JP3556053B2 - フランジ付金属管の製造方法 - Google Patents

フランジ付金属管の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、管端にフランジを取り付けたフランジ付金属管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鋼管の端部にフランジを取り付けたフランジ付鋼管が広く使用されている。このフランジ付鋼管を製造する一つの方法として、図9に示すように、フランジ1に形成している管挿入穴2内に鋼管3の端部を挿入し、溶接4を行って鋼管3にフランジ1を固定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鋼管に対するフランジの溶接接合は手作業で行われており、作業性が悪いという問題があった。また、溶接接合部の強度は溶接作業に大きく影響されるため、溶接接合する際には熟練者が注意深く作業をしなければならず、この点からも作業性が悪く、しかも熟練者を必要とするという問題となっていた。
【0004】
本発明は、かかる問題点に鑑みて為されたもので、鋼管等の金属管の端部にフランジを、一定の品質で容易に接合することを可能とするフランジ付金属管の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フランジ付金属管の製造に際し、上記した溶接接合の問題点を解決するため、フランジの管挿入穴に金属管を挿入し、金属管の外周面とフランジの管挿入穴の内周面とを液相拡散接合によって接合するように構成したものである。この液相拡散接合はインサート材を接合すべき母材(金属管の外周面とフランジの管挿入穴の内周面)に拡散させて接合するため、接合が面で行われると共に、接合部での組織が均一となって接合の界面が実質上無くなり、強度の大きい接合部を形成でき、しかもその品質は接合部の温度と圧力で管理できるので、容易に一定品質の接合部を得られる。かくして、本発明では、金属管の端部にフランジを、熟練を要することなく、強固に且つ一定品質で接合することができる。また、接合に要する温度は、インサート材の融点より少し高ければよく、接合すべき金属管やフランジ等の母材の融点よりもかなり低い温度でよいので、接合のための昇温によって付近の母材が高温となり、その熱履歴によって物性(特に耐衝撃性、靱性等)が低下するということが少ない。このため、本発明によって製造したフランジ付金属管は、接合強度が大きく、品質が安定しており、且つその接合部の隣接領域にも物性の低下が少ない等の特性を備えている。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のフランジ付金属管の製造方法は、金属管の端部に取り付けるべきフランジに、金属管の端部を、液相拡散接合用のインサート材を介在させた状態で挿入させうる大きさの管挿入穴を形成しておき、そのフランジの管挿入穴内に金属管の端部を、両者の間に液相拡散接合用のインサート材を介在させた状態で挿入し、且つその挿入動作の前後に前記インサート材及びそのインサート材によって接合すべき部分の温度を前記インサート材の融点以上とし、更に、前記金属管の端部の少なくとも外周面を半径方向外方に変形させて前記インサート材を介して前記フランジの内周面に接触させると共に接触状態に保持し、液相拡散接合を行うことによって前記金属管にフランジを取り付けることを特徴とするものである。
【0007】
本発明で使用する金属管としては、通常、鋼管が使用され、またその鋼管に取り付けるフランジとしても鋼材が使用されるが、その他の金属材料を用いてもよい。インサート材は液相拡散接合に使用しうるものであれば任意であり、接合すべき材料が鋼の場合には、通常アモルファス金属箔が使用される。インサート材及びそのインサート材によって接合すべき部分をインサート材の融点以上に加熱する操作は、金属管をフランジの挿入穴内に挿入する前後のいずれに行ってもよいし、両方で行ってもよい。加熱手段としては、敏速且つ局部的な加熱が可能な誘導加熱を利用することが好ましい。加熱及び液相拡散接合は、接合面の酸化を防止するため不活性雰囲気中で行うことが好ましい。
【0008】
