JPH038202Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は煮炊き用に使用される鍋等の無臭調
理器に関するものである。

（従来の技術） 一般に、煮炊き用の調理器具においては、ガス
こんろ又は電熱ヒータ等の加熱器により容器の下
面のみに熱を加える状態で調理するように構成さ
れていた。

ところが、従来の調理器によると容器の下面の
みが集中的に加熱されるので、調理物が各部一様
に調理されないばかりでなく、容器の底面と接触
する部分の調理物が焦げてしまうという不都合が
生じた。又、特に肉類、魚類等の調理の際には脂
肪等の臭気分を含む蒸気が調理室内にそのまま排
出されて独特の臭気が発生するという問題点があ
つた。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は上記した従来の技術に鑑みてなされ
たものであつて、考案が解決しようとする問題点
は調理物全体を上下及び側方から同時に加熱し
て、調理物を焦げることなく短時間で一様に調理
するとともに、加熱に伴つて発生する臭気分を加
熱器の熱を利用して効率よく燃焼除去することに
ある。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） 前述した問題点を解消するためにこの考案は、
上面が開放された本件容器の底面に上方へ向かつ
て突出するように上下両端が開口された加熱筒部
を形成し、本体容器の上面開放部を開閉可能に覆
う蓋体の上面には前記加熱筒部の上端開口と対応
するように排出口を形成するとともに、蓋体の下
面には排出口と前記加熱筒部の上端開口との間に
位置させて燃焼室を構成したことを特徴とする無
臭調理器を構成したものである。

（作用） 前述した解決手段による無臭調理器を用いる
と、調理物が本体容器底面の加熱板の熱、加熱筒
の周壁の熱並びにその加熱筒から導かれた上方か
らの熱により、短時間でむらなく加熱調理される
とともに、調理物から出た臭気分が燃焼室内にお
いて加熱筒から導かれた熱により効率よく燃焼除
去される。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例を第１、
２図に従つて説明する。

第１，２図に示すように、無臭調理器はそれぞ
れ金属製の本体容器１と蓋体２とから成る。

前記本体容器１は上面が開放された有底円筒状
に形成されていて、その底面は所定間隔の空間部
３を介して相対向する内外２枚の加熱板４，５か
ら成つている。外加熱板５はガスこんろ又は電熱
ヒータ等の加熱器により直接加熱されるので、内
加熱板４よりも若干板厚が大きく、かつ複数の小
孔５ａが透設されている。前記両加熱板４，５の
中央部には、本体容器１の内部上方に向かつて突
出するように上下両端が開口された上挟下広状の
加熱筒部６が形成されている。そして、この加熱
筒部６は加熱器の火気を本体容器１内部へ導入す
るための煙突の役割をするようになつている。な
お、本体容器１の上端部両側には下部把手９が取
付けられている。

また、前記蓋体２は本体容器１の上面開放部を
開閉可能に覆うようになつている。蓋体２の上面
には円形台部１９が突出形成されていて、その中
央部上面には前記加熱筒部６の上端開口６ａと対
応するように排出筒７が突設されている。その排
出筒７は上挟下広状に形成され、その上端には排
出口８ａが形成されるとともに、その周壁部には
複数個の排出口８ｂが透設されている。なお、蓋
体２の両側部には上部把手１０が取付けられてい
る。

蓋体２の中央部下面には前記排出筒７の排出口
８ａと前記加熱筒部６の上端開口６ａとの間に位
置するように、調理の際の臭気分を燃焼させるた
めの燃焼室１１が構成されている。その燃焼室１
１は、有底円筒状の収容体１２と、その収容体１
２の内部に所定間隔の空隙部２４を介して収容さ
れた有底筒状の内筒１４と、その内筒１４の上端
開口を覆うキヤツプ１５とからなる。収容体１２
の上端にはフランジ１６が形成されるとともに、
底壁部には前記加熱筒部６の上端開口６ａと対向
して複数個の流入孔１７が透設されている。そし
て、第２図に示すように蓋体２を本体容器１に載
せたときには、収容体１２の下面と加熱筒部６の
上端開口６ａとの間に所定の間隔２１が設けられ
るようになつている。

前記内筒１４の上端にはフランジ２３が形成さ
れるとともに、底壁部には複数個の導入孔１８が
透設されている。そして、第２図に示すように前
記収容体１２のフランジ１６と内筒１４のフラン
ジ２３とが円形台部１９の裏面にそれぞれ溶接固
着されている。また、第１図、第３図において２
２はキヤツプ１５の上面に放射状に設けられた流
出孔で、キヤツプ１５の上面の複数箇所に一辺を
残して略長方形状に打抜き加工して設けられ、こ
の打抜かれた部分は第３図に示すように流出孔２
２の上面に対して所定の角度を持つて折曲げら
れ、各流出孔２２よりの排気流に対して所定の抵
抗を付与し得るようになつている。

