JPH0112659Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 産業上の利用分野 本考案はパフ付きの化粧用コンパクトの改良に
関する。

従来の技術 化粧用コンパクトはパフ付きのものが主流にな
つてきている。このパフは、化粧品皿の下面或い
は上面に配設したパフ皿に収納されるが、このパ
フ皿は化粧品皿、蓋とヒンジ結合された開閉式の
ものが大部分であり、しかもパフ皿は比較的深目
に形成するので、化粧時にパフがとり出しにくい
欠点がある。

一方、この化粧用コンパクトでは、止め金解錠
用の押釦を備え、その押し操作により止め金を解
錠する方式が採用されつつある。

考案が解決しようとする問題点 本考案は上記点にかんがみ、止め金解錠用の押
釦の押し操作に連動させてパフを自動的に上方に
持ち上げ、その取り出しを容易にした便利なパフ
付きコンパクトを得るにある。

ロ 考案の構成 問題点を解決するための手段 本考案パフ付きコンパクトは、化粧品皿１、こ
の化粧品皿１の下面または上面に配設されたパフ
皿２、そして蓋３を有し、これらを後端縁の並設
したヒンジ４，４で枢着し、かつ化粧品皿１とパ
フ皿２のうち下方に配置されたものと蓋３との前
部間に止め金を設け、さらに当該前面部に止め金
解錠用の押釦５を設けたパフ付きコンパクトにお
いて、この押釦５の背部から一体に後方に帯状の
持上げ板７を延設し、解錠時この押釦５を押込む
と持上げ板７がパフ６の全体または一部を下面か
ら持ち上げる構成としている。

作用 上記にて、常時は止め金が施錠し閉蓋状態にあ
る。ここで化粧時には、止め金解錠用の押釦５を
押込む。すると、この押込み操作により止め金が
解錠し、同時に押釦５と一体のパフ持上げ板７が
パフ６を上方に持ち上げるので、このパフ６を摘
んでとり出せばよい。閉蓋施錠時は逆に蓋３を押
下げ止め金を施錠する。

実施例 第１の実施例 （第１図ａ，ｂ，ｃ） 全体の形状は略角形で、パフ皿２は幾分深目
で、その周壁８の前部壁の中央部を後方に凹ませ
て格納部９を形成し、この格納部９の前向き壁上
部に止め金の一方の係合突起１０を突設し、また
この前向き壁下縁部に底板１１上面に開通する横
に細長な通し孔１２を開孔している。

化粧品皿１は、前記パフ皿２上面に乗るよう配
置され、また前部化粧板の中央部には切欠き空所
１３を形成している。

蓋３は裏面に鏡１４を取付け、また前部裏面か
ら前記切欠き空所１３を通して垂下する係合部材
１５を設け、この係合部材１５下部背面に、前記
係合突起１０と係合して止め金を形成する他方の
係合突起１６を設けている。

解錠用押釦５は後面開放のボツクス形で、その
左右両側を枢支し反時計方向に回動可能に前記格
納部９に配設されており、前面押圧板は内方に彎
曲して凹み、また上面板の中央部後面側に切欠き
１７を設けて前記係合部材１５が垂下できるよう
にしてあり、またこの切欠き１７両側の上面板は
蓋３の前部下面に接面している。そしてこの押釦
５の底板から後方に一体に延設された帯状のパフ
持ち上げ用の持上げ板７は、肉薄として弾性を付
与され、前記通し孔１２を通してパフ皿２底板１
１上面を後端部まで延びている。

しかして、図では示してないが、パフ皿２と化
粧品皿１のヒンジ４部にヒゲ付きばねを装着し、
このばねにより常時化粧品皿１、従つてまた蓋３
をも開方向に付勢させている。このヒゲ付きばね
は周知なので簡単に説明すると、コイル状のばね
体をヒンジ軸に装架し、端部の一方のヒゲを固定
側に、他方のヒゲを可動側に掛け、ばね力を常時
可動側に対し押上げ力として作用させるようにし
たものである。以下、特別に断らないかぎり各実
施例はこのヒゲ付きばねを装着したものとする。

第２の実施例 （第２図ａ，ｂ，ｃ） この実施例は、パフ皿２の格納部９の底板上面
部にストツパ１８を設け、このストツパ１８にて
押込んだ押釦５の戻りを停止させ、この押釦５を
手で戻し操作するまでパフ６を持上げ状態に保持
できるようにしたもので、他部分は殆んど第１の
実施例と同じである。

第３の実施例 （第３図ａ，ｂ） この実施例は、押釦５底板から延設された持上
げ板７を短かくし、そしてこの持上げ板７をパフ
皿２の底板１１前面側上面に設けた溝１９に格納
し、一方底板１１後端縁に断面カギ形の止め板２
０を設け、後端をこの止め板２０に係させて底板
１１に、先端が前記持上げ板７上面に乗る帯状の
補助板２１を設け、開蓋時、矢示のように押釦５
を斜め後下方向に押込んだとき、持上げ板７で補
助板２１を介しパフ６を持ち上げるようにしたも
のである。この場合、持上げ板７は硬質材でよ
く、また補助板２１は硬質、軟質いずれでも可能
であるが、少なくとも止め板２０付近部が曲がり
可能であることが必要である。

