JPH039564Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本案はステータヨークに発生する磁気流れが阻
害されず、回転トルクの低減を防止し得るように
したステツピングモータを用いた電動流量制御弁
に関する。

〔従来の技術〕

従来この種電動流量制御弁としては第３図に示
すようなものがある。

即ち、弁体１の開閉を行なう駆動源となる電動
機はステータコイル２とロータマグネツト３とよ
りなつている。ロータマグネツト３はブツシユ４
を介して弁棒５と一体となつて居り、ロータマグ
ネツト３の回転動作は弁棒５のねじ部６と軸受７
のねじ部８との螺合により、上下動に変換され、
弁棒５の先端に設けられた弁体１とオリフイス９
との開度を調整するものである。

又流体が外部へ漏洩するのを防止する為に、ロ
ータマグネツト３は弁本体１０とパイプ１１及び
キヤツプ１２から成る密閉容器内に設けられ、ロ
ータマグネツト３はステータコイル２によつて生
じる回転磁力をパイプ１１を隔てて受けている。

以上のような構成の電動流量制御弁においてス
テツピングモータのステータコイルを構成するの
に従来第４図の展開斜視図に示すようなものが用
いられている。

即ち、モータは４相のPM型ステツピングモー
タであり、ステータヨークは４枚で構成されてい
る。

簡単に説明すると、１３はコツプ状に形成され
たステータ外ヨークであり、その底面の中央部の
孔１４の周縁に内向きに適宜間隔を介して突出し
た複数個の磁極歯１５を有する。１６は第１の環
状に形成されたコイルボビンでこのコイルボビン
を挾んで第１のステータ内ヨーク１７を前記ステ
ータ外ヨーク１３内に挿入している。このステー
タ内ヨーク１７は環状に形成されその中央部の孔
１８の周縁部に前記磁極歯１５と同数の磁極歯１
９を磁極歯１５に対向し且交互に配置するように
設けている。

更に第１のステータ内ヨーク１７に上方向に隣
接して第２のステータ内ヨーク２０をステータ外
ヨーク１３内に挿入する。このステータ内ヨーク
は同じく環状に形成されその中央部の孔２１の周
縁部には同じく同数の磁極歯２２を図において上
方に突設してある。

このステータ内ヨーク２０に対向し、且前記の
コイルボビン１６と同形状のコイルボビン２３を
挾持して第３のステータ内ヨーク２４を設けてい
る。このステータ内ヨーク２３も孔２５の周縁部
に前記各磁極歯と同数の磁極歯２６を磁極歯２２
と対向し、且交互に配設するように突設し、コイ
ルボビン２３と共にステータ外ヨーク１３内に挿
入されている。

然して各ステータ内ヨークの磁極歯は孔の周縁
部に等間隔に配置されるように組み合わされて居
り、この等磁極歯につくられる磁極は同様に円周
分割着磁されたロータマグネツトとの間で吸引反
発を行ないロータを回転する。

第５図にこのように組み合わされたステータヨ
ークの断面図を示す。そして上記のように構成さ
れたステツピングモータにおいては弁体に流れる
流体の温度変動等により水分が露結する為に、防
湿を考慮して樹脂モールド２７を行う必要があ
る。この樹脂モールドは第５図からも明瞭なよう
に第３のステータ内ヨーク２４の上面、並びにス
テータ外ヨーク１３と各ステータ内ヨーク、各コ
イルボビンとの間に形成される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

然し乍ら、前記のような構成においては、第１
〜第３のステータヨークの外周とステータ外ヨー
ク１３の内周との間隙により各ステータ内ヨーク
はがたつき易くモールデイング作業が安定せず、
又コイル通電によつて生じた熱がステータ外ヨー
ク１３から放散されず、コイル絶縁材にとつて有
害な温度上昇が高くなるという欠点を有するばか
りでなく、第１〜第３のステータ内ヨークの外周
においてコイル通電時に発生する磁束が減少し、
磁気抵抗となりステータヨークにおいて発生する
吸引力が低下し、従つて回転トルクが低下すると
いう欠点があつた。

