JP4013266B2 - 鋼管の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管の製造方法に関し、とくに、固相圧接による鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶接鋼管は、鋼板または鋼帯を管状に成形しその継目を溶接したもので、小径から大径まで各種の製造法によりつくられているが、主な製造法として、電気抵抗溶接(電縫)、鍛接、電弧溶接によるものが挙げられる。
小径〜中径鋼管用としては、高周波誘導加熱を利用した電気抵抗溶接法(電気抵抗溶接鋼管、電縫管)が主として利用されている。この方法は、連続的に帯鋼を供給し、成形ロールで管状に成形してオープン管とし、続いて高周波誘導加熱によりオープン管の両エッジ部端面を鋼の融点以上に加熱した後、スクイズロールで両エッジ部端面を衝合溶接して鋼管を製造する方法である(例えば、第3版鉄鋼便覧第III 巻(2)1056〜1092頁)。
【0003】
上記した高周波誘導加熱を利用した電縫管の製造方法では、オープン管の両エッジ部端面を鋼の融点以上に加熱するため、電磁力の影響により溶鋼が流動し、生成された酸化物が衝合溶接部に噛み込まれペネトレータ等の溶接欠陥あるいは、溶鋼飛散(フラッシュ)が発生しやすいという問題があった。
この問題に対し、例えば、特開平2-299782号公報には、2つの加熱装置を有する電縫鋼管の製造法が提案されている。第1の加熱装置でオープン管の両側エッジ部の温度をキュリー点以上に加熱し、第2の加熱装置で更に融点以上に加熱し、スクイズロールで両エッジ部を衝合溶接して鋼管を製造する。また、特開平2-299783号公報には、第1の加熱装置で周波数45〜250kHzの電流を流し、両側エッジ部を予熱し、第2の加熱装置で更に融点以上に加熱し、スクイズロールで両エッジ部を衝合溶接して鋼管を製造する電縫管製造装置が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの電縫管製造技術では、エッジ部を均一に加熱することは示唆しているものの、両エッジ部を鋼の融点以上に加熱するため、衝合溶接時に、溶融した鋼が管の内外面に排出されビード(余盛)が形成される。そのため、衝合溶接後に管内外面の溶接ビードの除去が必要であり、ほとんどがビード切削用バイトにより切削されて除去されている。
【0005】
このようなことから、この方法では、
▲1▼ビード切削用バイトの切削量の調整で、材料と時間のロスが発生する。
▲2▼ビード切削用バイトは消耗品であるため、造管速度によって異なるが、3000〜4000mのビード切削長毎にバイトを交換する必要があり、そのため、1時間程度ごとに3〜5分間のバイト交換のためのラインの停止を余儀なくされる。
【0006】
▲3▼特に造管速度が100 m/min を超える高速造管では、ビード切削用バイトの寿命が短く、交換頻度が高い。
など、ビード切削がネックとなり、高速造管ができないため生産性が低いという問題があった。
一方、比較的小径鋼管用として極めて高い生産性を有する鍛接鋼管製造方法がある。この方法は、連続的に供給した帯鋼を加熱炉で1300℃程度に加熱した後、成形ロールで管状に成形してオープン管とし、続いてオープン管の両エッジ部に高圧空気を吹き付けて端面のスケールオフを行った後、ウェルディングホーンにより端面に酸素を吹き付け、その酸化熱で端面を1400℃程度に昇温させてから、鍛接ロールで両エッジ部端面を衝合させ固相接合して鋼管を製造する方法である(例えば、第3版鉄鋼便覧第III 巻(2)1056〜1092頁)。
【0007】
しかし、この鍛接鋼管製造方法では、
▲1▼端面のスケールオフが完全ではないので、鍛接衝合部へのスケール噛込みが発生し、シーム部の強度が母材部に比べてかなり劣る。このため、偏平試験で、電縫鋼管なら偏平高さ比h/D=2t/D(t:板厚)を達成できるのに対し、鍛接鋼管では偏平高さ比h/Dが0.5 程度に劣るものとなる。
【0008】
▲2▼帯鋼を高温に加熱するため、管表面にスケールが生成し表面肌が悪い。
