JPH039792B2 - - Google Patents

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JPH039792B2
JPH039792B2 JP20410785A JP20410785A JPH039792B2 JP H039792 B2 JPH039792 B2 JP H039792B2 JP 20410785 A JP20410785 A JP 20410785A JP 20410785 A JP20410785 A JP 20410785A JP H039792 B2 JPH039792 B2 JP H039792B2
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JP
Japan
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rotor
synthetic resin
temperature
powder
metal member
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Application number
JP20410785A
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English (en)
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JPS6265775A (ja
Inventor
Takahiro Iwase
Tadashi Masuda
Hiroyuki Mochizuki
Shigenori Tamaoki
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP20410785A priority Critical patent/JPS6265775A/ja
Publication of JPS6265775A publication Critical patent/JPS6265775A/ja
Publication of JPH039792B2 publication Critical patent/JPH039792B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、金属部材の表面に合成樹脂粉末をコ
ーテイングする方法に関し、特に金属部材の表面
に熱によつて合成樹脂粉末を融着させる方法の改
良に関するものである。
背景技術 金属部材の表面に合成樹脂粉末をコーテイング
することは、例えばルーツ型流体送給機の一種で
あるスーパチヤージヤのロータに対して行われて
いる。このロータは複数の羽根を備え、それら羽
根の各々に重量軽減孔が形成されるとともに中心
部には回転軸挿通孔が形成された中空状のもので
あり、1個のハウジング内において二つのロータ
が噛み合わされて使用されるのであるが、それら
二つのロータ間の間隙およびロータとハウジング
との間隙をできる限り小さくして体積効率を高め
るために、ロータの外周面および端面外周部に合
成樹脂層を形成することが行われている。そし
て、本発明の発明者等は所望の厚さの合成樹脂層
をより短時間で形成するために、合成樹脂粉末を
融着によりコーテイングすることを試みた。すな
わち、ロータ素材を合成樹脂粉末内に没入すると
ともに、その没入前におよび/または没入後にロ
ータを予め定められた電流で予め定められた時間
誘導加熱して合成樹脂粉末の融点以上の温度に昇
温し、ロータ外周面とロータ端面の外周部とに合
成樹脂粉末を融着させて合成樹脂層を形成するの
である。
このような樹脂コーテイング方法によれば、能
率良く、かつ比較的簡単な装置で樹脂コーテイン
グを行うことができ、ロータとコーテイングされ
た樹脂層との間の接着強度も実用に供し得るもの
となる。
発明が解決しようとする問題点 しかし、電流の大きさと通電時間とを定めて誘
導加熱を行う場合、ロータの加熱前の温度により
加熱後のロータの温度が左右されることを避け得
ない。すなわち、誘導加熱される前のロータの温
度は室温と同じであるのが普通であるが、室温は
作業環境を調節しても周囲の状況、季節、時間
(例えば朝と昼)等によつて約±5℃のばらつき
