JPH0254151B2 - - Google Patents

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JPH0254151B2
JPH0254151B2 JP60022531A JP2253185A JPH0254151B2 JP H0254151 B2 JPH0254151 B2 JP H0254151B2 JP 60022531 A JP60022531 A JP 60022531A JP 2253185 A JP2253185 A JP 2253185A JP H0254151 B2 JPH0254151 B2 JP H0254151B2
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Japan
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powder
rotor material
synthetic resin
metal member
resin powder
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JP60022531A
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Shigenori Tamaoki
Hiroyuki Mochizuki
Nobuo Kobayashi
Takahiro Iwase
Tadashi Masuda
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Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、金属部材の表面に合成樹脂粉末をコ
ーテイングする方法に関し、特に金属部材の表面
に熱によつて合成樹脂粉末を融着させる方法の改
良に関するものである。
(背景技術) 金属部材の表面に合成樹脂粉末をコーテイング
することは、例えばルーツ型流体送給機のロータ
に対して行われている。第5図はそのルーツ型流
体送給機の一種であるスーパーチヤージヤ(エン
ジンに強制的に空気を圧送する過給機)を示すも
のであり、このスーパーチヤージヤは、ハウジン
グ2内にルーツ形のロータの一種である一対のま
ゆ形ロータ4を備え、それらのロータ4がそれぞ
れ回転軸6の軸心周りに互いに逆方向に回転させ
られることによつて吸入口8から空気を吸入し、
吐出口10からエンジン側へ送り込むものであ
る。このようなスーパーチヤージヤにおいて、二
つのロータ4間の間隙および両ロータ4とハウジ
ング2との間隙をできるだけ小さくして体積効率
を高めるために、両ロータ4の外周面および端面
に合成樹脂粉末をコーテイングして樹脂層12を
形成する場合がある。
本出願人は、このロータ素材の外表面に樹脂コ
ーテイングを行うべく特公昭56−41406号公報に
記載されている方法を試みた。ロータ素材を樹脂
粉末の融点以上の温度に加熱し、流動状態に保つ
た樹脂粉末中に埋没させて、樹脂粉末をロータ素
材の表面に融着させることを試みたのである。
しかし、このようにロータ素材を流動状態にあ
る樹脂粉末内に保持してコーテイングを行う場合
には、ロータ素材表面とほぼ決まつた位置に空気
に通り路が形成され易く、この部分においてコー
テイング厚さが局部的に薄くなる不具合が生じ易
いことが判明した。樹脂粉末を流動状態に保つた
めに、樹脂粉末層の底部から空気を吹き来み、上
面から抜けるようにするのであるが、ロータ素材
を流動状態にある樹脂粉末層内に静止させておく
場合には、ロータ素材の表面に沿つて空気が集中
的に流れる通路が形成され易く、この通路におい
ては樹脂粉末のロータ素材表面への接触が妨げら
れるために、コーテイング厚さが局部的に薄くな
つてしまうのである。
そこで、本出願人は、ロータ素材を樹脂粉末内
へ埋没させる過程では樹脂を流動状態に保つが、
埋没の完了後は樹脂粉末を非流動状態とし、コー
テイングは非流動状態下に行うことを試みた。
このように、埋没完了後には樹脂粉末を非流動
状態としてその中にロータ素材を保ち、樹脂粉末
のロータ素材への融着は非流動状態で行えば、ロ