第４図の実施例 （第４図ａ，ｂ） この実施例は、下段に化粧品皿１を、その上面
に板状のパフ皿２を配置した構成の場合の例であ
り、従つて鏡１４はこのパフ皿２下面に取付けら
れ、また押釦５の上面板から短かく持上げ板７を
延設し、この持上げ板７の先端部はパフ皿２前部
の上面溝部１９に格納し、同様に開蓋時、持上げ
板７が補助板２１を介してパフ６を鎖線で示すよ
うに持上げる。尚、持上げ板７には、係合部材１
５を通す窓２２を明けている。

第５の実施例 （第５図ａ，ｂ） この実施例は、前記第４の実施例同様にパフ皿
２を化粧品皿１上面に配置したもので、押釦５は
底板の後縁上面を斜め後下方向の斜面イに形成
し、この斜面イの後端を係合部材１５下端面に当
てておき、さらに持上げ板７の基部寄り上面に押
え縁２３を起立したもので、従つて押釦５を矢示
のように後方に押込むと、斜面イが係合部材１５
を押上げることから止め金が解錠して蓋３が自動
的に開き、同時に押え縁２３が後方に移動するこ
とから鎖線のようにパフ６を持上げる。尚、持上
げ板７は溝１９内にスライド可能に格納されてい
る。

第６の実施例 （第６図ａ，ｂ） この実施例も、前記第４、第５実施例と同じく
パフ皿２を化粧品皿１上面に配置した場合のもの
である。ここで、係合部材１５の前面を斜め後下
方向の係合斜面ロに形成し、押釦５を押込むこと
により、この係合部材１５を上方にずり上げて止
め金を解錠している。また持上げ板７は弾性板を
用い、その後端部をカギ形に上方に折曲げ、この
端部をパフ皿２後端の座２４に掛けて係止させて
いる。尚、押釦５はパフ皿２前部のスライド溝２
５，２５でスライドする。

第７の実施例 （第７図ａ，ｂ） この例も、パフ皿２を化粧品皿１上面に配置し
た例である。持上げ板７としては硬質材を用い、
これをパフ６下面全長に亙つて設けているが、そ
の後端縁からパフ６後面を支える押え縁２６を起
立し、またこの後端両側面から係合軸２７，２７
を外向きに突出し、これらをパフ皿２の溝１９後
部両側に設けた案内溝２８，２８にスライド可能
に係合させ、さらに、この持上げ板７の前部寄り
下面に可撓ヒンジ２９を設け、この部で折り曲げ
可能としたものであり、押釦５下部を押込むと止
め金が解錠すると共に持上げ板７は後部が前方に
スライドして鎖線のように山形に折れ曲がり、パ
フ６を上方に持上げる。

第８の実施例 （第８図ａ，ｂ） この例も、パフ皿２を化粧品皿１上面に配置し
た例である。また第４の実施例のように持上げ板
７の外に補助板２１を用いているが、この補助板
２１としては持上げ板７同様に硬質材を用い、ま
た後端両側の突子をパフ皿２の溝１９後端両側の
係合穴３０，３０に枢支させて起倒可能とし、ま
た押釦５は両側板に斜め前上がりに傾斜させた係
合溝ハ，ハを形成し、これら係合溝ハ，ハを突子
３１，３１に係合し、前面から押込むことにより
２点鎖線で示すように上方にずり上げ、このずり
上げで蓋３前部を押上げて止め金を解錠し、同時
に持上げ板７により補助板２１を介しパフ６を持
上げている。

上記各部は合成樹脂材で成形製作する。

ハ 考案の効果 上記本考案では、コンパクト本体前面部に止め
金解錠用の押釦５を備えたパフ付きの化粧用コン
パクトにおいて、この押釦５背部からパフ６下面
に差込まれるパフ持上げ板７を延設し、止め金解
錠時の押釦５の押込みに連動させて持上げ板７を
上方に変位させて直接または間接にパフ６を持上
げるようにしたので、化粧時容易にパフ６取出し
ができて便利である。しかも、このための構造は
単に帯状の持げ板７を延設し、必要があれば補助
板２１を配設すれば足り、簡単に構成でき、さら
に各種形態のコンパクトのものに適当できる利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案考案パフ付きコンパクトの第１の
実施例を示し、ａ図は平面図、ｂ，ｃ図は閉蓋
時、開蓋時の縦断面図、第２図ａ，ｂ，ｃは第２
の実施例の閉蓋時、開蓋時の縦断面図とパフ皿の
斜視図、第３図ａ，ｂは第３の実施例の分解斜視
図と縦断面図、第４図ａ，ｂは第４の実施例の縦
断面図と一部斜視図、第５図ａ，ｂ乃至第８図
ａ，ｂはそれぞれ第５の実施例乃至第８の実施例
の分解斜視図と縦断面図である。 １……化粧品皿、２……パフ皿、３……蓋、５
……解錠用押釦、６……パフ、７……持上げ板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧品皿１、この化粧品皿１の下面または上面
   に配設されたパフ皿２、そして蓋３を有し、これ
   らを後端縁の並設したヒンジ４，４で枢着し、か
   つ化粧品皿１とパフ皿２のうち下方に配置された
   ものと蓋３との前部間に止め金を設け、さらに当
   該前面部に止め金解錠用の押釦５を設けたパフ付
   きコンパクトにおいて、この押釦５の背部から一
   体に後方に帯状の持上げ板７を延設し、解錠時こ
   の押釦５を押込むと持上げ板７がパフ６の全体ま
   たは一部を下面から持上げるようにしたパフ付き
   コンパクト。