JPS61181567A - 金属部材の合成樹脂粉末コ−テイング方法 - Google Patents

金属部材の合成樹脂粉末コ−テイング方法

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JPS61181567A
JPS61181567A JP2253285A JP2253285A JPS61181567A JP S61181567 A JPS61181567 A JP S61181567A JP 2253285 A JP2253285 A JP 2253285A JP 2253285 A JP2253285 A JP 2253285A JP S61181567 A JPS61181567 A JP S61181567A
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powder
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玉置 茂紀
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博幸 望月
Nobuo Kobayashi
信夫 小林
Takahiro Iwase
隆広 岩瀬
Tadashi Masuda
増田 直史
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、金属部材の表面に合成樹脂粉末をコーティン
グする方法に関し、特に金属部材の表面に熱によって合
成樹脂粉末を融着させる方法の改良に関するものである
(背景技術) 金属部材の表面に合成樹脂粉末をコーティングすること
は、例えばルーツ型流体送給機のロータに対して行われ
ている。第5図はそのルーツ型流体送給機の一種である
スーパチャージャ(エンジンに強制的に空気を圧送する
過給機)を示すものであり、このスーパーチャージャは
、ハウジング2内にルーツ形ロータの一種である一対の
まゆ形ロータ4を備え、それらのロータ4がそれぞれ回
転軸6の軸心周りに互いに逆方向に回転させられること
によって、吸入口8がら空気を吸入し、吐出口10から
エンジン側へ送り込むものである。
このようなスーパーチャージャにおいて、二つのロータ
4間の間隙および両ロータ4とハウジング2との間隙を
できるだけ小さくして体積効率を高めるために、両ロー
タ4の外周面および端面に合成樹脂粉末をコーティング
して樹脂層12を形成する場合がある。
そこで、本出願人はそのようなロータの外表面に樹脂コ
ーティングを行うために、ロータ素材を合成樹脂粉末内
に埋没させた状態でそのロータ素材を上記合成樹脂粉末
の融点以上の温度に加熱することにより、ロータ素材の
表面にその樹脂粉末を融着させることを試みた。すなわ
ち、合成樹脂粉末が収容されている槽内にロータ素材を
没入させ、あるいは空の槽内にロータ素材を保持した状
態で合成樹脂粉末を投入し、その後、上記槽の外側ある
いは内側に配置した加熱コイルを用いて、誘導加熱によ
りロータ素材を合成樹脂粉末の融点以上の温度に加熱し
て、その表面に樹脂粉末を融着させることを試みたので
ある。
このような樹脂コーティング方法によれば、能率良く、
かつ比較的簡単な装置で樹脂コーティングを行うことが
でき、ロータ素材とコーティングされた樹脂層との間の
接着強度も一応実用に供し得るものとなる。
(問 題 点) しかし、上述のようにロータ素材を樹脂粉末内に埋没さ
せた状態でロータ素材を加熱すると、樹脂粉末側に熱が
逃げやすいため加熱時間が比較的長くかかり、コーティ
ング作業のサイクルタイムを短縮する上で不利となる。
また、ロータ素材を埋没状態で加熱する場合には、樹脂
層内に空隙が生じ易い。これは、ロータ素材と樹脂粉末
との間に一旦空隙が生じると、ロータ素材を加熱しても
その空隙部には樹脂が融着し難<、樹脂層に空隙がその
まま残り易いことと、ロータ素材を埋没状態で加熱する
と周囲の樹脂粉末の比較的厚い部分が殆ど同時に樹脂粉
