JP2636900B2 - スチレン系樹脂延伸成形体及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂延伸成形体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスチレン系樹脂延伸成形体とその製造方法に
関し、詳しくはスチレン系樹脂のもつ透明性,高弾性
率,電気特性を保持しながら、力学的強度の優れたスチ
レン系樹脂延伸成形体ならびにその効率のよい製造方法
に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕 従来、スチレン系重合体としては、ラジカル重合によ
る立体規則性がアタクチック構造のものが一般に使用さ
れている。しかし、このようなスチレン系重合体は、延
伸による力学物性の向上は期待できるが、耐熱性に劣
る。一方、立体規則性がアイソタクチック構造のスチレ
ン系重合体も知られており、これを延伸することも試み
られている〔高分子化学21,206(1964)〕が、このスチ
レン系重合体は結晶化速度が遅く、しかも結晶構造が螺
旋状であることから、本質的に充分な延伸効果を得るこ
とはできない。
ところで、本発明者らのグループは、先般、主として
シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を延
伸してフィルム状成形体を得る方法を提案した(特願昭
63−3847号,同63−4921号明細書)。
上記特願昭63−3847号明細書で提案したように、主と
してシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
(以下、SPSと称する)は、延伸により優れた透明性,
高い弾性率を有する延伸成形体となる。しかしながら、
この延伸成形体は、力学的強度において、延伸されたポ
リエステルフィルムやポリアミドフィルムに比べて小さ
いという欠点がある。そのため、力学的強度を改良する
ために、SPSと他樹脂とをブレンドする工夫を試みた
(特願昭63−4921号明細書)。この明細書には、ポリフ
ェニレンエーテル(以下、PPEと称する)とのブレンド
の延伸成形体を開示したが、その後、さらに検討した結
果、PPEの分子量が小さいため、延伸成形体の力学的強
度がなお不充分であることが判った。
そこで、本発明者らは、さらに力学的強度の優れたSP
S/PPEブレンドの延伸成形体を開発すべき鋭意研究を重
ねた。
その結果、上述の手法では、延伸時の条件が、該ブレ
ンド物の強度を向上させるのに必ずしも充分でないこと
が判った。つまり、SPSとPPEは、全ブレンド組成で相溶
し、ブレンド物のガラス転移温度は、SPSのガラス転移
温度とPPEのガラス転移温度の間で組成に対して連続的
に変化する。そのため、延伸に適する温度もブレンド組
成により変化するので、延伸時の温度をブレンド組成に
応じて変化させる必要があることを見出した。本発明
は、かかる知見に基いて完成したものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、(A)主としてシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体10〜98重量%及び (B)30℃のクロロホルム中での固有粘度が0.28dl/g以
上であるポリフェニレンエーテル90〜2重量%を主成分
とする組成物を延伸してなるスチレン系樹脂延伸成形体
を提供するものである。また、本発明は、上記(A)及
び(B)成分を主体とする組成物を加熱・溶融した後、
組成物のガラス転移温度以下に冷却して原反シートと
し、次いで、該シートを組成物のガラス転移温度以上か
つ融点以下の温度に加熱して延伸処理することを特徴と
するスチレン系樹脂延伸成形体の製造方法を提供するも
のである。
本発明の延伸成形体の材料であるスチレン系樹脂組成
物は、上記(A)及び(B)成分を主成分とするもので
ある。ここで(A)成分は、主としてシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系樹脂であるが、この主として
シンジオタクチック構造とは、立体化学構造が主として
シンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成
される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニ
ル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するもの
であり、そのタクティシティーは同位体炭素による核磁
気共鳴法(13C−NMR法)により定量される。13C−NMR法
により測定されるタクティシティーは、連続する複数個
の構成単位の存在割合、例えば2個の割合はダイアッ
ド,3個の場合はトリアッド,5個の場合はペンタッドによ
って示すことができるが、本発明に言う主としてシンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体とは、通常
はダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しく
はペンダット(ラセミペンタッド)で30%以上、好まし
くは50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリ
スチレン,ポリ(アルキルスチレン),ポリ(ハロゲン
化スチレン),ポリ(アルコキシスチレン),ポリ(ビ
ニル安息香酸エステル)およびこれらの混合物、あるい
はこれらを主成分とする共重合体を指称する。なお、こ
こでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチル
スチレン),ポリ(エチルスチレン),ポリ(イソプロ
ピルスチレン),ポリ(ターシャリーブチルスチレン)
などがあり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポ
リ(クロロスチレン),ポリ(ブロモスチレン),ポリ
(フルオロスチレン)などがある。また、ポリ(アルコ
キシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン),
ポリ(エトキシスチレン)などがある。これらのうち特
に好ましいスチレン系重合体としては、ポリスチレン,
ポリ(p−メチルスチレン),ポリ(m−メチルスチレ
ン),ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン),ポリ
(p−クロロスチレン),ポリ(m−クロロスチレ
ン),ポリ(p−フルオロスチレン)、更にはスチレン
とp−メチルスチレンとして共重合体をあげることがで
きる(特開昭62−187708号公報)。
また(A)成分であるこのスチレン系樹脂は、分子量
について特に制限はないが、重量平均分子量が10,000以
上のものが好ましく、とりわけ50,000以上のものが最適
である。ここで重量平均分子量が10,000未満であると、
延伸が充分にできない。さらに、分子量分布についても
その広狭は制約がなく、様々なものを充当することが可
能である。なお、この主としてシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体は融点が160〜310℃であっ
て、従来のアタクチック構造のスチレン系重合体に比べ
て耐熱性が格段に優れている。
このような主としてシンジオタクチック構造を有する
スチレン系樹脂は、例えば不活性炭化水素溶媒中または
溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキル
アルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単
量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合
することにより製造することができる(特開昭62−1877
08号公報)。
一方、本発明に用いる(B)成分は、下記の一般的で
表わされるものである。
〔式中、R1及びR2は、同一又は異なる炭素数1〜6個の
アルキル基,炭素数6〜8個のアリール基,ハロゲン原
子又は水素原子を示し、nは50〜500、好ましくは100〜
450の整数を示す。〕 このようなポリフェニレンエーテル樹脂の具体例とし
ては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテ
ル;ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテ
ル;ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル;ポリ(2−メチル−6−イソプロピル−
1,4−フェニレン)エーテル;ポリ(2−メチル−1,4−
フェニレン)エーテル;ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フ
ェニレン)エーテル;ポリ(2−エチル−6−ブロモ−
1,4−フェニレン)エーテル;ポリ(2−フェニル−1,4
−フェニレン)エーテル等があげられる。これらのう
ち、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル
が特に好適である。本発明に用いられるポリフェニレン
エーテル樹脂(PPE)は、30℃のクロロホルム中での固
有粘度が0.28dl/g以上であることを必要とし、好ましく
は0.3〜0.66dl/gである。ここで固有粘度が0.28dl/g未
満であると、力学的物性が不足し、耐溶剤性が不充分と
なる。
本発明に用いる樹脂組成物は、上記(A)成分及び
(B)成分を主成分とするものであり、両者の配合割合
は、(A)成分10%〜98重量%,好ましくは20〜95重量
%,さらに好ましくは30〜90重量%と(B)成分90〜2
重量%,好ましくは80〜5重量%,さらに好ましくは70
〜10重量%である。(A)成分が10重量%未満である
