JPH1015672A - フランジ付金属管の製造方法 - Google Patents

フランジ付金属管の製造方法

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JPH1015672A
JPH1015672A JP8195497A JP19549796A JPH1015672A JP H1015672 A JPH1015672 A JP H1015672A JP 8195497 A JP8195497 A JP 8195497A JP 19549796 A JP19549796 A JP 19549796A JP H1015672 A JPH1015672 A JP H1015672A
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pipe
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metal pipe
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洋一 松原
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Tomoyuki Nakano
倫之 中野
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    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L23/00Flanged joints
    • F16L23/02Flanged joints the flanges being connected by members tensioned axially

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼管等の金属管11の端部にフランジ12を
強固に且つ容易に接合する方法を提供する。 【解決手段】 フランジ12の管挿入穴13の内面に液
相拡散接合用のインサート材14を貼り付け、そのフラ
ンジを金型16に保持させ、そのフランジ12の管挿入
穴13の内周部及び金属管11の下端部を誘導加熱コイ
ル18、20でインサート材14の融点以上に昇温させ
た後、金属管11をフランジ12の管挿入穴13内に挿
入し、且つ管軸方向の圧縮力を付与して増肉させ、その
外周面をインサート材14を介してフランジ12の内周
面に押し付け、液相拡散接合させる。これにより、金属
管11の外周面に液相拡散接合によって強固に接合され
たフランジ12を備えたフランジ付金属管11を製造で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管端にフランジを
取り付けたフランジ付金属管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋼管の端部にフランジを取り
付けたフランジ付鋼管が広く使用されている。このフラ
ンジ付鋼管を製造する一つの方法として、図9に示すよ
うに、フランジ1に形成している管挿入穴2内に鋼管3
の端部を挿入し、溶接4を行って鋼管3にフランジ1を
固定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋼管に
対するフランジの溶接接合は手作業で行われており、作
業性が悪いという問題があった。また、溶接接合部の強
度は溶接作業に大きく影響されるため、溶接接合する際
には熟練者が注意深く作業をしなければならず、この点
からも作業性が悪く、しかも熟練者を必要とするという
問題となっていた。
【0004】本発明は、かかる問題点に鑑みて為された
もので、鋼管等の金属管の端部にフランジを、一定の品
質で容易に接合することを可能とするフランジ付金属管
の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、フランジ付金
属管の製造に際し、上記した溶接接合の問題点を解決す
るため、フランジの管挿入穴に金属管を挿入し、金属管
の外周面とフランジの管挿入穴の内周面とを液相拡散接
合によって接合するように構成したものである。この液
相拡散接合はインサート材を接合すべき母材(金属管の