末の融点に達するため、樹脂粉末間に存在する空気が樹
脂層内に閉じ込められ易いことによると考えられる。
このように樹脂層内に空隙が生ずることが望ましくない
ことは当然であるが、特に樹脂層とロータ素材との境界
面に多数の空隙が生ずれば、両者の接着強度が低下して
使用中に樹脂層が剥離する等の問題が発生する。
また、合成樹脂粉末の溶融はロータ素材表面に近い部分
から順に進行するが、ロータ素材表面から離れるほど温
度が低くなるため、ロータ素材を樹脂粉末内から取り出
した状態でも、コーティングされた樹脂層の特に外層部
分には、完全に溶融しきれない半溶融あるいは不完全熔
融の層が存在する。この不完全な層は正規の樹脂層とし
て機能し得ないため、ロータ素材の取出し後に切削等の
機械加工によって除去する必要があり、その後処理が面
倒な他、樹脂粉末の材料歩留りの点でも不利となる問題
を生じる。
なお、以上のような樹脂粉末コーティングに伴う問題は
、スーパチャージャのまゆ形ロータにおいてのみならず
、一般に金属部材の表面に合成樹脂粉末を融着によりコ
ーティングする場合に生じ易い問題である。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上記の問題を解決するために為されたもので
あり、金属部材の表面に合成樹脂粉末をコーティングす
るに際して、金属部材を合成樹脂粉末内に埋没させた状
態で加熱するのではなく、予め合成樹脂粉末の融点以上
の温度まで加熱した金属部材を、合成樹脂粉末との相対
移動下にその樹脂粉末内に埋没させて合成樹脂粉末を金
属部材表面に融着させることを第一の特徴とするもので
ある。また第二の特徴は、その合成樹脂粉末がコーティ
ングされた金属部材を、上記合成樹脂粉末外においてそ
の合成樹脂粉末の融点以上の温度に加熱して、その金属
部材に付いている不完全溶融樹脂粉末を完全溶融させる
点にある。
(発明の効果) 上記のように予め加熱した金属部材の表面と合成樹脂粉
末とに相対移動を生じさせつつ両者を接触させれば、た
とえ樹脂粉末内に空隙が存在してもその空隙が金属部材
の特定部分に留まることがなく、加熱された金属部材の
表面に樹脂粉末がまず薄くかつ満遍な(融着し、その後
その融着部分が内側から成長するため、金属部材表面と
樹脂層との境界面に空隙が生じに(<、樹脂層の金属部
材に対する接着強度が向上するとともに、他の部分の空
隙も減少する。さらに、金属部材の加熱を樹脂粉末内へ
の埋没状態で行うのではなく、それ以前に行うものであ
るため、樹脂粉末に奪われる熱量が減少して加熱効率が
向上し、コーティング作業のサイクルタイムを短縮する
ことが可能となる。
しかも、金属部材にコーティングされた樹脂粉末にたと
え不完全溶融部分が存在していても、一応の樹脂コーテ
ィング終了後にさらに上記金属部材が合成樹脂粉末外で
加熱されて、その不完全溶融樹脂粉末が完全に熔融させ
られるため、金属部材に付いている樹脂粉末の全てを、
正規の樹脂層として有効に用いることができる。また、
不完全溶融部分を除去する機械加工も行わな(て済む。
(実 施 例) 以下、前述のようなスーパーチャージャのまゆ形ロータ
を例に取り、そのロータ素材に対する樹脂粉末コーティ
ングに本発明を適用した場合の実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。
第3図は、そのまゆ形を成すロータ素材20の樹脂粉末
がコーティングされる以前のものを示している。このロ
ータ素材20は本実施例においてアルミニウム合金、特
にA3−3i系合金のシリコン含有率が12%程度と高
いもの(例えばJISA 4047等)から成っており
、その中心部には回転軸が通される軸孔22が、また軸
孔22の両側の羽根部には1個ずつの貫通孔24が両端
面に開口するように形成されて、重量の軽量化が図られ
ている。そして、本実施例においては、このロータ素材
20の外周面の全面および両端面の外周縁部に樹脂コー
ティングが予定されており、コーティングされる合成樹
