JPH039204B2 - - Google Patents
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- JPH039204B2 JPH039204B2 JP57193999A JP19399982A JPH039204B2 JP H039204 B2 JPH039204 B2 JP H039204B2 JP 57193999 A JP57193999 A JP 57193999A JP 19399982 A JP19399982 A JP 19399982A JP H039204 B2 JPH039204 B2 JP H039204B2
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- Artificial Filaments (AREA)
Description
本発明は高強力ナイロン46繊維の製造法に関す
るものである。 ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)
は30年以上前から知られている(例えばJ.
PolymerSci.3,609C 1948)ポリアミドであり、
高温、乾燥窒素下あるいは真空下もしくはスチー
ム下で固相重合により高分子量ポリマーになるこ
とについてもナイロン66等の例からみて公知であ
ると考えられる。 特開昭56−149431号公報において、高分子量ナ
イロン46の製造法が提案されている。このように
早くから知られていたにもかかわらず、ナイロン
46の融点が約290℃と高く、溶融時の劣化(主と
して分子量の低下)が予想され、成形が困難であ
ることがナイロン46の工業製品として実用化され
ていない要因の一つであろう。唯一の提案は特開
昭56−149429号公報に見られるプラスチツクとし
ての可能性にとどまつている。 ナイロン46の溶融成形の困難さは繊維化に際し
て最も顕著に現れる。 溶融押出し機中の溶融状態での滞留時間を短く
することにより分子量の低下を最小限にすること
ができるが、通常の方法により紡糸された未延伸
糸では高度に延伸することが困難であり、より高
い強度を有する繊維を得ることかできないのであ
る。その原因が特に光学顕微鏡下で観察したとき
繊維表面に多数の球晶が見られ、延伸時にこの球
晶が壊れて縞状のすじとなることによるものであ
ることを見出し、その解消法を鋭意研究した結
果、本発明に到達した。 すなわち、本発明は、高重合度ナイロン46を
300℃以上340℃以下の紡糸温度で溶融紡糸し、雰
囲気温度が300℃以上である口金直下に設けられ
た加熱フード内を通過させ、固化後非水油剤を付
与し、引き取りローラで引き取り、次いで、1.05
倍以下の予備延伸を施した後、全延伸倍率が4.5
倍以上になるように2段延伸することを特徴とす
る高強力ナイロン46繊維の製造法を要旨とするも
のである。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明においてナイロン46とは、90モル%以上
が−〔NH−(CH2)4−NH−CO−(CH2)4−CO〕
−の単位からなる融点275℃以上のポリアミドで
あり、紡糸に供されるポリマーは、96%硫酸100
mlにポリマー1gを溶解した溶液について25℃で
測定した相対粘度が3.0〜4.0の高重合度のものが
適当である。相対粘度が4.0を超えるポリマーで
は、通常のエクストルーダー押出し機での溶融粘
度が高く紡糸が困難であるか、あるいは高延伸倍
率での延伸ができず、高強力糸を得ることが困難
である。 ナイロン6やナイロン66の高重合度ポリマーの
紡糸は、275〜295℃で行われているが、ナイロン
46の場合、300〜340℃、好ましくは310〜330℃の
温度(口金温度)で紡糸される。溶融時の滞留時
間は短い方が分子量の低下が少なく、一般に1〜
3分間程度とされる。 紡糸された繊維に通常ポリアミド糸に付与され
る水エマルジヨン系の油剤あるいは非水油剤を付
与して巻き取つて放置した糸条を顕微鏡下で観察
すると、多数の球晶が見られる。ナイロン6やナ
イロン66繊維の紡糸からは、到底想像し難い現象
であり、ナイロン46の極めて速い結晶化速度に起