〔問題点を解決する為の手段〕

本案は以上の欠点に鑑み考案されたもので本案
によれば、弁本体に固定された密閉状態の円筒状
容器と、この容器内に回転自在に保持されたロー
タマグネツトと、前記容器の外周面に接する如
く、複数個の磁極歯を内周縁に突設したカツプ状
のステータ外ヨークと、このステータ外ヨークの
磁極歯に対し交互に配設すると共に対向する方向
に同数の磁極歯を内周縁に突設し、外周を略々円
筒状に折り曲げてステータ外ヨークに密に嵌合す
るよう設けられた第１のステータ内ヨークと、こ
のステータ内ヨークに上下方向において隣接し、
互いに対向する方向に突出し交互に配設され前記
磁極歯と同数の磁極歯を内周縁に設け、同じく外
周を略々円筒状に折り曲げて前記ステータ外ヨー
クに密に嵌合する第２，第３のステータ内ヨーク
と、前記ステータ外ヨークと第１のステータ内ヨ
ークとの間及び第２，第３のステータ内ヨークと
の間に設けられコイルを内蔵したコイルボビン
と、前記ロータマグネツトに固定され前記弁本体
に設けられたオリフイスに対向する弁体を有し、
前記弁本体に設けられた軸受に螺合する弁棒とを
設け前記ステータ外ヨーク、ステータ内ヨーク及
びコイルボビンを樹脂モールドしたものである。

〔作用〕

このように構成された電動流量制御弁において
はステータコイルに通電すると、ステータコイル
によつて生ずる回転磁力によりロータが回転し、
このロータの回転に伴い弁棒が回転する。弁棒は
弁本体に設けられた軸受に螺合している為弁棒は
回転し乍ら軸方向に移動し、弁棒の端部に設けら
れた弁体が弁本体内のオリフイスの開度を調整
し、これによつて流体の流量を制御する。

この作用は従来の制御弁と変ることはないが本
案による時は第１〜第３のステータ内ヨークがス
テータ外ヨークに密に嵌合している為、ステータ
コイルの通電によつて生じた熱はステータ外ヨー
クから放散されてコイル絶縁材にとつて有害な温
度上昇もなく、同じくステータコイルの通電時に
ステータヨークに流れる磁束が増大し回転トルク
の低減を防ぐ事が出来るので極めて安定した流量
制御をなし得る。

〔実施例〕

以下図面に示す一実施について説明する。第１
図において、３１は弁本体で第１の流路３２と、
これと直交する第２の流路３３とを有する。３４
はこの第２の流路に連なるオリフイスで３５は弁
室を示す。

３６はステータコイルで後述するような構成を
なしている。３７は弁本体３１に一端を固定され
た円筒状容器で前記ステータコイル３６はこの容
器３７の外周に接する如く設けられている。３８
は容器３７の内を回転するロータマグネツトで円
周を分割着磁されている。このロータマグネツト
の内周にはブツシユ３９を固定し、このブツシユ
に弁棒４０を固定している。４１は前記円筒状の
容器３７の他端を覆うキヤツプを示している。

弁棒４０の図において下端近くにはねじ部４２
を設け、弁本体に固定された軸受４３のねじ部４
４に螺合している。４５は弁棒４０の先端に設け
られた弁体で前記オリフイス３４に対向してい
る。

次にステータコイル３６の構成を第２図に示す
展開斜視図について説明する。

６はコツプ状に形成されたステータ外ヨークで
その底面４７の中央部には前記円筒状容器３７が
貫通する孔４８を有する。そしてこの孔４８の周
縁に内向きに適宜間隔を介して突出した複数個の
磁極歯４９を有する。５０は磁極歯４９を包囲す
るように環状に形成されたコイルボビンで、５１
はそのコイルを示す。このコイルボビン５０をス
テータ外ヨーク４６との間に挾んで第１のステー
タ内ヨーク５２をステータ外ヨーク４６内に挿入
している。このステータ内ヨーク５２は環状に形
成され、その中央部の孔５３の周縁部に前記磁極
歯４９と同数の磁極歯５４を磁極歯４９に対向し
且交互に配置し得るように設けている。そしてこ
のステータ内ヨーク５２の周縁部には図において
下向きに鍔５５を設け、この鍔５５を前記ステー
タ外ヨーク４６の内周に密に嵌合している。

更に前記第１のステータ内ヨーク５２に上方向
に隣接して第２のステータ内ヨーク５６をステー
タ外ヨーク４６内に挿入する。このステータ内ヨ
ーク５６は同じく環状に形成され、その中央部に
は前記容器３７が貫通する孔５７を有する。そし
てこの孔５７の周縁部には図において上方向に同
じく適宜離間して突出した複数個の磁極歯５８を
有する。