前記金属管の端部の少なくとも外周面を半径方向外方に変形させる方法としては、金属管の端部に管軸方向の圧縮力を作用させて増肉させる方法、金属管の端部を拡径させる方法、金属管の管端を増肉させると共に拡径させる方法等を挙げることができる。ここで、金属管の端部に管軸方向の圧縮力を作用させて増肉させる方法を採用した場合、金属管の端部の内面をフリーな状態としておくと、増肉が内面側にも生じ、内径が縮小する恐れがある。そこで、この縮径を避けるため、管内に内面規制用の型具を挿入しておき、内面位置を規制しておくことが好ましい。金属管の端部を拡径させる方法は、特に限定されるものではないが、管内に挿入することによって管を拡径する拡径用の型具を用いることが好ましい。この場合、金属管の管端をフランジの管挿入穴内の所定位置に挿入した後、管端に型具を挿入して拡径してもよいし、型具をあらかじめフランジの管挿入穴内の所定位置に位置させておき、その状態で金属管をフランジの管挿入穴内に挿入しながら型具に嵌合させ、拡径する方法を採用してもよい。
【0009】
本発明では上記したように、フランジの管挿入穴の内周面にインサート材を介して金属管の外周面を接触させ、昇温させることで液相拡散接合を行っている。この際のフランジの管挿入穴内周面と金属管外周面との接触面圧は、両者を密着状態に保つことができるものであれば、あまり高くする必要はなく、通常、10〜50N/mm程度に選定される。この接触面圧は、金属管に管軸方向に加える圧縮力或いは、拡径させるために金属管内に挿入される型具の外径によって設定することができ、具体的には実験や計算によって設定することができる。また、このような低い接触面圧で液相拡散接合を行っている途中において、短時間だけ接触面圧を大きくして接合面を加圧することも可能である。このような加圧を行うと、接合面に機械的な絡み合いのような状態が生じて接合強度を増すことができ、また、万一、接合面に酸化膜が生じたとしても接合面がもまれることで酸化膜が破れ、金属同志が接触して真の金属同志の接合が得られ、この点からも接合強度が大きくなる。ただし、この加圧が大きすぎたり、加圧時間が長くなると、金属管やフランジに好ましくない変形を生じることがある。これらを勘案すると、加圧を行う際の接触面圧としては、50〜500N/mm程度に、好ましくは、80〜200N/mm程度に選定され、また、その加圧時間は2〜10秒程度に選定される。
【0010】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
図1は本発明方法に用いる装置を示す概略断面図であり、11は金属管、12はその金属管に取り付けるべきフランジである。このフランジ12には、中心に金属管11を挿入するための管挿入穴13を設けている。この管挿入穴13の内径は、その管挿入穴13内に金属管11の端部を、両者の間にインサート材を介在させた状態で挿入させうる大きさに、例えば、管挿入穴13の内面にインサート材14を取り付け、その中に金属管11の端部を挿入させた時、金属管11の外周面と管挿入穴13との内周面(厳密にはインサート材の内周面)との間に隙間が生じるように定められている。この隙間は、管挿入穴13内に金属管11を容易に且つ両者の間に介在しているインサート材14を剥がしたり、傷つけたりすることなく挿入することができるように設けるものであり、通常、0.5mm程度以上とすることが好ましい。また、この隙間は金属管11の挿入を容易にするためのみならず、金属管11のフランジ12に対する接合部に生じさせる増肉量を規制するためのものでもあり、従って、金属管11に生じさせたい増肉量を考慮して定めることとなる。なお、金属管11に生じさせる増肉率としては、元厚の60%程度を上限としており(これより大きく増肉させても増肉の意味がない)、この増肉率の上限から前記した隙間の上限が定められる。
【0011】
16は金型であり、フランジ12を載せることのできる凹部16aと、その凹部16aの中心に円錐状に突出するように形成された凸部16bを備えている。この凸部16bは金属管11の端部を増肉させる際に内面を規制する型具として機能するものであり、その上端は、金属管11の内径より若干小さいが、下端は金属管11の内径より若干大きく定められている。なお、凹部16aの底面には、上面に凹凸を設け更に表面にアルミナセラミックを溶射して断熱効果を高めたフランジ受けテーブル17が設けられ、その上に支持するフランジ12を断熱するようになっている。また、金型16の周囲の、凹部16aを取り囲む位置には調整ボルト21が取り付けられ、フランジ受けテーブル17上に載せられたフランジ12の位置を微調整するようになっている。18は凸部16bの上方に位置するように且つ金属管11の下端を加熱するように設けられた誘導加熱コイル、19は誘導加熱コイル18のための電源装置、20はフランジ12の上方で且つ金属管11の外周面の近傍に配置された、フランジの内周部及び金属管の下端を加熱するための誘導加熱コイルである。なお、誘導加熱コイル20の電源装置は図示を省略している。22はガスチャンバーであり、その内部に不活性ガスを供給するようになっている。