困するものと考えられる。本発明はこの球晶の発
生が抑えられる条件で製糸するものである。 特公昭39−7251号公報に開示されているような
口金直下に加熱フードを使用しても繊維表面に見
られる球晶の発生が幾分抑えられるが、十分では
ない。本発明においては、口金直下に高温の加熱
フードを設けると共に、紡出糸条に固化後非水油
剤を付与し、引き取りローラで引き取り、次い
で、特定の条件で延伸することにより、球晶の発
生が抑えられ、かつ、高強力のナイロン46繊維が
得られるのである。 本発明における加熱フードは、300℃以上の高
温とする必要があり、長さは20cm以上とすること
が好ましい。 非水油剤としては、例えば、オレイン酸のエス
テル類、高級アルコールのエチレンオキサイド付
加物及び鉱物油等の配合されたもの、あるいは鉱
物油、やし油、高級脂肪酸のエステル等の配合さ
れたものが使用される。 引き取り速度は200〜700m/min程度の比較的
低い速度とすることが好ましい。高い引き取り速
度の場合、加熱フードの効果が減じられて球晶の
発生を抑えることが困難となる。 非水油剤を付与した未延伸糸は、一旦巻き取る
ことなく延伸することが必要である。非水油剤を
付与しても未延伸糸を一旦巻き取つて放置すると
空気中の水分を吸収して繊維表面で球晶が成長す
る。 引き取りローラで引き取られた糸条は、直ちに
引き取りローラと第1延伸ローラとの間で1.05倍
以下、好ましくは1.01〜1.05倍の倍率で予備延伸
される。第1延伸ローラは、100〜150℃に加熱さ
れる。ナイロン6やナイロン66では、第1延伸ロ
ーラを40〜80℃程度に加熱したり、第1延伸ロー
ラを省略し、引き取りローラを比較的低温に加熱
する方法も採用されているが、ナイロン46の場合
には、予備延伸(プレストレツチ)用の第1延伸
ローラが必要である。 第1延伸ローラと第2延伸ローラとの間で第1
段目の延伸が行われる。第2延伸ローラは150〜
230℃、好ましくは170〜210℃に加熱される。第
1段目の延伸倍率は、第1段目の延伸終了時の糸
条の複屈折が40×10-3〜55×10-3となるように決
められる。この段階での複屈折が40×10-3未満の
場合、第2延伸ローラでの加熱による結晶化のた
め、高い延伸倍率での第2段目の延伸が困難とな
り、逆に55×10-3を超えるようにするには、第1
段目の延伸での単糸巻きの発生、切断等のトラブ
ルを生じる。第2延伸ローラの温度が150℃未満
であると延伸が困難であり、逆に230℃よりも高
くすると結晶化が配向化より進み、第2段目の延
伸が困難となる。要するに、結晶化を抑えた紡出
糸条を適切な領域まで結晶化を抑えつつ配向化を
進めることが必要である。 第2段目の延伸は、第2延伸ローラと第3延伸
ローラとの間で行われる。第3延伸ローラは220
〜270℃に加熱され、延伸後の糸条の複屈折が60
×10-3以上、好ましくは62×10-3以上となるまで
延伸される。第2延伸ローラと第3延伸ローラと
の間には、必要に応じて、230〜270℃に加熱され
た接触式加熱板が設けられる。 第3延伸ローラを出た糸条は、約0.1g/dの
張力で巻き取られるか、あるいは第4ローラとし
て比較的低温もしくは非加熱のローラを介して巻
き取られる。 延伸糸の複屈折が60×10-3未満の場合、配向が
不十分で、高強力糸がが得られない。延伸糸の複
屈折が60×10-3以上となるようにするには、全延
伸倍率DRr(第1段目延伸倍率DR1×第2段目延
倍率DR2)が4.5以上となるようにすることが必
要である。 通常の方法(ナイロン6やナイロン66に準じた
方法)で得られるナイロン46糸条には、繊維表面
に200倍程度の倍率の光学顕微鏡でも多数のすじ
が容易に観察されるが、本発明の方法で得られる
ナイロン46繊維には、球晶に起因する縞状のすじ
がなく、平滑な表面を有するものである。 また、本発明の方法によれば、強度9.3g/d
以上の高強力繊維が容易に得られる。 本発明の方法で得られるナイロン46繊維は、高
融点で耐熱性に優れた高強力糸であり、タイヤコ
ード等のゴム補強用その他の産業資材用繊維とし
て極めて有用なものである。 次に、実施例によつて本発明を具体的に説明す
る。 なお、実施例中の強伸度の測定は、JIS規格に