が生ずるため、そのばらつきの分だけ誘導加熱後
のロータの温度に誤差が生ずるのであり、その結
果、例えばコーテイングする合成樹脂粉末がテト
ラフルオルエチレン(4フツ化エチレン)とエチ
レンとの共重合体であるアフロン(商品名)の粉
末である場合には、樹脂層に1mmにつき±0.05mm
の誤差が生ずる問題があつた。
この問題は、合成樹脂粉末をコーテイングする
金属部材がスーパチヤージヤのロータ以外のもの
である場合や、合成樹脂粉末がアフロン粉末以外
のものである場合にも、金属部材を予め定められ
た電流によつて予め定められた時間誘導加熱して
合成樹脂粉末をコーテイングする際に同様に生ず
る問題である。
問題点を解決するための手段 本発明は、上記の問題を解決するために為され
たものであり、金属部材に合成樹脂粉末を融着さ
せるコーテイング工程の前に、金属部材を合成樹
脂粉末の融点より低い範囲内で予め定められた温
度に予加熱するようにしたことを特徴とするもの
である。
なお、コーテイング工程においては、金属部材
を合成樹脂粉末内に没入させることと、合成樹脂
粉末の融点以上の温度まで昇温させることとが必
要であるが、この昇温は、予め定められた電流で
予め定められた時間誘導加熱して行うものとす
る。また、この誘導加熱は金属部材の合成樹脂粉
末内への没入に先立つて行うことも、没入後に行
うことも可能であり、没入前の一次加熱と没入後
の二次加熱との両方を行うことが望ましい。この
場合、一次加熱は合成樹脂粉末の融点より低い一
定温度に予加熱されている金属部材を合成樹脂粉
末の融点以上の温度に加熱するために行うもので
あり、二次加熱はコーテイングの進行に伴つて金
属部材の温度が低下するのを補うために行うもの
である。
発明の効果 このようにすれば、金属部材の温度が室温によ
つて左右されることはなく、誘導加熱を行うに当
たつて常にほぼ一定の温度にしておくことができ
るため、電流の大きさおよび通電時間を定めて誘
導加熱を行つても加熱された金属部材の温度にば
らつきが生ずることを良好に回避し得、常にほぼ
一定の厚さの樹脂層が形成されることとなる。
また、このように金属部材を予め加熱しておけ
ば、誘導加熱の時間が短くなり、樹脂コーテイン
グに要する時間が短くなつて生産性が向上する効
果が得られる。
実施例 以下、スーパチヤージヤのまゆ形ロータを例に
取り、そのロータ素材に対する樹脂粉末コーテイ
ングに本発明を適用した場合の実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。
第9図は、そのまゆ形ロータの合成樹脂粉末が
コーテイングされる以前のロータ素材(以下、ロ
ータと称する)10を示す図である。このロータ
10は、本実施例においてはアルミニウム合金、
特にAl−Si系合金のシリコン含有率が12%程度
と高いもの(例えばJIS A4047等)から成つてお
り、その中心部には回転軸挿通孔12が形成され
る一方、回転軸挿通孔12の両側の羽根部にはそ
の羽根部を軸方向に貫通して1個ずつの重量軽減
孔14が形成されて中空となつている。そして、
この中空部材であるロータ10には外周面の全面
および両端面16,18の外周部、すなわち回転
軸挿通孔12および重量軽減孔14の周辺を除く
部分に合成樹脂コーテイングが予定されている。
コーテイングされる合成樹脂粉末としては、例え
ばテトラフルオルエチレン(4フツ化エチレン)
とエチレンとの共重合体であるアフロン(商品名
……以下、アフロンと称する)の粉末が用いられ
る。
第1図に上記ロータ10にアフロンをコーテイ
ングする装置の一例を示す。図において20は流
動槽であり、この流動槽20内にアフロン粉末P
が入れられており、コーテイング時にはロータ1
0はその端面16,18が上下に位置する姿勢で
昇降させられる。ロータ10は予め加熱された
後、このアフロン粉末P内に没入させられるが、
そのアフロン粉末Pに対するロータ10の没入や
そこからの取出しを容易にするために、流動槽2
0内のアフロン粉末Pが流動槽20の底部に固定
された加振機22により加えられる振動および空
気供給口24から供給される圧縮空気により流動
状態となるようにされている。26は空気フイル
タであり、トレーシングペーパー(硫酸紙)を複
数枚重ねて使用するか、ポリエチレン製、セラミ
ツクス製の多孔質板や金属製のものが用いられて
