JP2005186093A - 溶接物品及び金属部品の溶接方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 比較的小さな溶接電流で溶接強度の大きな圧入溶接部分を有する溶接物品を提供することができる。

【解決手段】 板状被溶接部材と軸状被溶接部材とを圧入溶接して得られる溶接物品において、前記板状被溶接部材は、一方の方向には相対する一対の長辺と、該方向に直交する他方の方向には前記長辺よりも短い相対する一対の短辺とからなる溶接用長形孔を一つ以上有し、前記軸状被溶接部材は、前記溶接用長形孔における前記一対の短辺で圧入溶接され、前記一対の長辺では溶接されていないことを特徴とする溶接物品。

【選択図】 図1

Description

本発明は、溶接物品、特に自動車などのギア部におけるキャリアカバーの軸部材のような金属部品を円板状部材のような金属部品に圧入溶接してなる溶接物品、及びそれら金属部品を圧入溶接するのに適した溶接方法に関する。
一般に、自動車などのギア部を製造する工程には、ギア部におけるキャリアカバーの軸部材と円板状部材とをアーク溶接によって機械的に結合するアーク溶接工程を含んでいる場合が多い。このアーク溶接工程では、円板状部材に設けた溶接用孔に軸部材を嵌め込み、アーク溶接によってその嵌め込んだ部分の全周又は一部分を溶接している。
しかし、アーク溶接の場合には、コンデンサにエネルギーを蓄えておいて、そのエネルギーを短時間で放電して溶接を行うコンデンサ蓄勢式溶接方法に比べて、被溶接部分に熱エネルギーを注入する時間が大幅に長いので、被溶接物であるキャリアカバーの軸部材と円板状部材とに熱ひずみが生じ、寸法精度などが低下する。また、それら金属材料の溶接部分及びその近傍の熱的劣化や色の変化が大きいという欠点がある。
このような問題点を解決するために、円板状部材に設けた溶接用孔に軸部材を合わせ、加圧力を掛けた状態で溶接電流を流すことによって、軸部材の先端部分を軟化させて溶接用孔内に加圧進入させ、固相状態で溶接する圧入溶接方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に開示された溶接方法及び構造では、溶接用孔は円板状部材の中央に設けられており、複数箇所でその溶接用孔に軸部材を圧入溶接するものであるので、この被溶接物が、円板状部材と軸部材との間に大きな回転力がかかるような機構に採用された場合には、円板状部材と軸部材との圧入溶接部分を剪断する方向、つまり円板状部材と軸部材との溶接面と平行方向の大きな回転力、つまりトルクがかかることになる。
前述した固相状態の溶接の場合には、互いの表面が軟化した状態で接合されているだけであるので、互いが溶融してナゲットが形成されている抵抗溶接の場合に比べると、溶接部の機械的強度はかなり低い。したがって、このような溶接方法により得られた溶接物は、円板状部材と軸部材との圧入溶接部分を剪断する方向の機械的強度を大きくすることができず、印加できるトルクは大幅に制限されることになる。
本発明はこのような欠点を除去するために、板状被溶接部材の溶接用長形孔における短辺で軸状被溶接部材を圧入溶接し、長辺では溶接しないようにすることを特徴とする。
このようにすることによって、双方の短辺部分に溶接電流を集中させることができるので、軸状被溶接部材が挫屈する危険性を生じるほど大きな電流を通電させることなく、通常の抵抗溶接のようにナゲットが形成される溶接強度と同等な溶接強度を有する圧入溶接部分を得ることができる。
また、溶接部品が使用される状態を考えると、トルクがかかる方向である短辺部分において、軸状被溶接部材が溶接用長形孔に圧入溶接されているので、トルクは圧入溶接部における円板状部材と軸部材との溶接面と垂直方向にかかることになり、したがって、短辺部分の溶接によって圧入溶接面積は小さくとも、印加されるトルクに対しては十分に大きな機械的強度を呈することになる。
特許第3270758公報