ータ素材の表面に沿つて空気の通路が形成される
ことがなく、表面全体にわたつて均一な厚さの樹
脂層が形成される。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、上述のようにロータ素材を非流動状態
の樹脂粉末内に保つてコーテイングを行うと、ロ
ータ素材の下側において十分な厚さの樹脂層が得
られないことや、ロータ素材と樹脂層との界面に
空隙が生じて接着力が低下することがあることが
判明した。
(問題点を解決するための手段) 本発明はこの問題を解決すために為されたもの
であり、金属部材に合成樹脂粉末をコーテイング
するに当つて、(a)金属部材を流動槽内で流動状態
にある合成樹脂粉末に埋没させる埋没工程と、(b)
その埋没工程の前と後との少なくとも一方におい
て、金属部材を合成樹脂粉末の融点以上かつ熱分
解低下の温度に加熱する加熱工程と、(c)埋没工程
の完了後、流動槽内の合成樹脂粉末を非流動状態
とし、その非流動状態の合成樹脂粉末を金属部材
の表面に融着させるコーテイング工程と、(d)その
コーテイング工程の途中に金属部材を非流動状態
の合成樹脂粉末に対して相対的に下方に押し下げ
る押下工程とを行うようにしたものである。
金属部材は常温で合成樹脂粉末内に埋没させ、
その後、合成樹脂粉末の融点以上の温度に加熱す
ることも、予め合成樹脂粉末の融点以上の温度に
加熱した金属部材を合成樹脂粉末内に埋没させる
ことも可能である。
(作用および効果) 上記のように、流動状態にある樹脂粉末内に金
属部材と埋没させ、埋没完了後は樹脂粉末を非流
動状態としてコーテイングを行えば、前述のよう
に厚さが均一な樹脂層が形成されるのであるが、
さらにそのコーテイングの途中において金属部材
を合成樹脂粉末に対して相対的に下方に押し下げ
れば、前述のように金属部材の下側に十分な厚さ
の樹脂層が形成されない、または樹脂層の接着力
が低いという問題を解消することができる。これ
は以下のような理由によるものと推測される。
合成樹脂粉末間には微小な隙間が存在している
が、合成樹脂粉末が金属部材表面に融着する際に
はこの隙間が消滅するため容積が減少することと
なる。金属部材の上側および側方においてはこの
容積の減少に相当する量の合成樹脂粉末が比較的
容易に周囲から補給されるのであるが、下側にお
いては補給され難いため、第5図に誇張的に示す
ように金属部材14に融着した樹脂層16と合成
樹脂粉末17との間に空洞18が形成され、樹脂
層16がそれ以上の厚さに成長しなくなるか、あ
るいはそれほどではなくても樹脂層16の下方の
合成樹脂粉末間の隙間が増大して熱伝達率が低下
し、それによつて樹脂層16の成長速度が低下さ
せされたり、樹脂層が気孔率の高い不満足なもの
となるのに対して、本発明におけるように金属部
材を押し下げる工程を設ければ上記のような空洞
18が消滅させられ、あるいは合成樹脂粉末17
間の隙間が減少して樹脂層16が正常に成長する
こととなるためであると推測されるのである。
(実施例) 以下、前述のようなスーパーチヤージヤのまゆ
形ロータを例に取り、そのロータ素材に対する樹
脂粉末コーテイングに本発明を適用した場合の実
施例を図面に基づいて詳細に説明する。
第3図は、そのまゆ形を成すロータ素材20の
樹脂粉末がコーテイングされる以前のものを示し
ている。このロータ素材20は、本実施例におい
てはアルミニウム合金、特にAl−Si系合金のシ
リコン含有率が12%程度と高いもの(例えば
(JIS A4047等)から成つており、その中心部に
は回転軸が通される軸孔22が、また軸孔22の
両側の羽根部には1個ずつの貫通孔24が両端面
に開口するように形成されて、重量の軽量化が図
られている。そして、本実施例においてはこのロ
ータ素材20の外周面の全面および両端面の外周
縁部に樹脂コーテイングが予定されており、コー
テイングされる合成樹脂粉末として例えばテトラ
フルオルエチレン(4フツ化エチレン)とエチレ
ンとの共重合体であるアフロン(商品名…以下ア
フロンと称する)の粉末が用いられる。
上記ロータ素材20の樹脂コーテイング面、す
なわち下地面26には樹脂コーテイングに先立つ
て予め下地処理を施すことが望ましい。その下地
処理は脱脂洗浄およびその後の水洗いでもよい
