JP4330507B2 - 複数のリングプロジェクションを有する被溶接物及びそのプロジェクション溶接方法 - Google Patents

複数のリングプロジェクションを有する被溶接物及びそのプロジェクション溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は、同心状に2重以上に設けられた多重のリングプロジェクションなどを同時にプロジェクション溶接するのに適した複数のリングプロジェクション構造を有する被溶接物、及びそのプロジェクション溶接方法に関する。
電子部品のキャップ、あるいは燃料タンクなどのような各種の液体を入れるタンクなどにおいては、断面が3角形状でリング状のプロジェクション、つまりリングプロジェクションをいずれか一方の被溶接物に形成し、双方の被溶接物間に所定の加圧をかけた状態で溶接電流を通電してリングプロジェクション溶接を行っている。被溶接物が通常の鋼板からなる場合には、リングプロジェクションは容易であるので、比較的広く行われている(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、被溶接物がアルミニウムやマグネシウム、あるいはこれらの合金である場合には、被溶接物の表面に酸化膜が形成されるので、この酸化膜を除去した後にリングプロジェクション溶接を行わなければならない。このような酸化膜除去作業を不要にする溶接方法として、リングプロジェクションを含め溶接部を特殊な構造にして拡散接合を行うことも既に開示されている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2の発明によれは、双方の被溶接物に同様な形状のリングプロジェクションを形成すると共に、その内側又は外側、あるいは双方に前記リングプロジェクションよりも背の低い環状の突起を設けている。これら環状の突起は、前記リングプロジェクションと違って溶融させるものではなく、前記リングプロジェクションよりも内側の環状の突起は溶接時に発生するチリなどの悪影響を溶接物内部に与えないためのものであり、前記リングプロジェクションよりも外側の環状の突起は、溶融した金属が外側に流れないようにするものである。
特許文献1、2の発明に開示されたリングプロジェクション方法はいずれも単一のリングプロジェクションを一方の被溶接物又は双方の被溶接物に形成し、リングプロジェクションを行って一つの密閉状空間を形成するものである。しかし、溶接によって複数の閉じられた空間を有する溶接物を得たい場合がある。この場合に先ず考えられることは、複数回溶接を行って順次閉じられた空間を形成することであるが、時間及びコストがかかり、現実的ではない。したがって、一度のリングプロジェクションで複数の閉じられた空間を有する溶接物を得るためには、例えば、同心状に複数の多重リングプロジェクションを形成し、一度にこれら多重のリングプロジェクショに溶接電流を流してプロジェクション溶接する方法が考えられる。
特開平10−6024号公報 特開2002−103056公報
しかしながら、従来の考え方に基づいて同様な形状の複数のリングプロジェクションなどを多重状に形成して、プロジェクション溶接を行っても、溶接をできないリングプロジェクションがあり、所望の溶接強度を有する複数の閉じた空間を得ることができないことが分かった。種々の実験結果から、複数のリングプロジェクションに均一に溶接電流が流れず、特に、コンデンサ蓄勢式の抵抗溶接機を利用してリングプロジェクションを行う場合には、同一のリングプロジェクション形状では、外側に位置するリングプロジェクションを流れるパルス状の溶接電流は、内側に位置するリングプロジェクションに流れるパルス状の溶接電流に比べて大きくなることが分かった。
この結果、外側に位置するリングプロジェクションは、内側に位置するリングプロジェクションよりも早く溶融し、内側に位置するリングプロジェクションは溶融するのが遅いために、被溶接物間に所定の加圧力をかけていても、内側に位置するリングプロジェクションが外側に位置するリングプロジェクションの溶け込みに伴う押し込みを抑制する形になる。したがって、多重状などの同形状のリングプロジェクションでは満足の得られる溶接物を提供することはできない。
このようなことを踏まえ、本発明では外側から内側に向かって多重状のプロジェクションの熱容量を変え、ほぼ同時に溶融するようにして、一度のプロジェクション溶接で複数の閉じられた空間を有する溶接物を得ることができる被溶接物、及びそのプロジェクション溶接方法を提供することを課題とする。