おり、流動槽20の底部開口に設けられ、空気供
給口24から供給される空気をアフロン粉末Pに
適量だけ均一に供給する作用を為す。
流動槽20内の上側部分には、ロータ10を予
め誘導加熱する上コイル28が位置固定に設けら
れている。この上コイル28は、高周波焼入れに
用いられるコイルと同種のものであつて、ロータ
10よりも大きい相似形を成し、ロータ10を外
側から所定距離隔てて取り巻くように配置され、
コイル電源30からの通電により電磁誘導作用に
よつてロータ10を加熱するものである。
上コイル28の下側には、下コイル34がアフ
ロン粉末P内に埋もれた状態で位置固定に配置さ
れている。この下コイル34は上コイル28と同
様な構造のものであり、アフロン粉末P内に没入
させられたロータ10をコイル電源36からの通
電による誘導加熱によつて再加熱するものであ
る。
上記のように構成されたコーテイング装置の上
方には、ロータ10を昇降させる油圧シリンダ3
8が配設されている。油圧シリンダ38は固定部
材39に取り付けられており、そのピストンロツ
ド40の下端部には保持具42が取り付けられて
いる。保持具42はプレート44を介してピスト
ンロツド40に取り付けられており、プレート4
4の他端に立設されたガイドロツド46は固定部
材39を貫通させられ、ピストンロツド40の回
転を防止しつつその移動を案内するようにされて
いる。
保持具42は、第2図から明らかなように、ピ
ストンロツド40に取り付けられる基端部50
と、その基端部50から下方に延び出す板状部5
2と、その板状部52の下端から水平にかつ基端
部50と対向する向きに延び出す板状部54とを
備えている。板状部52の上下方向の中間部には
位置決め突起56が設けられる一方、板状部54
には板状部52との境とは反対側に開口するU字
形の切欠60が形成されており、油圧シリンダ3
8は、これら切欠60および位置決め突起56が
前記コイル28,34の横断面形状の長手方向に
沿つて位置するように固定部材39に取り付けら
れている。また、基端部50の切欠60と対向す
る部分には係合部材62が埋設されており、この
係合部材62は図示しないスプリングによつて基
端部50から一定量突出する方向に付勢されてい
る。
ロータ10には、前記回転軸挿通孔12および
重量軽減孔14の内周面およびそれらの開口周辺
にアフロン粉末Pが融着しないようにするために
マスキング治具64が取り付けられる。マスキン
グ治具64は、ロータ10の両側にそれぞれ取り
付けられる上マスク部材66と下マスク部材68
とを備えている。これらマスク部材66,68
は、回転軸挿通孔12および重量軽減孔14の両
端開口周辺にそれぞれ密着し、各孔12,14の
上下両端面16,18への開口をそれぞれ塞ぐシ
ール部材70,72と、シール部材70,72に
固定の断熱材74,76とから成つている。これ
らシール部材70,72は、黄銅、銅、ステンレ
ス鋼等、ロータ10を形成するアルミニウム合金
より誘導加熱され難い金属によつて形成されてお
り、その厚さはロータ10に形成される樹脂層の
厚さよりやや厚く、樹脂層のシール部材70,7
2と接触する面を真つ直ぐな端面とするのに十分
な程度の厚さとされている。また、これらシール
部材70,72は、回転軸挿通孔12および重量
軽減孔14を閉塞するのに十分な大きさではある
がロータ10の端面よりは小さくされるととも
に、その外周の形状は、第3図および第4図に示
すように、両孔12,14を閉塞する部分、すな
わち長手方向の中央部および両端部がその長手方
向に直角な方向に凸とされる一方、それら凸部の
間の部分は軸心側にくぼまされたものとされてい
る。
上記シール部材70,72のロータ10に密着
する側の各端面の長手方向の両端部には、それぞ
れ位置決め突起78が形成されている。これら位
置決め突起78は、外径が重量軽減孔14の直径
と等しい円環状の突起の互い近い側の部分が切り
欠かれた形状とされており、重量軽減孔14内に
嵌入させられることによりシール部材70,72
のロータ10に対する位置決めを為すようにされ
ている。また、シール部材70のロータ10に密
着する側の端面の中央部には、第5図および第6
図から明らかなように、浅く座ぐりが施されてロ
ータ10との接触面積ができる限り小さくなるよ
うにされていおり、シール部材72には、第3図
