 アタクチックポリスチレン(商品名:出光スチロール
US300、重量平均分子量370,000,メルトインデックス2g/
10分,密度1.05g/cm3、出光石油化学(株)製)を用い
て、実施例1と同様にして220℃で予備成形体のシート
成形を行った。このシートを120℃で縦横4倍ずつ同時
延伸し、厚さ25μmのフィルムを得た。このフィルムの
物性の測定結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明によれば高強度で、透明で、光沢
があり、ガス透過性,耐熱性などの各種の物性に優れ
た、主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体の食品包装用二軸延伸フィルムを提供すること
ができる。
したがって、本発明に係る熱処理された二軸延伸フィ
ルムは、従来のアタクチック構造のスチレン系重合体を
用いた二軸延伸フィルムとは異なり、高い引張強度、酸
素や二酸化炭素等のガスの透過・拡散を必要とする食
品、特に野菜,果実などの食品の包装材料として非常に
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00 C08L 25:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主としてシンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体を二軸延伸処理及び熱処理してなり、
    引張り強度が870kg/cm2以上である食品包装用延伸フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】包装すべき食品が、野菜あるいは果実であ
    る請求項1記載の食品包装用延伸フィルム。
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