第1の発明は、互いに同心状に形成された同程度の高さの複数のリングプロジェクションを有する一方の被溶接物と他方の被溶接物とに溶接電流を供給することによって抵抗溶接するプロジェクション溶接方法であって、複数の前記リングプロジェクションは、それぞれの熱容量が外側に位置するよりも内側に位置するほど小さくなるように、同程度の体積又は外側に比べて内側に位置するほど小さくなる体積を有すると共に、外側に比べて内側に位置するほど鋭角になる先端角度θを有し、すべての前記リングプロジェクションの先端を前記他方の被溶接物に押し当てた状態で、数十ms以下の時間幅の単一のパルス状電流又は交流のパルス状電流を前記溶接電流として供給することによって、複数の前記リングプロジェクションを同時に溶融させ、前記一方の被溶接物と前記他方の被溶接物とを抵抗溶接することを特徴とするプロジェクション溶接方法を提供するものである。
第2の発明は、前記第1の発明において、 前記一方の被溶接物は、複数の前記リングプロジェクションとの間を結ぶプロジェクションを有し、
前記プロジェクションは、外側に位置する前記リングプロジェクションと交わっている箇所では前記外側に位置するリングプロジェクションと熱容量が等しくなるように前記リングプロジェクションの体積と先端角度θが同じであって、内側に行くに従って熱容量が小さくなるように体積と先端角度θとが小さくなり、内側に位置する前記リングプロジェクションと交わっている箇所ではその内側に位置するリングプロジェクションと熱容量が等しくなるように前記内側に位置するリングプロジェクションの体積と先端角度θが同じであることを特徴とするプロジェクション溶接方法を提供する。
第3の発明は、前記第1の発明又は前記第2の発明に記載されたプロジェクション溶接方法を実現するプロジェクション溶接装置であって、直流電源装置からの直流電力で充電されるコンデンサと、そのコンデンサに蓄えられた電気エネルギーを急峻な波形のパルス状電流として溶接トランスに放電するスイッチング回路と、第1と第2の溶接電極とを備えることを特徴とするプロジェクション溶接装置を提供する。
第4の発明は、前記第3の発明において、前記一方の被溶接物と前記他方の被溶接物とがずれないようにそれらの側面を適度の力で締め付ける位置ずれ防止装置を備えることを特徴とするプロジェクション溶接装置を提供する。
前記第1の発明又は第2の発明によれば、一度のリングプロジェクション溶接によって、溶接部によって囲まれる複数の閉じられた空間を有する溶接物を得ることができるリングプロジェクション溶接方法を提供できる。また、前記第3の発明又は前記第4の発明によれば、溶接部によって囲まれる複数の閉じられた空間を有する溶接物を得ることができるリングプロジェクション溶接装置を提供できる。
[実施形態1]
先ず、本発明の実施形態に係る多重のリングプロジェクションを有する被溶接物の一例を図1、図2によって説明する。図1(A)は被溶接物1をリングプロジェクションの上方から見た上面図であり、図1(B)は図1(A)において、切断線X−Yで切断した断面図を示す。図2は、本発明にかかるリングプロジェクション構造を説明するための図である。
被溶接物1は、円板状の金属ベース部1aと、金属ベース部1aの一方の面からほぼ垂直に延びる短円筒状の金属壁部1b、1c、1dと、これら金属壁部1b、1c、1dの先端部にそれぞれ形成されたリングプロジェクション1b’、1c’、1d’とからなる。金属壁部1b、1c、1dは中心点又は中心軸線Zを中心とする同心円状に形成されており、金属ベース部1aの面からのそれらの長さは任意で良い。金属壁部1b、1c、1dの長さは、溶接によって形成される密閉空間に応じて予め決められており、例えば溶接されたときに、図示しない他の被溶接物との間の空間が実質的に不要で、溶接強度の向上のための場合には、リングプロジェクション1b’、1c’、1d’が直接、金属ベース部1aから突出するような形で形成されていても良い。