に示すように、長穴82が形成されている。
これに対して前記断熱材74,76は、アスベ
ストにセメントを加えたもの(商品名:アスベス
トヘミツト)、セラミツクス、断熱樹脂等シール
部材70,72よりも熱伝導率の低い材料によつ
て形成されている。シール部材70に固定される
断熱材74は第2図および第4図に示すように小
判形の板状を成し、シール部材70、断熱材74
のいずれかと同じ材料製のボルト84によつてシ
ール部材70に固定されている。また、シール部
材72に固定される断熱材76は第2図および第
7図に示すように段付状を成し、長手方向の両側
に延び出すフランジ部において前記ボルト84と
同様のボルト86によつてシール部材72に固定
されている。この断熱材76のシール部材72に
密着する側の端面には、前記長穴82に連続する
有底の長穴88および長穴88の底面に開口する
円形断面の有底穴90が形成されている。長穴8
8の底面には有底穴90を塞ぐプレート92が固
定されており、プレート92には、有底穴90の
直径に等しい流さで開口する長穴94が長穴88
の長手方向に沿つて形成されている。
上記上マスク部材66は、中空のロツド100
に軸方向に相対移動可能に取り付けられており、
ロツド100の上端部には大径の被操作部102
および被保持部104が形成されている。被操作
部102は円筒106の両端開口に円板108,
110がそれぞれ溶接により固定されて成るもの
であり、それら円板108,110がロツド10
0に溶接されることにより固定されている。ま
た、被保持部104は大径部112と小径部11
4とから成り、小径部114を軸方向に貫通して
大径部112に至る有底穴116にロツド100
の上端が嵌合されるとともに溶接により固定され
ている。大径部102の軸方向の中間部には直径
方向に隔たつた位置にそれぞれ有底の位置決め穴
118が形成されており、また、それら位置決め
穴118よりも上側であつて位置決め穴118と
は90度位相を異にする位置にそれぞれ係合穴12
0が形成されている。大径部112にはさらにそ
の上面に開口する逆円錐形の凹部122が形成さ
れており、その上面および下面は共にテーパ面と
されている。
ロツド100の被操作部102の下側の部分に
は円筒部材124が溶接により固定されており、
円筒部材124の外側にはスプリングリテーナ1
26の円筒部128が軸方向に摺動可能に嵌合さ
れている。ロツド100および円筒部材124に
は、その直径方向に隔たつた位置に両者を貫通し
て軸方向に延びる長穴130がそれぞれ形成され
ており、ロツド100とスプリングリテーナ12
6とは、この長穴130に挿通されたピン132
の両端部が円筒部128に支持されることによ
り、相対回転は不能であるが軸方向へは一定距離
相対移動可能とされている。なお、ピン132
は、円筒部128の外周面に嵌め込まれたリング
状のカバー134によつて抜出しを阻止されてい
る。
上記円筒部128の下部には、第4図から明ら
かなように、前記被保持部104の2個の位置決
め穴118が形成された方向と同方向であつて、
直径方向に隔たつた位置からそれぞれ外向きに延
び出す2個の耳片136が形成されており、前記
上マスク部材66は板状の操作部材138を間に
挟んで耳片136に固定されている。上マスク部
材66はその長手方向が2個の耳片136が形成
された方向に延びる姿勢で固定されており、耳片
136と前記被操作部102の円板110との間
に配設された圧縮コイルスプリング142によつ
て下方に付勢されている。上マスク部材66はピ
ン132が長穴130を移動する範囲内において
ロツド100に対して相対移動可能とされてお
り、また、操作部材138には、第4図に示すよ
うに、上マスク部材66の長手方向とは直角な方
向においてそれぞれ外向きに延び出す2個のつば
140が形成されている。
さらに、前記ロツド100の下端部には、係合
部材144が固定されている。係合部材144
は、有底円筒状の嵌合部146においてロツド1
00の下端に嵌合されて溶接により固定されてお
り、嵌合部146の下側には、第8図に示すよう
に、小径の脚部148および板状の突起150が
形成されている。突起150は前記プレート92
に形成された長穴94の長手方向の長さより短
く、前記長穴82および有底穴90に挿入可能な
大きさを有するものとされており、係合部材14