脂粉末として、例えばテトラフルオルエチレン(47)
化エチレン)とエチレンとの共重合体であるアフロン(
商品名;以下アフロンと称する)の粉末が用いられる。
上記ロータ素材20の樹脂コーティング表面、すなわち
下地面26には、樹脂コーティングに先立って予め下地
処理を施すことが望ましい。その下地処理は脱脂洗浄お
よびその後の水洗いでもよいが、樹脂の接着強度を高め
るためにロータ素材20を予洗いし、乾燥させた後、下
地面26に硬質粒子を高速で衝突させてその下地面26
に多数の凹凸を形成し、その後、下地面26を弱アルカ
リ脱脂剤等により脱脂洗浄し、更にその脱脂洗浄された
ロータ素材20の下地面26を水洗いして上記脱脂剤を
洗い落とすようにすることがより効果的である。
硬質粒子衝突の工程は、ショソトブラストグリソトブラ
ストあるいはサンドブラスト等により硬質粒子を圧縮空
気と共に吹き付け、あるいは高速回転状態での遠心力を
利用して投射することにより行うことができるが、特に
ショツトブラストが好適で、例えば直径がほぼ0.6 
mmの鋼球を約60〜80m/秒の速度で60秒間はど
衝突させ、ロータ素材20の下地面26の表面粗さを約
40〜70μmRz(Rz;十点平均粗さ)とすること
が望ましい。このようなショツトブラスト等による硬質
粒子の衝突によって、ロータ素材20の下地面26に多
数の凹凸を形成することによりその下地面26の接着表
面積を増加させることができ、また、その硬質粒子の衝
突による研削作用により接着面の活性化を図ることがで
きる。
また、上記脱脂洗浄の後に単に水洗いする(例えばお湯
のシャワーをかける)だけでも良いが、そのロータ素材
20の下地面26をワイヤブラシ等によってブラシかけ
しつつ、シャワー等による水洗いを行うことがより効果
的である。そのブラシがけにより、上述のようなショツ
トブラスト等による硬質粒子の衝突でロータ素材20の
下地面26に生じたパリや下地面26に付着している研
削屑等の素材小片を、機械的にその下地面26から除去
することができる。また、ワイヤブラシ等によるブラシ
がけによりロータ素材20の下地面26が引っかかれて
更に粗くされるため、より好ましい下地面26とするこ
とができる。
以上のように下地処理して、最終的に乾燥により水気を
除去したロータ素材20に対して、前述のアフロンをコ
ーティングするのであるが、第1図にそのコーティング
装置の一例を簡略に示す。
第1図において28は流動槽であり、この流動槽28内
にアフロン粉末Pが入れられる。ロータ素材20は予め
加熱された後、このアフロン粉末P内に没入させられる
が、そのアフロン粉末Pに対するロータ素材20の没入
やそこからの取出しを容易にするために、流動槽28内
のアフロン粉末Pが圧縮空気と振動によって流動状態、
特に浮動状態となるようにされている。すなわち、流動
槽28はその底部において加振機30に固定されてその
全体が振動させられるようになっており、また、流動槽
28の底部からは空気供給口32を経て圧縮空気が供給
され、この空気が流動槽28内のアフロン粉末Pの粉末
間を通り抜けるようにされているのであって、上記振動
による摩擦低減作用と圧縮空気による持上げ作用とによ
り、流動槽28内のアフロン粉末Pが流体に近い挙動を
示すようにされる。
加振機30は、例えばアンバランスウェイトを用いた機
械式のものを始め、公知の各種のものが使用可能であり
、liじさせる振動の周波数は1500〜2000Hz
程度が好適であり、またその加速度は2゜5〜3.0G
 <らいであることが望ましい。流動槽2  −8の底
部開口には、空気供給口32から供給される空気をアフ
ロン粉末Pに適量だけ均一に供給する空気フィルタ34
が設けられている。この空気フィルタ34は目の細かい
ものが望ましい、フィルタの目が粗いと、流動槽28内
のアフロン粉末Pにおける流通抵抗の小さな所に空気通
路が形成されるチャネリング現象が発生し易いからであ
り、この空気フィルタ34としては、例えば製図に用い