【0012】
次に、図1に示す装置を用いて金属管11にフランジ12を接合する動作を説明する。まず、図3(a)に示すように、金属管11とそれに取り付けるべきフランジ12を用意し、金属管11の端部の外周面11aと、フランジ12の管挿入穴13の内周面を、拡散液相接合に要求される表面精度に仕上げを行い、且つ清浄にしておく。次に、フランジ12の管挿入穴13の内面に液相拡散接合用のインサート材14を取り付ける。このインサート材14は箔状のものを貼り付けて取り付けてもよいし、溶射によって取り付けてもよい。
【0013】
次に、この金属管11とフランジ12とを、図1に示すようにセットする。すなわち、フランジ12を金型16の凹部16aに載せ、調整ボルト21で位置調整を行い、金属管11を図示しない保持装置によって垂直に吊り下げ、その下端がフランジ12の管挿入穴13にわずかに挿入された状態に保持し、その内外に誘導加熱コイル18、20をセットする。次いで、その金型16の上面をガスチャンバー22で覆い、不活性ガス供給装置(図示せず)からガスチャッバー22内に不活性ガスを送り込む。この状態で誘導加熱コイル18、20に交流を通電することによって、金属管11の下端及びフランジ12の管挿入穴13の内壁部分を加熱し、少なくともインサート材14及びそれによって接合すべき部分をインサート材14の融点以上の所望温度とする。なお、この実施例では後述するように、金属管11の下端を増肉させるので、液相拡散接合に望ましい温度よりも高く加熱しておくことが好ましい。更に具体的には、金属管11が鋼管であり、インサート材14がアモルファス材であるとすると、液相拡散接合には900〜1100°C程度の温度が好ましいが、金属管11の下端を増肉させやすくするため、それよりも少し高い、1200〜1250°C程度とすることが好ましい。
【0014】
次に、図2に示すように、図示しないプレス機構等によって金属管11を下方に押し、金属管11の下端をフランジ12の管挿入穴13内に挿入し、且つその後も管軸方向に一定の圧縮力Pを加え、管挿入穴13内に挿入された管端を塑性変形させる。これにより、金属管11の下端は、内面が金型16の凸部16bによって所定の形状に賦形されると共に外面が増肉して、インサート材14を介してフランジ12の管挿入穴13の内周面に押し付けられる。そして、金属管11の外周面が管挿入穴13の内周面に押し付けられた後は、その押付圧があまり大きくならないように、また、金属管11の管挿入穴13内面に押し付けられた部分以外が塑性変形しないように、金属管11に加えていた圧縮力Pを小さくし、金属管11の外周面と管挿入穴13の内周面との接触状態を保持した状態で、その接触面の温度をインサート材14の融点以上の、液相拡散接合に望ましい一定温度に保持する。これにより、インサート材14が溶融し、それに接した金属管11とフランジ12に液相拡散してゆき、金属管11の外周面とフランジ12の内周面とが液相拡散接合される。
【0015】
所定時間、金属管11とフランジ12の接合部を一定温度に保持した後、加熱を停止し、放冷などによって適当に冷却した後、金型16から金属管11及びこれに接合されたフランジ12を取り外す。かくして、図3(b)に示すように、金属管11の端部外周にフランジ12を、液相拡散接合により接合したフランジ付金属管が製造される。得られたフランジ付金属管では、金属管11とフランジ12との接触面全体が液相拡散接合により接合されているので、接合強度が大きく、且つ金属管11の接合部分が増肉して補強されている。また、管端内面には小さなテーパ面30が形成され、管内面ライニング等に好適な形状となっている。
【0016】