外周面とフランジの管挿入穴の内周面)に拡散させて接
合するため、接合が面で行われると共に、接合部での組
織が均一となって接合の界面が実質上無くなり、強度の
大きい接合部を形成でき、しかもその品質は接合部の温
度と圧力で管理できるので、容易に一定品質の接合部を
得られる。かくして、本発明では、金属管の端部にフラ
ンジを、熟練を要することなく、強固に且つ一定品質で
接合することができる。また、接合に要する温度は、イ
ンサート材の融点より少し高ければよく、接合すべき金
属管やフランジ等の母材の融点よりもかなり低い温度で
よいので、接合のための昇温によって付近の母材が高温
となり、その熱履歴によって物性(特に耐衝撃性、靱性
等)が低下するということが少ない。このため、本発明
によって製造したフランジ付金属管は、接合強度が大き
く、品質が安定しており、且つその接合部の隣接領域に
も物性の低下が少ない等の特性を備えている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のフランジ付金属管の製造
方法は、金属管の端部に取り付けるべきフランジに、金
属管の端部を、液相拡散接合用のインサート材を介在さ
せた状態で挿入させうる大きさの管挿入穴を形成してお
き、そのフランジの管挿入穴内に金属管の端部を、両者
の間に液相拡散接合用のインサート材を介在させた状態
で挿入し、且つその挿入動作の前後に前記インサート材
及びそのインサート材によって接合すべき部分の温度を
前記インサート材の融点以上とし、更に、前記金属管の
端部の少なくとも外周面を半径方向外方に変形させて前
記インサート材を介して前記フランジの内周面に接触さ
せると共に接触状態に保持し、液相拡散接合を行うこと
によって前記金属管にフランジを取り付けることを特徴
とするものである。
【0007】本発明で使用する金属管としては、通常、
鋼管が使用され、またその鋼管に取り付けるフランジと
しても鋼材が使用されるが、その他の金属材料を用いて
もよい。インサート材は液相拡散接合に使用しうるもの
であれば任意であり、接合すべき材料が鋼の場合には、
通常アモルファス金属箔が使用される。インサート材及
びそのインサート材によって接合すべき部分をインサー
ト材の融点以上に加熱する操作は、金属管をフランジの
挿入穴内に挿入する前後のいずれに行ってもよいし、両
方で行ってもよい。加熱手段としては、敏速且つ局部的
な加熱が可能な誘導加熱を利用することが好ましい。加
熱及び液相拡散接合は、接合面の酸化を防止するため不
活性雰囲気中で行うことが好ましい。
【0008】前記金属管の端部の少なくとも外周面を半
径方向外方に変形させる方法としては、金属管の端部に
管軸方向の圧縮力を作用させて増肉させる方法、金属管
の端部を拡径させる方法、金属管の管端を増肉させると
共に拡径させる方法等を挙げることができる。ここで、
金属管の端部に管軸方向の圧縮力を作用させて増肉させ
る方法を採用した場合、金属管の端部の内面をフリーな
状態としておくと、増肉が内面側にも生じ、内径が縮小
する恐れがある。そこで、この縮径を避けるため、管内
に内面規制用の型具を挿入しておき、内面位置を規制し
ておくことが好ましい。金属管の端部を拡径させる方法
は、特に限定されるものではないが、管内に挿入するこ
とによって管を拡径する拡径用の型具を用いることが好
ましい。この場合、金属管の管端をフランジの管挿入穴
内の所定位置に挿入した後、管端に型具を挿入して拡径
してもよいし、型具をあらかじめフランジの管挿入穴内
の所定位置に位置させておき、その状態で金属管をフラ
ンジの管挿入穴内に挿入しながら型具に嵌合させ、拡径
する方法を採用してもよい。
【0009】本発明では上記したように、フランジの管
挿入穴の内周面にインサート材を介して金属管の外周面
を接触させ、昇温させることで液相拡散接合を行ってい
る。この際のフランジの管挿入穴内周面と金属管外周面
との接触面圧は、両者を密着状態に保つことができるも
のであれば、あまり高くする必要はなく、通常、10〜
50N/mm2 程度に選定される。この接触面圧は、金
属管に管軸方向に加える圧縮力或いは、拡径させるため
に金属管内に挿入される型具の外径によって設定するこ
とができ、具体的には実験や計算によって設定すること
ができる。また、このような低い接触面圧で液相拡散接
合を行っている途中において、短時間だけ接触面圧を大