られる半透明のトレーシングペーパ(硫酸紙)を複数枚
(例えば15枚程度)重ねたものを用いることができる
。空気フィルタ34は支持網36によって下側から支持
された状態で流動槽28の底部に配設される。なお、空
気フィルタとして他にも、例えばポリエチレン製の多孔
質板やセラミックス製の多孔質板、或いは金属製のフィ
ルタを用いることもでき、要するにアフロン粉末Pは通
さずに空気を通すものであればよいが、金属製のフィル
タを用いる場合には、後述する加熱コイル44の影響を
受けないように、そのコイル44から例えば200 m
s以上離して配置することが望ましい。
流動槽28内の上側部分には、ロータ素材20を予め誘
導加熱する上コイル38が位置固定に設けられている。
この上コイル38は、高周波焼入れに用いられるコイル
と同種のものであって、ロータ素材20を外側から所定
比離隔てて取り巻くように配置され、コイル電源40か
らの通電により電磁誘導作用によってロータ素材20を
加熱するものである。コイル電源40と上コイル38と
の間には力率改善コンデンサ42が並列に接続され、ま
た、上コイル3日は中空で、内部には冷却水が流される
。なお、この上コイル38の固定構造の図示は省略する
が、実際には上コイル38の下端部に取り付けられた面
板を介して上方から釣り下げる構造となっている。上コ
イル38は円形に巻かれたものでもよいが、ロータ素材
20をできるだけ均一に加熱することを考慮すると、ロ
ータ素材20の中央の凹んだ部分を除きロータ素材外周
面と等しい間隔が保たれるように長円形状に巻かれたも
の、或いはロータ素材20の全周にわたって等しい間隔
が保たれるようにまゆ形状に巻かれたものが好ましい。
上コイル38の下側には、下コイル44がアフロン粉末
P内に埋もれた状態で位置固定に配置されている。この
下コイル44は上コイル38と同様な構造のものであり
、アフロン粉末P内に没入させられたロータ素材20を
コイル電源46からの通電による誘導加熱によって再加
熱するものであって、図示しないワイヤ或いはブラケッ
ト等の支持部材により上方から位置固定に保持されてい
る。なお、これら上コイル38および下コイル44を面
板等を介して流動槽28に支持させることも可能である
が、流動槽28は前述のように加振機30によって振動
させられるものであるため流動槽28とは別の部材に支
持させる構造の方が好ましい。
樹脂コーティングされるロータ素材20には、第3図に
示す軸孔22および言通孔24の内周面およびそれらの
開口周辺にアフロン粉末Pが融着しないようにするため
に、それらの両端開口部にマスキング部材48が取り付
けられる。そして、軸孔22にはロータ素材20を支持
する支持ロッド50が通され、そのロッド頭部と止めナ
ンド52等の止め部材とによって、両マスキング部材4
8が固定される。マスキング部材48は、例えばアスベ
ストにセメントを加えたもの、セラミックス製のものの
表面に4フツ化エチレンをコーティングしたもの、また
は誘導加熱されにくい黄銅やステンレス鋼等の金属から
成るもの、もしくは加熱されたロータ素材20の熱によ
り変形しない耐熱性樹脂から成るもの等が好適であり、
また、支持ロッド50や止めナツト52も、同様な金属
や樹脂等から成るものが用いられ、いずれにしても、こ
れらの部材にはアフロン粉末Pが融着しないようにされ
ている。
また、上記支持ロッド50を上方から支持するために、
固定部材54にシリンダ56が取り付けられ、そのピス
トンロッド58に支持ロッド50が、例えば図例のよう
なチャック60で把持されることによって、或いは支持
ロッド50に設けられたテーパ軸部がピストンロッド5
8のテーパ穴に嵌合され、かつピンやねじ等の止め部材
で抜は止めされることによって、連結されるようになっ
ている。
次に、以上のような装置を用いてロータ素材20に樹脂
コーティングを行う具体的な手順について説明する。
前述のように下地処理されたロータ素材2oは、マスキ
ング部材48や支持ロフト5o等が取り付けられた状態