本発明は、少ない溶接電流で圧入溶接部分のトルクがかかる方向の溶接強度をいかに向上させるかということを課題とする。
請求項1の発明は、板状被溶接部材と軸状被溶接部材とを圧入溶接してなる溶接物品において、前記板状被溶接部材は、一方の方向には相対する一対の長辺と、該方向に直交する他方の方向には前記長辺よりも短い相対する一対の短辺とからなる溶接用長形孔を一つ以上有し、前記軸状被溶接部材は、前記溶接用長形孔における前記一対の短辺で圧入溶接され、前記一対の長辺では溶接されていないことを特徴とする溶接物品を提供するものである。
請求項1の発明によれば、被溶接物双方の短辺部分のみで圧入溶接しているので、比較的小さな溶接電流で圧入溶接された機械的強度の大きな溶接物品を得ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記板状被溶接部材と前記軸状被溶接部材とは、前記短辺部分で互いに重なり合う圧入代を有することを特徴とする溶接物品を提供するものである。
請求項2の溶接物品によれば、双方の短辺部分の金属材料が溶融して圧入溶接が行われるので、比較的小さな溶接電流で溶接強度の大きな溶接物品を得ることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2において、前記板状被溶接部材は円板状被溶接物であり、前記溶接用長形孔は、前記円板状被溶接部材の中心から外れた位置で円形外周に沿って形成され、前記一対の長辺は円周方向に沿って位置し、前記一対の短辺は放射方向に沿って位置することを特徴とする溶接物品を提供するものである。
請求項3の溶接物品によれば、回転方向の機械的強度が大きい圧入溶接部分を得ることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記溶接物品は、前記円板状被溶接部材と前記軸状被溶接部材との間に回転力が加わる機構に用いられるのに適していることを特徴とする溶接物品を提供するものである。
請求項4の溶接物品によれば、回転負荷がかかる機構に用いるのに適した溶接物品を得ることができる。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記溶接用長形孔は、同心円上に二つ以上形成されていることを特徴とする溶接物品を提供するものである。
請求項5の溶接物品によれば、印加される負荷力を均等に分担することがで、結果として大きな負荷力に対応できる溶接物品を提供することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1又は請求項2において、前記板状被溶接部材は、対向する一方の二辺とこれら二辺とそれぞれ直交する他の二辺とを有する四角形状被溶接部材であり、前記溶接用長形孔は、前記一方の二辺に沿って形成され、該二辺とそれぞれ直交する他の二辺の方向に長い一対の長辺と、前記一方の二辺の方向には前記長辺よりも短い一対の短辺とを有することを特徴とする溶接物品を提供するものである。
請求項6の溶接物品によれば、双方の短辺部分の金属材料が溶融して圧入溶接が行われるので、比較的小さな溶接電流で溶接強度の大きな四角形状の溶接物品を提供できる。
請求項7に係る発明は、請求項6において、前記溶接物品は、前記四角形状被溶接部材と前記軸状被溶接部材との間に、前記溶接用長形孔の長手方向の力が加わる機構に用いられるのに適していることを特徴とする溶接物品を提供するものである。
請求項7の溶接物品によれば、直線的な往復運動するのに適した直動機構に用いるのに適した溶接物品を提供することができる。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記溶接用長形孔の前記短辺と前記長辺との交わる部分に、はみ出し防止用溝が形成されていることを特徴とする溶接物品を提供するものである。
請求項8の溶接物品によれば、圧入溶接時に溶融した金属が表面にはみ出すことがなく、あるいははみ出す量を少なくすることができ、機能上好ましいだけでなく、外観上も好ましい溶接物品を提供できる。