が、樹脂の接着強度を高めるためにロータ素材2
0を予洗いし、乾燥させた後、下地面26に硬質
粒子を高速で衝突させてその下地面26に多数の
凹凸を形成し、その後、下地面26を弱アルカリ
脱脂剤等の脱脂剤により脱脂洗浄し、更にその樹
脂洗浄されたロータ素材20の下地面26を水洗
いして上記脱脂剤を洗い落とすようにすることが
より効果的である。
以上のように下地処理して、最終的に乾燥によ
り水気を除去したロータ素材20に対して、前述
のアフロンをコーテイングするのであるが、第1
図にそのコーテイング装置の一例を簡略に示す。
第1図において28は流動槽であり、この流動
槽28内にアフロン粉末Pが入れられる。ロータ
素材20は予め加熱された後、このアフロン粉末
P内に没入させられるが、そのアフロン粉末Pに
対するロータ素材20の没入やそこからの取出し
を容易にするために、流動槽28内のアフロン粉
末Pが圧縮空気と振動とによつて流動状態、特に
浮動状態となるようにされている。すなわち、流
動槽28はその底部において加振機30に固定さ
れてその全体が振動させられるようになつてお
り、また、流動槽28の底部からは空気供給口3
2を経て圧縮空気が供給され、この空気が流動槽
28内のアフロン粉末Pの粉末間を通り抜けるよ
うにされているのであつて、振動による摩擦低減
作用と圧縮空気による持ち上げ作用とにより流動
槽28内のアフロン粉末Pが流体に近い挙動を示
すようにされる。
加振機30は、例えばアンバランスウエイトを
用いた機械式のものを始め、公知の各種のものが
使用可能であり、生じさせる振動の周波数は1500
〜2000Hz程度が好適であり、また、こと加速度は
2.5〜3.0Gであることが望ましい。流動槽28の
底部開口には、空気供給口32から供給される空
気をアフロン粉末Pに適量だけ均一に供給する空
気フイルタ34が設けられている。この空気フイ
ルタ34は目の細かいものが望ましい。フイルタ
の目が粗いと、流動槽28内のアフロン粉末Pに
おける流通抵抗の小さい所に空気通路が形成され
るチヤネリング現象が発生し易いからであり、こ
の空気フイルタ34としては、例えば製図に用い
られる半透明のトレーシングペーバ(硫酸紙)を
複数枚(例えば15枚程度)重ねたものを用いるこ
とができる。空気フイルタ34は支持網36によ
つて下側から支持された状態で流動槽28の底部
に配設される。
一方、流動槽28内の上側部分には、ロータ素
材20を予め誘導加熱する上コイル38が位置固
定に設けられている。この上コイル38は、高周
波焼入れに用いられるコイルと同種のものであつ
て、ロータ素材20を外側から所定処理隔てて取
り巻くように配置され、コイル電源40からの通
電により電磁誘導作用によつてロータ素材20を
加熱するものである。コイル電源40と上コイル
38との間に力率改善コンデンサ42が並列に接
続され、また、上コイル38は中空で、内部には
冷却水が流される。なお、この上コイル38の固
定構造の図示は省略するが、実際には上コイル3
8の下端部に取り付けられた面板を介して上方か
ら釣り下げる構造となつている。
上コイル38の下側には、下コイル44がアフ
ロン粉末P内に埋もれた状態で位置固定に配置さ
れている。この下コイル44は、アフロン粉末P
内に没入させられたロータ素材20をコイル電源
46からの通電による誘導加熱によつて再加熱す
るもので、上コイル38と同様な構造のものであ
り、図示しないワイヤあるいはブラケツト等の支
持部材により上方から位置固定に保持されてい
る。なお、これら上コイル38および下コイル4
4を流動槽28に支持させることも可能である
が、流動槽28は前述のように加振機30によつ
て振動させられるものであるため、流動槽28と
は別の部材に支持させる構造の方が好ましい。
樹脂コーテイングされるロータ素材20には、
第3図に示す軸孔22および貫通孔24の内周面
およびそれらの開口周辺にアフロン粉末Pが融着
しないようにするために、それらの両端開口部に
マスキング部材48が取り付けられる。そして、
軸孔22にはロータ素材20を支持する支持ロツ
ド50が通され、そのロツド頭部と止めナツト5
2等の止め部材によつて両マスキング部材48が
固定される。なお、これらマスキング部材48、