この第２のステータ内ヨーク５６はその周縁部
に上向きの鍔５９を有し、この鍔を前記ステータ
外ヨーク４６の内周に密に嵌合している。

６０は磁極歯５８を包囲するように環状に形成
されたコイルボビンで６１はそのコイルを示す。

このコイルボビン６０を第２のステータ内ヨー
クとの間に挿んで第３のステータ内ヨーク６２を
ステータ外ヨーク内に挿入している。このステー
タ内ヨーク６２も環状に形成され、その中央部の
孔６３の周縁部に前記磁極歯５８と同数の磁極歯
６４を磁極歯５８に対向し、且交互に配置し得る
ように設けている。そしてこのステータ内ヨーク
の６２の周縁部は図において下向きに鍔６５を設
け、この鍔６５を同じく前記ステータ外ヨーク４
６の内周に密に嵌合している。

６６はエポキシの如き樹脂モールドを示す。

従つて今コイルに通電すると、ロータマグネツ
ト３８が回転し、これに伴い弁棒４０が回転する
と共にそのねじ部４２と軸受４３のねじ部４４と
の螺合により弁棒４０は図において上下動し、弁
体４５はオリフイス３４の開度を調整し、流体の
流量を制御するものである。

〔考案の効果〕

然して本案による時は第１〜第３のステータ内
ヨークがステータ外ヨークに密に嵌合している
為、樹脂モールドに際し、各ステータ内ヨークが
がたつく事なく、安定したモールデイング作業が
出来、ステータコイルの通電によつて生じた熱は
ステータ外ヨークから放散されてコイル絶縁材に
とつて有害な温度上昇が低減され又ステータ外ヨ
ークの外周円筒部を磁路としているのでステータ
コイルの通電時はステータヨークを通る磁束が減
少する事なく回転トルクの低減を防ぐ事が出来る
ので極めて安定した流体の流量制御をなし得るも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の電動流量制御弁の一実施例の概
略の縦断面図、第２図はステータコイル部の展開
斜視図、第３図は従来の電動流量制御弁の概略の
縦断面図、第４図はそのステータコイル部の展開
斜視図で、第５図はその組み立て時の縦断面図で
ある。 ３１……弁本体、３２……第１の流路、３３…
…第２の流路、３４……オリフイス、３６……ス
テータコイル、３７……円筒状容器、３８……ロ
ータマグネツト、４０……弁棒、４３……軸受、
４５……弁体、４６……ステータ外ヨーク、４
９，５４，６４……磁極歯、５２……第１のステ
ータ内ヨーク、５６……第２のステータ内ヨー
ク、６２……第３のステータ内ヨーク、５０，６
０……コイルボビン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流体が通過する第１の流路、この第１の流路と
   直交し且オリフイスを介して第１の流路と連通す
   る第２の流路を有する弁本体と、この弁本体に固
   定された密閉状態の円筒状容器と、この容器内に
   回転自在に保持されたロータマグネツトと、前記
   容器の外周面に接する如く、複数個の磁極歯を内
   周縁に突設したカツプ状のステータ外ヨークと、
   このステータ外ヨークの磁極歯に対し交互に配設
   すると共に対向する方向に同数の磁極歯を内周縁
   に突設し、外周を略々円筒状に折り曲げてステー
   タ外ヨークに密に嵌合するよう設けられた第１の
   ステータ内ヨークと、このステータ内ヨークに上
   方向において隣接し、互いに対向する方向に突出
   し交互に配設され前記磁極歯と同数の磁極歯を内
   周縁に設け同じく外周を略々円筒状に折り曲げて
   前記ステータ外ヨークに密に嵌合する第２、第３
   のステータ内ヨークと、前記ステータ外ヨークと
   第１のステータ内ヨークとの間及び第２、第３の
   ステータ内ヨークとの間に設けられコイルを内蔵
   したコイルボビンと、前記ロータマグネツトに固
   定され、前記オリフイスに対向する弁体を有し、
   前記弁本体に設けられた軸受に螺合する弁棒とよ
   りなり、前記ステータ外ヨーク、ステータ内ヨー
   ク及びコイルボビンを樹脂モールドしてなる電動
   流量制御弁。