図2に示すように、金属壁部1b、1c、1dは、中心点又は中心軸線Zを中心とする円の放射方向の厚み、つまり、幅はLで皆ほぼ等しい。金属壁部1b、1c、1dの鎖線Pよりも下側の部分で示されるリングプロジェクション1b’、1c’、1d’の先端角度θは、外側に位置するリングプロジェクションから内側に位置するリングプロジェクションに向けて小さくなるところに特徴がある。リングプロジェクション1b’の先端角度θはθ1であり、リングプロジェクション1c’の先端角度θは角度θ1よりも小さなθ2であり、リングプロジェクション1d’の先端角度θは角度θ2よりも小さなθ3である(θ1>θ2>θ3)。ここで、例えば、角度θ1がほぼ90°であるとすると、角度θ2は75〜45°であり、角度θ3は45〜20°である。これら角度は、リングプロジェクション1b’と1c’間の間隔、リングプロジェクション1c’と1d’間の間隔、被溶接物の材料などによって左右されるので、一概に決めることはできないが、それぞれの角度は、θ1>θ2>θ3の関係になければならない。
図2からも明らかなように、外側に位置するリングプロジェクション1b’の体積が最も大きくなるので、どの部分も同一の金属材料からなる被溶接物1にあっては、リングプロジェクション1b’の熱容量Tbが最も大きくなる。次に、中間に位置するリングプロジェクション1c’の体積は、リングプロジェクション1b’の体積よりも小さいが、内側に位置するリングプロジェクション1d’の体積よりも大きくなるので、リングプロジェクション1c’の熱容量Tcはリングプロジェクション1d’の熱容量Tdよりも大きくなる。したがって、内側に位置するリングプロジェクション1d’の体積、熱容量Tdが最も小さくなる(Tb>Tc>Td)。
各リングプロジェクション1b’、1c’、1d’の熱容量Tb、熱容量Tc、熱容量Tdは、溶接時にそれぞれのリングプロジェクション1b’、1c’、1d’、又は金属壁部1b、1c、1dを流れる溶接電流のピーク値、あるいは溶接電流の電流密度の大きさに比例して決められる。例えば、金属壁部1b、1c、1dを流れる溶接電流のピーク値又は電流密度が、10:8:6の場合には、熱容量Tb、Tc、Tdの割合もほぼ10:8:6になるように、リングプロジェクション1b’、1c’、1d’の先端角度θを形成する。このような角度をもつリングプロジェクション1b’、1c’、1d’を形成することにより、金属壁部1b、1c、1dを流れる溶接電流の大きさが異なっても、溶接電流によってリングプロジェクション1b’、1c’、1d’はほぼ同時に溶融を始める。なお、これらリングプロジェクションの高さは、通常、1mmないし数mm程度である。
次に、図3によって、図1と図2とにより説明した構造をもつ被溶接物1を2個突き合わせてリングプロジェクション溶接する例について説明する。図1で用いた記号と同一の記号は同じ名称の部材を示すものとする。直流電源装置11は、図示しない制御型の半導体スイッチ又は整流用ダイオードなどからなる整流回路を備え、不図示の商用交流電源又は交流発電機からの交流電力を直流電力に変換する。直流電源装置11からの直流電力は、複数の並列接続された電解コンデンサからなるコンデンサ12を充電する。半導体スイッチ又はインバータ回路のようなスイッチング回路13は、コンデンサ12に蓄えられた電気エネルギーを急峻な波形の電流パルスとして溶接トランス14の1次巻線N1に選択的に放電する。これに伴い、溶接電流が、溶接トランス14の1又は2ターンの巻数の2次巻線N2を通して、溶接トランス14の2次巻線N2に接続された第1の溶接電極15、第2の溶接電極16、及びそれらによって互いに加圧される第1、第2の被溶接物1、1を通して流れる。
第1、第2の被溶接物1、1については、図3では分かり難くなるのでリングプロジェクションの記号を示さないが、図1、図2も用いて説明すると、第1の被溶接物1のリングプロジェクション1b’、1c’、1d’と第2の被溶接物1のリングプロジェクション1b’、1c’、1d’とが互いに突き合される。この状態で、加圧力をかけると不安定で互いに位置ずれを起こす可能性が高いときには、位置ずれ防止装置17が備えられる。この位置ずれ防止装置17は、2分割又は3分割されている円筒状のものであり、電気絶縁性の合成樹脂材料、又は金属材料の内側に電気絶縁性の合成樹脂材料を貼り合せたものからなる。