止めナツト52および支持ロツド50は、誘導加
熱されない黄銅やステンレス鋼製とされるか、金
属製のものの表面に4フツ化エチレン樹脂がコー
テイングされて、アフロン粉末Pが融着しないよ
うにされる。
上記支持ロツド50を上方から支持するため
に、固定部材54にシリンダ56が取り付けら
れ、そのピストンロツド58に支持ロツド50
が、例えば図例のようなチヤツク60で把持され
ることによつて、あるいは支持ロツド50に設け
られたテーパ軸部がピストンロツド58のテーパ
穴に嵌合され、かつピンやねじ等の止め部材で抜
け止めされることによつて、連結されるようにな
つている。
次に、以上のような装置を用いてロータ素材2
0に樹脂コーテイングを行う具体的な手順につい
て説明する。
前述のように、下地処理されたロータ素材20
は、マスキング部材48が支持ロツド50等が取
り付けられた状態で、その支持ロツド50を介し
て上方からシリンダ56によつて支持された状態
とされるが、流動槽28に収容されたアフロン粉
末P内への没入に先立つて、まず前記上コイル3
8内に位置させられ、その上コイル38でアフロ
ン粉末Pの融点以上の温度に誘導加熱される。ア
フロン粉末Pの融点は260℃であり、また熱分解
点は360℃であるため、上コイル38によるロー
タ素材20の加熱温度は少なくとも260℃以上と
されるが、アフロン粉末Pのコーテイング品質や
コーテイング能率の点からすると、熱分解点を超
えない範囲で高い方が望ましく、例えば300〜340
℃位、特に340℃程度が好ましい。ただし、ロー
タ素材20のアフロン粉末P内への没入時にある
程度熱が逃げるため、360℃程度まで加熱しても
良い。このような誘導加熱は、上コイル38に例
えば3kHz程度の高周波電流を約120秒程度通電す
ることによつて行われ、この3kHz程度の高周波
電流によれば、ロータ素材20の表層部だけでな
く、ある程度内部までほぼ均一に加熱される。
このように上コイル38によつて加熱されたロ
ータ素材20は、次いでシリンダ56の作動によ
り下降させられて、流動槽28に収容されている
アフロン粉末P内へ没入させられる。この没入の
過程では、前記加振機30の作動により流動槽2
8を介してアフロン粉末Pが振動させられ、か
つ、空気供給口32から圧縮空気が供給されて前
記空気フイルタ34を通してアフロン粉末P内を
上昇させられることにより、アフロン粉末Pが流
動状態とされる。また、下コイル44のコイル電
源46はOFF状態に保たれ、上記のように流動
状態とされているアフロン粉末P内にロータ素材
20が没入させられる。
この没入の過程においては、すでにアフロンの
融点以上の温度に加熱されているロータ素材20
の下地面26と流動槽28内のアフロン粉末Pと
が相対移動しつつ接触する。したがつて、アフロ
ン粉末Pが下地面26に瞬間的に融着し、この第
1段階でロータ素材20の表面に薄い樹脂膜が満
遍なく形成される。ロータ素材20とアフロン粉
末Pとの静止状態において融着が行われる場合に
は、一旦空隙が生ずるとその空隙はロータ素材表
面上の一定の位置に留まるため、その空隙の空気
がそのまま樹脂層内に閉じ込められ易いのに対し
て、両者が相対移動している場合には空隙がロー
タ素材表面上を移動することとなるため、特定の
部分へのアフロン粉末Pの融着が妨げられること
はないのである。
そして、ロータ素材20は、没入が開始されて
から例えば20〜30秒程度で、第2図に示すよう
に、アフロン粉末P内に完全に埋め込まれ、下コ
イル44内に位置させられた状態となる。この状
態となれば、加振機30による振動や空気供給口
32からの圧縮空気の供給が停止され、アフロン
粉末Pは非流動状態となる。このようにされるの
は、ロータ素材20の没入後、更にアフロン粉末
Pの融着が進行するのであるが、アフロン粉末P
が流動状態に保たれていると、ロータ素材20と
アフロン粉末Pとの境界に空気の通り道となる部
分が生じて、その部分にアフロン粉末Pが融着し
にくくなるからである。
このように、ロータ素材20の没入が完了し、
かつアフロン粉末Pの非流動状態とされた後、ロ
ータ素材20はそのアフロン粉末P内で一定時
間、例えば60秒程度そのまま保持され、この保持
の過程でロータ素材20の表面に更に多くのアフ