など、造管速度が300m/min 以上と速く生産性は高いが、シーム品質及び表面肌が悪く、JISのSTK等の強度信頼性や表面品質を要求されるものは製造できないという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を有利に解決し、優れたシーム品質及び表面肌を有する鋼管を高い生産性で製造することができる、誘導加熱方式による鋼管の製造方法を提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、帯鋼を成形ロールにより連続的に成形してオープン管とし、該オープン管の両エッジ部を加熱し、スクイズロールで衝合接合する鋼管の製造方法において、前記帯鋼を400 650 ℃の温度範囲に予熱して成形してオープン管としたのち、または前記帯鋼およびオープン管を400 650 ℃の温度範囲に予熱したのち、前記オープン管の両エッジ部に、誘導加熱により1300℃以上、融点未満の温度域に加熱するエッジ加熱を施し、該スクイズロールで圧接する(但しオープン管の両エッジ部に誘導加熱によりキュリー点以上の温度域に加熱するエッジ予熱を施す場合を除く)ことを特徴とするシーム品質および表面肌の優れた鋼管の製造方法である。
【0011】
た、本発明では、前記エッジ加熱および前記圧接は、大気より低い酸素濃度雰囲気中あるいは、露点が−10℃以下の雰囲気中で行うのが好ましい。
また、本発明では、前記圧接後、接合部が1300℃以上に保持される時間tk (sec )が、0.03sec 以上または次式(1)
k ≧a・exp{−b・〔O2 c } …… (1)
(ここに、O2 :雰囲気中の酸素濃度(vol %)、a=0.079 、b=1.5 、c=-0.14 )を満足するのが好適である。
【0012】
また、本発明では、前記圧接時に、管内外からシーム部管材を拘束し、シーム部増肉を抑制してもよい。
また、本発明では、前記圧接後、圧接シーム部近傍を圧延してもよい。
また、本発明では、前記圧接後、圧接シーム部外面の微小凹形状部を除去して外面を平滑化してもよい。
【0013】
また、前記帯鋼は、エッジ部端面を平坦化し、該エッジ部端面と該帯鋼表面とのなす角度が所定の角度とするエッジ処理を施されたものが好ましい。さらに、前記帯鋼端面のエッジ処理は成形ロールによる成形前または成形後行ってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明では、帯鋼を予熱する。
予熱された帯鋼は、成形ロールにより連続的に成形されオープン管となる。成形は通常公知の成形ロールによる方法が好適に適用できる。
本発明では、帯鋼を予熱しさらに成形後のオープン管を予熱してもよい。
【0015】
予熱は、後に行うエッジ加熱時にエッジ部とその近傍の母管との温度差を小さくし、固相圧接段階において、エッジ部の温度および温度分布を固相圧接可能温度域に容易に維持できるようにするために行う。
予熱は、加熱炉を用いる方法、誘導コイルを用いる誘導加熱方法、通電による抵抗加熱方法いずれも好適に適用できる。
【0016】
予熱温度は、帯鋼を予熱する場合もオープン管を予熱する場合も、400 650 の温度範囲とする。帯鋼およびオープン管を予熱する場合には、帯鋼の予熱を成形装置への熱負荷が低くかつ成形加工に適した温度にし、オープン管の予熱をさらに高い温度とする2段階予熱が好ましい。 650℃を超える予熱は、接合すべきエッジ部を含む管体全面に多量のスケールが生成し、鋼管のシーム品質および表面肌がともに劣化するため、 650℃を予熱温度の上限とした。なお、予熱温度が400 ℃未満では、エッジ加熱時に、エッジ部から母管側への熱拡散が多いため、圧接時のエッジ部温度及び温度分布を固相圧接可能温度域に維持できにくくなり、このため、予熱温度は、400 〜 650℃の温度範囲とする
【0017】
ついで、予熱を施されたオープン管の両エッジ部は、さらに、1300℃以上、融点未満の温度域に加熱するエッジ加熱が施される。
エッジ加熱の加熱方式は、エネルギー効率の観点から、誘導コイルによる誘導加熱方式とする。
エッジ加熱は、加熱効率の観点からオープン管内に適当な大きさのインピーダを配設するのが好ましいが、インピーダの大きさを小さくした場合あるいはインピーダを配置しない場合でもエッジ加熱は可能である。この場合は、エッジ部以外の管体も加熱されやすくなる。
【0018】
オープン管の両エッジ部端面の温度は、誘導加熱コイルの出力の調整により制御する。
エッジ加熱の温度が1300℃未満では、エッジ部端面の接合が不十分となりシーム品質が劣化する。また、エッジ部端面の温度が管材の融点を超えると、溶融した鋼が衝合接合時に管内外にビード(余盛)を形成するため、ビード切削を必要とする。このことからエッジ加熱は1300℃以上、融点未満の固相圧接可能温度域とする。なお、好ましくは1350℃以上融点未満、より好ましくは1400℃以上融点未満である。