きくして接合面を加圧することも可能である。このよう
な加圧を行うと、接合面に機械的な絡み合いのような状
態が生じて接合強度を増すことができ、また、万一、接
合面に酸化膜が生じたとしても接合面がもまれることで
酸化膜が破れ、金属同志が接触して真の金属同志の接合
が得られ、この点からも接合強度が大きくなる。ただ
し、この加圧が大きすぎたり、加圧時間が長くなると、
金属管やフランジに好ましくない変形を生じることがあ
る。これらを勘案すると、加圧を行う際の接触面圧とし
ては、50〜500N/mm2 程度に、好ましくは、8
0〜200N/mm2 程度に選定され、また、その加圧
時間は2〜10秒程度に選定される。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を説
明する。図1は本発明方法に用いる装置を示す概略断面
図であり、11は金属管、12はその金属管に取り付け
るべきフランジである。このフランジ12には、中心に
金属管11を挿入するための管挿入穴13を設けてい
る。この管挿入穴13の内径は、その管挿入穴13内に
金属管11の端部を、両者の間にインサート材を介在さ
せた状態で挿入させうる大きさに、例えば、管挿入穴1
3の内面にインサート材14を取り付け、その中に金属
管11の端部を挿入させた時、金属管11の外周面と管
挿入穴13との内周面(厳密にはインサート材の内周
面)との間に隙間が生じるように定められている。この
隙間は、管挿入穴13内に金属管11を容易に且つ両者
の間に介在しているインサート材14を剥がしたり、傷
つけたりすることなく挿入することができるように設け
るものであり、通常、0.5mm程度以上とすることが
好ましい。また、この隙間は金属管11の挿入を容易に
するためのみならず、金属管11のフランジ12に対す
る接合部に生じさせる増肉量を規制するためのものでも
あり、従って、金属管11に生じさせたい増肉量を考慮
して定めることとなる。なお、金属管11に生じさせる
増肉率としては、元厚の60%程度を上限としており
(これより大きく増肉させても増肉の意味がない)、こ
の増肉率の上限から前記した隙間の上限が定められる。
【0011】16は金型であり、フランジ12を載せる
ことのできる凹部16aと、その凹部16aの中心に円
錐状に突出するように形成された凸部16bを備えてい
る。この凸部16bは金属管11の端部を増肉させる際
に内面を規制する型具として機能するものであり、その
上端は、金属管11の内径より若干小さいが、下端は金
属管11の内径より若干大きく定められている。なお、
凹部16aの底面には、上面に凹凸を設け更に表面にア
ルミナセラミックを溶射して断熱効果を高めたフランジ
受けテーブル17が設けられ、その上に支持するフラン
ジ12を断熱するようになっている。また、金型16の
周囲の、凹部16aを取り囲む位置には調整ボルト21
が取り付けられ、フランジ受けテーブル17上に載せら
れたフランジ12の位置を微調整するようになってい
る。18は凸部16bの上方に位置するように且つ金属
管11の下端を加熱するように設けられた誘導加熱コイ
ル、19は誘導加熱コイル18のための電源装置、20
はフランジ12の上方で且つ金属管11の外周面の近傍
に配置された、フランジの内周部及び金属管の下端を加
熱するための誘導加熱コイルである。なお、誘導加熱コ
イル20の電源装置は図示を省略している。22はガス
チャンバーであり、その内部に不活性ガスを供給するよ
うになっている。
【0012】次に、図1に示す装置を用いて金属管11
にフランジ12を接合する動作を説明する。まず、図3
(a)に示すように、金属管11とそれに取り付けるべ
きフランジ12を用意し、金属管11の端部の外周面1
1aと、フランジ12の管挿入穴13の内周面を、拡散
液相接合に要求される表面精度に仕上げを行い、且つ清
浄にしておく。次に、フランジ12の管挿入穴13の内
面に液相拡散接合用のインサート材14を取り付ける。
このインサート材14は箔状のものを貼り付けて取り付
けてもよいし、溶射によって取り付けてもよい。
【0013】次に、この金属管11とフランジ12と
を、図1に示すようにセットする。すなわち、フランジ
12を金型16の凹部16aに載せ、調整ボルト21で
位置調整を行い、金属管11を図示しない保持装置によ