上記した金属管11のフランジ12に対する接合時において、金属管11に圧縮力Pを加えて、下端の加熱した部分を増肉させ、フランジ12の管挿入穴13内面に接触させた後、その圧縮力Pを低下させるが、この圧縮力Pを低下させるタイミングは、金属管11の下端の増肉状態を目視判断して決定すればよいし、また、あらかじめ金属管11の下端の増肉速度を実験や計算によって求めておき、必要な増肉量に基づいて決定してもよい。
【0017】
なお、上記実施例では、金属管11に圧縮力Pを加えて、下端の加熱した部分を増肉させ、フランジ12の管挿入穴13内面に接触させた後は、その圧縮力Pを低い一定の値としているが、その圧縮力Pを液相拡散接合途中の所望のタイミングで一時的に増大させ、接合面に大きい接触圧を作用させることも可能である。このようにすると、接合面に機械的な絡み合いのような状態が生じて接合強度を増すことができ、また、万一、接合面に酸化膜が生じたとしても接合面がもまれることで酸化膜が破れ、金属同志が接触して真の金属同志の接合が得られ、この点からも接合強度が大きくなるという利点が得られる。ただし、この圧縮力が大きすぎたり、加圧時間が長くなると、金属管やフランジに好ましくない変形を生じるので、これらを考慮して圧縮力の大きさや加圧時間を設定すればよい。
【0018】
上記した実施例では、金属管11の下端内に型具として機能する凸部16bを挿入して下端内面を規制し、テーパ25を形成しているが、このようなテーパ25を必要としない時には、凸部16bを省略し、金属管11の内面をフリーな状態として上記した接合動作を行ってもよい。更に、金型16の形状(主として凸部16bの形状)や、金属管11とフランジ12との間隙を種々変えることも可能である。以下、その例を、図4〜図6に示す。なお、図4〜図6において、(a)は金属管11と金型16にセットしたフランジ12との一部分を、金属管11をフランジ12に挿入する直前の状態で示す概略断面図、(b)は金属管11と金型16にセットしたフランジ12との一部分を、金属管11をフランジ12に接合している状態で示す概略断面図、(c)は接合して得られたフランジ付金属管の一部分の概略断面図である。
【0019】
図4は、金属管11の外周面とフランジ12の管挿入穴13の内周面との間隙を大きくして、金属管11の下端の増肉量を大きく(元厚の約50%程度に)した場合の例である。この場合には増肉を大きくする関係上、内面側にも大きい増肉が生じる恐れがあり、それを抑制するため、金型16に設けた凸部16dを長くし、その凸部16dには、金属管内面にテーパ面25を形成するための斜面16daと、金属管11の内面を規制する円筒面16dbを形成している。
【0020】
図5は、金属管11の下端内面にテーパ面を形成しない場合である。この場合には、金型16に設けている凸部16eは下端まで円筒状となっている。
【0021】
図6は、金属管11の下端をフランジ12の下面よりも少し浮かせた状態で接合した場合の例である。この場合には、金型16の上面に、金属管11内に挿入される凸部16fの外周に環状の台座16gを形成している。
【0022】
上記した実施例はいずれも、フランジ12を保持する金型16に、金属管11内に挿入される型具として機能させるべく凸部16b、16c、16d、16e等を一体に形成しており、金属管11をフランジ12の管挿入穴13内に挿入すると同時に、その金属管11内に凸部16b等が挿入されている。しかしながら、本発明はこの構成に限らず、金属管11内に挿入する型具を金型16とは別に設けることも可能である。図7、図8はその場合の実施例を示すものである。この実施例では、金型16の中央に、金型16に対して昇降する型具30が設けられている。また、その型具30は先端のテーパ面30aとそれに続く円筒面30bを有しており、その円筒面30bの外周面とフランジ12に形成した管挿入穴13の内周面との間隔は、金属管11の肉厚とほぼ同じに設定されている。
【0023】
次に、図7、図8の装置を用いた動作を説明する。まず、図7に示すように、型具30を下降させた状態で、金属管11がフランジ12の管挿入穴13の所定位置に挿入される。次いで、誘導加熱コイル18、20に通電され、金属管11の下端及びフランジ12の管挿入穴13近傍が所定温度に加熱される。その後、図8に示すように、型具30が上昇して金属管11内に挿入され、金属管11を拡径させる。これにより、金属管11の外周面が管挿入穴13内面に押し付けられ、この状態で液相拡散接合が行われる。なお、この時金属管11を増肉させる必要はないので、金属管11は単に動かないように保持しておればよく、従って管軸方向の圧縮力Pを加える必要はないが、必要に応じ、圧縮力Pを加えて金属管11とフランジ12の接触を確実としてもよい。