準じて実施した。複屈折の測定は、光学顕微鏡下
バビネ−ベレツク法で行つた。また、延伸性の良
否は10Kgのポリマーを用いて製糸し、延伸中の糸
条の切断及びローラへの単糸巻き発生の度合いに
より判定した(〇:良好、×:不良)。繊維表面の
平滑性は、光学顕微鏡で観察し、すじの有無で判
定した(〇:すじ無、×:すじ有)。 実施例 1 エクストルーダー型溶融紡糸機を使用し、紡糸
温度(口金温度)320℃で、相対粘度3.7,3.5及
び3.2の3種のナイロン46チツプを溶融し、吐出
量150g/minで、96個の紡糸孔を有する口金か
ら紡出し、速度400m/minの引き取りローラで
引き取つた。 この際、口金直下に加熱フードとして長さ25cm
(No.8のみ40cm)のアルミブロツクヒータを導入
し、加熱フード内の雰囲気温度を表1に示すよう
に変化させた。 引き取りローラ前の油剤付与装置により糸条に
油剤を1重量%付与した。No.1の水エマルジヨン
系の含水油剤以外はいずれも非水油剤を使用し
た。 第1延伸ローラを125℃とし、引き取りローラ
と第1延伸ローラとの間で1.03倍の予備延伸を与
えた。第2延伸ローラを190℃とし、第1延伸ロ
ーラと第2延伸ローラとの間で3.7倍の第1段目
の延伸を行い、この段階で複屈折が45×10-3を超
えるようにした。次いで第3延伸ローラを240℃
とし、第2延伸ローラと第3延伸ローラとの間で
表1に示したDRrとなる延伸倍率で第2段目の延
伸を行つた。 得られた延伸糸の糸質及び繊維表面の平滑性、
延伸性の良否を表1にまとめて示した。
るものである。 ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)
は30年以上前から知られている(例えばJ.
PolymerSci.3,609C 1948)ポリアミドであり、
高温、乾燥窒素下あるいは真空下もしくはスチー
ム下で固相重合により高分子量ポリマーになるこ
とについてもナイロン66等の例からみて公知であ
ると考えられる。 特開昭56−149431号公報において、高分子量ナ
イロン46の製造法が提案されている。このように
早くから知られていたにもかかわらず、ナイロン
46の融点が約290℃と高く、溶融時の劣化(主と
して分子量の低下)が予想され、成形が困難であ
ることがナイロン46の工業製品として実用化され
ていない要因の一つであろう。唯一の提案は特開
昭56−149429号公報に見られるプラスチツクとし
ての可能性にとどまつている。 ナイロン46の溶融成形の困難さは繊維化に際し
て最も顕著に現れる。 溶融押出し機中の溶融状態での滞留時間を短く
することにより分子量の低下を最小限にすること
ができるが、通常の方法により紡糸された未延伸
糸では高度に延伸することが困難であり、より高
い強度を有する繊維を得ることかできないのであ
る。その原因が特に光学顕微鏡下で観察したとき
繊維表面に多数の球晶が見られ、延伸時にこの球
晶が壊れて縞状のすじとなることによるものであ
ることを見出し、その解消法を鋭意研究した結
果、本発明に到達した。 すなわち、本発明は、高重合度ナイロン46を
300℃以上340℃以下の紡糸温度で溶融紡糸し、雰
囲気温度が300℃以上である口金直下に設けられ
た加熱フード内を通過させ、固化後非水油剤を付
与し、引き取りローラで引き取り、次いで、1.05
倍以下の予備延伸を施した後、全延伸倍率が4.5
倍以上になるように2段延伸することを特徴とす
る高強力ナイロン46繊維の製造法を要旨とするも
のである。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明においてナイロン46とは、90モル%以上
が−〔NH−(CH2)4−NH−CO−(CH2)4−CO〕
−の単位からなる融点275℃以上のポリアミドで
あり、紡糸に供されるポリマーは、96%硫酸100
mlにポリマー1gを溶解した溶液について25℃で
測定した相対粘度が3.0〜4.0の高重合度のものが
適当である。相対粘度が4.0を超えるポリマーで
は、通常のエクストルーダー押出し機での溶融粘
度が高く紡糸が困難であるか、あるいは高延伸倍
率での延伸ができず、高強力糸を得ることが困難
である。 ナイロン6やナイロン66の高重合度ポリマーの
