JPH0254150B2 - - Google Patents

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JPH0254150B2
JPH0254150B2 JP2142785A JP2142785A JPH0254150B2 JP H0254150 B2 JPH0254150 B2 JP H0254150B2 JP 2142785 A JP2142785 A JP 2142785A JP 2142785 A JP2142785 A JP 2142785A JP H0254150 B2 JPH0254150 B2 JP H0254150B2
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JP
Japan
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powder
rotor material
synthetic resin
metal member
resin powder
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JP2142785A
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Hiroyuki Mochizuki
Shigenori Tamaoki
Nobuo Kobayashi
Takahiro Iwase
Tadashi Masuda
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、金属部材の表面に合成樹脂粉末をコ
ーテイングする方法に関し、特に金属部材の表面
に熱によつて合成樹脂粉末を融着させる方法の改
良に関するものである。
(背景技術) 金属部材の表面に合成樹脂粉末をコーテイング
することは、例えばルーツ型流体送給機のロータ
に対して行われている。第5図はそのルーツ型流
体送給機の一種であるスーパチヤージヤ(エンジ
ンに強制的に空気を圧送する過給機)を示すもの
であり、このスーパーチヤージヤは、ハウジング
2内にルーツ形ロータの一種である一対のまゆ形
ロータ4を備え、それらのロータ4がそれぞれ回
転軸6の軸心周りに互いに逆方向に回転させられ
ることによつて、吸入口8から空気を吸入し、吐
出口10からエンジン側へ送り込むものである。
このようなスーパーチヤージヤにおいて、二つの
ロータ4間の間隙および両ロータ4とハウジング
2との間隙をできるだけ小さくして体積効率を高
めるために、両ロータ4の外周面および端面に合
成樹脂粉末をコーテイングして樹脂層12を形成
する場合がある。
そこで、本出願人はそのようなロータの外表面
に樹脂コーテイングを行うために、ロータ素材を
合成樹脂粉末内に埋没させた状態でそのロータ素
材を上記合成樹脂粉末の融点以上の温度に加熱す
ることにより、ロータ素材の表面にその樹脂粉末
を融着させることを試みた。すなわち、合成樹脂
粉末が収容されている槽内にロータ素材を没入さ
せ、あるいは空の槽内にロータ素材を保持した状
態で合成樹脂粉末を投入し、その後、上記槽の外
側あるいは内側に配置した加熱コイルを用いて、
誘導加熱によりロータ素材を合成樹脂粉末の融点
以上の温度に加熱して、その表面に樹脂粉末を融
着させることを試みたのである。
このような樹脂コーテイング方法によれば、能
率良く、かつ比較的簡単な装置で樹脂コーテイン
グを行うことができ、ロータ素材とコーテイング
された樹脂層との間の接着強度も一応実用に供し
得るものとなる。
(問題点) しかし、上述のようにロータ素材を樹脂粉末内
に埋没させた状態でロータ素材を加熱すると、樹
脂粉末側に熱が逃げやすいため加熱時間が比較的
長くかかり、コーテイング作業のサイクルタイム
を短縮する上で不利となる。
また、ロータ素材を埋没状態で加熱する場合に
は、樹脂層内に空隙が生じ易い。これは、ロータ
素材と樹脂粉末との間に一旦空隙が生じると、ロ
ータ素材を加熱してもその空隙部には樹脂が融着
し難く、樹脂層に空隙がそのまま残り易いこと
と、ロータ素材を埋没状態で加熱すると周囲の樹
脂粉末の比較的厚い部分が殆ど同時に樹脂粉末の
融点に達するため、樹脂粉末間に存在する空気が
樹脂層内に閉じ込められ易いことによると考えら
れる。このように樹脂層内に空隙が生ずることが