次に、この無臭調理器を使用する際には、ま
ず、調理しようとする肉類、魚類等の調理物を本
体容器１内に収容し、蓋体２を被せ、これをガス
こんろ又は電熱ヒータ等の加熱器上に載置する。
すると、その加熱器の火気は本体容器１の加熱筒
部６を含む内加熱板４と外加熱板５との全体を加
熱し、その熱により調理物の底部及び側部が加熱
される。また、加熱筒部６から導入された火気は
燃焼室１１の下面を加熱し、その輻射熱により本
体容器１内の上部側の空気が加熱され、その加熱
空気により調理物の上面全体が加熱される。従つ
て、調理物はその底面、側面及び上面からの熱に
より短時間のうちに各部一様に加熱調理される。
しかも、この場合内加熱板４と外加熱板５との間
に空間部３が設けられているため、調理物の内加
熱板４と接する部分が焦げるというおそれもな
い。

また、加熱筒部６からの熱流は収容体１２の流
入孔１７及び内筒１４の導入孔１８を通過して燃
焼室１１内に導入された後、キヤツプ１５の流出
孔２２を介して排出筒７の排出口８ａ及び８ｂか
ら外部に排出される。一方、調理の際に調理物か
ら発生する臭気分を含む排気流は収容体１２の流
入孔１７から燃焼室１１内に流入した後、キヤツ
プ１５の排出孔２２を通つて排出筒７に流出す
る。

従つて、前記臭気分はまず加熱筒部６と燃焼室
１１との間の間隔２１において燃焼されたのち、
次いで内筒１４内において燃焼される。この場
合、燃焼室１１が収容体１２と内筒１４とにより
２重に構成され、かつ、双方収容体１２、装置筒
１４間に空隙部２４が設けられているため、燃焼
室１１全体の蓄熱量が大きくなつて、臭気分を効
率よく燃焼させることができる。しかも、燃焼室
１１の上面がキヤツプ１５により覆われ、かつそ
のキヤツプ１５の各流出孔２２に対応して阻止板
２０が形成されているので、燃焼室１１内におけ
る調理物からの排気流の流れが妨げられることに
より、燃焼室１１内における調理物からの排気流
の滞留時間が少くなり、前記臭気分を時間をかけ
て効率よく充分に燃焼除去することができる。

なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
ではなく、考案の主旨を逸脱しない範囲で各部の
構成や形状を任意に変更してもさしつかえはな
い。

考案の効果 以上詳述したようにこの考案においては、調理
物全体を上下及び側方から同時に加熱して、調理
物を焦げることなく短時間で一様に調理すること
ができるとともに、加熱に伴つて発生する臭気分
を加熱器の熱を利用して燃焼室内において効率よ
く燃焼除去することができるという優れた効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した一実施例を示す
無臭調理器の分解斜視図、第２図は無臭調理器の
縦断面図、第３図はキヤツプの部分拡大断面図で
ある。 図において、１は本体容器、２は蓋体、３は空
間部、４，５は内外加熱板、６は加熱筒部、６ａ
は開口、７は排出筒、８ａ，８ｂは排出口、１１
は燃焼室である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上面が開放された本件容器１の底面に上方へ
   向かつて突出するように上下両端が開口された
   加熱筒部６を形成し、 本体容器１の上面開放部を開閉可能に覆う蓋
   体２の上面には前記加熱筒部６の上端開口６ａ
   と対応するように排出口８ａ，８ｂを形成する
   とともに、 蓋体２の下面には排出口８ａ，８ｂと前記加
   熱筒部６の上端開口６ａとの間に位置させて燃
   焼室１１を構成したことを特徴とする無臭調理
   器。 ２ 前記本体容器１の底面と加熱筒部６とは、所
   定間隔の空間部３を介して相対向する内外２枚
   の加熱材４，５により構成されている実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の無臭調理器。 ３ 前記加熱筒部６は上狭下広状に形成されてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記
   載の無臭調理器。 ４ 前記排出口８ａ，８ｂは上狭下広状の排出筒
   ７の上端と同壁とに透設されている実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の無臭調理器。 ５ 前記燃焼室１１は上面が開放されかつ底面に
   複数個の流入孔１７が形成された収容体１２
   と、その収容体１２の内部に所定の間隙２４を
   介して収納される上面が開放しかつ底面に導入
   孔１８を備えた内筒１４と、その内筒１４の上
   面を覆いかつ前記排出口８ａ，８ｂの下側に位
   置する複数個の流出孔２２を備えたキヤツプ１
   ５とから構成されている実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の無臭調理器。 ６ 前記キヤツプ１５の各流出孔２２に気流の流
   れを妨げるようにした阻止板２０が形成されて
   いる実用新案登録請求の範囲第５項記載の無臭
   調理器。