位置ずれ防止装置17は、放射内側方向と放射外側方向に動いて、径を縮小、つまり縮径したり、径を拡大、つまり拡径する動作を行う。位置ずれ防止装置17が拡径状態にあるときに、第1、第2の被溶接物1と1とを第2の溶接電極16上に載置し、突き合わせ、しかる後に位置ずれ防止装置17が縮径動作を行って、第1、第2の被溶接物1と1との側面を適度な力で締め付け、第1の被溶接物1のリングプロジェクション1b’、1c’、1d’と第2の被溶接物1のリングプロジェクション1b’、1c’、1d’とがずれないようにする。この状態で、不図示の通常の加圧機構によって、第1の溶接電極15と第2の溶接電極16とを介して第1と第2の被溶接物1と1との間に溶接に必要な加圧力をかけ、その状態で、スイッチング回路13を動作させる。位置ずれ防止装置17は第2の溶接電極16と一体的に形成されていて、溶接電極を兼ねる位置ずれ防止構造、又は位置ずれ防止構造を兼ねる溶接電極であってもよい。なお、第1と第2の被溶接物1と1との間に通電するときには、位置ずれ防止装置17が拡径していてもよい。
スイッチング回路13が動作して閉じると、コンデンサ12に蓄えられている電気エネルギーは瞬時に放出されて、トランス14、第1の溶接電極15、第2の溶接電極16を介して第1と第2の被溶接物1と1とに溶接電流を流す。この溶接電流は数10ms以下の時間幅のパルス状電流であり、このようなパルス状電流は、前述のように、被溶接物の中心側よりも外側に電流が偏って流れる傾向があるが、第1の被溶接物1のリングプロジェクション1b’、1c’、1d’と第2の被溶接物1のリングプロジェクション1b’、1c’、1d’は、流れる電流に比例して熱容量が大きくなるよう、先端角度θが設定されているので、双方のリングプロジェクション1b’、1c’、1d’を流れる電流が異なっても、双方のリングプロジェクション1b’、1c’、1d’はほぼ同時に溶融する。したがって、その溶融に伴って第1、第2の被溶接物1、1の溶接部分は互いに押し込まれ、確実にナゲットが形成されるから、好ましいリングプロジェクション溶接結果を得ることができる。
[実施形態2]
次に、図4によって被溶接物1の別の実施形態について説明する。この被溶接物1も前記被溶接物と同様に、円板形又は角形の金属ベース部1aと、金属ベース部1aの一方の面からほぼ垂直に延びる短筒状の金属壁部1b、1c、1dと、これら金属壁部1b、1c、1dの先端部にそれぞれ形成されたリングプロジェクション1b’、1c’、1d’とからなる。金属壁部1b、1c、1dは、同心状に形成されており、それぞれ厚み、つまり幅がL1、L2、L3である。これらL1、L2、L3はL1>L2>L3の関係にあり、金属壁部1b、1c、1dを流れる溶接電流の大きさに比例するように設定される。
リングプロジェクション1b’、1c’、1d’は、内側から外側に向けて下がるような傾斜になっており、それらの角度は内側に位置するものに比べて外側に位置するものの傾斜角度である先端角度が大きいか、あるいは同程度でよい。リングプロジェクション1b’、1c’、1d’の体積の大きさに対応する熱容量は、金属壁部1b、1c、1dそれぞれの幅L1、L2、L3によって決められるか、又は幅L1、L2、L3とそれぞれの前記傾斜角である先端角度とによって決められる。このようなリングプロジェクションを有する被溶接物1は、被溶接物1’の平坦面に突き合され、適度に加圧された状態で溶接される。なお、通常のプロジェクション溶接では、図4に示すように一方の被溶接物にプロジェクションが形成され、他方の被溶接物にはプロジェクションが形成されていない場合が多い。
[実施形態3]
次に、図5によって被溶接物1の別の実施形態について説明する。図5は、被溶接物1の中心軸線Zから左半分の断面を示す。図5において、図1ないし図4で用いた記号と同一の記号は同じ名称の部材を示すものとする。この被溶接物1も前記被溶接物と同様に、被溶接物1は、円板形又は角形の金属ベース部1aと、金属ベース部1aの一方の面からほぼ垂直に延びる短筒状の金属壁部1b、1c、1d、1eと、これら金属壁部1b、1c、1dの先端部にそれぞれ形成されたリングプロジェクション1b’、1c’、1d’、1e’とからなる。金属壁部1b、1c、1d、1eは、同心状に形成されており、それぞれ厚み、つまり幅はすべてほぼ等しい。
リングプロジェクション1b’、1c’、1d’、1e’は、それぞれ厚み、つまり幅L1、L2、L3、L4を有する。最も外側に位置するリングプロジェクション1b’の幅L1が最も大きく、リングプロジェクション1c’、1d’、1e’と順次幅L2、L3が小さくなり、最も内側に位置するリングプロジェクション1e’の幅L4が最も小さくなる(L1>L2>L3>L4)。これら幅は、金属壁部1b、1c、1d、1eを流れる溶接電流の大きさに比例するように設定される。この実施形態においても、リングプロジェクション1b’、1c’、1d’、1e’の体積の大きさに対応する熱容量は、リングプロジェクション1b’、1c’、1d’、1e’それぞれの幅L1、L2、L3、L4によって決められるか、又は幅L1、L2、L3、L4とそれぞれの先端角度とによって決められる。