と、成形性が悪くなり、延伸成形体の原反を形成するこ
とが困難となる。また、(A)成分が98重量%を超える
と、PPEをブレンドした改質効果がほとんど見られな
い。
本発明に用いる組成物は、上記の(A),(B)成分
からなるものであるが、本発明の目的を阻害しない限
り、各種の無機質充填剤,添加剤あるいはその他の合成
樹脂を必要に応じて配合することができる。ここで無機
質充填剤としては、例えばガラス繊維,ガラスビーズ,
ガラスフレーク,炭素繊維,カーボンブラック,硝酸カ
ルシウム,炭酸カルシウム,ケイ酸カルシウム,酸化チ
タン,アルミナ,シリカ,アスベスト,タルク,クレ
ー,マイカ,石英粉,金属粉等が挙げられる。また、前
記添加剤としては、例えば亜リン酸エステル系,リン酸
エステル系の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系,ベン
ゾフェノン系の紫外線吸収剤、脂肪族カルボン酸エステ
ル系,パラフィン系の外部滑剤、常用の難燃化剤,核
剤,離型剤,帯電防止剤,着色剤等が挙げられる。その
他の合成樹脂としては、ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,ポリスチレン,AS樹脂,ABS樹脂,ポリメチルメタク
リレート等の核樹脂を挙げることができる。
本発明に用いる組成物は、上記の(A),(B)成分
及び各種の所望成分をブレンドすることによって得ら
れ、そのブレンド方法には特に制限はないが、溶融ブレ
ンドが好ましい。このとき、溶融ブレンドは、前述の
(A)成分であるスチレン系樹脂(SPS)の融点以上
で、かつSPS及び(B)成分であるPPEを劣化させない温
度で行うべきである。すなわち、270〜320℃で溶融ブレ
ンドするのが好ましい。またSPS及びPPEの熱により劣化
を防止するため、組成物に適当な酸化防止剤を添加する
ことが好ましい。
本発明の方法では、上述の(A),(B)成分、ある
いはこれに他の成分を適量ブレンドしたものを成形素材
として、これを通常はまず押出成形やカレンダー成形、
あるいはブロー成形、ブロー延伸成形の場合にはさらに
射出成形等により成形して、延伸用原反シート(フィル
ムまたは予備成形体)とする。この成形にあっては、上
記成形素材の加熱溶融したものを各種成形機にて所定形
状に成形するのが一般的であるが、成形素材を加熱溶融
させずに、軟化した状態で成形してもよい。ここで成形
素材の溶融温度は、通常は270〜320℃である。温度が高
すぎると成形素材が分解するなどの問題が生じ好ましく
ない。また、ここで成形する原反シートの厚さは任意に
選定すればよいが、一般には5mm以下、好ましくは3mm〜
20μmの範囲で適宜定めればよい。厚さが5mmを超える
ものでは、内部の結晶化が進みシートが白濁する場合が
ある。原反シート(フィルム)中のSPSの結晶化度は、2
0%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%
以下である。
なお、本発明の方法では、なるべく結晶化度の低い原
反シートを製造するため、加熱溶融した上記の成形素材
を成形時に急冷する。冷却は、組成物のガラス転移温度
よりも低い温度で行うべきである。好ましくは、該組成
物のガラス転移温度よりも20℃以上低い冷却温度、さら
に好ましくは40℃以上低い冷却温度で速やかに冷却す
る。また、急冷速度は50〜3℃/秒、好ましくは50〜5
℃/秒とする。
本発明の方法では、このように得られた非晶原反を、
延伸可能な温度に加熱する。このときの温度は、該組成
物のガラス転移温度以上で、かつ融点以下の範囲に設定
する必要がある。
さらに本発明の方法にしたがえば、このように延伸に
適切な温度に加熱した原反シートを一軸あるいは二軸に
延伸する。一軸延伸の場合は延伸方向に1.5倍以上の延
伸倍率で延伸すべきである。延伸倍率が1.5倍より小さ
いと、強度,耐熱性が不充分となる。また二軸延伸の場
合は、それぞれの延伸方向(二軸方向)に1.2倍以上の
延伸倍率で延伸すべきである。延伸倍率が小さすぎる
と、得られる延伸成形体の強度,耐熱性が不充分とな
る。なお、上記二軸延伸の場合は縦方向及び横方向に同
時に延伸してもよいが、任意の順序で逐次延伸してもよ
い。
また本発明の方法では、特に二軸延伸を行う場合に
は、上述の成形素材を、原反シートまたは予備成形体と
することなく、加熱・溶融した後、ただちに融点以下の
温度で延伸処理する直接インフレーション成形あるいは
延伸ブロー成形することによっても、二軸延伸成形体
(二軸延伸フィルムなど)とすることができる。このイ
ンフレーション成形あるいは延伸ブロー成形による場合
には、加熱溶融時の樹脂温度を融点よりも20℃以上高く
することが、メルトフラクチャー,肌荒れ等を防ぐ上で
有効であるが、あまり高すぎると成形の際の急冷が困難
になり、緩慢冷却となって一部が結晶化して白濁するお
それがあるため、280〜300℃の範囲に設定することが好
ましい。さらに、延伸温度は融点より5〜100℃低い温
度、好ましくは融点より10〜50℃程度低い温度であれば