望ましくないことは当然であるが、特に樹脂層と
ロータ素材との境界面に多数の空隙が生ずれば、
両者の接着強度が低下して使用中に樹脂層が剥離
する等の問題が発生する。
特公昭56−41406号公報に記載されているよう
に、ロータ素材を樹脂粉末の融点以上の温度に加
熱し、流動状態に保つた樹脂粉末中に埋没させれ
ば、この問題を解消できるのであるが、別の新し
い問題が発生する。ロータ素材を流動状態にある
樹脂粉末内に保持してコーテイングを行う場合に
は、ロータ素材表面のほぼ決まつた位置に空気の
通り路が形成され易く、この部分においてコーテ
イング厚さが局部的に薄くなる不具合が生じ易い
のである。樹脂粉末を流動状態に保つために、樹
脂粉末層の底部から空気を吹き込み、上面から抜
けるようにするのであるが、ロータ素材を流動状
態にある樹脂粉末層内に静止させておく場合に
は、ロータ素材の表面に沿つて空気が集中的に流
れる通路が形成され易く、この通路においては樹
脂粉末のロータ素材表面への接触が妨げられるた
めに、コーテイング厚さが局部的に薄くなつてし
まうのである。
以上のような樹脂粉末コーテイングに伴う問題
は、スーパチヤージヤのまゆ形ロータにおいての
みならず、一般に金属部材の表面に合成樹脂粉末
を融着によりコーテイングする場合に生じ易い問
題である。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上記の問題を解決するために為され
たものであり、金属部材の表面に合成樹脂粉末を
コーテイングするに際して、(a)金属部材を合成樹
脂粉末の融点以上の温度に加熱する加熱工程と、
(b)その加熱した金属部材を流動槽内において流動
状態に保つた合成樹脂粉末内に埋没させる埋没工
程と、(c)その埋没工程の完了後、流動槽内の合成
樹脂粉末を非流動状態とし、その非流動状態を保
つて合成樹脂粉末を金属部材表面に融着させるコ
ーテイング工程とを含むことを特徴とするもので
ある。
(発明の効果) このように、予め加熱した金属部材を流動状態
に保つた合成樹脂粉末内に埋没させれば、金属部
材の表面と合成樹脂粉末とに相対移動を生じさせ
つつ両者を接触させ得ることとなり、たとえ樹脂
粉末内に空隙が存在してもその空隙が金属部材の
特定部分に留まることがなく、加熱された金属部
材の表面に樹脂粉末がまず薄くかつ満遍なく融着
し、その後その融着部分が内側から成長するた
め、金属部材表面と樹脂層との境界面に空隙が生
じにくく、樹脂層の金属部材に対する接着強度が
高められるとともに、他の部分の空隙も減少す
る。さらに、金属部材の加熱を樹脂粉末内への埋
没状態で行うのではなく、それ以前に行うもので
あるため、樹脂粉末に奪われる熱量が減少して加
熱効率が向上し、また、コーテイング作業のサイ
クルタイムを短縮することが可能となる。
しかも、金属部材の合成樹脂粉末内への埋没完
了後は合成樹脂粉末を非流動状態とするため、金
属部材の表面に沿つて空気の通路が形成され、そ
の部分において合成樹脂粉末の金属部材表面への
接触が妨げられることがなく、金属部材の表面全
体にわたつて均一な厚さの樹脂層が形成される。
(実施例) 以下、前述のようなスーパーチヤージヤのまゆ
形ロータを例に取り、そのロータ素材に対する樹
脂粉末コーテイングに本発明を適用した場合の実
施例を図面に基づいて詳細に説明する。
第3図は、そのまゆ形を成すロータ素材20の
樹脂粉末がコーテイングされる以前のものを示し
ている。このロータ素材20は、本実施例におい
てアルミニウム合金、特にAl−Si系合金のシリ
コン含有率が12%程度と高いもの(例えばJIS
A4047等)から成つており、その中心部には回転
軸が通される軸孔22が、また軸孔22の両側の
羽根部には1個ずつの貫通孔24が両端面に開口
するように形成されて、重量の軽量化が図られて
いる。そして、本実施例においては、このロータ
素材20の外周面の全面および両端面の外周縁部
に樹脂コーテイングが予定されており、コーテイ
ングされる合成樹脂粉末として、例えばテトラフ
ルオルエチレン(4フツ化エチレン)とエチレン
との共重合体であるアフロン(商品名;以下アフ
ロンと称する)の粉末が用いられる。
上記ロータ素材20の樹脂コーテイング表面、
すなわち下地面26には、樹脂コーテイングに先
立つて予め下地処理を施すことが望ましい。その