請求項9に係る発明は、請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記軸状被溶接部材は、ストッパ部分を備え、該ストッパ部分の働きによって、前記軸状被溶接部材の先端部分がそれ以上前記溶接用長形孔内に進入するのを防ぐことを特徴とする溶接物品
を提供するものである。
請求項9の溶接物品によれば、ストッパによって所望の機械強度を得ることができる。
請求項10に係る発明は、請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記軸状被溶接部材の脚部は、溶融金属を受け入れる溝を有することを特徴とする溶接物品を提供するものである。
請求項10の溶接物品によれば、圧入溶接時に溶融した金属が表面にはみ出すことがなく、あるいははみ出す量を少なくすることができ、機能上好ましいだけでなく、外観上も好ましい。
請求項11に係る発明は、第1の被溶接部材と第2の被溶接部材とを圧入溶接する溶接方法において、前記第1の被溶接部材は、一方の方向には相対する一対の長辺と、該方向に直交する他方の方向には前記長辺よりも短い相対する一対の短辺とからなる溶接用長形孔を一つ以上有し、前記第2の被溶接部材は、前記溶接用長形孔における前記一対の短辺で圧入溶接され、前記一対の長辺では溶接されていないことを特徴とする金属部品の溶接方法を提供するものである。
請求項11の溶接方法によれば、双方の短辺部分のみで圧入溶接しているので、比較的小さな溶接電流で圧入溶接を行うことができる。
本発明によれば、比較的小さな溶接電流で溶接強度の大きな圧入溶接部分を有する溶接物品を提供することができる。特に、溶接物品に印加される負荷方向の機械的強度を増大させることができる。
先ず、本発明を実施するための最良の形態である実施例1の圧入溶接方法及びそれによって得られる溶接物品ついて説明する。
図1及び図2により本発明の一実施例について説明する。図1は、板状被溶接部材と軸状被溶接部材との圧入溶接を説明するための図面であり、図2は本発明を実現するための圧入溶接装置の一例を示す図である。
図1において、板状被溶接部材1は円形状の金属板であり、鎖線Xで示すように、ほぼ同一円周上に四つの溶接用長形孔1a、1b、1c、1dを有する。溶接用長形孔1a、1b、1c、1dは同一形状であり、円周方向に長い一対の長辺A、Bと、放射方向に長辺A、Bよりも短い短辺C、Dを有する。長辺A、Bも短辺C、Dも円弧状であることが好ましいが、直線であっても構わない。そして、短辺C、Dに沿って放射内方向、放射外方向に向かって形成されたはみ出し防止溝m、nを備える。はみ出し防止溝m、nは、圧入溶接時に溶融した溶接部の金属が板状被溶接部材1の表面にはみ出さないようにするものである。また、板状被溶接部材1には本発明の圧入溶接とは直接関係せず、別の目的で円形の中央孔1Eが形成されている。
軸状被溶接部材2は、円柱状の軸部2’と、この円柱状の軸部2’から等しい間隔、この実施例では90度間隔で放射外方向に広がる脚部2a、2b、2c、2dとからなる。脚部2a、2b、2c、2dはほぼ同一形状であり、大きさも等しい。なお、図1(B)では脚部2cは脚部2aの影になっており、見えない。
脚部2aは板状被溶接部材1の溶接用長形孔1aに、脚部2bは溶接用長形孔1bに、脚部2cは溶接用長形孔1cに、脚部2dは溶接用長形孔1dにそれぞれ圧入溶接されるので、脚部2a、2b、2c、2dは、はみ出し防止溝m、nを除いて溶接用長形孔1a、1b、1c、1dの形状と類似の平面形状の先端部分Xを有する。