で、その支持ロッド5oを介して上方からシリンダ56
によって支持された状態とされるが、流動槽28に収容
されたアフロン粉末P内への没入に先立って、先ず前記
上コイル38内に位置させられ、そのコイル38でアフ
ロン扮末Pの融点以上の温度に誘導加熱される。アフロ
ン粉末Pの融点は260℃であり、また熱分解点は36
0℃であるため、上コイル38によるロータ素材20の
加熱温度は少なくとも260を以上とされる゛が、アフ
ロン粉末Pのコーテイング品質やコーティング能率の点
からすると、熱分解点を超えない範囲で高い方が望まし
く、例えば300〜340℃位、特に340°C程度が
好ましい。ただし、ロータ素材20のアフロン粉末P内
への没入時にある程度熱が逃げるため、360℃程度ま
で加熱しても良い。このような誘導加熱は、上コイル3
8に例えば3kHz程度の高周波電流を約120〜15
0秒程度通電することによって行われ、この3kHz程
度の高周波電流によれば、ロータ素材20の表層部だけ
でな(、ある程度内部までほぼ均一に加熱される。
このように上コイル38によって加熱されたロータ素材
20は、次いでシリンダ56の作動により下降させられ
て、流動槽28に収容されているアフロン粉末P内へ没
入させられる。この没入の過程では、前記加振機30の
作動により流動槽28を介してアフロン粉末Pが振動さ
せられ、かつ、空気供給口32から圧縮空気が供給され
て前記空気フィルタ34を通じてアフロン粉末P内を上
昇させられることにより、アフロン粉末Pが流動状態と
される。また、下コイル44のコイル電源46はOFF
状態に保たれ、上記のように流動状態とされているアフ
ロン粉末P内にロータ素材20が没入させられる。
この没入の過程においては、すでにアフロンの融点以上
の温度に加熱されているロータ素材20の下地面26と
流動槽28内のアフロン粉末Pとが相対移動しつつ接触
する。したがって、アフロン粉末Pが下地面26に瞬間
的に融着し、この第一段階でロータ素材20の表面(下
地面26)に薄い樹脂膜が満遍なく形成される。ロータ
素材20とアフロン扮末Pとの静止状態において融着が
行われる場合には、一旦空隙が生ずるとその空隙はロー
タ素材表面の一定の位置に留まるため、その空隙の空気
がそのまま樹脂層内に閉じ込められ易いのに対して、両
者が相対移動している場合には空隙がロータ素材表面上
を移動することとなるため、特定の部分へのアフロン粉
末Pの融着が妨げられることはないのである。
そして、ロータ素材20は、没入が開始されてから例え
ば20〜30秒程度で程度2図に示すようにアフロン粉
末P内に完全に埋め込まれ、下コイル44内に位置させ
られた状態となる。この状態となれば、加振機30によ
る振動や空気供給口32からの圧縮空気の供給が停止さ
れ、アフロン粉末Pは非流動状態となる。これは、ロー
タ素材20の没入後、更にアフロン粉末Pの融着が進行
するのであるが、アフロン粉末Pが流動状態に保たれて
いると、ロータ素材20とアフロン粉末Pとの境界に空
気の通り道となる部分が生じて、その部分にアフロン粉
末Pが融着しにくくなるからである。
このように、ロータ素材20の没入が完了し、かつアフ
ロン粉末Pが非流動状態とされた後、ロータ素材20は
そのアフロン粉末P内で一定時間、例えば60秒程度そ
のまま保持され、この保持の過程でロータ素材20の表
面に更に多くのアフロン粉末Pが融着して樹脂層の厚さ
が徐々に増大する。この過程で、ロータ素材20の熱が
アフロン粉末P側へ逃げるため、第4図から明らかなよ
うに、ロータ素材20の温度が徐々に低下していく。
そこで、ロータ素材20が成る温度、例えば300 ’
c程度まで下がったときコイル電源46がONとされ、
下コイル44に例えば3kHz程度の高周波電流が流さ
れてロータ素材20が再加熱される。
この再加熱は、例えば40秒はど続けられ、ロータ素材
20が例えば320℃程度まで昇温させられた後、下コ
イル44への通電が止められる。
そして、このような再加熱の後、ロータ素材20は更に