下地処理は脱脂洗浄およびその後の水洗いでもよ
いが、樹脂の接着強度を高めるためにロータ素材
20を予洗いし、乾燥させた後、下地面26に硬
質粒子を高速で衝突させてその下地面26に多数
の凹凸を形成し、その後、下地面26を弱アルカ
リ脱脂剤等により脱脂洗浄し、更にその脱脂洗浄
されたロータ素材20の下地面26を水洗いして
上記脱脂剤を洗い落とすようにすることがより効
果的である。
硬質粒子衝突の工程は、シヨツトブラスト、グ
リツトブラスト、あるいはサンドブラスト等によ
り硬質粒子を圧縮空気と共に吹き付け、あるいは
高速回転状態での遠心力を利用して投射すること
により行うことができるが、特にシヨツトブラス
トが好適で、例えば直径がほぼ0.6mmの鋼球を約
60〜80m/秒の速度で60秒間ほど衝突させ、ロー
タ素材20の下地面26の表面粗さを約40〜70μ
mRz(Rz;十点平均粗さ)とすることが望まし
い。このようなシヨツトブラスト等による硬質粒
子の衝突によつて、ロータ素材20の下地面26
に多数の凹凸を形成することによりその下地面2
6の接着表面積を増加させることができ、また、
その硬質粒子の衝突による研削作用により接着面
の活性化を図ることができる。
また、上記脱脂洗浄の後に単に水洗いする(例
えばお湯のシヤワーをかける)だけでも良いが、
そのロータ素材20の下地面26をワイヤブラシ
等によつてブラシがけしつつ、シヤワー等による
水洗いを行うことがより効果的である。そのブラ
シがけにより、上述のようなシヨツトブラスト等
による硬質粒子の衝突でロータ素材20の下地面
26に生じたバリや下地面26に付着している研
削屑等の素材小片を、機械的にその下地面26か
ら除去することができる。また、ワイヤブラシ等
によるブラシがけによりロータ素材20の下地面
26が引つかかれて更に粗くされるため、より好
ましい下地面26とすることができる。
以上のように下地処理して、最終的に乾燥によ
り水気を除去したロータ素材20に対して、前述
のアフロンをコーテイングするのであるが、第1
図にそのコーテイング装置の一例を簡略に示す。
第1図において28は流動槽であり、この流動
槽28内にアフロン粉末Pが入れられる。ロータ
素材20は予め加熱された後、このアフロン粉末
P内に没入させられるが、そのアフロン粉末Pに
対するロータ素材20の没入やそこからの取出し
を容易にするために、流動槽28内のアフロン粉
末Pが圧縮空気と振動によつて流動状態、特に浮
動状態となるようにされている。すなわち、流動
槽28はその底部において加振機30に固定され
てその全体が振動させられるようになつており、
また、流動槽28の底部からは空気供給口32を
経て圧縮空気が供給され、この空気が流動槽28
内のアフロン粉末Pの粉末間を通り抜けるように
されているのであつて、上記振動による摩擦低減
作用と圧縮空気による持上げ作用とにより、流動
槽28内のアフロン粉末Pが流体に近い挙動を示
すようにされる。
加振機30は、例えばアンバランスウエイトを
用いた機械式のものを始め、公知の各種のものが
使用可能であり、生じさせる振動の周波数は1500
〜2000Hz程度が好適であり、またその加速度は
2.5〜3.0Gくらいであることが望ましい。流動槽
28の底部開口には、空気供給口32から供給さ
れる空気をアフロン粉末Pに適量だけ均一に供給
する空気フイルタ34が設けられている。この空
気フイルタ34は目の細かいものが望ましい。フ
イルタの目が粗いと、流動槽28内のアフロン粉
末Pにおける流通抵抗の小さな所に空気通路が形
成されるチヤネリング現象が発生し易いからであ
り、この空気フイルタ34としては、例えば製図
に用いられる半透明のトレーシングペーパ(硫酸
紙)を複数枚(例えば15枚程度)重ねたものを用
いることができる。空気フイルタ34は支持網3
6によつて下側から支持された状態で流動槽28
の底部に配設される。なお、空気フイルタとして
他にも、例えばポリエチレン製の多孔質板やセラ
ミツクス製の多孔質板、あるいは金属製のフイル
タを用いることもでき、要するにアフロン粉末P
は通さずに空気を通すものであればよいが、金属
製フイルタを用いる場合には、後述する加熱コイ
ル44の影響を受けないように、そのコイル44
から例えば200mm以上離して配置することが望ま
しい。
流動槽28内の上側部分には、ロータ素材20
を予め誘導加熱する上コイル38が位置固定に設
