JPH038333Y2 - - Google Patents

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JPH038333Y2
JPH038333Y2 JP1985031453U JP3145385U JPH038333Y2 JP H038333 Y2 JPH038333 Y2 JP H038333Y2 JP 1985031453 U JP1985031453 U JP 1985031453U JP 3145385 U JP3145385 U JP 3145385U JP H038333 Y2 JPH038333 Y2 JP H038333Y2
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、製鉄所などの集塵装置に設置する
大型バグフイルタ用の布に関し、吊下げ設置し
ても伸びが少なくかつ安定した高い集塵率を有す
る布に関する。
(従来の技術) 製鉄所または各種の金属製錬工場などでは、所
望の金属製品を得るまでに種々の部門において多
量の含塵ガスが発生する。たとえば製鉄所におけ
る粉塵発生源としては、高炉鋳床、転炉製鋼工
場、サイジングプラント、コークス炉ガイド車、
製鋼用アーク炉、フエロアロイ開放型アーク炉、
コールドスカーフアなどが例示できる。各部門に
おいて集塵装置に吸込みまたは押込む含塵ガスの
温度は、サイジングプラントなど一部を除いてか
なり高く、バグフイルタの布表面にダストが多
量に付着した際またはダストを逆圧空気で払落す
際などに、該布にかなりのテンシヨンが作用す
る。したがつて前記のバグフイルタでは、布が
ある程度の耐熱性を有しかつ伸びが少ないことが
必要であるので、該布としてポリエステル繊維
製の織布を用い、集塵装置入口でもガス温度200
℃以上である製鋼用アーク炉(直接吸引方式)、
フエロアロイ開放型アーク炉などでは、バグフイ
ルタの布にはメタフエニレンイソフタルアミド
繊維やガラス繊維の織布を使用している。
(考案が解決しようとする問題点) 製鉄所などの集塵装置において、バグフイルタ
の布に用いるポリエステル繊維、メタフエニレ
ンイソフタルアミド繊維やガラス繊維製の織布
は、布表面にダストの一次付着層を残留させて
もある程度の漏洩粉塵を生じ、バグフイルタの出
口含塵濃度0.001dl/Nm3程度を維持するには、
過速度を約0.8〜1.2m/分に押えなければなら
ない。このために多量の粉塵を短時間で捕集する
には、集塵装置のバグフイルタ過面積を大きく
して過風量を増すことを要し、集塵装置の大型
化に伴なつて設置スペースが拡がり、さらに送風
機も大型になるので必要電力量なども急上昇す
る。一方、バグフイルタの布にフエルトを使用
したとしても、通常の合繊フエルトは耐熱性や強
度が乏しく、しかも長さが10m前後の大型バグフ
イルタでは多大の伸びが生じて長期間の使用には
耐えることができない。
(問題点を解決するための手段) この考案は、従来の織布の布に比べて粉塵の
取効果がすぐれかつ大型フイルタに用いても伸
びが少ない布を提案するものである。したがつ
て、この考案に係る布1は大型バグフイルタ2
(第1図)用であり、第2図に示すように、耐熱
性である有機質繊維のウエブ3と、少なくとも縦
糸の一部に高張力繊維を加えた基布4とからな
る。
この考案で用いるウエブ3を構成する有機質繊
維は、100℃以上の高温環境下において強度を長
時間保持することを要し、アラミド繊維として耐
熱性のすぐれたメタフエニレンイソフタルアミド
繊維が好適である。また環境に応じて、他のアラ
ミド繊維であるパラフエニレンテレフタルアミド
繊維、MXD繊維などに加え、原料繊維を熱処理
して部分的に炭素化した耐炎繊維、ポリオキサジ
アゾール繊維なども使用でき、ガス温度が大気温
であるサイジングプラントなどではポリエステル
繊維も使用可能である。ウエブとして、アラミド
繊維などは単独で展綿してもよく、また比較的ガ