4は突起150が上マスク部材66の長手方向と
は直角な方向に延びる状態となるようにロツド1
00に固定されている。
なお、上記ロツド100、スプリングリテーナ
126、操作部材138、スプリング142等は
シール部材70,72と同様に黄銅、銅、ステン
レス鋼等誘導加熱され難い材料で製作されてお
り、さらにシール部材70,72、断熱材74,
76、両者を固定するボルト84,86を始めと
してロツド100等マスキング治具64の構成部
材には、テフロンの商品名で知られるポリテトラ
フルオルエチレン(4フツ化エチレン樹脂)がコ
ーテイングされてアフロン粉末Pが融着しないよ
うにされている。
そして、ロータ10にアフロン粉末Pをコーテ
イングするに当たつて、まず、ロータ10に下地
処理を施し、その表面を樹脂コーテイングに適し
たものとした後、ロータ10を温風あるいは遠赤
外線による恒温炉に入れ、60℃になるまで加熱す
る。この加熱温度は60℃より高くてもよいのであ
るが、そうするとこの加熱後に恒温炉からロータ
10を取り出してマスキング治具64を取り付け
る際、熱くて作業し難いため、60℃以下としてお
くのが良いのである。また、予加熱温度があまり
室温より高いとマスキング治具取付け時における
温度低下が大きくなり、次の加熱開始時における
温度のばらつきも大きくなるため、この点からも
予加熱温度を60℃にすることが望ましい。
マスキング治具64をロータ10に取り付ける
場合には、まず、被操作部102を持ち、操作部
材138のつば140に指をかけて圧縮コイルス
プリング142を圧縮しつつ上マスク部材66を
被操作部102側へ移動させ、その状態でロツド
100を回転軸挿通孔12に挿入するとともに、
シール部材70の位置決め突起78を重量軽減孔
14内に嵌め込み、シール部材70を端面16に
当接させる。この状態においてはロツド100の
下端部に固定された係合部材144がロータ10
の下面から突出した状態となる。続いて下マスク
部材68を持ち、プレート92に形成された長穴
94と係合部材144の突起150との位相を合
わせて有底穴90内に突起150を挿入する。こ
の際、突起150は上マスク部材66の長手方向
に直角となるように設けられているため、突起1
50を有底穴90に挿入した状態では、長穴94
がその長手方向に沿つて形成されている下マスク
部材68は上マスク部材66に対して90度位相を
異にする姿勢にあることとなる。そして、この状
態から下マスク部材68を90度回転させれば、位
置決め突起78が回転軸挿通孔14の開口に嵌入
可能な状態となるとともに、突起150と長穴9
4との位相が90度ずれて突起150がプレート9
2に係合可能な姿勢となり、つば140にかけて
いた指を離せば、圧縮コイルスプリング142が
伸長し、その付勢力によつてシール部材70がロ
ータ10の端面16に密着させられるとともにロ
ツド100の上昇により突起150がプレート9
2に係合し、その係合によつてシール部材72に
もスプリング142の付勢力が伝達されて、シー
ル部材72は位置決め突起78が重量軽減孔14
に嵌合させられるとともに端面18に密着させら
れることとなる。
以上のようにしてマスキング治具64が取り付
けられる際、恒温炉から取り出されたロータ10
は、大気に触れるとともに室温であるマスキング
治具64に触れることによりある程度温度が下が
ることを避け得ない。しかし、マスキング治具6
4の取付けは、ロツド100の回転軸挿通孔12
への挿入、上マスク部材66のロータ10への嵌
め込み、下マスク部材68の回転という簡単な操
作によつて行うことができるため時間はかからな
い上、マスキング治具64は、上マスク部材66
および下マスク部材68のシール部材70,72
ができる限り薄いものとされ、熱容量が小さくさ
れるとともにロータ10への接触面積ができる限
り小さくされており、しかも断熱材74,76を
介してロツド100に取り付けられているため、
ロータ10から両マスク部材66,68への熱の
移動が少なくて済み、恒温炉から取り出された後
のロータ10の温度低下は極めて小さくて済む。
そして、以上のようにしてマスキング治具64
が取り付けられたロータ10は、図示しない搬送
装置によつてコーテイング装置まで搬送される。
搬送装置はマスキング治具64を保持してロータ
10を搬送するのであり、被保持部104に形成