紡糸は、275〜295℃で行われているが、ナイロン
46の場合、300〜340℃、好ましくは310〜330℃の
温度(口金温度)で紡糸される。溶融時の滞留時
間は短い方が分子量の低下が少なく、一般に1〜
3分間程度とされる。 紡糸された繊維に通常ポリアミド糸に付与され
る水エマルジヨン系の油剤あるいは非水油剤を付
与して巻き取つて放置した糸条を顕微鏡下で観察
すると、多数の球晶が見られる。ナイロン6やナ
イロン66繊維の紡糸からは、到底想像し難い現象
であり、ナイロン46の極めて速い結晶化速度に起
困するものと考えられる。本発明はこの球晶の発
生が抑えられる条件で製糸するものである。 特公昭39−7251号公報に開示されているような
口金直下に加熱フードを使用しても繊維表面に見
られる球晶の発生が幾分抑えられるが、十分では
ない。本発明においては、口金直下に高温の加熱
フードを設けると共に、紡出糸条に固化後非水油
剤を付与し、引き取りローラで引き取り、次い
で、特定の条件で延伸することにより、球晶の発
生が抑えられ、かつ、高強力のナイロン46繊維が
得られるのである。 本発明における加熱フードは、300℃以上の高
温とする必要があり、長さは20cm以上とすること
が好ましい。 非水油剤としては、例えば、オレイン酸のエス
テル類、高級アルコールのエチレンオキサイド付
加物及び鉱物油等の配合されたもの、あるいは鉱
物油、やし油、高級脂肪酸のエステル等の配合さ
れたものが使用される。 引き取り速度は200〜700m/min程度の比較的
低い速度とすることが好ましい。高い引き取り速
度の場合、加熱フードの効果が減じられて球晶の
発生を抑えることが困難となる。 非水油剤を付与した未延伸糸は、一旦巻き取る
ことなく延伸することが必要である。非水油剤を
付与しても未延伸糸を一旦巻き取つて放置すると
空気中の水分を吸収して繊維表面で球晶が成長す
る。 引き取りローラで引き取られた糸条は、直ちに
引き取りローラと第1延伸ローラとの間で1.05倍
以下、好ましくは1.01〜1.05倍の倍率で予備延伸
される。第1延伸ローラは、100〜150℃に加熱さ
れる。ナイロン6やナイロン66では、第1延伸ロ
ーラを40〜80℃程度に加熱したり、第1延伸ロー
ラを省略し、引き取りローラを比較的低温に加熱
する方法も採用されているが、ナイロン46の場合
には、予備延伸(プレストレツチ)用の第1延伸
ローラが必要である。 第1延伸ローラと第2延伸ローラとの間で第1
段目の延伸が行われる。第2延伸ローラは150〜
230℃、好ましくは170〜210℃に加熱される。第
1段目の延伸倍率は、第1段目の延伸終了時の糸
条の複屈折が40×10-3〜55×10-3となるように決
められる。この段階での複屈折が40×10-3未満の
場合、第2延伸ローラでの加熱による結晶化のた
め、高い延伸倍率での第2段目の延伸が困難とな
り、逆に55×10-3を超えるようにするには、第1
段目の延伸での単糸巻きの発生、切断等のトラブ
ルを生じる。第2延伸ローラの温度が150℃未満
であると延伸が困難であり、逆に230℃よりも高
くすると結晶化が配向化より進み、第2段目の延
伸が困難となる。要するに、結晶化を抑えた紡出
糸条を適切な領域まで結晶化を抑えつつ配向化を
進めることが必要である。 第2段目の延伸は、第2延伸ローラと第3延伸
ローラとの間で行われる。第3延伸ローラは220
〜270℃に加熱され、延伸後の糸条の複屈折が60
×10-3以上、好ましくは62×10-3以上となるまで
延伸される。第2延伸ローラと第3延伸ローラと
の間には、必要に応じて、230〜270℃に加熱され
た接触式加熱板が設けられる。 第3延伸ローラを出た糸条は、約0.1g/dの
張力で巻き取られるか、あるいは第4ローラとし
て比較的低温もしくは非加熱のローラを介して巻
き取られる。 延伸糸の複屈折が60×10-3未満の場合、配向が
不十分で、高強力糸がが得られない。延伸糸の複
屈折が60×10-3以上となるようにするには、全延
伸倍率DRr(第1段目延伸倍率DR1×第2段目延
倍率DR2)が4.5以上となるようにすることが必
要である。 通常の方法(ナイロン6やナイロン66に準じた
方法)で得られるナイロン46糸条には、繊維表面
に200倍程度の倍率の光学顕微鏡でも多数のすじ