【0019】
本発明でいう固相圧接とは、ビード(余盛)の盛り上がりを抑え、ビード切削を必要としない圧接を意味する。
本発明では、ビード(余盛)の盛り上がり量を抑制するため、エッジ加熱温度は固相域の温度が好ましいが、若干の液相が存在する融点未満の固液2相域でも何ら不都合はない。
【0020】
誘導加熱時のエッジ部の温度分布を均一にするために、本発明では、好ましくは、帯鋼のエッジだれを精整し、エッジ部端面を平坦化し、エッジ部端面と帯鋼表面のなす角度が所定の角度とするのがよい。所定の角度は60〜120 度が好ましい。このエッジだれの精整は、コイルをペイオフする前あるいは、コイルをペイオフし成形ロールでオープン管に成形する前、あるいは成形した後いずれで行ってもよい。エッジ処理は、エッジミラーによる切削、グラインダによる研磨、またはエッジャーロールによる圧延加工等により行うのが好ましい。
【0021】
両エッジ部を上記固相圧接可能温度域に加熱されたオープン管は、スクイズロールで両エッジ部を衝合され、固相圧接される。圧接は、図3(a)に示すように、スクイズロールを圧接接合部管外面に当接する位置に設置して行う方法と、図3(b)に示すように、スクイズロールを圧接接合部管外面に当接しない位置に設置して行う方法および図3(c)に示すように、外面側はスクイズロール、内面側はロール等を圧接接合部に当接する位置に設置して行う方法があるが、いずれの場合でも何ら不都合は生じない。
【0022】
エッジ加熱および固相圧接は、大気中あるいは、大気中より酸素濃度を低減された雰囲気中(シールド雰囲気中)いずれでもよいが、シーム品質の点からはシールド雰囲気中が好ましい。また、エッジ加熱および固相圧接は、シーム品質の点から、露点が−10℃以下の雰囲気中で行うのが好ましい。
本発明者らは、圧接後、接合部が1300℃以上に保持される時間tk により、鋼管のシーム品質が変化することを見いだした。シーム品質(偏平高さ比h/D)に及ぼすtk と、酸素濃度の関係を図2に示す。図2から、tk が長くなるにしたがい、シーム品質が向上していることがわかる。また、雰囲気中の酸素濃度が低減するにしたがい、同一シーム品質を得るためにはtk は短くしてもよいことがわかる。
【0023】
この時間tk (sec )は、エッジ加熱、固相圧接が大気中で行われた場合には、0.03sec 以上とすることが好ましい。一方、エッジ加熱、固相圧接が大気中より酸素濃度が低い雰囲気(シールド雰囲気中)で行われた場合は、tk は、次式(1)を満足する時間とすることが好ましい。
k ≧a・exp{−b・〔O2 c } …… (1)
ここに、O2 :雰囲気中の酸素濃度(vol %)、a、b、c:定数で、低炭素鋼の場合a=0.079 、b=1.5 、c=-0.14 である。より好ましくは、a=0.23、b=1.4 、c=-0.17 である。
【0024】
この時間tk は、エッジ加熱時の両エッジ部端面の加熱温度、加熱幅を制御し、固相圧接時の両エッジ部端面から管中央部へ向かっての管円周方向温度分布を調整することにより、固相圧接後のシームの冷却速度を調整し、制御する。
固相圧接により形成された圧接シーム部では、スクイズロールの圧接接合部外面への当接の有無、エッジ部の到達温度あるいはスクイズロールによる管円周方向絞りの程度により図4(a) 、(b)に示すようにシーム部の管内外または管内に管体肉厚の5%以上の増肉を生じることがある。このような場合には、圧接以降の適当な場所で、増肉したシーム部近傍を圧延により減肉するのが好ましい。増肉したシーム部近傍の圧延は、例えば、図5(a) に示す圧接シーム部圧延用ロール10により管内外から圧延する。圧接シーム部圧延用ロール10は、圧接シーム部外面圧延用ロール10a、圧接シーム部内面圧延用ロール10bからなり、10bは圧接シーム部圧延用ロール支持棒10cにより支持されている。
【0025】
また、前記圧接方法のうち、圧接接合部管内外面にロール等を当接させる方法を採用することによって、材料を上下方向に拘束し、圧接による増肉を5%未満に抑え、圧接以降の圧延を不要とすることも可能である。例えば、図5(b)に示すスクイズロール6と圧接シーム部内面拘束用ロール11aにより管内外から材料を拘束し、圧接による増肉を抑制する。圧接シーム部内面拘束用ロール11aは圧接シーム部内面拘束用ロール支持棒11bにより支持されている。
【0026】