けられている。この上コイル38は、高周波焼入
れに用いられるコイルと同種のものであつて、ロ
ータ素材20を外側から所定距離隔てて取り巻く
ように配置され、コイル電源40からの通電によ
り電磁誘導作用によつてロータ素材20を加熱す
るものである。コイル電源40と上コイル38と
の間には力率改善コンデンサ42が並列に接続さ
れ、また、上コイル38は中空で、内部には冷却
水が流される。なお、この上コイル38の固定構
造の図示は省略するが、実際には上コイル38の
下端部に取り付けられた面板を介して上方から釣
り下げる構造となつている。また、上コイル38
は円形に巻かれたものでもよいが、ロータ素材2
0をできるだけ均一に加熱することを考慮する
と、ロータ素材20の中央の凹んだ部分を除きロ
ータ素材外周面と等しい間隔が保たれるように長
円形状に巻かれたもの、あるいはロータ素材20
の全周にわたつて等しい間隔が保たれるようにま
ゆ形状に巻かれたものが望ましい。
上コイル38の下側には、下コイル44がアフ
ロン粉末P内に埋もれた状態で位置固定に配置さ
れている。この下コイル44は上コイル38と同
様な構造のものであり、アフロン粉末P内に没入
させられたロータ素材20をコイル電源24から
の通電による誘導加熱によつて再加熱するもので
あつて、図示しないワイヤ或いはブラケツト等の
支持部材により上方から位置固定に保持されてい
る。なお、これら上コイル38および下コイル4
4を流動槽28に支持させることも可能である
が、流動槽28は前述のように加振機30によつ
て振動させられるものであるため、流動槽28と
は別の部材に支持させる構造の方が好ましい。
樹脂コーテイングされるロータ素材20には、
第3図に示す軸孔22および貫通孔24の内周面
およびそれらの開口周辺にアフロン粉末Pが融着
しないようにするために、それらの両端開口部に
マスキング部材48が取り付けられる。そして、
軸孔22にはロータ素材20を支持する支持ロツ
ド50が通され、そのロツド頭部と止めナツト5
2等の止め部材とによつて、両マスキング部材4
8が固定される。これらマスキング部材48、止
めナツト52および支持ロツド50は、例えば黄
銅またはステンレス鋼など、高周波電流がコイル
38または44に通電されても発熱しにくい金属
製のものの表面に4フツ化エチレン樹脂がコーテ
イングされて、アフロン粉末Pが融着しないよう
にされている。
また、上記支持ロツド50を上方から支持する
ために、固定部材54にシリンダ56が取り付け
られ、そのピストンロツド58に支持ロツド50
が、例えば図例のようなチヤツク60で把持され
ることによつて、或いは支持ロツド50に設けら
れたテーパ軸部がピストンロツド58のテーパ穴
に嵌合され、かつピンやねじ等の止め部材で抜け
止めされることによつて、連結されるようになつ
ている。
次に、以上のような装置を用いてロータ素材2
0に樹脂コーテイングを行う具体的な手順につい
て説明する。
前述のように下地処理されたロータ素材20
は、マスキング部材48や支持ロツド50等が取
り付けられた状態で、その支持ロツド50を介し
て上方からシリンダ56によつて支持された状態
とされるが、流動槽28に収容されたアフロン粉
末P内への没入に先立つて、先ず前記上コイル3
8内に位置させられ、そのコイル38でアフロン
粉末Pの融点以上の温度に誘導加熱される。アフ
ロン粉末Pの融点は260℃であり、また熱分解点
は360℃であるため、上コイル38によるロータ
素材20の加熱温度は少なくとも260℃以上とさ
れるが、アフロン粉末Pのコーテイング品質やコ
ーテイング能率の点からすると、熱分解点を超え
ない範囲で高い方が望ましく、例えば300〜340℃
位、特に340℃程度が好ましい。ただし、ロータ
素材20のアフロン粉末P内への没入時にある程
度熱が逃げるため、360℃程度まで加熱しても良
い。このような誘導加熱は、上コイル38に例え
ば3kHz程度の高周波電流を約120〜150秒程度通
電することによつて行われ、この3kHz程度の高
周波電流によれば、ロータ素材20の表層部だけ
でなく、ある程度内部までほぼ均一に加熱され
る。
このように上コイル38によつて加熱されたロ
ータ素材20は、次いでシリンダ56の作動によ
り下降させられて、流動槽28に収容されている
アフロン粉末P内へ没入させられる。この没入の
過程では、前記加振機30の作動により流動槽2