って垂直に吊り下げ、その下端がフランジ12の管挿入
穴13にわずかに挿入された状態に保持し、その内外に
誘導加熱コイル18、20をセットする。次いで、その
金型16の上面をガスチャンバー22で覆い、不活性ガ
ス供給装置(図示せず)からガスチャッバー22内に不
活性ガスを送り込む。この状態で誘導加熱コイル18、
20に交流を通電することによって、金属管11の下端
及びフランジ12の管挿入穴13の内壁部分を加熱し、
少なくともインサート材14及びそれによって接合すべ
き部分をインサート材14の融点以上の所望温度とす
る。なお、この実施例では後述するように、金属管11
の下端を増肉させるので、液相拡散接合に望ましい温度
よりも高く加熱しておくことが好ましい。更に具体的に
は、金属管11が鋼管であり、インサート材14がアモ
ルファス材であるとすると、液相拡散接合には900〜
1100°C程度の温度が好ましいが、金属管11の下
端を増肉させやすくするため、それよりも少し高い、1
200〜1250°C程度とすることが好ましい。
【0014】次に、図2に示すように、図示しないプレ
ス機構等によって金属管11を下方に押し、金属管11
の下端をフランジ12の管挿入穴13内に挿入し、且つ
その後も管軸方向に一定の圧縮力Pを加え、管挿入穴1
3内に挿入された管端を塑性変形させる。これにより、
金属管11の下端は、内面が金型16の凸部16bによ
って所定の形状に賦形されると共に外面が増肉して、イ
ンサート材14を介してフランジ12の管挿入穴13の
内周面に押し付けられる。そして、金属管11の外周面
が管挿入穴13の内周面に押し付けられた後は、その押
付圧があまり大きくならないように、また、金属管11
の管挿入穴13内面に押し付けられた部分以外が塑性変
形しないように、金属管11に加えていた圧縮力Pを小
さくし、金属管11の外周面と管挿入穴13の内周面と
の接触状態を保持した状態で、その接触面の温度をイン
サート材14の融点以上の、液相拡散接合に望ましい一
定温度に保持する。これにより、インサート材14が溶
融し、それに接した金属管11とフランジ12に液相拡
散してゆき、金属管11の外周面とフランジ12の内周
面とが液相拡散接合される。
【0015】所定時間、金属管11とフランジ12の接
合部を一定温度に保持した後、加熱を停止し、放冷など
によって適当に冷却した後、金型16から金属管11及
びこれに接合されたフランジ12を取り外す。かくし
て、図3(b)に示すように、金属管11の端部外周に
フランジ12を、液相拡散接合により接合したフランジ
付金属管が製造される。得られたフランジ付金属管で
は、金属管11とフランジ12との接触面全体が液相拡
散接合により接合されているので、接合強度が大きく、
且つ金属管11の接合部分が増肉して補強されている。
また、管端内面には小さなテーパ面30が形成され、管
内面ライニング等に好適な形状となっている。
【0016】上記した金属管11のフランジ12に対す
る接合時において、金属管11に圧縮力Pを加えて、下
端の加熱した部分を増肉させ、フランジ12の管挿入穴
13内面に接触させた後、その圧縮力Pを低下させる
が、この圧縮力Pを低下させるタイミングは、金属管1
1の下端の増肉状態を目視判断して決定すればよいし、
また、あらかじめ金属管11の下端の増肉速度を実験や
計算によって求めておき、必要な増肉量に基づいて決定
してもよい。
【0017】なお、上記実施例では、金属管11に圧縮
力Pを加えて、下端の加熱した部分を増肉させ、フラン
ジ12の管挿入穴13内面に接触させた後は、その圧縮
力Pを低い一定の値としているが、その圧縮力Pを液相
拡散接合途中の所望のタイミングで一時的に増大させ、
接合面に大きい接触圧を作用させることも可能である。
このようにすると、接合面に機械的な絡み合いのような
状態が生じて接合強度を増すことができ、また、万一、
接合面に酸化膜が生じたとしても接合面がもまれること
で酸化膜が破れ、金属同志が接触して真の金属同志の接
合が得られ、この点からも接合強度が大きくなるという
利点が得られる。ただし、この圧縮力が大きすぎたり、
加圧時間が長くなると、金属管やフランジに好ましくな
い変形を生じるので、これらを考慮して圧縮力の大きさ
や加圧時間を設定すればよい。
【0018】上記した実施例では、金属管11の下端内