ロン粉末Pが融着して樹脂層の厚さが徐々に増大
するが、アフロン粉末間には微小な隙間が存在し
ているため、融着に伴つて容積が減少する。ロー
タ素材20の上側および側方においては容積の減
少分だけ周辺からアフロン粉末Pが良好に補給さ
れ、樹脂層の形成が支障なく行われるが、ロータ
素材20の下側においてはアフロン粉末Pが十分
に補強され難く、そのためアフロン粉末Pの稠密
度が低下したり、甚だしい場合には樹脂層とアフ
ロン粉末Pとの間に空洞が生じたりし易い。そし
て、アフロン粉末Pの稠密度が低下すれば、その
部分の熱伝達率が低下して樹脂層の成長が鈍化し
たり、樹脂層内に閉じ込められる微小な空隙が増
加したりする不具合が生じ、樹脂層とアフロン粉
末Pとの間に空洞が生じた場合には、その部分に
おける樹脂層の成長が停止することとなる。
このような不具合の発生を回避するために本実
施例においては、上記保持過程の前期にシリンダ
56が作動させられてロータ素材20が微小距離
だけ押し下げられる。これによつてロータ素材2
0の下側におけるアフロン粉末Pの稠密度が向上
させられ、あるいは空洞が消滅させられて、樹脂
層はロータ素材20の下側においても良好に増大
する。また、樹脂層のロータ素材に対する接着強
度も向上する。
上記の過程においてはロータ素材20の熱がア
フロン粉末P側へ逃げるため、第4図から明らか
なように、ロータ素材20の温度が徐々に低下し
ていく。そこで、ロータ素材20がある温度、例
えば300℃程度まで下がつたときコイル電源46
がONとされ、下コイル44に例えば3kHz程度の
高周波電流が流されてロータ素材20が再加熱さ
れる。この再加熱は、例えば40秒程度続けられ、
ロータ素材20が例えば320℃程度まで昇温させ
られた後、下コイル44への通電が止められる。
そして、このような再加熱の後、ロータ素材2
0は更にアフロン粉末P内において一定時間、例
えば60秒前後そのままの状態で保持され、上記再
加熱過程およびこの保持過程で、ロータ素材20
へのアフロン粉末Pの融着による樹脂層は更に厚
いものとなる。この例の場合、再合熱時間とその
前後の保持時間を合わせて約2〜3分程度で、ほ
ぼ1.2mm程度の樹脂層厚さが得られるが、一般的
には目的とする樹脂層厚さが得られるように保持
時間や再加熱時間が設定されることとなる。な
お、再加熱の後、アフロン粉末内に一定時間保持
されるのは、ロータ素材20に与えられた熱をコ
ーテイングにできる限り有効に利用するためであ
り、熱効率よりサイクルタイムの短縮が望まれる
ような場合には再加熱の終了後直ちにロータ素材
20を取り出すことも可能である。
上記のようなアフロン粉末P内で所望厚さの樹
脂コイルが行われたロータ素材20は第1図に示
すシリンダ56の作動により上昇させられて、ア
フロン粉末P内から取り出されるが、この取出し
の過程でも没入時と同様に加振機30の振動およ
び圧縮空気の供給によりアフロン粉末Pが流動状
態とされてロータ素材20は容易に取り出され
る。
取出しの後、必要に応じて後処理が行われるこ
ととなるが、以上のようにしてコーテイングされ
た樹脂層とロータ素材表面との間には、前述のよ
うに空隙が生じ難いため、接着強度が大きく、品
質の良い製品が得られるのである。また、樹脂層
の形成過程においてロータ素材20が小距離押し
下げられ、ロータ素材20の下側におけるアフロ
ン粉末Pの稠密度が向上させられ、あるいは空洞
が消滅させられるため、ロータ素材20の下側に
おいても十分な厚さの樹脂層が得られる。
なお、以上の説明においてロータ素材20はア
フロン粉末P内への没入およびそれに引き続く保
持の過程の後に小距離押し下げられるものとした
が、この押下げの時期はアフロン粉末Pが非流動
状態にされた後の適宜の時期に変更することが可
能であり、また、複数回の押下げを行うことも可
能である。
さらに、ロータ素材20のアフロン粉末P内へ
の没入過程から、あるいはその没入過程が完了し
た直後から下コイル44による再加熱を行い、ロ
ータ素材20をほぼ一定の温度に保つようにする
こともできる。
また、流動槽28内のアフロン粉末Pを流動状
態に保つために、圧縮空気の供給だけとすること
も可能であるが、圧縮空気の供給だけでは抵抗の