された係合穴120に搬送装置に設けられた保持
治具の爪が係合させられる。
搬送装置によつて保持されたマスキング治具6
4は、被保持部104が保持具42に対向する位
置まで搬送された後、被保持部104の大径部1
02が前記保持具42の基端部50と板状部54
との間に、小径部104が切欠60にそれぞれ嵌
入させられる。この際、大径部102はそのテー
パ面によつて係合部材62をスプリングの付勢力
に抗して基端部50内に押し込みつつ嵌入させら
れるのであり、係合部材62が凹部122にちよ
うど嵌入した状態において位置決め突起56が位
置決め穴118に嵌入し、被保持部104は保持
具42によつて回転不能に保持されることとな
る。このようにして保持されたとき、上マスク部
材66はその長手方向が2個の位置決め穴118
の形成された方向と同方向となるようにスプリン
グリテーナ126に固定され、また、保持具42
に設けられた位置決め突起56もロータ10と相
似形のコイル28,34の横断面形状の長手方向
と同方向に形成されているため、ロータ10はそ
の位相がコイル28,34の位相と合致する状態
で流動槽20上に位置することとなる。
そして、ロータ10は流動槽20に収容された
アフロン粉末P内への没入に先立つて、まず上コ
イル28内に位置させられ、その上コイル28で
アフロン粉末Pの融点以上の温度に誘導加熱され
る。この工程が一次加熱工程である。アフロン粉
末Pの融点は260℃であり、また熱分解点は360℃
であるため、上コイル28によるロータ10の加
熱温度は少なくとも260℃以上とされるが、アフ
ロン粉末Pのコーテイング品質やコーテイング能
率の点からすると、熱分解点を超えない範囲で高
い方が望ましく、例えば300〜340℃位、特に340
℃程度が好ましい。ただし、ロータ10のアフロ
ン粉末P内への没入時にある程度熱が逃げるた
め、360℃程度まで加熱してもよい。この上コイ
ル28による一次加熱工程を始め、本コーテイン
グ工程における工程は第10図に示すようにすべ
て時間によつて管理されるのであり、一次加熱工
程は一定の電流を一定の時間通電することにより
行われる。したがつて、誘導加熱開始時における
ロータ10の温度にばらつきがあれば、そのばら
つきの分だけ誘導加熱後のロータ10の温度にば
らつきが生じ、一次加熱工程後の流動層20内へ
の埋没によつて融着するアフロン粉末Pの厚さに
誤差が生ずることとなる。しかし、本実施例にお
いてはロータ10は予め加熱されることにより室
温とは関係なくほぼ一定の温度とされているた
め、誘導加熱後のロータ10の温度もほぼ一定と
なり、融着するアフロン粉末Pの厚さに誤差が生
ずることが少ない上、ロータ10を予加熱しない
場合に比較して加熱時間が短くて済む。例えば、
上コイル28に3KHzの高周波電流を通電する場
合、ロータ10の表層部だけでなく、ある程度内
部までほぼ均一に360℃まで加熱されるのに、ロ
ータ10を予加熱せず、室温である場合には約
120秒かかつていたのに対し、60℃に予加熱して
おけば約105秒で済むのである。
このように上コイル28によつて加熱されたロ
ータ10は、次いで油圧シリンダ38の作動によ
り下降させられて、流動槽20に収容されている
アフロン粉末P内へ没入させられる。この没入の
過程では、前記加振機22の作動により流動槽2
0を介してアフロン粉末Pが振動させられ、か
つ、空気供給口24から圧縮空気が供給されて前
記空気フイルタ26を通してアフロン粉末P内を
上昇させられることにより、アフロン粉末Pが流
動状態とされる。また、下コイル34のコイル電
源36はOFF状態に保たれ、上記のように流動
状態とされているアフロン粉末P内にロータ10
がが没入させられる。
この没入の過程においては、すでにアフロンの
融点以上の温度に加熱されているロータ10の下
地面と流動槽20内のアフロン粉末Pとが相対移
動しつつ接触する。したがつて、アフロン粉末P
が下地面に瞬間的に融着し、この第1段階でロー
タ10の表面に薄い樹脂膜が満遍なく形成され
る。ロータ10とアフロン粉末Pとの静止状態に
おいて融着が行われる場合には、一旦空隙が生ず
るとその空隙はロータ表面上の一定の位置に留ま
るため、その空隙の空気がそのまま樹脂層内に閉
じ込められ易いのに対して、両者が相対移動して
いる場合には空隙がロータ素材表面上を移動する