に型具として機能する凸部16bを挿入して下端内面を
規制し、テーパ25を形成しているが、このようなテー
パ25を必要としない時には、凸部16bを省略し、金
属管11の内面をフリーな状態として上記した接合動作
を行ってもよい。更に、金型16の形状(主として凸部
16bの形状)や、金属管11とフランジ12との間隙
を種々変えることも可能である。以下、その例を、図4
〜図6に示す。なお、図4〜図6において、(a)は金
属管11と金型16にセットしたフランジ12との一部
分を、金属管11をフランジ12に挿入する直前の状態
で示す概略断面図、(b)は金属管11と金型16にセ
ットしたフランジ12との一部分を、金属管11をフラ
ンジ12に接合している状態で示す概略断面図、(c)
は接合して得られたフランジ付金属管の一部分の概略断
面図である。
【0019】図4は、金属管11の外周面とフランジ1
2の管挿入穴13の内周面との間隙を大きくして、金属
管11の下端の増肉量を大きく(元厚の約50%程度
に)した場合の例である。この場合には増肉を大きくす
る関係上、内面側にも大きい増肉が生じる恐れがあり、
それを抑制するため、金型16に設けた凸部16dを長
くし、その凸部16dには、金属管内面にテーパ面25
を形成するための斜面16daと、金属管11の内面を
規制する円筒面16dbを形成している。
【0020】図5は、金属管11の下端内面にテーパ面
を形成しない場合である。この場合には、金型16に設
けている凸部16eは下端まで円筒状となっている。
【0021】図6は、金属管11の下端をフランジ12
の下面よりも少し浮かせた状態で接合した場合の例であ
る。この場合には、金型16の上面に、金属管11内に
挿入される凸部16fの外周に環状の台座16gを形成
している。
【0022】上記した実施例はいずれも、フランジ12
を保持する金型16に、金属管11内に挿入される型具
として機能させるべく凸部16b、16c、16d、1
6e等を一体に形成しており、金属管11をフランジ1
2の管挿入穴13内に挿入すると同時に、その金属管1
1内に凸部16b等が挿入されている。しかしながら、
本発明はこの構成に限らず、金属管11内に挿入する型
具を金型16とは別に設けることも可能である。図7、
図8はその場合の実施例を示すものである。この実施例
では、金型16の中央に、金型16に対して昇降する型
具30が設けられている。また、その型具30は先端の
テーパ面30aとそれに続く円筒面30bを有してお
り、その円筒面30bの外周面とフランジ12に形成し
た管挿入穴13の内周面との間隔は、金属管11の肉厚
とほぼ同じに設定されている。
【0023】次に、図7、図8の装置を用いた動作を説
明する。まず、図7に示すように、型具30を下降させ
た状態で、金属管11がフランジ12の管挿入穴13の
所定位置に挿入される。次いで、誘導加熱コイル18、
20に通電され、金属管11の下端及びフランジ12の
管挿入穴13近傍が所定温度に加熱される。その後、図
8に示すように、型具30が上昇して金属管11内に挿
入され、金属管11を拡径させる。これにより、金属管
11の外周面が管挿入穴13内面に押し付けられ、この
状態で液相拡散接合が行われる。なお、この時金属管1
1を増肉させる必要はないので、金属管11は単に動か
ないように保持しておればよく、従って管軸方向の圧縮
力Pを加える必要はないが、必要に応じ、圧縮力Pを加
えて金属管11とフランジ12の接触を確実としてもよ
い。
【0024】この方法により、金属管11の下端を増肉
することなく拡径してフランジ12に接合することがで
きる。なお、図7、図8に示すように、金型16に対し
て昇降可能な型具30を用い、金属管11を拡径する場
合においても、単にその金属管11を拡径することによ
って管挿入穴13の内周面に押し付ける場合に限らず、
金属管11に管軸方向の圧縮力を加え、増肉させて管挿
入穴13の内面に押し付けるようにしてもよい。また、
昇降可能な型具30は金属管11の拡径に用いる場合に
限らず、増肉時の内面規制用に用いてもよい。すなわ
ち、図1〜図6で説明した金型16に一体に設けている
凸部16b、16c、16d、16e等を型具30と同
様に、昇降可能な構成としてもよい。また、逆に、図1
〜図6の金型16に一体に設けている凸部16b、16
c、16d、16e等の寸法を大きくして、管端部の拡