アフロン粉末P内において一定時間、例えば60秒前後
そのままの状態で保持され、上記再加熱過程およびこの
保持過程で、ロータ素材20へのアフロン粉末Pの融着
による樹脂層は更に厚いものとなる。この例の場合、再
加熱時間とその前後の保持時間を合わせて約2〜3分は
どで、はぼ1.2璽■程度の樹脂層厚さが得られるが、
一般的には目的とする樹脂層厚さが得られるように、保
持時間や再加熱時間が設定されることとなる。
なお、ロータ素材20が再加熱の後アフロン粉末P内に
一定時間保持されるのは、ロータ素材20に与えられた
熱をコーティングにできる限り有効に利用するためであ
り、熱効率よりサイクルタイムの短縮が望まれるような
場合には、再加熱の終了後直ちにロータ素材20を取り
出すことも可能である。
上記のようにアフロン粉末P内で所望厚さの樹脂コーテ
ィングが行われたロータ素材20は、第1図に示すシリ
ンダ56の作動により上昇させられて、アフロン粉末P
内から取り出されるが、この取出しの過程でも没入時と
同様に加振機30の振動および圧縮空気の供給によりア
フロン粉末Pが流動状態とされて、ロータ素材20は容
易に取り出される。
この取り出された状態では、ロータ素材20に付いてい
る樹脂層の全てが完全な熔融状態で融着してはおらず、
特に外層部分は完全に溶融しきっていないのが普通であ
る。しかし、アフロン粉末P内から取り出されたロータ
素材20は、上コイル38内に再び位置させられ、この
上コイル38に例えば3 KHz程度の高周波電流が約
40秒間はど通電されることにより、ロータ素材20が
第4図に示すように例えば300℃位まで誘導加熱され
る。その結果、ロータ素材20に付着している不完全溶
融ないしは半溶融状態の層も完全に溶融し、ロータ素材
20にコーティングされている樹脂層は、ロータ素材2
0との界面側のものは勿論、外層側のものも含めて全厚
さにわたって完全に溶融した正常な樹脂層となる。した
がって、アフロン粉末Pの歩留りが高く、材料の無駄が
生じない他、不完全熔融の層を除去する機械加工も省く
ことができる。
なお、このような最終的な加熱の後、完全溶融させられ
た樹脂層は、そのまま放置されることによる自然冷却等
によって固化し、必要に応じて後処理が行われることと
なるが、以上のようにしてコーティングされた樹脂層と
ロータ素材表面との間には、前述のように空隙が生じ難
いため、接着強度が大きく、品質の良い製品が得られる
のである。
以上の説明において、ロータ素材20のアフロン粉末P
内への没入過程から、或いはその没入が完了した直後か
ら下コイル44による再加熱を行い、ロータ素材20を
ほぼ一定の温度に保つようにすることもできる。また、
流動槽28内の7フロン粉末Pを流動状態に保つために
、加振機30による振動と圧縮空気の供給とのいずれか
一方だけとすることも可能であるが、振動だけでは内部
のアフロン粉末Pに振動が伝わり難く、また圧縮空気の
供給だけでは、抵抗の小さな所に空気通路が形成され易
(なる等の点から見て、上記振動と圧縮空気とを組み合
わせることが望ましい。
また、上コイル38と下コイル44との双方を設けるの
ではなく、上コイル38だけとして、これを流動槽28
のアフロン粉末P内へ没入させることのできる昇降可能
なものとし、上コイル38で予加熱と再加熱および完全
溶融工程での加熱を全て行うようにすることも可能であ
る。
一方、ロータ素材20をアフロン粉末P内に埋没させる
に際して、そのロータ素材20を位置固定に保持する一
方、流動槽28を加振機30とともに上昇させることに
よりロータ素材20をアフロン粉末P内に埋没させるこ
とも可能である。
さらに、別の埋没方法として、加熱されたロータ素材2
0を空の槽内に位置固定に保持し、その槽内に後からア
フロン粉末を投入する方法を採用することも可能であり
、この場合には、少なくとも投入時においてアフロン粉
末を流動状態としなくても済む。
また1、本発明は前述のようなアルミニウム合金製のロ
ータ素材20に限らず、鋼やその他の金属製のロータ素