固相圧接により形成された圧接シーム部では、帯鋼のエッジだれの程度、帯鋼のエッジ精整の精度、圧接の方法あるいは圧接による増肉の度合いにより、圧接部の圧延の有無にかかわらず、図6に示すように外面にウェルドラインと呼ばれる深さ0.2mm 程度の微小な凹形状部分を生じることがあり、外観、シーム品質に悪影響を及ぼす。このような場合には、圧接以降の適当な場所でウェルドラインを除去して外面を平滑化するのが好ましい。ウェルドラインの除去は、切削、研磨等の加工を実施することにより行う。また、ウェルドラインの除去は、圧接増肉部の圧延を行う場合には、圧延の前後どちらで実施してもよい。
【0027】
以上述べたように、本発明によれば、オープン管の両エッジ部を固相圧接可能温度域に安定的に保持でき、その後スクイズロールにより固相圧接して優れたシーム品質および表面肌を有する鋼管を高い生産性で製造できる。
【0028】
【実施例】
図1に示す本発明の実施に好適な設備列を用いた。
板厚 3.5mmの帯鋼1を、予熱炉2で 150〜 350℃に予熱したのち、成形ロール群3により連続的に成形しオープン管7とし、さらにオープン管7を誘導コイルを有する管体予熱装置13により550 〜600 ℃の温度に予熱した。なお、一部の鋼管は、帯鋼1を予熱炉2で400 〜600 ℃の温度にするのみで、オープン管の予熱を行わなかった。予熱したのち、ついで、オープン管両エッジ部に表1に示す条件でエッジ加熱用誘導加熱コイル5によりエッジ加熱を施し、圧接シーム部に当接する位置に設置したスクイズロール6で固相圧接して、管寸法:60.5mmφ×3.5 mmt、規格:STKM11A の鋼管8とした。製造された鋼管8のシーム品質、表面肌を調査し、その結果を表1に併記する。シーム品質の評価は、鋼管の偏平高さ比(h/D、h:偏平高さmm、D:鋼管の外径mm)で行った。また、鋼管の表面肌の評価は、表面粗さRmax (μm )で行った。なお、一部の鋼管については、エッジ加熱および固相圧接をシールド雰囲気中で行った。
【0029】
【表1】
Figure 0004013266
【0030】
また、帯鋼を1300℃に加熱したのち、鍛接により60.5mmφの鍛接管とし、従来例(No.11 )とした。この鍛接管について、実施例と同様に鋼管の偏平高さ比、表面粗さRmaxを測定し、表1に併記した。
試験No.1〜No.4、No.8、No.9、No.12 〜No.14 の本発明例では、偏平高さ比 0.3以下、表面粗さRmax 10 μm 以下であり、従来例の試験No.11 の鍛接管では、偏平高さ比0.56、表面粗さRmax 37.5 μm であるのに対し向上している。本発明の範囲を外れると、試験No.5、No.6のように、偏平高さ比が大きくなり、また、試験No.10 のように、表面粗さRmaxが大きくなる。さらに、試験No.7のように、エッジ部端面が溶融すると余盛が形成され、ビード切削する必要が生じるため、造管速度が100m/minに低下する。
【0031】
また、本発明例の生産性は、30ton/hrと高く、ビード切削する従来の電縫管の生産性が15ton/hrであるのに対し、生産性が著しく向上している。
本発明例の試験No.1、No.3、No.12 では、圧接シーム部の管内面に0.5 〜1.5mm の増肉がみられたが、圧接シーム部近傍を管内外から圧延ロールで圧延し、0.2mm 以内に減肉し、鋼管寸法の規格範囲内となった。
【0032】
また、試験No.2、No.4、No.13 は、圧接位置において管外面にスクイズロールを、管内面に圧延ロールをそれぞれ当接させ、材料を上下方向に拘束することによって、圧接シーム部の増肉が0.1mm 以下で鋼管寸法の規格範囲内となり、圧接以降の圧延が不要であった。
本発明例の試験No.12 、No.13 では、帯鋼のエッジ処理(具体的にはミーリングによる切削加工)を実施し、エッジ部角を直角とした。エッジ処理を行った試験No.12 、No.13 では、エッジ処理を行わなかった他の試験No.1、No.2に比べ偏平高さ比が小さくなっている。
【0033】
本発明例の試験No.14 では、エッジ加熱および固相圧接時の雰囲気中の露点を−20℃に制御した。これにより、雰囲気中の露点制御を行わなかった試験No.9に比べ偏平高さ比が小さくなっている。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、オープン管の両エッジ部を固相圧接可能温度域に安定的に保持でき、優れたシーム品質および表面肌を有する鋼管を高い生産性で製造できるという格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に好適な鋼管製造設備列の1例を示す説明図である。