が容易に観察されるが、本発明の方法で得られる
ナイロン46繊維には、球晶に起因する縞状のすじ
がなく、平滑な表面を有するものである。 また、本発明の方法によれば、強度9.3g/d
以上の高強力繊維が容易に得られる。 本発明の方法で得られるナイロン46繊維は、高
融点で耐熱性に優れた高強力糸であり、タイヤコ
ード等のゴム補強用その他の産業資材用繊維とし
て極めて有用なものである。 次に、実施例によつて本発明を具体的に説明す
る。 なお、実施例中の強伸度の測定は、JIS規格に
準じて実施した。複屈折の測定は、光学顕微鏡下
バビネ−ベレツク法で行つた。また、延伸性の良
否は10Kgのポリマーを用いて製糸し、延伸中の糸
条の切断及びローラへの単糸巻き発生の度合いに
より判定した(〇:良好、×:不良)。繊維表面の
平滑性は、光学顕微鏡で観察し、すじの有無で判
定した(〇:すじ無、×:すじ有)。 実施例 1 エクストルーダー型溶融紡糸機を使用し、紡糸
温度(口金温度)320℃で、相対粘度3.7,3.5及
び3.2の3種のナイロン46チツプを溶融し、吐出
量150g/minで、96個の紡糸孔を有する口金か
ら紡出し、速度400m/minの引き取りローラで
引き取つた。 この際、口金直下に加熱フードとして長さ25cm
(No.8のみ40cm)のアルミブロツクヒータを導入
し、加熱フード内の雰囲気温度を表1に示すよう
に変化させた。 引き取りローラ前の油剤付与装置により糸条に
油剤を1重量%付与した。No.1の水エマルジヨン
系の含水油剤以外はいずれも非水油剤を使用し
た。 第1延伸ローラを125℃とし、引き取りローラ
と第1延伸ローラとの間で1.03倍の予備延伸を与
えた。第2延伸ローラを190℃とし、第1延伸ロ
ーラと第2延伸ローラとの間で3.7倍の第1段目
の延伸を行い、この段階で複屈折が45×10-3を超
えるようにした。次いで第3延伸ローラを240℃
とし、第2延伸ローラと第3延伸ローラとの間で
表1に示したDRrとなる延伸倍率で第2段目の延
伸を行つた。 得られた延伸糸の糸質及び繊維表面の平滑性、
延伸性の良否を表1にまとめて示した。
【表】
【表】
実施例 2
2軸エクストルーダー型溶融紡糸機を使用し、
口金温度310℃で、相対粘度3.5のナイロン46の粉
末を溶融し、140個の紡糸孔を有する口金から紡
出し、長さ25cmの加熱フードを通過させ、固化後
非水油剤を付与し、一旦巻き取ることなく延伸
し、840d/140fの延伸糸を得た。 この際、製糸条件を表2に示すように変更し
た。なお、表2には示していないが、第2延伸ロ
ーラと第3延伸ローラとの間に長さ50cm、温度
250℃の熱板を設置した。 得られた延伸糸の糸質及び延伸性の良否を表2
にまとめて示した。(延伸糸の表面はいずれも平
滑であつた。)
口金温度310℃で、相対粘度3.5のナイロン46の粉
末を溶融し、140個の紡糸孔を有する口金から紡
出し、長さ25cmの加熱フードを通過させ、固化後
非水油剤を付与し、一旦巻き取ることなく延伸
し、840d/140fの延伸糸を得た。 この際、製糸条件を表2に示すように変更し
た。なお、表2には示していないが、第2延伸ロ
ーラと第3延伸ローラとの間に長さ50cm、温度
250℃の熱板を設置した。 得られた延伸糸の糸質及び延伸性の良否を表2
にまとめて示した。(延伸糸の表面はいずれも平
滑であつた。)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (1) 高重合度ナイロン46を300℃以上340℃以
下の紡糸温度で溶融紡糸し、雰囲気温度が300
℃以上である口金直下に設けられた加熱フード
内を通過させ、固化後非水油剤を付与し、引き
取りローラで引き取り、次いで、1.05倍以下の
予備延伸を施した後、全延伸倍率が4.5倍以上
になるように2段延伸することを特徴とする高
強力ナイロン46繊維の製造法。 (2) 第1段目の延伸終了時の糸条の複屈折の値が
40×10-3〜55×10-3になるように第1段目の延
伸倍率を設定する特許請求の範囲第1項記載の