【0024】
この方法により、金属管11の下端を増肉することなく拡径してフランジ12に接合することができる。なお、図7、図8に示すように、金型16に対して昇降可能な型具30を用い、金属管11を拡径する場合においても、単にその金属管11を拡径することによって管挿入穴13の内周面に押し付ける場合に限らず、金属管11に管軸方向の圧縮力を加え、増肉させて管挿入穴13の内面に押し付けるようにしてもよい。また、昇降可能な型具30は金属管11の拡径に用いる場合に限らず、増肉時の内面規制用に用いてもよい。すなわち、図1〜図6で説明した金型16に一体に設けている凸部16b、16c、16d、16e等を型具30と同様に、昇降可能な構成としてもよい。また、逆に、図1〜図6の金型16に一体に設けている凸部16b、16c、16d、16e等の寸法を大きくして、管端部の拡径のための型具として機能させる構成としてもよい。なお、この場合には、金属管の端部をフランジの管挿入穴内に挿入している途中で同時に、その端部が凸部16b、16c、16d、16e等に嵌合して拡径されることとなり、従って、金属管の端部をフランジの管挿入穴内に挿入しながら拡径することとなる。
【0025】
次に、本発明方法によって実際にフランジ付金属管を製造した具体例を示す。(1)供試材
金属管11:鋼管 JIS SGP200A(公称外径 216.3mm、厚さ 5.8mm)
フランジ12:JIS 5K差込みフランジ〔公称外径 320mm、内径(管挿入穴径)223mm
厚さ 20mm〕
【0026】
(2)インサート材
アモルファス金属箔
公称組成:Cr5.3%、Si7.3%、B1.4%、残りNi
融点:1040°C
厚さ:38μm
【0027】
(3)接合前の準備
金属管11の端部外周面(下端より30mmの範囲)にグラインダーをかけ
、且つサンドペーパー仕上げし、脱脂洗浄した。
また、フランジ12の管挿入穴13の内面仕上げは▽▽(25S)とし、サンドペーパー仕上げし、脱脂洗浄した。
【0028】
(4)使用装置
図1に示す装置を使用した。ここで使用した金型16に形成している凸部16bは、先端外径200mm、根元の外径210mm、高さ30mmである。また、誘導加熱コイル18は、外径195mm、内径183mm、高さ18mmであり、また、誘導加熱コイル20は、外径284mm、内径236mm、高さ6mmであった。
【0029】
(5)接合方法
フランジ12の管挿入穴13内面にインサート材14を取り付けた後、図1に示すように、そのフランジ12を金型16にセットし、上方から金属管11を下降させ、下端がフランジ12の管挿入穴13内にわすかに挿入された状態に保持し、ガスチャンバー22を取り付けた。次いで、ガスチャンバー22内に窒素ガスを供給して、内部を不活性雰囲気とした後、誘導加熱コイル18、20にそれぞれ通電して(通電条件は共に、周波数約10KHz、電力約40KW)、金属管11の下端及びフランジ12の内周面を加熱し、その最高温度が約1250°Cに達すると、金属管11を管挿入穴13内に押し込み、且つ管軸方向に約100N/mmの圧縮力を作用させて、金属管11の下端の加熱部分を増肉させた。そして、金属管11の下端外周面がフランジ12の管挿入穴13内周面に押し付けられた状態となった後、圧縮力Pを50N/mmに低下させ、金属管11とフランジ12との接合部を約1200〜1300°Cの温度に約3分間保持した。その後、加熱を停止して放冷した。以上の接合動作により、金属管11の端部にフランジ12を接合したフランジ付金属管を製造できた。
【0030】
(6)結果