よい。延伸ブロー成形に際しては、延伸前のプリフォー
ム(予備成形体)はホットパリソン,コールドパリソン
のいずれでもよい。また、このインフレーション成形あ
るいは延伸ブロー成形にあたって、ブローアップ比を小
さくすれば、一軸延伸も可能である。
本発明の方法にしたがって、一軸延伸あるいは二軸延
伸を行えば、耐熱性,耐溶剤性,電気絶縁性のすぐれた
延伸成形体が得られる。また、高温時の寸法安定性,耐
熱性,フィルム面内の強度バランスが要求される場合な
どには、さらに熱固定を行うことが好ましい。熱固定
は、通常行われている方法で行うことができるが、この
延伸成形体を緊張下で100℃以上(好ましくは該組成物
のガラス転移温度以上)、融点以下で行う。100℃以下
での熱固定では、フィルムの物性は、改良されず、融点
以上では、フィルムは溶融してしまう。熱固定は通常5
秒〜100時間、好ましくは10秒〜10時間行う。また、こ
の熱固定はアルゴンガス,窒素ガスなどの不活性ガス雰
囲気下で行うことが好ましい。この熱固定により、延伸
成形体の耐熱性や寸法安定性等が一層向上する。
〔実施例〕
次に、本発明に実施例及び比較例によりさらに詳しく
説明する。
参考例1(シンジオタクチック構造を有するポリスチレ
ンの製造) 反応容器に、溶媒としてトルエン2と触媒成分とし
てシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド1ミ
リモルおよびメチルアルミノキサンをアルミニウム原子
として0.8モル加え、20℃においてこれにスチレン3.6
を加え、1時間重合反応を行なった。
反応終了後、生成物を塩酸−メタノール混合液で洗浄
し、触媒成分を分解除去した。ついで乾燥し、スチレン
系重合体(ポリスチレン)330gを得た。次に、この重合
体をメチルエチルケトンを溶媒としてソックスレー抽出
し、抽出残分95重量%を得た。この重合体の重量平均分
子量は290,000、数平均分子量は158,000であり、融点は
270℃であった。また、この重合体は同位体炭素の核磁
気共鳴(13C−NMR)による分析から、シンジオタクチッ
ク構造に基因する145.35ppmに吸収が認められ、そのピ
ーク面積から算出したペンタッドでのシンジオタクティ
シティーは96%であった。
実施例1 上記参考例1で得られたポリスチレン95重量%に対
し、固有粘度が0.32dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−
フェニレン)エーテルを5重量%ブレンドした。このと
き、全樹脂量に対して、酸化防止剤として、(2,6−ジ
−t−ブチルメチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト(商品名:PEP−36,アデカ・アーガス化学
(株)製)0.7重量部及びテトラキス〔メチレン(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオ
ネート〕メタン(商品名:Irganox 1010,日本チバガイバ
ー社製)0.1重量部を添加した。得られた組成物のガラ
ス転移温度は96℃であった。
次いで、得られた組成物を300℃の温度で溶融してプ
レス成形し、次いで30秒間で25℃まで急冷し、厚さ300
μmの透明な原反を得た。原反中のSPSの結晶化度は12
%であった。得られた原反をテーブルテンター中で120
℃で5分間予熱し、一軸方向に4倍延伸した。
得られたフィルムの物性を第1表に示す。
実施例2 実施例1で得られた原反を一軸方向に2倍延伸した以
外は、実施例1と同様に実施した。
得られたフィルムの物性を第1表に示す。
実施例3 実施例1で得られた延伸フィルムを、250℃で30秒間
緊張下で熱固定した。得られたフィルムの物性を第1表
に示す。
比較例1 実施例1で使用した未延伸の原反の物性を第1表に示
す。
比較例2 実施例1で使用した原反をテーブルテンター内でガラ
ス転移温度以下の90℃で5分間予熱して延伸しようとし
たが、延伸できなかった。
比較例3 SPSの量を99重量%、PPEの量を1重量%とした以外
は、実施例1と同様にして組成物を調製した。得られた
組成物を300℃の温度で溶融成形し、次いで25℃に急冷
して厚さ300μmの透明な原反を得た。原反中のSPSの結
晶化度は14%であった。得られた原反をテーブルテンタ
ー中で120℃で5分間予熱し、次いで一軸方向に4倍延
伸した。得られたフィルムの物性を第1表に示す。
実施例4 SPSとPPEの組成比を80重量%/20重量%とした以外
は、実施例1と同様にして延伸フィルムを作成した。原
反中のSPSの結晶化度は8%であった。得られたフィル
ムの物性を第1表に示す。
比較例4 PPEとして、固有粘度0.2dl/gのものを使用した以外
は、実施例4と同様にして延伸フィルムを作製した。原
反中のSPSの結晶化度は10%であった。得られたフィル
ムの物性を第1表に示す。
実施例5 実施例4で使用した原反を用いてテーブルテンター内
で120℃で30秒間予熱し、3.5×3.5倍に同時二軸延伸し