図2に示すように、各脚部2a、2b、2c、2dは、各溶接用長形孔1a、1b、1c、1dの長辺A、Bに対応する長辺A’、B’(鎖線で示されている)を有すると共に、短辺C、Dに対応する短辺C’、D’(鎖線で示されている)を有する。各脚部の長辺A’とB’との間の厚みL’は、各溶接用長形孔の長辺AとB間の寸法Lに比べて若干小さくなっている。また、各脚部の先端部Xの短辺C’とD’との間の幅は、図2(A)に示すように、各溶接用長形孔の短辺CとDとの間の寸法よりも幾分大きくなっている。ここでは、短辺C’とD’との間の幅が幅短辺CとDとの間の幅よりも大きくなっていて、互いに重なり合う部分を圧入代αと呼び、図2(B)に示すように、傾斜部分で広がる圧入代αは寸法zを有する。この圧入代αの寸法zは、好ましくは0.3mm〜0.7mm程度の範囲である。
また、各脚部2a、2b、2c、2dは、先端部分Yに近接し、かつ短辺C’とD’に沿う方向に溝vを有すると共に、ストッパ部sを有する。これらは必ずしも必要ではないが、溝vは圧入溶接時に溶接部分の溶融金属を受け入れて、それがはみ出すのを防止する働きを行い、ストッパ部sは圧入溶接時に各脚部2a、2b、2c、2dの先端部分Yが不必要に各溶接用長形孔内に圧入されてしまうのを防ぐ働きを行う。また、ストッパsの高さを調整することによって、溶接強度を調整できる。
次に、本発明に係る圧入溶接方法を実現する圧入溶接装置100を示す図3を説明しながら、この実施例を説明する。圧入溶接装置100は、商用交流電源又は交流発電機のような交流電源11と、交流電源1からの交流入力電圧を整流する整流回路と交流電圧を所定の電圧に変圧する変圧器などからなる直流電源回路12と、複数の並列接続されている電解コンデンサからなるコンデンサ13と、コンデンサ13に蓄えられた電気エネルギーを一つ以上の大きな電流パルスにして放電させるインバータ回路のようなスイッチング回路14と、1又は2ターンの巻数をもつ2次巻線とこれよりも巻数の多い1次巻線とを有する溶接トランス15と、溶接トランス14の2次巻線に接続された下部溶接電極16、上部溶接電極17と、上部溶接電極17を下部溶接電極16方向に加圧する加圧機構18とを備える。
第1の被溶接物19は、図1に示した板状被溶接部材1に相当するものであり、第2の被溶接物20は軸状被溶接部材2に相当するものである。以下の説明では、第1の被溶接物19は板状被溶接部材1、第2の被溶接物20は軸状被溶接部材2として説明する。溶接に当たって、軸状被溶接部材2は、その軸部2’が通常の吸着などの方法によって上部溶接電極17に保持され、板状被溶接部材1は通常のクランプ方法などによって下部溶接電極16に位置決めされ、保持される。
しかる後に、上部溶接電極17が下降、又は下部溶接電極16が上昇し、軸状被溶接部材2の脚部2a、2b、2c、2dは、板状被溶接部材1の溶接用長形孔1a、1b、1c、1dにそれぞれ合致する。このとき、脚部2a、2b、2c、2dのそれぞれの短辺C’とD’は、前記圧入代αだけ溶接用長形孔1a、1b、1c、1dの各短辺CとDに重なる。脚部2a、2b、2c、2dの各長辺A’、B’は、溶接用長形孔1a、1b、1c、1dの各長辺A、Bに接触しない程度の微小な間隙で位置する。
この状態で、加圧機構18が動作して、上部溶接電極17に下方向の加圧力を与えることによって、板状被溶接部材1と軸状被溶接部材2との間に加圧力を与えた状態で、図3に示したスイッチング回路14が動作し、下部溶接電極16と上部溶接電極17との間にパルス状の溶接電流を流す。この溶接電流の幅は、5〜6ミリ秒から数十ミリ秒の間である。前記溶接電流のほとんどは、脚部2a、2b、2c、2dの短辺C’、D’と溶接用長形孔1a、1b、1c、1dの短辺C、Dとの重なり合った前記圧入代αを通して流れる。圧入代αは前述したように、高々0.3mm〜0.7mm程度の範囲であるので、重なり合った圧入代α部分の面積は小さい。したがって、溶接電流は小面積の八つの前記圧入代αに分散して流れるだけであり、重なり合った前記圧入代αの双方の短辺C’、D’部分と短辺C、D部分は比較的小さな溶接電流の通電による発熱で溶融し、溶融部分に近接する部分も軟化するので、前記加圧力によって脚部2a、2b、2c、2dは溶接用長形孔1a、1b、1c、1dに圧入される(図1(C))。