接合部の断面を切断して観察したところ、フランジの全厚みに渡って金属管11とフランジ12とは一様に接合しており、且つその接合面の境界は見られず、確実に液相拡散した一様な組織となっていた。接合部の引張強度を測定したところ、420N/mmで接合部近傍が破断した。これは母材(金属管11)の引張強度にほぼ匹敵するものであった。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、フランジ付金属管の製造に際し、フランジの管挿入穴に金属管を、両者の間にインサート材を介在させた状態で挿入し、その前後にそのインサート材及びそれによって接合すべき部分の温度を前記インサート材の融点以上とし、更に、前記金属管の端部の少なくとも外周面を半径方向外方に変形させて前記インサート材を介して前記フランジの内周面に接触させると共に接触状態に保持し、液相拡散接合を行う構成としたことにより、管端にフランジを液相拡散接合によって接合することができ、管端に大きい強度で且つ一定品質で接合されたフランジを備えたフランジ付金属管を容易に製造できるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いる装置を、金属管11をフランジ12に接合する直前の状態で示す概略断面図
【図2】図1に示す装置を、金属管11をフランジ12に接合中の状態で示す概略断面図
【図3】(a)は、接合前の金属管とフランジ12を示す概略断面図
(b)は、接合後の金属管とフランジ12を示す概略断面図
【図4】本発明の他の実施例を示すもので、(a)は金属管11と金型16にセットしたフランジ12との一部分を、金属管11をフランジ12に挿入する直前の状態で示す概略断面図、(b)は同じ部分を金属管11をフランジ12に接合している状態で示す概略断面図、(c)は接合して得られたフランジ付金属管の一部分の概略断面図
【図5】本発明の更に他の実施例を示す、図4と同様な概略断面図
【図6】本発明の更に他の実施例を示す、図4と同様な概略断面図
【図7】本発明の更に他の実施例を示すもので、金属管11をフランジ12に接合する直前の状態で示す概略断面図
【図8】図7に示す装置を、金属管11をフランジ12に接合中の状態で示す概略断面図
【図9】従来のフランジ付金属管の概略断面図
【符号の説明】
11 金属管
12 フランジ
13 管挿入穴
14 インサート材
16 金型
16b、16c、16d、16e 凸部
17 フランジ受けテーブル
18、20 誘導加熱コイル
19 電源装置
21 調整ボルト
30 型具

Claims (6)

  1. 端部にフランジを取り付けるべき金属管と、その金属管の端部を、液相拡散接合用のインサート材を介在させた状態で挿入させうる大きさの管挿入穴を備えたフランジを用意し、前記管挿入穴内に前記金属管の端部を、両者の間に液相拡散接合用のインサート材を介在させた状態で挿入し、且つその前後に前記インサート材及びそのインサート材によって接合すべき部分の温度を前記インサート材の融点以上とし、更に、前記金属管の端部の少なくとも外周面を半径方向外方に変形させて前記インサート材を介して前記フランジの内周面に接触させると共に接触状態に保持し、液相拡散接合を行うことによって前記金属管にフランジを取り付けることを特徴とするフランジ付金属管の製造方法。
  2. 請求項1に記載のフランジ付金属管の製造方法において、前記金属管の端部の少なくとも外周面を半径方向外方に変形させて前記インサート材を介して前記フランジの内周面に接触させる工程を、前記金属管の、前記フランジの管挿入穴内に挿入された端部に管軸方向の圧縮力を作用させて増肉させることにより行うことを特徴とするフランジ付金属管の製造方法。
  3. 請求項2に記載のフランジ付金属管の製造方法において、前記金属管の、前記フランジの管挿入穴内に挿入された端部を圧縮増肉させる際、その圧縮増肉される部分の内部に内面規制用の型具を挿入していることを特徴とするフランジ付金属管の製造方法。
  4. 請求項1に記載のフランジ付金属管の製造方法において、前記金属管の端部の少なくとも外周面を半径方向外方に変形させて前記インサート材を介して前記フランジの内周面に接触させる工程を、前記金属管の、前記フランジの管挿入穴内に挿入された端部を拡径させることにより行うことを特徴とするフランジ付金属管の製造方法。
  5. 請求項4に記載のフランジ付金属管の製造方法において、前記金属管の、前記フランジの管挿入穴内に挿入された端部の拡径を、その金属管の端部内に拡径用の型具を挿入して行うことを特徴とするフランジ付金属管の製造方法。
  6. 請求項5に記載のフランジ付金属管の製造方法において、前記金属管の、前記フランジの管挿入穴内に挿入された端部の拡径動作を、該金属管の端部を前記管挿入穴内に挿入しながら行うことを特徴とするフランジ付金属管の製造方法。
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