JPH03887Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、ハンドバツク等に収納して携帯され
る化粧用コンパクトに関する。

「従来の技術」 この種コンパクトでは、蓋を施錠する止め金を
押釦を利用して解錠する方式のものが増えてきて
いる。この押釦は、左右両側面から突出したピン
により化粧品皿のの前面凹所に回動可能に枢支配
設し、開蓋時に押込み回動して蓋或いは蓋側の止
め金用係合部材を押上げて止め金を解錠するもの
である。

「考案が解決しようとする問題点」 上記押釦方式によれば、容易かつ安全に止め金
が解錠できるが、従来のものは前記のように両側
のピンを化粧品皿側の枢支溝に挿入して取付ける
ので取付け組立てが面倒であり、このピンは細軸
なので損傷するおそれもあり、また拘束が解かれ
た開蓋状態では踊るのでカタカタと耳障りな音を
発する欠点がある。

本考案は取付け組立てが簡単で、しかも堅牢に
取付けることができ、また開蓋状態でも踊るよう
なことがなく、従つて耳障りな音を発生しない押
釦を備えた化粧用コンパクトを得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の化粧用コンパクトは、化粧品皿１の前
面凹所２の前向き壁から止め金の一方を係合突起
３を突設し、蓋４の前部裏面から垂設した係合部
材５の下部背面に止め金の他方の係合突起６を設
けたものにおいて、前面押込み板７の上端から後
方に略水平に肩板８，８を突出し、またここの押
込み板７下端中間部から斜め後上に立ち上げた支
え板９上端から前方に、前記肩板８，８間空所下
方に位置する略水平な押上げ板１０を突出し、こ
の押上げ板１０を左右に延設し、この延設部１０
ａ，１０ａの前端から肉薄弾性部１１，１１を介
し足１２，１２を垂設した押釦１３を前記凹所２
に、押上げ板１０上面を係合部材５の下端面に接
面若しくは近接させて配設し、１対の足１２，１
２下端部を凹所２の底壁１４に凹設した取付溝１
５，１５に押込み固定取付けた構成としている。

「作用」 上記において、常時は蓋４は閉蓋し、この状態
で係合突起３と６が係合して止め金が施錠し、そ
して押釦１３の押上げ板１０の上面は係合部材５
の下端面に接面している。

ここで、蓋４を開蓋するには、押釦１３の前面
押込み板７下部を矢印のように内下方に押込む。

すると、支え板９と押上げ板１０は弾性部１
１，１１の屈曲により図示２点鎖線のように上方
に移動し、これにより係合部材５を上方に押上げ
係合突起６を係合突起３から離脱させてその係合
を解き、止め金を解錠する。この後、押込み板７
の押込みを停止すれば、押釦１３は実線の原位置
に復帰する。

「実施例」 第１図、第２図が示す実施例は、既述した「問
題点を解決するための手段」で述べたところと同
様であり、重複を避けるため該既述部分について
の説明は省略し、既述しない事項についてのみ説
明する。

化粧品皿１の前面凹所２は、この化粧品皿２の
前部周壁１６中間部を後方に角形に屈曲凹形させ
て前空きに形成し、そしてこの凹所２の押釦１３
の支え板９に対面する中間部の下隅部を曲面状イ
に突出形成し、さらにこの曲面部イ両側の底壁１
４上面に凹設する取付溝１５，１５の後部上縁か
ら前向きに係合突条１７，１７を突設している。

蓋４は、図では示していないが後端部を前記化
粧品皿１後端部にヒンジ開聞可能に枢着され、ま
た裏面中央部に鏡１８を取付け、そして係合部材
５は押釦１３の肩板８，８間の窓状空間を通して
垂下している。

押釦１３は、前面押込み板７の下部が幾分前方
に反つて押込み操作しやすい形状であり、また足
１２，１２の下端の後縁には前記係合突条１７，
１７と係合する係合突条１９，１９を突出し、取
付溝１５，１５に押込むことによりこれら係合突
条１７，１７と１９，１９の係合で固く取付け固
定できるようにしてある。また支え板９は前記曲
面イに対応した曲面に形成してあり、押込み時曲
面イに添いこれに案内されて移動する。尚、押上
げ板１０は係合部材５下端面に接面するのがよい
が、近接した状態でもよい。

上記各部は合成樹脂材で成形製作する。

「考案の効果」 上記考案では、押釦１３には一対の足１２，１
２を設け、この足１２，１２を化粧品皿１の底壁
１４の取付溝１５，１５に押込み係合して固定す
るので、取付けは簡単であり、また足１２，１２
は充分な太さの強度のものに選定できるので、折
損等の懸念は全くなく堅牢に構成できる。また押
込み板７、支え板９、押上げ板１０の押込み移動
部は弾性変形部１１，１１を介し足１２，１２に
結合した構造であり、従来のようにピンで枢着し
全体が自在に回動できるる構造でないから、開蓋
状態でもガタつくようなことはなく、従つて耳障
りな音を発生することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧用コンパクトの一実施例の
主要部の縦断面図、第２図は同実施例の押釦の外
形斜視図である。 １……化粧品皿、４……蓋、１３……押釦。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧品皿１の前面凹所２の前向き壁から止め金
   の一方の係合突起３を突設し、蓋４の前部裏面か
   ら垂設した係合部材５の下部背面に止め金の他方
   の係合突起６を設けたものにおいて、前面押込み
   板７上端の左右両側から後方に略水平に肩板８，
   ８を突出し、またこの押込み板７下端中間部から
   斜め後上に立ち上げた支え板９上端から前方に、
   前記肩板８，８空所下方に位置する略水平な押上
   げ板１０を突出し、この押上げ板１０を左右に延
   設し、この延設部１０ａ，１０ａ，の前端から肉
   薄弾性部１１，１１を介し足１２，１２を垂設し
   た構成の押釦１３を前記凹所２に、押上げ板１０
   上面を係合部材５の下端面に接面若くは近接させ
   て配設し、１対の足１２，１２下端部を凹所２の
   底壁１４に凹設した取付溝１５，１５に押込み固
   定して取付けた化粧用コンパクト。