8を介してアフロン粉末Pが振動させられ、か
つ、空気供給口32から圧縮空気が供給されて前
記空気フイルタ34を通してアフロン粉末P内を
上昇させられることにより、アフロン粉末Pが流
動状態とされる。また、下コイル44のコイル電
源46はOFF状態に保たれ、上記のように流動
状態とされているアフロン粉末P内にロータ素材
20が没入させられる。
この没入の過程においては、すでにアフロンの
融点以上の温度に加熱されているロータ素材20
の下地面26と流動槽28内のアフロン粉末Pと
が相対移動しつつ接触する。したがつて、アフロ
ン粉末Pが下地面26に瞬間的に融着し、この第
一段階でロータ素材20の表面に薄い樹脂膜が満
遍なく形成される。ロータ素材20とアフロン粉
末Pとの静止状態において融着が行われる場合に
は、一旦空隙が生ずるとその空隙はロータ素材表
面の一定の位置に留まるため、その空隙の空気が
そのまま樹脂層内に閉じ込められ易いのに対し
て、両者が相対移動している場合には空隙がロー
タ素材表面上を移動することとなるため、特定の
部分へのアフロン粉末Pの融着が妨げられること
はないのである。
そして、ロータ素材20は、没入が開始されて
から例えば20〜30秒程度で、第2図に示すように
アフロン粉末P内に完全に埋め込まれ、下コイル
44内に位置させられた状態となる。この状態と
なれば、加振機30による振動や空気供給口32
からの圧縮空気の供給が停止され、アフロン粉末
Pは非流動状態となる。これは、ロータ素材20
の没入後、更にアフロン粉末Pの融着が進行する
のであるが、アフロン粉末Pが流動状態に保たれ
ていると、ロータ素材20とアフロン粉末Pとの
境界に空気の通り道となる部分が生じて、その部
分にアフロン粉末Pが融着しにくくなるからであ
る。
このように、ロータ素材20の没入が完了し、
かつアフロン粉末Pが非流動状態とされた後、ロ
ータ素材20はそのアフロン粉末P内で一定時
間、例えば60秒程度そのまま保持され、この保持
の過程でロータ素材20の表面に更に多くのアフ
ロン粉末Pが融着して樹脂層の厚さが徐々に増大
する。この過程で、ロータ素材20の熱がアフロ
ン粉末P側へ逃げるため、第4図から明らかなよ
うに、ロータ素材20の温度が徐々に低下してい
く。そこで、ロータ素材20がある温度、例えば
300℃程度まで下がつたときコイル電源46が
ONとされ、下コイル44に例えば3kHz程度の高
周波電流が流されてロータ素材20が再加熱され
る。この再加熱は、例えば40秒ほど続けられ、ロ
ータ素材20が例えば320℃程度まで昇温させら
れた後、下コイル44への通電が止められる。
そして、このような再加熱の後、ロータ素材2
0は更にアフロン粉末P内において一定時間、例
えば60秒前後そのままの状態で保持され、上記再
加熱過程およびこの保持過程で、ロータ素材20
へのアフロン粉末Pの融着による樹脂層は更に厚
いものとなる。この例の場合、再加熱時間とその
前後の保持時間を合わせて約2〜3分程度で、ほ
ぼ1.2mm程度の樹脂層厚さが得られるが、一般的
には目的とする樹脂層厚さが得られるように、保
持時間や再加熱時間が設定されることとなる。な
お、ロータ素材20が再加熱の後アフロン粉末P
内に一定時間保持されるのは、ロータ素材20に
与えられた熱をコーテイングにできる限り有効に
利用するためであり、熱効率よりサイクルタイム
の短縮が望まれるような場合には、再加熱の終了
後直ちにロータ素材20を取り出すことも可能で
ある。
上記のようにアフロン粉末P内で所望厚さの樹
脂コーテイングが行われたロータ素材20は、第
1図に示すシリンダ56の作動により上昇させら
れて、アフロン粉末P内から取り出されるが、こ
の取出しの過程でも没入時と同様に加振機30の
振動および圧縮空気の供給によりアフロン粉末P
が流動状態とされて、ロータ素材20は容易に取
り出される。取出しの後、必要に応じて後処理が
行われることとなるが、以上のようにしてコーテ
イングされた樹脂層とロータ素材表面との間に
は、前述のように空隙が生じ難いため、接着強度
が大きく、品質の良い製品が得られるのである。
なお、以上の説明においてロータ素材20のア
フロン粉末P内への没入過程から、或いはその没
入が完了した直後から下コイル44による再加熱
を行い、ロータ素材20をほぼ一定の温度に保つ
ようにすることもできる。また、流動槽28内の