こととなるため、特定の部分へのアフロン粉末P
の融着が妨げられることはないのである。
そして、ロータ10は、没入が開始されてから
例えば20〜30秒程度でアフロン粉末P内に完全に
埋め込まれ、下コイル34内に位置させられた状
態となる。この状態となれば、加振機22による
振動や空気供給口24からの圧縮空気の供給が停
止され、アフロン粉末Pは非流動状態となる。こ
のようにされるのは、ロータ10の没入後、更に
アフロン粉末Pの融着が進行するのであるが、ア
フロン粉末Pが流動状態に保たれていると、ロー
タ10とアフロン粉末Pとの境界に空気の通り道
となる部分が生じて、その部分にアフロン粉末P
が融着しにくくなるからである。
このように、ロータ10の没入が完了し、かつ
アフロン粉末Pが非流動状態とされた後、ロータ
10はそのアフロン粉末P内で一定時間例えば60
秒程度そのまま保持され、この保持の過程でロー
タ10の表面に更に多くのアフロン粉末Pが融着
して樹脂層の厚さが徐々に増大する。この過程
で、ロータ10の熱がアフロン粉末P側へ逃げる
ため、第10図から明らかなように、ロータ10
の温度が徐々に低下していく。そこで、ロータ1
0がある温度、例えば300℃程度まで下がつたと
きコイル電源36がONとされ、下コイル34に
例えば3KHz程度の高周波電流が流されてロータ
10が再加熱される。この工程が二次加熱工程で
あり、この再加熱は、例えば40秒程度続けられ、
ロータ10が例えば320℃程度まで昇温させられ
た後、下コイル34への通電が止められる。
そして、このような再加熱の後、ロータ10は
更にアフロン粉末P内において一定時間、例えば
60秒前後そのままの状態で保持され、上記再加熱
過程およびこの保持過程で、ロータ10へのアフ
ロン粉末Pの融着による樹脂層は更に厚いものと
なる。この例の場合、再加熱時間とその前後の保
持時間を合わせて約2〜3分程度で、ほぼ1.2mm
程度の樹脂層厚さが得られるが、一般的には目的
とする樹脂層厚さが得られるように保持時間や再
加熱時間が設定されることとなる。なお、再加熱
の後、アフロン粉末内に一定時間保持されるの
は、ロータ10に与えられた熱をコーテイングに
できる限り有効に利用するためであり、熱効率よ
りサイクルタイムの短縮が望まれるような場合に
は再加熱の終了後直ちにロータ10を取り出すこ
とも可能である。
このように再加熱および保持も一定の大きさの
電流で一定の時間行われるのであるが、ロータ1
0は、一次加熱後の温度がほぼ一定となるように
されているため、この再加熱工程開始時および再
加熱後の温度もほぼ一定となり、この加熱によつ
て融着する樹脂の厚さにも誤差が生ずることが少
なくなつてロータ表面にはほぼ一定の厚さの樹脂
層が形成されることとなる。
上記のようにアフロン粉末P内で所望厚さの樹
脂コーテイングが行われたロータ10は第1図に
示す油圧シリンダ38の作動により上昇させられ
て、アフロン粉末P内から取り出されるが、この
取出しの過程でも没入時と同様に加振機22の振
動および圧縮空気の供給によりアフロン粉末Pが
流動状態とされてロータ10は容易に取り出され
る。そして、この取出し後、ロータ10は前記搬
送装置によつてマスキング治具64から保持具4
2ごと取り外された上、装着時とは逆の操作によ
つてマスキング治具64がロータ10から取り外
される。
なお、上記実施例においてはロータ10を恒温
炉にて加熱してからマスキング治具64を取り付
けるようにしていたが、マスキング治具64を取
り付けてから加熱するようにしてもよい。
また、上コイル28を省略し、ロータ10の流
動槽20内への没入後に下コイル34によつて加
熱してアフロン粉末Pを融着させることも可能で
あり、この場合にもロータ10の温度が恒温炉に
おける予加熱によつてほぼ一定とされていること
により、形成される樹脂層の厚さに誤差が生ずる
ことが少なくなる効果が得られる。
さらに、本発明は前述のようなアルミニウム合
金製のロータ10に限らず、鋼やその他の金属製
のロータに対しても適用可能であつて、アルミニ
ウム製のロータの場合には、熱容量が小さく、ア
フロン粉末中で冷え易いため、前述のような再加
熱を行うことが望ましいが、鋼製等のものの場合
には、熱容量が大きく冷え難いから、その場合に
は再加熱は必ずしも必要ではなくなる。また、コ