ス温度の低い環境ではポリエステル繊維と混綿
し、一方、従来ガラス繊維の織布を用いていた特
に高い高温環境では、ガラス繊維、炭素繊維のよ
うな無機質繊維と混綿または層状に配置すること
もある。
この考案で用いる基布4には、布1が縦方向
に伸びるのを防ぐために少なくとも縦糸の一部に
高張力繊維を加え、それ以外は前記と同様の耐熱
性の繊維で構成すればよい。この高張力繊維とし
ては、パラフエニレンテレフタルアミド繊維が好
適であり、場合によつては炭素繊維やガラス繊
維、セラミツク繊維なども使用可能である。この
高張力繊維は、基布全体または基布4の縦糸を構
成し、あるいは第3図に例示するように縦糸の一
部だけであつてもよい。基布4の構造は、通常の
平織布であつても、第3図に示すように縦糸と横
糸を層状に配置して交点を融着したものでよい。
基布4は、一般にウエブ3の中央部に配置し、
次にニードルパンチングで細長いシート状に一体
化する。この際に、ウエブ3と基布4を十分に絡
合することが必要であるけれども、基布4の一部
または全部を炭素繊維やガラス繊維で構成するこ
とで十分にニードルパンチングできない場合に
は、耐熱性繊維の糸で布全体をキルテイング状
などに縫合してもよい。布1は、所定の幅と長
さに裁断した後に、両側縁を縫合して筒状に形成
し、かつ第1図に示すように前後端に補強布5お
よび所定の個所にリング当て布6を縫着してバグ
フイルタ2を作製する。
(作用) この考案の布1で円筒形の大型バグフイルタ
2を作製し、該フイルタを第4図に例示するよう
に集塵装置7内に吊下げ、布1に適度なテンシ
ヨンを掛ける。たとえば製鉄所において、高炉鋳
床の建屋、転炉、アーク炉などで発生した含塵ガ
スは、フード(図示しない)によつて吸込み、ダ
クト8を経て送風機9によつてバグフイルタ2へ
押込み、該フイルタの内面で過した後に除塵空
気を大気中へ放散する。布1でほぼ完全に取
された粉塵は、該布の内面に付着するためにク
リーンサイドで点検・フイルタ交換作業ができ、
該布のクリーニングは逆圧空気を利用して行
う。払落された粉塵は、下部ホツパ10より排出
され、フローコンベア11を経てダスト溜(図示
しない)に貯蔵する。バグフイルタ2に吸引する
含塵ガスの温度は、フイルタ入口において約60〜
110℃になる場合もあるが、最近は鉄鋼の品質を
高めるため、脱リン処理、脱ケイ素処理を行うの
でガス温度が160〜200℃となる場合が多く、この
考案の布1は当該温度に対する耐性を十分有す
る。高炉鋳床、コークス炉ガイド車、コールドス
カーフアなどの集塵装置では、ダクト中間にプレ
ダスタ(図示しない)を設置して、含塵ガスの冷
却を図るとともに、玉銑、火粉などの燃焼異物の
混入による布の焼損を防止する。第4図の装置
に対して、サイジングプラント、コークス炉ガイ
ド車、コールドスカーフア、高炉鋳床の樋部の集
塵装置では、密閉型のバグフイルタを集塵装置に
使用し、該フイルタの後方に設置した送風機によ
つて吸引過する。また、製鋼用アーク炉(直接
吸引方式)またはフエロアロイ開放型アーク炉の
集塵装置では、ガス温度がフイルタ入口で260℃
近くの高温になるけれども、高温適性を有するこ
の考案の布1を使用すると、バグフイルタ2の
焼損はほとんど生じない。前記バグフイルタ2
は、直径約29cm、長さ10m前後であるためにかな
りの自重を有し、かつ布内面に粉塵が多量に付
着した際や逆圧空気で粉塵を払落す際に相当強い
テンシヨンが掛つても、この考案の布は縦方向
への伸びはあまり発生しないので、該布は十分
に長期間使用可能である。
(実施例) 実施例 1 布1を製造するために、ウエブ3として2デ
ニールで繊維長80mmのメタフエニレンイソフタル
アミド繊維(商品名ノーメツクス、E.I.デユポン
社製)を用いる。また基布4には、第3図に示す
ように、縦糸として1000デニールのパラフエニレ
ンテレフタルアミド繊維(商品名ケブラー29、E.