[実施形態4]
次に、図6によって被溶接物1の別の実施形態について説明する。図6は、被溶接物1を上から見た説明図である。図6において、図1〜図5で用いた記号と同一の記号は同じ名称の部材を示すものとする。この被溶接物1は、中心軸線Zを中心として同心円状に形成されたリングプロジェクション1b’、1c’を有すると共に、ほぼ90°間隔でリングプロジェクション1b’と1c’との間を結ぶプロジェクション1f’、1g’、1h’、1i’を備える。図面からも分かるように、リングプロジェクション1b’のほぼ1/4、プロジェクション1f’、1g’、リングプロジェクション1c’のほぼ1/4とで一つのリングプロジェクションを形成する。同様に、リングプロジェクション1b’のほぼ1/4の別の部分と、プロジェクション1g’、1h’と、リングプロジェクション1c’のほぼ1/4の別の部分とで一つのリングプロジェクションを形成する。他についても同様である。
図6は、リングプロジェクション1b’、1c’、プロジェクション1f’、1g’、1h’、1i’の幅、あるいは体積、つまり熱容量の大きさの関係を示しており、内側(中心側)に位置するリングプロジェクション1c’は外側に位置するリングプロジェクション1b’に比べて熱容量が小さくなるように、幅(厚み)と先端角度との双方又は片方が前述のようにして設定される。また、プロジェクション1f’、1g’、1h’、1i’は、リングプロジェクション1b’と交わっている箇所ではリングプロジェクション1b’の幅、あるいは体積が同じであって、リングプロジェクション1c’側に行くに従って幅(厚み)と先端角度との双方又は片方が前述のようにして小さくなるように設定される。つまり、熱容量が小さくなるように設定され、プロジェクション1f’、1g’、1h’、1i’は、リングプロジェクション1c’と交わっている箇所ではリングプロジェクション1c’の熱容量と同じになるように、それらの幅、あるいは体積がそれぞれ設定される。これらプロジェクションの幅又は先端角度に依存する体積、つまり熱容量は、前述のような溶接電流の偏りに応じて決められる。
[実施形態5]
図7によって、被溶接物1の別の実施形態について説明する。図7は、被溶接物1を上から見た説明図である。図7において、図1〜図6で用いた記号と同一の記号は同じ名称の部材を示すものとする。この被溶接物1は、被溶接物1の外周に沿って形成されたリングプロジェクション1b’と、ほぼ180°間隔でリングプロジェクション1b’から中心点Zまで延びるプロジェクション1j’、1k’を備える。図7で、リングプロジェクション1b’の上半分とプロジェクション1j’、1k’とで一つのリングプロジェクションを形成し、リングプロジェクション1b’の下半分とプロジェクション1j’、1k’とで別の一つのリングプロジェクションを形成する。
[実施形態5]
図7によって、被溶接物1の別の実施形態について説明する。図7は、被溶接物1を上から見た説明図である。図7において、図1〜図6で用いた記号と同一の記号は同じ名称の部材を示すものとする。この被溶接物1は、被溶接物1の外周に沿って形成されたリングプロジェクション1b’と、ほぼ180°間隔でリングプロジェクション1b’から中心点Zまで延びるプロジェクション1’、1k’を備える。図7で、リングプロジェクション1b’の上半分とプロジェクション1’、1k’とで一つのリングプロジェクションを形成し、リングプロジェクション1b’の下半分とプロジェクション1’、1k’とで別の一つのリングプロジェクションを形成する。
図7は、プロジェクション1’、1k’は、リングプロジェクション1b’と交わっている箇所ではリングプロジェクション1b’の幅、あるいは体積が同じであって、中心点Zに行くに従って幅(厚み)と先端角度との双方又は片方が前述のようにして小さくなるように設定される。つまり、熱容量が小さくなるように設定される。図7は、図6の場合と同様に、リングプロジェクション1b’、プロジェクション1’、1k’の幅又は先端角度の大きさの関係、あるいは熱容量の大きさの関係を示している。