た。得られたフィルムの物性を第1表に示す。
実施例6 実施例5で得られたフィルムを250℃で30秒間緊張下
で熱固定した。得られた。フィルムの物性を第1表に示
す。
比較例5 実施例4において延伸する前の原反の物性を第1表に
示す。
参考例2(シンジオタクチック構造を有するポリスチレ
ンの製造) 反応容器に、反応溶媒としてトルエン2と触媒成分
としてテトラエトキシチタン5ミリモルおよびメチルア
ルミノキサンをアルミニウム原子として500ミリモル加
え、50℃においてこれにスチレン15を加え、4時間重
合反応を行なった。
反応終了後、生成物を塩酸−メタノール混合液で洗浄
し、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥し、スチレン
系重合体(ポリスチレン)、2.5kgを得た。次に、この
重合体をメチルエチルケトンを溶媒としてソックスレー
抽出し、抽出残分95重量%を得た。このものの重量平均
分子量は800,000であった。また、この重合体は、13C−
NMRによる分析(溶媒:1,2−ジクロロベンゼン)からシ
ンジオタクチック構造に基因する145.35ppmに吸収が認
められ、そのピーク面積から算出したラセミペンタッド
でのシンジオタクティシティーは96%であった。
実施例7 参考例2で得られたSPSと、固有粘度0.49dl/gのポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル(GEMポ
リマー(株)製)とを50重量%/50重量%でブレンドし
た。酸化防止剤は実施例1と同量添加した。該組成物を
300どで溶融し、T−ダイを用いてキャスト形成した。
次いで、表面温度25℃の冷却ロールで急冷して厚さ300
μmの透明な原反を作製した。原反中のSPSの結晶化度
は10%であった。得られた原反をテーブルテンター内で
170℃で5分間予熱し、3.5×3.5倍に同時二軸延伸して
フィルムを得た。得られたフィルムの物性を第1表に示
す。
実施例8 参考例2で得られたSPSと実施例7と同じPPEを15重量
%/85重量%の比率のブレンドした。酸化防止剤は実施
例1と同量添加した。該組成物を300℃で溶融し、ブレ
ス成形し、次いで25℃に急冷して、厚さ300μmの原反
を得た。反原中のSPSの結晶化度は7%であった。得ら
れた原反をテーブルセンター中で190℃で30秒間予熱
し、3.5×3.5倍に同時二軸延伸してフィルムを得た。得
られたフィルムの物性を第1表に示す。
比較例6 参考例2で得られたSPSと実施例7と同じPPEを5重量
%/95重量%の比率でブレンドした。酸化防止剤は実施
例1と同量添加した。該組成物を300℃で溶融し、プレ
ス成形し、次いで25℃に冷却したが、試料がプレス板に
強く粘着し、原反を得ることができなかった。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明によるスチレン系樹脂とポリフェ
ニレンエーテル樹脂とからなるスチレン系樹脂組成物の
延伸成形体は、SPSの持つ透明性,高弾性率,電気特性
を保持しながら優れた力学的強度を有する。
したがって、本発明の延伸成形体は、フレキシブルプ
リント基板用フィルム,封止フィルムなどの電気分野用
フィルム、およびホットスタンピング用,装飾用,その
他の一般の産業用フィルムにおいて有効な利用が期待さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 25:00 B29L 7:00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)主としてシンジオタクチック構造を
    有するスチレン系重合体10〜98重量%及び (B)30℃のクロロホルム中での固有粘度が0.28dl/g以
    上であるポリフェニレンエーテル90〜2重量%を主成分
    とする組成物を延伸してなるスチレン系樹脂延伸成形
    体。
  2. 【請求項2】延伸倍率が一軸延伸で1.5倍以上あるいは
    二軸延伸で縦横にそれぞれ1.2倍以上である請求項1記
    載の延伸成形体。
  3. 【請求項3】請求項1記載の組成物を加熱・溶融した
    後、組成物のガラス転移温度以下に冷却して原反シート
    とし、次いで、該シートを組成物のガラス転移温度以上
    かつ融点以下の温度に加熱して延伸処理することを特徴
    とするスチレン系樹脂延伸成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の組成物を加熱・溶融した
    後、ただちに、融点より5〜100℃低い温度で延伸処理
    することを特徴とするスチレン系樹脂延伸成形体の製造
    方法。
  5. 【請求項5】請求項3記載の成形体を、100℃以上かつ
    組成物の融点以下の温度で熱固定することを特徴とする
    スチレン系樹脂延伸成形体の製造方法。
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