材に対しても通用可能であって、アルミニウム製のロー
タ素材の場合には、熱容量が小さく、アフロン粉末中で
冷え易いため、前述のような再加熱を行うことが望まし
いが、鋼製等のものの場合には、熱容量が大きく冷え難
いから、その場合には再加熱は必ずしも必要ではなくな
る。
また、コーティングすべき樹脂層の厚さが比較的薄い場
合も同様である。
さらに付言すれば、ロータ素材の加熱手段としては、前
述の誘導加熱以外に、電気ヒータや燃焼熱を熱源とする
加熱炉を用いるなど、放射、対流2或いは伝yにより熱
を伝える各種の加熱方法を採用することができる。
さらに、先の説明では所謂アフロン粉末を例に取ったが
、アフロン粉末に限られるものではなく、他の各種合成
樹脂粉末をコーティングする場合にも本発明は適用でき
る他、コーティング対象である金属部材としても、前述
のようなまゆ形ロータに限らず、他のルーツ形ロータ、
さらにはルーツ形ロータ以外の金属部材であっても同様
に適用することが可能である。
その他、−々説明はしないが、当業者の知識に基づき種
々の改良、変更等を施した態様で本発明を実施し得るこ
とは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に好適に用いられる装置と、
それによる加熱工程とを示す断面図であり、第2図はそ
のコーティング工程を示す断面図である。第3図は合成
樹脂粉末がコーティングされる金属部材の一例であるま
ゆ形のロータ素材の斜視図である。第4図は第1図およ
び第2図等に示す工程を時間と温度との関係において示
すグラフであり、第5図はルーツ型流体送給機の一種で
あるスーパーチャージャを簡略に示す断面図である。 12:樹脂層  20:ロータ素材(金属部材)26:
下地面(表面) 28:流動槽    30:加振機 32:空気供給口  34:空気フィルタ36:支持網 38:上コイル   44:下コイル 48:マスキング部材 50:支持ロッド  56:シリンダ 58:ピストンロッド Pニアフロン粉末(合成樹脂粉末) 出願人  トヨタ自動車株式会社 第3図          第5日 第4図 (η]

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)金属部材の表面に合成樹脂粉末をコーティングす
    る方法であって、 前記金属部材を前記合成樹脂粉末の融点以上の温度に加
    熱する加熱工程と、 その加熱した金属部材を前記合成樹脂粉末内に埋没させ
    てその合成樹脂粉末を金属部材表面に融着させるコーテ
    ィング工程と、 その合成樹脂粉末がコーティングされた金属部材を前記
    合成樹脂粉末外においてその合成樹脂粉末の融点以上の
    温度に加熱して、その金属部材に付いている不完全溶融
    樹脂粉末を完全溶融させる工程と を含むことを特徴とする金属部材の合成樹脂粉末コーテ
    ィング方法。
  2. (2)前記コーティング工程が前記金属部材を前記合成
    樹脂粉末の流動槽内に没入させることにより行われる特
    許請求の範囲第1項記載のコーティング方法。
  3. (3)前記加熱工程および完全溶融工程が前記金属部材
    の誘導加熱により行われる特許請求の範囲第1項または
    第2項記載のコーティング方法。
  4. (4)前記コーティング工程において前記金属部材が誘
    導加熱により再加熱される特許請求の範囲第1項ないし
    第3項のいずれかに記載のコーティング方法。
  5. (5)前記金属部材がルーツ型流体送給機のロータ素材
    であり、前記合成樹脂粉末がテトラフルオルエチレンと
    エチレンとの共重合体である合成樹脂の粉末である特許
    請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載のコー
    ティング方法。
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