径のための型具として機能させる構成としてもよい。な
お、この場合には、金属管の端部をフランジの管挿入穴
内に挿入している途中で同時に、その端部が凸部16
b、16c、16d、16e等に嵌合して拡径されるこ
ととなり、従って、金属管の端部をフランジの管挿入穴
内に挿入しながら拡径することとなる。
【0025】次に、本発明方法によって実際にフランジ
付金属管を製造した具体例を示す。 (1)供試材 金属管11:鋼管 JIS SGP200A(公称外径
216.3mm、厚さ 5.8mm) フランジ12:JIS 5K差込みフランジ〔公称外径
320mm、内径(管挿入穴径)223mm厚さ 2
0mm〕
【0026】(2)インサート材 アモルファス金属箔 公称組成:Cr5.3%、Si7.3%、B1.4%、
残りNi 融点:1040°C 厚さ:38μm
【0027】(3)接合前の準備 金属管11の端部外周面(下端より30mmの範囲)に
グラインダーをかけ、且つサンドペーパー仕上げし、脱
脂洗浄した。また、フランジ12の管挿入穴13の内面
仕上げは▽▽(25S)とし、サンドペーパー仕上げ
し、脱脂洗浄した。
【0028】(4)使用装置 図1に示す装置を使用した。ここで使用した金型16に
形成している凸部16bは、先端外径200mm、根元
の外径210mm、高さ30mmである。また、誘導加
熱コイル18は、外径195mm、内径183mm、高
さ18mmであり、また、誘導加熱コイル20は、外径
284mm、内径236mm、高さ6mmであった。
【0029】(5)接合方法 フランジ12の管挿入穴13内面にインサート材14を
取り付けた後、図1に示すように、そのフランジ12を
金型16にセットし、上方から金属管11を下降させ、
下端がフランジ12の管挿入穴13内にわすかに挿入さ
れた状態に保持し、ガスチャンバー22を取り付けた。
次いで、ガスチャンバー22内に窒素ガスを供給して、
内部を不活性雰囲気とした後、誘導加熱コイル18、2
0にそれぞれ通電して(通電条件は共に、周波数約10
KHz、電力約40KW)、金属管11の下端及びフラ
ンジ12の内周面を加熱し、その最高温度が約1250
°Cに達すると、金属管11を管挿入穴13内に押し込
み、且つ管軸方向に約100N/mm2 の圧縮力を作用
させて、金属管11の下端の加熱部分を増肉させた。そ
して、金属管11の下端外周面がフランジ12の管挿入
穴13内周面に押し付けられた状態となった後、圧縮力
Pを50N/mm2 に低下させ、金属管11とフランジ
12との接合部を約1200〜1300°Cの温度に約
3分間保持した。その後、加熱を停止して放冷した。以
上の接合動作により、金属管11の端部にフランジ12
を接合したフランジ付金属管を製造できた。
【0030】(6)結果 接合部の断面を切断して観察したところ、フランジの全
厚みに渡って金属管11とフランジ12とは一様に接合
しており、且つその接合面の境界は見られず、確実に液
相拡散した一様な組織となっていた。接合部の引張強度
を測定したところ、420N/mm2 で接合部近傍が破
断した。これは母材(金属管11)の引張強度にほぼ匹
敵するものであった。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、フランジ付金属管の製造に際し、フランジの管挿入
穴に金属管を、両者の間にインサート材を介在させた状
態で挿入し、その前後にそのインサート材及びそれによ
って接合すべき部分の温度を前記インサート材の融点以
上とし、更に、前記金属管の端部の少なくとも外周面を
半径方向外方に変形させて前記インサート材を介して前
記フランジの内周面に接触させると共に接触状態に保持
し、液相拡散接合を行う構成としたことにより、管端に
フランジを液相拡散接合によって接合することができ、
管端に大きい強度で且つ一定品質で接合されたフランジ
を備えたフランジ付金属管を容易に製造できるという効
果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いる装置を、金属管11をフラ
ンジ12に接合する直前の状態で示す概略断面図
【図2】図1に示す装置を、金属管11をフランジ12
に接合中の状態で示す概略断面図
【図3】(a)は、接合前の金属管とフランジ12を示
す概略断面図 (b)は、接合後の金属管とフランジ12を示す概略断