図示しないが、この実施形態の被溶接物1は、内側から外側へ、あるいは外側から内側へ螺旋状に延びる密閉状の空間を形成するときに有効である。螺旋状のリングプロジェクションは、前述実施形態と同様に、外側から内側方向に行くに従って熱容量が小さくなるように、幅又は先端角度の大きさが徐々に小さくなる。この熱容量が小さくなる割合は、被溶接物の中心側方向に比べて外側方向に溶接電流が多く流れる割合とほぼ同じになるように設定される。
なお、以上の実施形態では、リングプロジェクションを円形状のものとして図示してきたが、円形状のものと限ることは無く、正方形又は長方形などの多角形の被溶接物の形状に適した3角形以上の角型のリングプロジェクションであっても良い。ただし、円形状又は螺旋状のリングプロジェクションの場合には、旋盤加工で容易に形成できるので低コストであるが、角型のリングプロジェクションの場合には、フライス加工などよらなければならないので、形成するのに時間がかかり、コストアップになるという問題はあるものの、必要に応じて円形状のものと同様なプロジェクション形状で実現できる。
本発明に係る複数のリングプロジェクションを有する被溶接物の一実施形態を示す図である。 本発明に係る実施形態1の被溶接物を説明するための図である。 本発明に係る複数のリングプロジェクションを有する被溶接物の溶接方法を実現する溶接装置の一例を説明するための図である。 本発明に係る実施形態2の被溶接物を説明するための図である。 本発明に係る実施形態3の被溶接物を説明するための図である。 本発明に係る実施形態4の被溶接物を説明するための図である。 本発明に係る実施形態5の被溶接物を説明するための図である。
符号の説明
1・・・被溶接物
1a・・被溶接物1の金属ベース部
1b〜1e・・被溶接物1の金属壁部
1b’〜1e’・・被溶接物1のリングプロジェクション
11・・直流電源装置
12・・コンデンサ
13・・スイッチング回路
14・・溶接トランス
15、16・・第1、第2の溶接電極
17・・位置ずれ防止装置

Claims (4)

  1. 互いに同心状に形成された同程度の高さの複数のリングプロジェクションを有する一方の被溶接物と他方の被溶接物とに溶接電流を供給することによって抵抗溶接するプロジェクション溶接方法であって、
    複数の前記リングプロジェクションは、それぞれの熱容量が外側に位置するよりも内側に位置するほど小さくなるように、同程度の体積又は外側に比べて内側に位置するほど小さくなる体積を有すると共に、外側に比べて内側に位置するほど鋭角になる先端角度θを有し、
    すべての前記リングプロジェクションの先端を前記他方の被溶接物に押し当てた状態で、数十ms以下の時間幅の単一のパルス状電流又は交流のパルス状電流を前記溶接電流として供給することによって、複数の前記リングプロジェクションを同時に溶融させ、前記一方の被溶接物と前記他方の被溶接物とを抵抗溶接することを特徴とするプロジェクション溶接方法。
  2. 請求項1において、
    前記一方の被溶接物は、複数の前記リングプロジェクションとの間を結ぶプロジェクションを有し、
    前記プロジェクションは、外側に位置する前記リングプロジェクションと交わっている箇所では前記外側に位置するリングプロジェクションと熱容量が等しくなるように前記リングプロジェクションの体積と先端角度θが同じであって、内側に行くに従って熱容量が小さくなるように体積と先端角度θとが小さくなり、内側に位置する前記リングプロジェクションと交わっている箇所では該内側に位置するリングプロジェクションと熱容量が等しくなるように前記内側に位置するリングプロジェクションの体積と先端角度θが同じであることを特徴とするプロジェクション溶接方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたプロジェクション溶接方法を実現するプロジェクション溶接装置であって、
    直流電源装置からの直流電力で充電されるコンデンサと、該コンデンサに蓄えられた電気エネルギーを急峻な波形のパルス状電流として溶接トランスに放電するスイッチング回路と、第1と第2の溶接電極とを備えることを特徴とするプロジェクション溶接装置。
  4. 請求項3において、
    前記一方の被溶接物と前記他方の被溶接物とがずれないようにそれらの側面を適度の力で締め付ける位置ずれ防止装置を備えることを特徴とするプロジェクション溶接装置。
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