【図2】固相圧接接合部のシーム品質に及ぼす圧接後1300℃以上に保持される時間tk と雰囲気中の酸素濃度との関係を示すグラフである。
【図3】固相圧接時のスクイズロール、圧接シーム部内面拘束用ロールと圧接接合部との位置関係を示す断面図である。
【図4】固相圧接後の鋼管断面形状の例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施に好適な設備列の模式的部分断面側面図である。
【図6】固相圧接後の圧接シーム部外面形状の1例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 帯鋼
2 予熱炉
3 成形ロール群
5 エッジ加熱用誘導加熱コイル
6 スクイズロール
7 オープン管
8 鋼管
9 圧接シーム部
10 圧接シーム部圧延用ロール
10a 圧接シーム部外面圧延用ロール
10b 圧接シーム部内面圧延用ロール
10c 圧接シーム部圧延用ロール支持棒
11a 圧接シーム部内面拘束用ロール
11b 圧接シーム部内面拘束用ロール支持棒
12 圧接シーム部外面ウェルドライン
13 管体予熱装置

Claims (10)

  1. 帯鋼を成形ロールにより連続的に成形してオープン管とし、該オープン管の両エッジ部を加熱し、スクイズロールで衝合接合する鋼管の製造方法において、前記帯鋼を400 650 ℃の温度範囲に予熱してオープン管としたのち、前記オープン管の両エッジ部に、誘導加熱により1300℃以上、融点未満の温度域に加熱するエッジ加熱を施し、該スクイズロールで圧接する(但しオープン管の両エッジ部に誘導加熱によりキュリー点以上の温度域に加熱するエッジ予熱を施す場合を除く)ことを特徴とするシーム品質および表面肌の優れた鋼管の製造方法。
  2. 帯鋼を成形ロールにより連続的に成形してオープン管とし、該オープン管の両エッジ部を加熱し、スクイズロールで衝合接合する鋼管の製造方法において、前記帯鋼および前記オープン管を400 650 ℃の温度範囲に予熱したのち、前記オープン管の両エッジ部に、誘導加熱により1300℃以上、融点未満の温度域に加熱するエッジ加熱を施し、該スクイズロールで圧接する(但しオープン管の両エッジ部に誘導加熱によりキュリー点以上の温度域に加熱するエッジ予熱を施す場合を除く)ことを特徴とするシーム品質および表面肌の優れた鋼管の製造方法。
  3. 前記エッジ加熱および前記圧接は、大気より低い酸素濃度雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1または記載の鋼管の製造方法。
  4. 前記エッジ加熱および前記圧接は、露点が−10℃以下の雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1、2または記載の鋼管の製造方法。
  5. 前記圧接後、接合部が1300℃以上に保持される時間tk (sec )が、0.03sec 以上または下記(1)式を満足するtk であることを特徴とする請求項1、2、3または記載の鋼管の製造方法。

    k ≧a・exp{−b・〔O2 c } …… (1)
    ここに、O2 :雰囲気中の酸素濃度(vol %)、a=0.079 、b=1.5 、c=-0.14 。
  6. 前記圧接時に、管内外面からシーム部管材を拘束し、シーム部増肉を抑制することを特徴とする請求項1、2、3、4または記載の鋼管の製造方法。
  7. 前記圧接後、圧接シーム部近傍を圧延することを特徴とする請求項1、2、3、4、5または記載の鋼管の製造方法。
  8. 前記圧接後、圧接シーム部外面の微小凹形状部分を除去して外面を平滑化することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または記載の鋼管の製造方法。
  9. 前記帯鋼は、エッジ部端面を平坦化し、該エッジ部端面と該帯鋼表面のなす角度を所定の角度とするエッジ処理を施されたものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または記載の鋼管の製造方法。
  10. 前記帯鋼端面のエッジ処理を成形ロールによる成形前または成形後行うことを特徴とする請求項記載の鋼管の製造方法。
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