そして、重なり合った前記圧入代αの双方の短辺C’、D’部分と短辺C、D部分との溶融金属は、溶接用長形孔1a、1b、1c、1dの短辺C、D部分に設けられたはみ出し防止溝m、nと、脚部2a、2b、2c、2dの溝vに吸収される。したがって、前記溶融金属は脚部2a、2b、2c、2dからはみ出さない。ストッパsのレベルによって、溶接用長形孔1a、1b、1c、1dに対する脚部2a、2b、2c、2dの圧入の深さは決定され、機械的強度も影響を受ける。
圧入溶接が終了すると、上部溶接電極17は軸状被溶接部材2の軸部2’を開放して、上昇し、溶接物は下部溶接電極16に残される。次に、図示しない溶接物排出機構によって、溶接物は下部溶接電極16から取り出され、所定位置に排出される。以後、前述のような動作を繰り返す。
以上の実施例では、溶接用長形孔と脚部とがそれぞれ4個の例について述べたが、それぞれ1個以上、好ましくは3個以上の個数ならば幾つでもよい。また、板状被溶接部材1は円板として説明したが、四角形など多角形でもよい。
例えば、図4に示すように、前記板状被溶接部材が正四角形の板1であるとし、この正四角形の板1に溶接される、軸状被溶接部材2に相当する軸状被溶接部材(図示せず)と正四角形の板1との間に、図示矢印方向の力が働くような機構にこの溶接物が用いられる場合には、矢印方向と同方向に長い溶接用長形孔1a、1b、1c、1dを設けるか、あるいはこれらに代えて、鎖線で示すような大形の溶接用長形孔1eを設けるのが有効である。
図4に示す実施例の場合には、正四角形の板1と軸状被溶接部材(図示せず)との間に矢印方向の負荷がかかることを想定しているので、前述のように各溶接用長形孔1a、1b、1c、1dの各短辺C、D側のみに軸状被溶接部材(図示せず)を圧入溶接すれば、比較的小さな溶接電流で必要な機械的強度が得られる。
しかし、不図示の軸状被溶接部材の厚み(溶接用長形孔の長辺A、B間の寸法にほぼ等しい)が薄く、もし短辺C、D側だけでなく、長辺A、B側も圧入溶接したとすると、圧入溶接に必要な溶接電流量は大幅に大きな値になるので、軸状被溶接部材は流れる溶接電流によって発熱し、その金属材料が軟化することによって曲がる、極端なときには折れ曲がる、つまり座屈することがある。
図4に示す正四角形の板1においても、溶接用長形孔の個数は幾つでもよく、また矢印方向と直角な方向の負荷がかかるような機構に用いられる場合には、図示溶接用長形孔に加えてそれらを90度回転させた溶接用長形孔(不図示)を備え、これら溶接用長形孔(不図示)に不図示の軸状被溶接部材を前述と同様に圧入すればよい。
なお、以上の実施例では、板状被溶接部材1と軸状被溶接部材2との間に短辺方向の負荷がかけられる状況を想定して説明を行ったが、前述したように、板状被溶接部材1と軸状被溶接部材2との圧入代が溶融して圧入溶接されるので、従来の固相状態での圧入接合とは異なり、大きな溶接強度が確保できるので、板状被溶接部材1と軸状被溶接部材2との間に垂直な引っ張り力、あるいは押圧力、又は長辺方向の負荷がかかるような機構にも用いることは可能である。
また、前記板状被溶接部材の各溶接用長形孔の短辺、長辺の形状は直線状のほか、円弧状、又はくの字状などでもよい。前記軸状被溶接部材は、必ずしも図示のような軸状のものでなくともよく、例えば、円板状又は角型の金属板と、その板面からほぼ垂直に又は所定角度で延びるロッド状のもの、あるいは短冊状の金属片とからなるものなどであっても勿論よい。
発明の第1の実施例である圧入溶接方法及びそれによって得られる溶接物品を説明するための図であり、板状被溶接部材と軸状被溶接部材との一例を示す。 本発明に用いられる板状被溶接部材と軸状被溶接部材との一例を拡大した図である。 本発明にかかる圧入溶接方法を実現するための圧入溶接装置の一例を示す図である。 本発明に用いられる板状被溶接部材の一例を示す図である。
符号の説明
1・・・板状被溶接部材、
1a〜1d・・・溶接用長形孔、
2・・・軸状被溶接部材、
2’・・・軸部、
2a〜2d・・・脚部、
11・・・交流入力電源
12・・・直流電源回路、
