JPH039920Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、例えばポツト式バーナを成形加工す
るのに用いられるプレス用金型のガイド調整機構
に関する。

［従来の技術］ プレス用の金型は、第２図に示すように上方の
ダイセツト１に取付けられた可動金型３と、下方
のダイセツト２に取付けられた固定金型４とから
成り、可動金型３には下方に突出したラム３ａ、
固定金型４にはラム３ａを受容するダイス孔４ａ
が形成されている。従つて、固定金型４上に板金
材料を載置し、油圧等の駆動装置（図示省略）で
可動金型３のラム３ａを固定金型４のダイス孔４
ａに圧入すれば、板金材料が所定の形状にプレス
加工される。

一方、ポツト式バーナ等のように同一品を大量
にプレスする場合は、通常上下のダイセツト１，
２の間に複数の可動金型３及び固定金型４が配置
される。この場合は、上方ダイセツト１にガイド
ロツド５、下方ダイセツト２にガイドシリンダ６
を取付けて、ガイドロツド５がガイドシリンダ６
内を上下動することにより、各ラム３ａが各孔４
ａの上縁にぶつかることなく案内されるようにな
つている。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、従来のプレス用金型にあつては、上方
のダイセツト１に多数の可動金型３を取付けた
際、その配置によつて偏心荷重になることがあ
り、この場合には両側のガイド手段だけではラム
３ａをダイス孔４ａの適正位置に挿入できなくな
る。特にプレス加工機が老朽化して精度が低下す
ると、その誤差が大きくなつて成形品に傷やバリ
が生じ易くなり、甚しい場合はラム３ａが孔４ａ
の上縁に衝突するおそれがある。

本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、偏心荷重や精度の低下があつ
ても可動金型と固定金型とを適正に嵌合し得るプ
レス用金型のガイド調整機構を提供することにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案は、上方ダイ
セツトに取付けられた可動金型と、可動金型に対
向して下方ダイセツトに取付けられた固定金型
と、両金型との間に設けられ可動金型を移動案内
するガイドとを有するプレス用金型のガイド調整
機構において、上方ダイセツトと可動金型の一方
に凸面スペーサ、他方に凹面スペーサを設けて両
スペーサを当接させ、上方ダイセツトと可動金型
との間に連結部材を遊嵌状態で取付けている。

［作用］ これらの構成により、上方ダイセツトに偏心荷
重が作用して傾斜が生じても、可動金型は上方ダ
イセツトに対して球面接触しているので、連結部
材の遊嵌寸法の範囲で全方向に相対移動が可能と
なり、成形時は可動金型のラム等が固定金型のダ
イス孔内に無理なく挿入される。

［実施例］ 第１図は、本考案のガイド調整機構が適用され
たプレス用金型の正面図で、分り易くするため一
組の金型のみを示してある。

このガイド調整機構では、上方ダイセツト１と
可動金型３との間に凸面スペーサ７ａ及び凹面ス
ペーサ７ｂと複数のボルト８及びカラー９が取付
けられている。凸面スペーサ７ａは、可動金型３
の上面中央に固着され、凹面スペーサ７ｂは、上
方ダイセツト１の下面に固着されて両スペーサ７
ａ，７ｂはわずかな〓間を保つて対向している。
また、両スペーサ７ａ，７ｂの接触面は滑らかに
加工され、第４図に示すように凸面スペーサ７ａ
が凹面スペーサ７ｂに対して全方向にすべり回転
可能となつている。

ボルト８の上端は、第３図に示すように上方ダ
イセツト１に螺合しており、ボルト８にカラー９
が嵌合している。カラー９の下端には、可動金型
３を支持するフランジ１０が形成され、カラー９
の外面と可動金型３の孔１との間には２mm程度の
〓間Ｓが形成されている。従つて、可動金型３
は、ボルト８及びカラー９に遊嵌状態で支持さ
れ、〓間Ｓの範囲で移動可能となつている。ボル
ト８及びカラー９は、第１図から分るように両ス
ペーサ７ａ，７ｂの周囲に複数取付けて、可動金
型３をバランスよく支持するのが望ましい。

下方のダイセツト２、固定金型４、ガイドロツ
ド５及びガイドシリンダ６は、第２図と同様であ
るため説明を省略する。

従つて、第４図に示すように上方ダイセツト１
が偏心荷重や精度の低下により傾斜した状態で下
降しても、可動金型３の凸面スペーサ７ａが凹面
スペーサ７ｂに対して球面接触してすべり回転
し、またボルト８及びカラー９に対しても可動金
型３は〓間Ｓの分だけ移動するので、ラム３ａは
固定金型４のダイス孔４ａにスムーズに案内挿入
される。この間、カラー９のフランジ１０と可動
金型３との間にも〓間が生じ（第４図）、また、
両側の各ガイドロツド５もガイドシリンダ６内を
無理なく下降する。

尚、第４図では、上方ダイセツト１を誇張して
傾斜させているが、実際のダイセツト１の傾斜角
度やスペーサ７ａの回転角度はわずかである 上記実施例では、凸面スペーサ７ａを可動金型
３に、凹面スペーサ７ｂを上方ダイセツト１に設
けているが、これらを逆にしても同様の効果が得
られる。また、ボルト８を可動金型３に固着し
て、ボルト８を上方ダイセツト１に遊嵌させても
よい。

［考案の効果］ 以上詳述したように、本考案におけるプレス用
金型のガイド調整機構によれば、上方ダイセツト
が偏心荷重等で傾斜しても、球面接触式のスペー
サと遊嵌式の連結部材を設けているので可動金型
は相対移動が可能となり、従つて成形加工時には
可動金型が固定金型と適正に嵌合し、ひいては金
型の破損、成形品のバリ等を防止できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のガイド調整機構が適用された
プレス用金型の正面図、第２図は従来におけるプ
レス用金型の正面図、第３図は上方ダイセツトの
下降時における可動金型の支時部分を示す拡大断
面図、第４図はスペーサの回動状態図である。 １…上方ダイセツト、２…下方ダイセツト、３
…可動金型、４…固定金型、５…ガイドロツド、
６…ガイドシリンダ、７ａ…凸面スペーサ、７ｂ
…凹面スペーサ、８…ボルト、９…カラー、Ｓ…
〓間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上方ダイセツトに取付けられた可動金型と、可
   動金型に対向して下方ダイセツトに取付けられた
   固定金型と、両金型との間に設けられ可動金型を
   移動案内するガイドとを有するプレス用金型のガ
   イド調整機構において、 上方ダイセツトと可動金型の一方に凸面スペー
   サ、他方に凹面スペーサを設けて両スペーサを当
   接させ、上方ダイセツトと可動金型との間に連結
   部材を遊嵌状態で取付けたこと、 を特徴とするプレス用金型のガイド調整機構。