アフロン粉末Pを流動状態に保つために、圧縮空
気の供給だけとすることも可能であるが、圧縮空
気の供給だけでは抵抗の小さい所に空気通路が形
成され易いため、上記振動と圧縮空気とを組み合
わせることが望ましい。
また、上コイル38と下コイル44との双方を
設けるのではなく、上コイル38だけとして、こ
れを流動槽28のアフロン粉末P内へ没入させる
ことのできる昇降可能なものとし、上コイル38
で予加熱と再加熱との双方を行うようにすること
も可能である。
一方、ロータ素材20をアフロン粉末P内に埋
没させるに際して、そのロータ素材20を位置固
定に保持する一方、流動槽28を加振機30とと
もに上昇させることによりロータ素材20をアフ
ロン粉末P内に埋没させることも可能である。
また、本発明は前述のようなアルミニウム合金
製のロータ素材20に限らず、鋼やその他の金属
製のロータ素材に対しても適用可能であつて、ア
ルミニウム製のロータ素材の場合には、熱容量が
小さく、アフロン粉末中で冷え易いため、前述の
ような再加熱を行うことが望ましいが、鋼製等の
ものの場合には、熱容量が大きく冷え難いから、
その場合には再加熱は必ずしも必要ではなくな
る。また、コーテイングすべき樹脂層の厚さが比
較的薄い場合も同様である。
さらに付言すれば、ロータ素材の加熱手段とし
ては、前述の誘導加熱以外に、電気ヒータや燃焼
熱を熱源とする加熱炉を用いるなど、放射、対
流、或いは伝導により熱を伝える各種の加熱方法
を採用することができる。
さらに、先の説明では所謂アフロン粉末を例に
取つたが、アフロン粉末に限られるものではな
く、他の各種合成樹脂粉末をコーテイングする場
合にも本発明は適用できる他、コーテイング対象
である金属部材としても、前述のようなまゆ形ロ
ータに限らず、他のルーツ形ロータ、さらにはル
ーツ形ロータ以外の金属部材であつても同様に適
用することが可能である。
その他、一々説明はしないが、当業者の知識に
基づき種々の改良、変更等を施した態様で本発明
を実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に好適に用いられる
装置と、それによる加熱工程とを示す断面図であ
り、第2図はそのコーテイング工程を示す断面図
である。第3図は合成樹脂粉末がコーテイングさ
れる金属部材の一例であるまゆ形のロータ素材の
斜視図である。第4図は第1図および第2図に示
す工程を時間と温度との関係において示すグラフ
であり、第5図はルーツ型流体送給機の一種であ
るスーパーチヤージヤを簡略に示す断面図であ
る。 12:樹脂層、20:ロータ素材(金属部材)、
26:下地面(表面)、28:流動槽、30:加
振機、32:空気供給口、34:空気フイルタ、
36:支持網、38:上コイル、44:下コイ
ル、48:マスキング部材、50:支持ロツド、
56:シリンダ、58:ピストンロツド、P:ア
フロン粉末(合成樹脂粉末)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属部材の表面に合成樹脂粉末をコーテイン
    グする方法であつて、 前記金属部材を前記合成樹脂粉末の融点以上の
    温度に加熱する加熱工程と、 その加熱した金属部材を流動槽内において流動
    状態に保つた前記合成樹脂粉末内に埋没させる埋
    没工程と、 その埋没工程の完了後、前記流動槽内の合成樹
    脂粉末を非流動状態とし、その非流動状態を保つ
    て合成樹脂粉末を金属部材表面に融着させるコー
    テイング工程と を含むことを特徴とする金属部材の合成樹脂粉末
    コーテイング方法。 2 前記加熱工程が前記金属部材の誘導加熱によ
    り行われる特許請求の範囲第1項記載のコーテイ
    ング方法。 3 前記コーテイング工程において前記金属部材
    が誘導加熱により再加熱される特許請求の範囲第
    1項または第2項のいずれかに記載のコーテイン
    グ方法。 4 前記金属部材がルーツ型流体送給機のロータ
    素材であり、前記合成樹脂粉末がテトラフルオル
    エチレンとエチレンとの共重合体である合成樹脂
    の粉末である特許請求の範囲第1項ないし第3項
    のいずれかに記載のコーテイング方法。
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