小さな所に空気通路が形成され易いため、振動と
圧縮空気との組み合わせることが望ましい。
また、上コイル38と下コイル44との双方を
設けるのではなく、上コイル38だけとして、こ
れを流動槽28のアフロン粉末P内へ没入させる
ことのできる昇降可能なものとし、上コイル38
で予加熱と再加熱との双方を行うようにすること
も可能である。
一方、ロータ素材20をアフロン粉末P内に埋
没させるに際して、そのロータ素材20を位置固
定に保持する一方、流動槽28を加振機30とと
もに上昇させることによりロータ素材20をアフ
ロン粉末P内に埋没させることも可能である。
また、本発明は前述のようなアルミニウム合金
製のロータ素材20に限らず、鋼やその他の金属
製のロータ素材に対しても適用可能であつて、ア
ルミニウム製のロータ素材の場合には、熱容量が
小さく、アフロン粉末中で冷え易いため、前述の
ような再加熱を行うことが望ましいが、鋼製等の
ものの場合には、熱容量が大きく冷え難いから、
その場合には再加熱は必ずしも必要ではなくな
る。また、コーテイングすべき樹脂層の厚さが比
較的薄い場合も同様である。さらに付言すれば、
ロータ素材を予加熱する場合には、前述の誘導加
熱以外に、電気ヒータや燃焼熱を熱源とする加熱
炉を用いるなど、放射、対流、あるいは伝動によ
り熱を伝える各種の加熱方法を採用することがで
きる。
さらに、先の説明では所謂アフロン粉末を例に
とつたが、アフロン粉末に限られるものではな
く、他の各種合成樹脂粉末をコーテイングする場
合にも本発明は適用できる他、コーテイング対象
である金属部材としても前述のようなまゆ形ロー
タに限らず、他のルーツ形ロータ、さらにはルー
ツ形ロータ以外の金属部材であつても同様に適用
することが可能である。
その他、一々説明はしないが、当業者の知識に
基づき種々の改良、変更等を施した態様で本発明
を実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に好適に用いられる
装置と、それによる加熱工程とを示す断面図であ
り、第2図はそのコーテイング工程を示す断面図
である。第3図は合成樹脂粉末がコーテイングさ
れる金属部材の一例であるまゆ形のロータ素材の
斜視図である。第4図は第1図および第2図に示
す工程を時間と温度との関係において示すグラフ
である。第5図は本発明における金属部材押下工
程の有用性を説明するための概念図である。第6
図はルーツ型流体送給機の一種であるスーパーチ
ヤージヤを簡略に示す断面図である。 12:樹脂層、20:ロータ素材(金属部材)、
26:下地面(表面)、28:流動槽、30:加
振機、32:空気供給口、34:空気フイルタ、
36:支持網、38:上コイル、44:下コイ
ル、48:マスキング部材、50:支持ロツド、
56:シリンダ、58:ピストンロツド、P:ア
フロン粉末(合成樹脂粉末)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属部材の表面に合成樹脂粉末をコーテイン
    グする方法であつて、 前記金属部材を流動槽内で流動状態にある前記
    合成樹脂粉末内に埋没させる埋没工程と、 その埋没工程の前と後との少なくとも一方にお
    いて、金属部材を前記合成樹脂粉末の融点以上か
    つ熱分解低下の温度に加熱する加熱工程と、 前記埋没工程の完了後、前記流動槽内の合成樹
    脂粉末を非流動状態とし、その非流動状態の合成
    樹脂粉末を前記金属部材の表面に融着させるコー
    テイング工程と、 そのコーテイング工程の途中に前記金属部材を
    非流動状態の合成樹脂粉末に対して相対的に下方
    に押し下げる押下工程と を含むことを特徴とする金属部材の合成樹脂粉末
    コーテイング方法。 2 前記金属部材が前記埋没工程に先立つて前記
    合成樹脂粉末の融点以上の温度に加熱されたもの
    である特許請求の範囲第1項記載のコーテイング
    方法。
JP2253185A 1985-02-07 1985-02-07 金属部材の合成樹脂粉末コ−テイング方法 Granted JPS61181572A (ja)

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