ーテイングすべき樹脂層の厚さが比較的薄い場合
も同様である。
また、先の説明では所謂アフロン粉末を例にと
つたが、アフロン粉末に限られるものではなく、
他の各種合成樹脂粉末をコーテイングする場合に
も本発明は適用できる他、コーテイング対象であ
る金属部材としても、前述のようなまゆ形ロータ
に限らず、他のルーツ形ロータ、さらにはルーツ
形ロータ以外の金属部材であつても同様に適用す
ることが可能である。
その他、いちいち説明はしないが、当業者の知
識に基づき種々の改良、変更等を施した態様で本
発明を実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に好適に用いられる
装置と、それによる加熱工程とを示す断面図であ
る。第2図はそのコーテイング工程において樹脂
層が形成されるロータにマスキング治具が取り付
けられた状態を示す正面断面図である。第3図は
同マスキング治具の下マスク部材をロータとの関
係において示す平面図であり、第4図は同治具の
操作部材と共にスプリングリテーナに固定された
上マスク部材を示す平面図である。第5図は上記
上マスク部材を構成するシール部材の底面図であ
り、第6図はその側面断面図である。第7図は上
記下マスク部材の底面図である。第8図は同治具
のロツドに形成された突起と下マスク部材に固定
されたプレートとが係合させられた状態を示す正
面断面図である。第9図は上記ロータの斜視図で
ある。第10図は上記コーテイング工程を時間と
温度との関係において示すグラフである。 10:ロータ(金属部材)、12:回転軸挿通
孔、14:重量軽減孔、20:流動槽、28:上
コイル、34:下コイル、64:マスキング治
具、P:アフロン粉末(合成樹脂粉末)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属部材の表面に合成樹脂粉末をコーテイン
    グする方法であつて、 前記金属部材を室温より高く前記合成樹脂粉末
    の融点より低い範囲内で予め定められた温度に加
    熱する予加熱工程と、 その予加熱された金属部材を前記合成樹脂粉末
    内に没入させるとともにその金属部材を予め定め
    られた電流で予め定められた時間誘導加熱して合
    成樹脂粉末の融点以上の温度まで昇温し、合成樹
    脂粉末を金属部材表面に融着させるコーテイング
    工程と を含むことを特徴とする金属部材の合成樹脂粉末
    コーテイング方法。 2 前記コーテイング工程が前記予加熱行程で予
    加熱された金属部材の前記合成樹脂粉末内への没
    入に先立つて予め定められた電流で予め定められ
    た時間誘導加熱して金属部材を合成樹脂粉末の融
    点以上の温度に加熱する一次加熱工程と没入後に
    予め定められた電流で予め定められた時間誘導加
    熱して融点以上の温度に再加熱する二次加熱工程
    とを含むものである特許請求の範囲第1項記載の
    コーテイング方法。 3 前記予加熱温度が60℃以下の温度である特許
    請求の範囲第1項または第2項記載のコーテイン
    グ方法。 4 前記予加熱が恒温炉において行われる特許請
    求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の
    コーテイング方法。 5 前記金属部材がルーツ型流体送給機のロータ
    素材であり、前記合成樹脂粉末がテトラフルオル
    エチレンとエチレンとの共重合体である合成樹脂
    の粉末である特許請求の範囲第1項ないし第4項
    のいずれかに記載のコーテイング方法。
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DE102012101649A1 (de) 2012-02-29 2013-08-29 Thyssenkrupp Rothe Erde Gmbh Verfahren zur Herstellung eines Wälzlagerkäfigs, insbesondere für Großwälzlager sowie Vorrichtung zur Durchführung des Verfahrens
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