13・・・コンデンサ、
14・・・スイッチング回路、
15・・・溶接トランス、
16・・・下部溶接電極、
17・・・上部溶接電極、
18・・・加圧機構、
19・・・第1の被溶接物、
20・・・第2の被溶接物、
A、B・・・溶接用長形孔の長辺、
C、D・・・溶接用長形孔の短辺、
A’、B’・・・脚部の長辺、
C’、D’・・・脚部の短辺。

Claims (11)

  1. 板状被溶接部材と軸状被溶接部材とを圧入溶接してなる溶接物品において、
    前記板状被溶接部材は、一方の方向には相対する一対の長辺と、該方向に直交する他方の方向には前記長辺よりも短い相対する一対の短辺とからなる溶接用長形孔を一つ以上有し、
    前記軸状被溶接部材は、前記溶接用長形孔における前記一対の短辺で圧入溶接され、前記一対の長辺では溶接されていないことを特徴とする溶接物品。
  2. 請求項1において、
    前記板状被溶接部材と前記軸状被溶接部材とは、前記短辺部分で互いに重なり合う圧入代を有することを特徴とする溶接物品。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記板状被溶接部材は円板状被溶接物であり、
    前記溶接用長形孔は、前記円板状被溶接部材の中心から外れた位置で円形外周に沿って形成され、
    前記一対の長辺は円周方向に沿って位置し、前記一対の短辺は放射方向に沿って位置することを特徴とする溶接物品。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記溶接物品は、前記円板状被溶接部材と前記軸状被溶接部材との間に回転力が加わる機構に用いられるのに適していることを特徴とする溶接物品。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記溶接用長形孔は、同心円上に二つ以上形成されていることを特徴とする溶接物品。
  6. 請求項1又は請求項2において、
    前記板状被溶接部材は、対向する一方の二辺とこれら二辺とそれぞれ直交する他の二辺とを有する四角形状被溶接部材であり、
    前記溶接用長形孔は、前記一方の二辺に沿って形成され、該二辺とそれぞれ直交する他の二辺の方向に長い一対の長辺と、前記一方の二辺の方向には前記長辺よりも短い一対の短辺とを有することを特徴とする溶接物品。
  7. 請求項6において、
    前記溶接物品は、前記四角形状被溶接部材と前記軸状被溶接部材との間に、前記溶接用長形孔の長手方向の力が加わる機構に用いられるのに適していることを特徴とする溶接物品。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記溶接用長形孔の前記短辺と前記長辺との交わる部分に、はみ出し防止用溝が形成されていることを特徴とする溶接物品。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、
    前記軸状被溶接部材は、ストッパ部分を備え、該ストッパ部分の働きによって、前記軸状被溶接部材の先端部分がそれ以上前記溶接用長形孔内に進入するのを防ぐことを特徴とする溶接物品。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、
    前記軸状被溶接部材の脚部は、溶融金属を受け入れる溝を有することを特徴とする溶接物品。
  11. 第1の被溶接部材と第2の被溶接部材とを圧入溶接する溶接方法において、
    前記第1の被溶接部材は、一方の方向には相対する一対の長辺と、該方向に直交する他方の方向には前記長辺よりも短い相対する一対の短辺とからなる溶接用長形孔を一つ以上有し、
    前記第2の被溶接部材は、前記溶接用長形孔における前記一対の短辺で圧入溶接され、前記一対の長辺では溶接されていないことを特徴とする金属部品の溶接方法。
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