I.デユポン社製)のマルチフライメント12と、
20番手で双糸撚のメタフエニレンイソフタアミド
繊維(商品名ノーメツクス)の糸13とを交互に
並べ、かつ横糸として20番手である双糸撚のメタ
フエニレンイソフタアミド繊維(商品名ノーメツ
クス)の糸14を用いる。マルチフライメント1
2および糸13,14には、ポリエチレンフライ
メントを巻付けているので、縦糸と横糸を層状に
配置して加圧・加熱すると、交点が融着して網状
の基布4となり、該基布の打込み本数は縦14×横
10本/インチである。基布4は、図示のようにウ
エブ3,3の中心に配置し、ニードルパンチング
でシート状に一体化して重さ400g/m2、厚さ約
1.5mmの布1を得る。このパンチング条件は、
針番手#40、針深さ13mm、針密度250刺/cm2であ
り、両面よりパンチを行う。布1は、幅932mm、
長さ10mに裁断し、さらに両側縁を縫合して直径
292mmの円筒形バグフイルタ2を製造する。
このバグフイルタ2を高炉鋳床の集塵装置内に
吊下げると、建屋において含塵濃度0.5〜1g/
Nm3のガスを押し込む場合、過速度を3〜4
m/分に上げても出口含塵濃度は0.001g/Nm3
以下になる。また樋部において含塵濃度2〜3
g/Nm3のガスを吸引する場合、過速度を前記
と同様に上昇させても所望の出口含塵濃度を維持
できる。したがつて布1は、従来のポリエステ
ルやメタフエニレンイソフタルアミド繊維布の
布に比べて過面積を約30〜40%節約できる。ま
た布1は、最高約200℃の連続使用温度に耐え
ることができ、年間当りの縦方向伸びも約20cmで
ある。
実施例 2 ウエブ3として、3デニールで繊維長76mmのポ
リエステル繊維を用い、実施例1の基布4を中心
に配置し、ニードルパンチングでシート状に一体
化して重さ400dl/m2、厚さ約1.5mmの布1を得
る。このパンチング条件は、針番手#36、針深さ
13mm、針密度220刺/cm2であり、両面よりパンチ
を行い、所定の寸法に裁断・縫合して直径292mm
の円筒形バグフイルタを製造する。
このバグフイルタは、最高約130℃以下の連続
使用温度にすぎないけれども、吸引ガス温度が大
気温と等しいサイジングプラントの集塵装置など
に取付け可能である。
(考案の効果) この考案に係る大型バグフイルタ用布は、従
来のポリエステル繊維、メタフエニレンイソフタ
ルアミド繊維やガラス繊維製の織布のそれに比べ
て過速度を相当に速くしても漏洩粉塵を減少さ
せることができる。したがつてこの布から製造
したバグフイルタを、製鉄所の各部門における集
塵装置などに取付ければ、所望の出口含塵濃度お
よび過風量を維持させながら全体のフイルタ面
積を大幅に減らすことが可能になる。この結果、
バグフイルタの吊下げ本数を少なくして各集塵装
置を小型化でき、これによつて集塵装置の設置面
積を低減するとともに、送風機なども小型になつ
て必要電気量などが減少して省エネルギを達成で
きる。またこの考案の布は、十分な耐熱性と強
度を有することによつて、従来のポリエステル製
織布はもとより、メタフエニレンイソフタルアミ
ド繊維やガラス繊維製の織布を使用した部門にま
で使用可能範囲を拡大できる。この布を大型バ
グフイルタに用いて集塵装置内に吊下げると、自
重に加えて粉塵の内面付着および逆圧空気による
クリーニングで相当に強いテンシヨンが作用して
も、年間当り伸びがわずかであり、長期間設置し
ても伸びによつて使用不可能になることは生じな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案に係る布を用いた大型バグ
フイルタの部分正面図、第2図はこ考案の布を
示す拡大断面図、第3図はこの考案の布に用い
る基布一例を示す拡大部分平面図、第4図はこの
考案によるバグフイルタを集塵装置に取付けた状
態の一例を一部切欠いて示す概略側面図である。 1……布、2……バグフイルタ、3……ウエ
ブ、4……基布、7……集塵装置。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 一般に長さ10m前後に達する大型のバグフイ
    ルタ用の布であつて、耐熱性である有機質繊
    維のウエブと、縦糸と横糸を層状に配置して交
    点を融着した基布とからなり、該基布におい
    て、縦糸にはパラフエニレンテレフタルアミド
    繊維のマルチフイラメント又は該フイラメント
    と他の耐熱性繊維の糸とを適宜に並べ、且つ横
    糸は適宜の耐熱性繊維の糸であり、ニードルパ
    ンチングで細長いシート状に全体を一体化して
    から、両側縁を縫合して筒状に形成する大型バ
    グフイルタ用の布。 2 ウエブとしてメタフエニレンイソフタルアミ
    ド繊維又はポリエステル繊維を用いる登録請求
    の範囲第1項に記載の布。
JP1985031453U 1985-03-04 1985-03-04 Expired JPH038333Y2 (ja)

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JP1985031453U JPH038333Y2 (ja) 1985-03-04 1985-03-04

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