高強力ナイロン46繊維の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19399982A JPS5988910A (ja) | 1982-11-04 | 1982-11-04 | 高強力ナイロン46繊維及びその製造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19399982A JPS5988910A (ja) | 1982-11-04 | 1982-11-04 | 高強力ナイロン46繊維及びその製造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5988910A JPS5988910A (ja) | 1984-05-23 |
JPH039204B2 true JPH039204B2 (ja) | 1991-02-07 |
Family
ID=16317284
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19399982A Granted JPS5988910A (ja) | 1982-11-04 | 1982-11-04 | 高強力ナイロン46繊維及びその製造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5988910A (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60224809A (ja) * | 1984-04-23 | 1985-11-09 | Toray Ind Inc | ポリアミド繊維およびその製造方法 |
JPS61129303A (ja) * | 1984-11-28 | 1986-06-17 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤ |
JPS61253202A (ja) * | 1985-04-30 | 1986-11-11 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | ラジアルタイヤ |
JPS63135513A (ja) * | 1986-11-21 | 1988-06-07 | Unitika Ltd | ナイロン46繊維 |
JPH01111011A (ja) * | 1987-10-23 | 1989-04-27 | Unitika Ltd | ナイロン46繊維の製造方法 |
JPH02210018A (ja) * | 1989-02-01 | 1990-08-21 | Unitika Ltd | Vベルト補強用ポリアミド繊維 |
EP4119705A1 (en) | 2020-03-13 | 2023-01-18 | Toray Industries, Inc. | Polyamide multifilament |
CN117693615A (zh) | 2021-09-10 | 2024-03-12 | 东丽株式会社 | 聚酰胺46复丝和气囊缝制线 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5976914A (ja) * | 1982-10-22 | 1984-05-02 | Toray Ind Inc | ポリアミド繊維およびその製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5514942Y2 (ja) * | 1974-05-20 | 1980-04-05 | ||
JPS6143092Y2 (ja) * | 1981-04-20 | 1986-12-05 |
-
1982
- 1982-11-04 JP JP19399982A patent/JPS5988910A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5976914A (ja) * | 1982-10-22 | 1984-05-02 | Toray Ind Inc | ポリアミド繊維およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5988910A (ja) | 1984-05-23 |
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