面図
【図4】本発明の他の実施例を示すもので、(a)は金
属管11と金型16にセットしたフランジ12との一部
分を、金属管11をフランジ12に挿入する直前の状態
で示す概略断面図、(b)は同じ部分を金属管11をフ
ランジ12に接合している状態で示す概略断面図、
(c)は接合して得られたフランジ付金属管の一部分の
概略断面図
【図5】本発明の更に他の実施例を示す、図4と同様な
概略断面図
【図6】本発明の更に他の実施例を示す、図4と同様な
概略断面図
【図7】本発明の更に他の実施例を示すもので、金属管
11をフランジ12に接合する直前の状態で示す概略断
面図
【図8】図7に示す装置を、金属管11をフランジ12
に接合中の状態で示す概略断面図
【図9】従来のフランジ付金属管の概略断面図
【符号の説明】
11 金属管 12 フランジ 13 管挿入穴 14 インサート材 16 金型 16b、16c、16d、16e 凸部 17 フランジ受けテーブル 18、20 誘導加熱コイル 19 電源装置 21 調整ボルト 30 型具

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部にフランジを取り付けるべき金属管
    と、その金属管の端部を、液相拡散接合用のインサート
    材を介在させた状態で挿入させうる大きさの管挿入穴を
    備えたフランジを用意し、前記管挿入穴内に前記金属管
    の端部を、両者の間に液相拡散接合用のインサート材を
    介在させた状態で挿入し、且つその前後に前記インサー
    ト材及びそのインサート材によって接合すべき部分の温
    度を前記インサート材の融点以上とし、更に、前記金属
    管の端部の少なくとも外周面を半径方向外方に変形させ
    て前記インサート材を介して前記フランジの内周面に接
    触させると共に接触状態に保持し、液相拡散接合を行う
    ことによって前記金属管にフランジを取り付けることを
    特徴とするフランジ付金属管の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフランジ付金属管の製
    造方法において、前記金属管の端部の少なくとも外周面
    を半径方向外方に変形させて前記インサート材を介して
    前記フランジの内周面に接触させる工程を、前記金属管
    の、前記フランジの管挿入穴内に挿入された端部に管軸
    方向の圧縮力を作用させて増肉させることにより行うこ
    とを特徴とするフランジ付金属管の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のフランジ付金属管の製
    造方法において、前記金属管の、前記フランジの管挿入
    穴内に挿入された端部を圧縮増肉させる際、その圧縮増
    肉される部分の内部に内面規制用の型具を挿入している
    ことを特徴とするフランジ付金属管の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のフランジ付金属管の製
    造方法において、前記金属管の端部の少なくとも外周面
    を半径方向外方に変形させて前記インサート材を介して
    前記フランジの内周面に接触させる工程を、前記金属管
    の、前記フランジの管挿入穴内に挿入された端部を拡径
    させることにより行うことを特徴とするフランジ付金属
    管の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のフランジ付金属管の製
    造方法において、前記金属管の、前記フランジの管挿入
    穴内に挿入された端部の拡径を、その金属管の端部内に
    拡径用の型具を挿入して行うことを特徴とするフランジ
    付金属管の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のフランジ付金属管の製
    造方法において、前記金属管の、前記フランジの管挿入
    穴内に挿入された端部の拡径動作を、該金属管の端部を
    前記管挿入穴内に挿入しながら行うことを特徴とするフ
    ランジ付金属管の製造方法。
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